関西ソニョシデ学園

過去に生きるK-Popのブログ

第267話 牝鹿刑事ユナの事件簿:SMエンタうすらボケ事件 Part.03

※これは関西ソニョシデのパラレルワールドのお話です


翌朝、ウチと船越警部は再びSMエンタテインメントを訪れていた…


しーん…
ユナ「(ひそひそ)考えてみれば、まだ被害者であるスマン氏とまともに話をしてなかったゆうのは笑えますね」
船越「(ひそひそ)まぁ初対面の時は、ホントに被害者かどうかも怪しかったしな。うすらボケの老人にいきなり話を聞いて初動が混乱するよりいいと思ったんだ」
ユナ「今日はまともな話が聞けるんでしょうか?」
船越「そんなこと70年代アナログ世代のオレに訊くなよ。お前が2012年のデジタル捜査でバシッと決める番だろ?」
ユナ「げぇー。根に持ってはる〜」
ちゃ、ギギィー…
ソヒョン「お待たせしました」
スマン「(よたよた)警察が何の用か知らんけど、さっさとすましてぇな。ワシ、めっちゃ忙しいんやから」
ソヒョン「あらためまして、会長のイ・スマンでございます。先生、こちら江南警察の船越警部とイム巡査です」
船越/ユナ「ども(ぺこり)」
スマン「お、可愛いやん。チミ、歌手になる気はない?」
ユナ「ありません。ウチ、めっちゃ音痴やし、声も悪いから」
スマン「歌手になるのに、歌の上手い下手や声質は関係ないで」
ユナ「そ、そうなんですか…(おいおい)」
船越「やはり少女時代の件でお忙しいんですか?」
スマン「はぁ、少女時代? なんやっけ、聞いたような…」
ソヒョン「ウチが所属しとるグループですよ。8人組の」
スマン「8人組? はち、八本脚…タコの雄の左から3本目の足は実はオチンチン…(チーン)思い出した! 少女時代ゆうたらウチの看板アイドルやないか」
ユナ「(こけっ)なんちゅう思い出し方や」
スマン「そうそう、ワシは少女時代がなぜ売れへんのか、やっと判ったんや。それでバタバタしとった」
ソヒョン「え、ホンマでっか?」
スマン「うむ。8人組やからマイクの数が足りんゆうて、いつも営業を断られてたんやで。そんで夏までに3〜4人のユニットを結成して、売り出そう思うてな。
  3〜4人ならマイクがないゆわれることもないやろう」
ソヒョン「以前ジェティヒョンを結成して大コケしたこと、お忘れですか?」
スマン「そうやったか? …ああ、思い出した。あれは”ルームメイト”に貸し出しただけやから。どうせなら”ルームシェア”て名前にすれば良かったな」
ユナ「(ひそひそ)意外に覚えてますね」
船越「(ひそひそ)例の薬物の特徴は記憶の選択的消去だって言ってたからな。全部忘れてる訳じゃないだろうよ」
スマン「今度は歌の上手いテヨン、ティパニ、ソヒョンで”三輪車”ってユニットにしよう思うてる」
ソヒョン「”三輪車”ゆうたら、大貫妙子シュガー・ベイブに入る前に参加しとったフォークブループですよ」
スマン「そうなん? ワシは風俗のマットプレイから名付けたんやけど」
ソヒョン「やめなはれ。そんな名前、ねえさんたち嫌がるに決まってますわ」
スマン「残りの5人はまとめて”5つの赤いゴム製品”ゆう名前でどうやろう?」
ユナ「最低のネーミングセンスやな(呆)」
スマン「CDジャケットが、ゴム製品の箱持ってニッコリ笑う、みたいな」
ソヒョン「夏目三久か!(ゴン)」
スマン「キャイン、キャイン!」
船越「ふ−む、確かにボケ倒した老人だな」
ユナ「やっと彼女らがゆうてた意味が判りましたね」
船越「だが、いつまでもこれに付き合ってる訳にもいかないな。
  …失礼ですが、そろそろ質問に答えていただいても?」
スマン「おお、これはスマンスマン。どーじょ」
船越「先週の金曜日の夜、会長は少女時代の人たちを先にカラオケボックスに行かせた後、どうされたか覚えていますか?」
スマン「む…むむ…むむむむ」
ユナ「焦らないで。ゆっくり思い出してください」
スマン「えーと…まずは、少女時代て何?」
ユナ「わー(ごろんごろん)、そっからかい!」
船越「それじゃあ(ぴら)この女性をご存じですか?」
スマン「それはJOOの写真やないか、JYPの」
船越「(ほっ)JOOは覚えてらっしゃる」
スマン「この世の中でJOOを知らん奴はおらんやろ」
ソヒョン「JOOのことを忘れても、ウチらのことは覚えておいて欲しいもんやけどな」
船越「実は彼女の帰国を知って会長は急に予定を変えられたんじゃないかと、ジェシカさんたちはおっしゃってるんですが」
スマン「ジェシカ?」
ユナ「そのことは深く考えないでええから、JOOのことに集中してください」
スマン「集中ゆわれても、ワシ、JOOとはなんの面識もないし。彼女がハリウッドから帰って来たところで『へー』てなもんで」
船越「一度もお会いしたことがないんですか?」
スマン「ない(きっぱり)。ワシのような貧乏経営者が近づいたところで、ガードマンに追い払われるのが関の山や」
船越「では、金曜日の夜、予定を変えられたのは何故です?」
スマン「予定…予定…あー、人に会うていたような…」
ユナ「(がばっ)だ、誰です?」
スマン「誰やったかなぁ…なんや、そいつに会うたらええことあるて思うとった気はするけどな」
船越「いいこと?」
スマン「うーむむ…あかん、頭ズキズキするわぁ」
ユナ「頑張って思い出してください。その人が会長をこんな目にあわせたのかもしれませんよ」
船越「せめて男か女くらいは思い出せませんか?」
スマン「…痛い、痛い。そのこと考えると、頭めっちゃ痛くなる(ひー)」
ソヒョン「なるほど。
  プロプラノロールでの記憶消去は、まず本人に消させたい事柄を強く思い浮かばせ、その状態で薬を投与します。
  つまり先生がこれほど苦しんでいるのは、まさにその部分を選択的に消去されたからでしょう」
船越「金曜日の晩、誰と会ったか、どんな話をしたか、そう言う部分が消されていると?」
ソヒョン「そうです。そやけど、雑なやり方やなぁ。ウチならもっとキレイに消せるのに(うふふ)」
船越「犯人は素人ゆうことですか?」
ソヒョン「へえ。少なくとも薬物や心理学に精通した人間の仕業ではありまへん。
  先生の記憶がいろいろまだらボケしてるのがいい証拠ですわ。記憶を消すときいろんな雑念が思い浮かんだんでしょうね」
ユナ「スマン氏はもともと雑念だらけの人物に思いますが」
ソヒョン「よくお分かりですね」
ユナ「そらわかりますよ」
ソヒョン「特にエロ方面の雑念はすごいですよ。女性を前にしたら妄想ばっかりしてはるし」
ユナ「てことは、犯人は女性?」
スマン「あー、思い出した!」
全員「ええっ!?」
スマン「ハラや。あの晩ワシはハラに用があって…イタイイタイ…」
船越「ハラ?」
ソヒョン「まさか、彼女が?(びっくり)」
♪じゃかじゃん、じゃかじゃん、じゃーじゃーーーーん!


  CM
  スジ「ねえさん、今度始まるドラマは面白そうでっせ」
  IU「どんなん?」
  スジ「今まで時代劇ゆうと、たいがい歴史上の偉人か義賊みたいな人が主人公でしたけど、今度のは一般人なんです。
    庶民の…えーとイチイの人が清く貧しく生きる農村恋愛ドラマなんです。『桑畑のあの男』ゆうて」
  IU「三船敏郎でも出て来そうやな。それにイチイてなんや? それは市井(しせい)と読むんやで」
  スジ「へー、ウチはてっきりイチイやとばかり」
  IU「嫌味か! イチイなんて、ウチの前で二度と口にするなや。もうウチには一生手の届かん順位なんやから…う(ぐすん)」
  スジ「ああ、ねえさん、すんまへん! ウチ、そんなつもりじゃ(おろおろ)」
  ソヒョン「なんて経験、あなたにはありませんか? そんなときは(♫テレレテッテレー)青猫本舗の”1位ペン”をお使いください」
  IU「段々『●ラえもん』みたいになって来たな(呆)」
  ソヒョン「青猫本舗が22世紀のオーヴァーテクノロジーを使用して開発したこの”1位ペン”。
    このペンでCDにサインしてプレゼントすれば、その人はあなたの大ファンになるでしょう。まさにあなたのことを常に1位と思い込む、心強いファンが誕生するのです。
    実際には日本で7位だろうと、事務所が期待してなかろうと…ふっ(笑)」
  IU「わーい、早速使ってみよう。(サラサラ)はい、スジ、ウチのサイン入りCDあげるわ」
  スジ「わぁ、ありがとうございます! ウチ、今日初めてねえさんのペンになりましたわ!」
  IU「…(じゃあ今まではペンやなかったんかい!?)」
  ♫ぴんぽ〜ん
  ソヒョン「”1位ペン”は人間専用です。恐竜には利きませんのでご注意ください」
  IU「あ、ねえさん、これウチのサイン入りCDです。よかったらどうぞ」
  テヨン「やかましい!」
  バッチーン!
  IU「わーっ!(ゴロゴロゴローーーー!)」


スマン「ハラや(ぶるぶる)…ハラのせいでワシは…ひー、痛いよお! オツムが痛いよお!」
ソヒョン「先生、大丈夫です。ここには先生をいじめる人なんかいませんから。ほら、よーしよーし」
スマン「うえーん、うえーん」

ユナ「まさか、あんなパニックになるなんて」
船越「しかし思い出しかかったと言うのは大きな収穫だ。完全には忘れていなかった訳だからな」
ユナ「ソヒョンさんがゆうとおり、記憶消去のやり方がへたくそだったんですね」
ちゃ、ギギィーー
ソヒョン「失礼しました。先生はもうだいぶ落ち着かれました」
船越「スマン氏を追い詰めるようなことになって申し訳ありませんでした」
ソヒョン「いえ」
ユナ「そ、それで、ハラゆうのは?」
ソヒョン「先生がゆわはったのが彼女のことかどうか…そやけど、ウチが知ってるハラは元KARAのク・ハラだけです」
船越「KARAのク・ハラ?」
ソヒョン「DPSに所属する5人組のアイドルグループでしたが、去年分裂騒ぎの末に解散しまして。
  ハラちゃんは日本に渡って惚れさせ屋とかゆう訳のわからん仕事をしとると聞きましたけど」
船越「そのハラって娘とスマン氏は面識があるんですか?」
ソヒョン「それはもう。しょっちゅうスーパーや百貨店の営業で顔を合わしてましたから」


まだらボケの老人への質問とあって、気が進まないまま来てみたが、いやはやなかなかの収穫があった。
やはり、なにごともやってみなければわからない。
ウチと先輩はDSPエンタテインメントに行って聞き込みをし、元KARAのメンバーを訪ね歩き、ついにク・ハラが近頃帰国してたゆう情報を掴んだ。
今でも韓国におって欲しい、そう思いながら、ハラが根城にしとるとゆう居酒屋に駆けつけたのやった。


キキー、バタム!
ユナ「光州料理『518』…ここです!」
船越「ひゃー、こりゃまた過激な名前だな」
こんこん、がちゃ
船越「こんちは、誰かいますか?」
声「開店は夕方からやで。それとも押し売りならお断り」
船越「ク・ハラさんて方を探してるんですけどね」
声「んー? (とてとて)ハラはウチですけど」
ユナ「(かく)ずいぶんあっさり見つかったなぁ」
ハラ「別に隠れて暮らしてる訳やないからね。聞かれたら正直に名乗りまっせ」
船越「ほお、見かけによらず男らしい。私、江南署の船越と申します。こっちは助手のイム巡査」
ユナ「助手?(ぴくん)」
ハラ「警察? はて、一体どんなご用で?」
船越「まぁ大した用じゃないんですけどね、SMエンタのイ・スマン会長はご存じで?」
ハラ「スマンのおっちゃん? まぁ以前はちょくちょく会うてましたね、営業先で。
  おっちゃん、どないしたんです? とうとう少女時代の奴らにも見限られ、のたれ死にかなんかしたんでっか?(笑)」
船越「いえいえ、お元気ですよ。最近スマン氏にお会いになったのは?」
ハラ「そうねえ。KARAが解散してからは一度も。そやから、かれこれ半年は会うてないかな」
ユナ「マジで? 先週会うたりとかしてまへん?」
ハラ「会う訳あらへんがな。会う理由がないし」
ユナ「スマンさんの方から”会いたい”なんて連絡があったりとか」
ハラ「ありまへんよ。なんでウチとおっちゃんが会わにゃあかんねん。事務所違うし、そもそもウチはもう芸能人ですらないのに」
ユナ「ちぇー」
ハラ「ちぇーてなんや? ウチが先週おっちゃんと会うとれば、警察的には嬉しいんかい!」
船越「そ、そう言えば、ハラさんは日本でなんのお仕事を? 惚れさせ屋とかって聞きましたが」
ハラ「ああ、惚れさせ屋ね。簡単に言えば世のため人のための結婚詐欺みたいなもんですわ」
ユナ「世のため人のための結婚詐欺? 矛盾しすぎて訳判らん」
ハラ「日本みたいな複雑な国やと、いろんな仕事があるんです。でもそれももうやめて、今ではイナゴ屋をやってます」
ユナ「イナゴ屋?」
ハラ「日本のイナゴは韓国のものみたいに大きくも硬くもなくて美味しいんですよ。この国のイナゴをイシエビとするなら、日本産のは甘エビみたいな感じで」
ユナ「エビて…(虫をエビに例えるのは光州人だけやろうな)」
ハラ「で、日本でイナゴを大量に捕獲して、ここみたいなお店に卸してるんです」
ユナ「ゲテモノ料理店ってこと?」
ハラ「光州料理店や! ここはウチの同級生がやってる店ですねん。
  ホンマもんの光州料理を食わせる、ソウルでは貴重な居酒屋でっせ。そだ、イナゴちゃんの煮た奴、味見してみる?(ごそごそ)」
船越「い、いや結構です」
ユナ「勤務中ですから」
ハラ「そお? 美味いのになぁ(ばりぼりばり)」
船越「(げー)それで最近は日本と韓国を行ったり来たり?」
ハラ「そうですねん。来週また日本に戻ります」
船越「惚れさせ屋をやめたのは何故なんです?」
ハラ「最初は上手いこと行ってたんやけど、どんどんライバルが増えて来ちゃってねえ。近頃では韓国人とみれば結婚詐欺と思われる始末で。
  それにもともと犯罪スレスレのことやってた訳やから、いつかはやめよう思ってたんです」
ユナ「へえ。最近の日本はそんなに韓国人多いんでっか?」
ハラ「多い、多い。JOOのおかげで”韓国の女は世界一美しい”なんて評判になったし、ちょっと金儲けを企む奴はみんな日本に入って来ちゃうんですよ。
  そおゆうたらそのJOO本人も…先週たまたま羽田で一緒になったんやけど、まさかJOOも日本で荒稼ぎしよう思てた訳やないやろな(ぷぷぷ)」
船越「JOOと空港で会った?」
ハラ「もちろん乗る便は違いますし、向こうは大勢の人に囲まれてすぐVIPラウンジに入って行っから、会うたゆうより見かけただけですけど」
ユナ「JOOはハリウッドから帰って来たとばかり思うてました」
ハラ「なんでも美国から成田に入って、東京でビジネスの打ち合わせして、その午後のうちに羽田から帰国したらしいですわ。
  超ハードスケジュールやのに、空港ではペンにニコニコ手を振ってなぁ…さすがです。
  ウチら三流アイドルにはあの真似は出来まへん。解散して正解でしたわ(笑)」
ユナ「へー」


ユナ「結局、なんの収穫もありませんでしたね」
船越「うーむ、確かにハラがスマン氏と会ってた様子はないなぁ」
ユナ「じゃあスマン氏がゆうてた”ハラ”ってなんなんですかね? 別人てこと?」
船越「まだらボケだし、全然違う記憶が混ざったのかも」
ユナ「(へなへな)それを考え出したら、今までの捜査が全部無駄になっちゃうがな」
船越「でもさ、ク・ハラの話でもJOOが絡んで来たし、あながち方向違いとも思えないんだよな」
ユナ「JOO…、やっぱりキーワードはJOOかぁ。いっそ彼女に会ってみます?」
船越「アホか。確固たる理由なしに会える訳ないだろ。大統領に会うのより難しいんだから」
ユナ「でもでも、絶対JOOがなんか関係してるんですよぉ。
  そもそもスマンのおっちゃんは何を見て興奮し、カラオケボックスに行くのをすっぽかしたのか?
  誰と会い、記憶を消されることになったのか?」
船越「スマンはどうやってJOOの帰国を知ったんだ?
  新聞か、ラジオか、テレビか、ネットか?」
ユナ「(めくり)ジェシカさんの証言やと”テレビでニュースを見て”でしたね」
船越「くー、残念。新聞だったらスマン氏が何を見たか判るんだが。テレビじゃ証拠が残らないからなぁ」
ユナ「…はぁ?(呆)」
船越「だってニュースって生でしょ? 放送された瞬間に消えていくじゃん」
ユナ「…(へなへな)」
船越「おい、どうした? しっかりしろ! このくらいの障害でめげるんじゃねえ、ひよっ子め!」


なんと言うことや、経験豊かな頼れる先輩と思い込んでいた船越警部が情報音痴やったなんて。
さすが、足で稼ぐ70年代アナログ世代や。
今時、先週あたりのテレビ番組やったら、ほとんどネットで手に入る。
放送局や代理店と契約し、地上波・衛星・ケーブルを問わず全ての番組を録画している専門業者もあるし、家電のHDDレコーダには全録機能がついている。
人類は熱力学の第2法則に抗い続け、ついに見たい過去を見れるようになったのだ。
問題はどれが求めている過去なのかと言うことだけや。
ウチは署内のビデオオタクを襲撃し、個人的に脅して、そいつのHDDレコーダを徴収した。
2012年のウチのデジタル捜査が始まる。


ユナ「この中の4TバイトのHDDに、たっぷり先週1週間分の全放送が収録されてます」
船越「うそーん」
ユナ「とりあえず全部録ってから観たいものだけ観る、今はそんな時代なんですよ」
船越「韓国の家電メーカー、すげーな」
ユナ「これは東芝製です」
船越「そ、そう(汗)。
  とにかく、その中に入ってるニュースのうちどれかを必ずイ・スマンが見たはずだ」
ユナ「JOOが金浦空港に降りたのが15時頃やから、夕方のニュースには間に合ったはずです」
ピー、ぽち
ユナ「ほんならまずはKBSから行きますか」
アナウンサー『韓国最大のスターで、欧米で活躍している歌手のJOOさんが、帰国しました。
  所属事務所も聞いていなかったと言うほど急な帰国でしたが、金浦空港にはいち早く情報を仕入れたファンが押し寄せ、一時大変な騒ぎに…』
船越「む、今のところもっかい観れる?」
ユナ「あい」
ピー、ぽち
アナウンサー『たと言うほど急な帰国でしたが、金浦空港にはいち早く情』
ユナ「何か気付いたことが?」
船越「いや別に。手を振るJOOを観たかっただけ。…やっぱすげー美人だなって(えへへ)」
ユナ「ちょっと、真面目にやってくださいよ」
船越「悪い悪い、次行ってみよう」
ユナ「次は同じく夕方のニュースでMBCです(ぽち)」
アナウンサー『あのJOOが韓国に帰って来ました。JOOさんはハリウッドで主演映画に出演中でしたが、今日の午後便でお忍び帰国。
  新曲のプロモーションのためソウル市内でゲリラライブを行うという噂も…』
ユナ「…あれ?」
船越「どうした?」
ユナ「んー、とりあえずSBSを観てみましょう(ぽち)」
アナウンサー『世界のJOOさま、金浦に降臨! ファン・ジニ以来の国民アイドルJOOが、今日の午後びっくり帰国だよん。押し寄せた3万人のファン相手に余裕の笑顔…』
船越「どんどん俗っぽくなってくなぁ(呆)」
ユナ「ああっ」
船越「どうした?」
ユナ「やっぱりや、間違いない」
船越「は?」
ユナ「KBS(ぽち)、MBC(ぽち)、SBS(ぽち)…とアングルは違っていますが、かろうじてどれにも同じ人物が映っています。JOOの後ろ…これです!」
船越「ああっ、この女は!(がーん!)」
ユナ「スマン会長はこれを見たんですね」
船越「これはびっくり、以下次回」







※2012年4月になると、少女時代がユニットを結成して活動するという噂が流れ始めた。
 出所は例によってSME自身じゃないかと思う。反対意見を牽制する時にSMがよく使う手だ。
 SMのファンはスーパージュニアの一件以来ユニット活動には敏感に反応していて、2008年のジェシカ・ティファニー・ソヒョンによる通称ジェティヒョンの時も否定的な意見が多かった。
 この時期はいわゆる暗黒時代に当たっており「ユニット活動するくらいなら、正規活動せいや!」という雰囲気もあった。
 このため事務所は「ユニットじゃありませんよ。たまたま少女時代から3人、ルームメイトというプロジェクトグループに参加しただけですよ」と説明しなければならなかった。
 実際テレビの歌番組でも”ジェティヒョン”と呼ばれたことは一度もなく、あくまで”少女時代”とクレジットされていた。
 が、もともと少女時代はユニット活動出来るよう、さまざまな才能の少女を9人も集めて作られていたような気はする。
 予想を超えて売れてしまったので、なかなかユニットまで手が回らなかったというのが本当のところかもしれない。
 で、すでに国内の順位で一喜一憂する必要もないほどに成長し、海外でも評価が高いとなると、落ち着いて次の手が打てる、と言うかどれだけ冒険してもビクともしなくなったと思ったのだろう。
 いよいよユニット活動に乗り出したというわけだ。
 4月19日のニュースでは、手始めにテヨン・ティファニー・ソヒョンの3人で”少女時代テティソ”が結成され、5月2日にミニアルバム『TWINKLE』を発表して活動を開始すると伝えられた。
 3人はこれまでもソロで実績があり、歌の上手いメンバーであるから、バラードで勝負かと思いきや、公表された画像では、そうでもなさそうである。


 
    


 歌、パフォーマンス、ファッションなど、全ての面でこれまでの少女時代のイメージからは大きく変えて来ると予想されている。
 実際それぞれのメンバーは、少女時代的なもの以上に大きなポテンシャルを持っていると思われ、その中でも安定した実力を持つ3人が選ばれたのではないか。
 テティソが成功すれば、第2第3のユニットが登場することは間違いないと思われる。
 が、一方で、アフタースクールからの3人ユニットオレンジキャラメルみたいにならないかと懸念する声もある。
 今までの所、少女時代がらみでSMEが外したことはないし、メンバーの顔ぶれを見ても安心出来るものだが、単純に期待するだけとならないのがファン心理の難しいところだ。


※光州人がイナゴを食うというネタはケビンさんからいただいている。
 実際『青春不敗』の中で出されたイナゴをハラだけが食し、「エビみたいで美味しい」と笑顔で語っている。
 作者もイナゴを食べたことはあるが、エビみたいとも美味とも思わなかったので、ハラには免疫があったのだろうと思う。
 番組の中で出されたイナゴは作者が食ったものより倍は大きく、かなりグロい見かけのものであった。