関西ソニョシデ学園

過去に生きるK-Popのブログ

第265話 牝鹿刑事ユナの事件簿:SMエンタうすらボケ事件 Part.01

※これは関西ソニョシデのパラレルワールドのお話です


警官「急げーっ!」
警官「おおーーーっ!」
ドタバタドタ!
ユナ「…? 警備部の連中、一斉に出て行きましたね」
船越「ああ、明洞でJOOのゲリラライブがあるってタレコミがあってな」
ユナ「JOO? 歌手の?」
船越「うむ。韓国が生んだ最大のスター。CDを出せば国内ですらミリオン確実、全世界では軽くテン・ミリオンを売り上げる怪物だな」
ユナ「ほえー、ハリウッドで主演映画の撮影中て聞いてたけど、韓国に帰ってたんか」
船越「そんな大物に明洞みたいな狭いところでライブやられた日には確実に怪我人が出るな。迷惑な話だぜ」
ユナ「そやけど、華やかで楽しそうやないですか(わくわく)」
船越「だったら警備に回るか? こっちはオレひとりでもいいんだぜ」
ユナ「と、とんでもない! 不肖イム・ユナ、喜んで先輩のお供をさせていただくであります(さっ)」
船越「じゃあ馬鹿なこと言ってないで、さっさと乗りな」
ユナ「あい!」
バタムッ!
ファンファンファン…


ウチはソウル警察江南署の刑事イム・ユナ。
相棒の船越警部とともに、とある事件の捜査に向かうところだ。
狎鴎亭にある小さな芸能事務所からの通報で、違法薬物が使用された可能性があるとのこと。
恐らく売れないミュージシャンがやんちゃして大麻にでも手を出したのだろう。
世界の歌姫JOOのライブに比べると甚だしく地味な事件やった。
  
キキーッ、バタン
船越「確かこの番地で間違いないはずだが」
ユナ「古くてきったないマンションやなぁ。ホンマにこの中に芸能事務所があるんですかね」
船越「まぁ『はるか17』の童夢企画みたいな場末の事務所だろう」
ユナ「『はるか17』?」
船越「知らんのか? 数年前、平山あやが主演したドラマだぞ」
ユナ「ぴゃー、あのアジアNo.1女優の? それは不勉強でした」
船越「面白いから絶対観てみろよ。よし、それじゃ行くか」


こんこん…ギ、ギィーーーーーッ
ユナ「ぴゃー、お化け屋敷みたいな音」
船越「こんちは。警察ですけど、ここSMエンターテインメントさんですか?」
ソヒョン「…はーい(ゆら〜)。確かにSMエンタでっけど。ドアに書いてあったでしょ?」
船越「それが汚れがひどくてよく読めませんでね」
ソヒョン「はぁ? …(ぽん)ああ、あれは汚れやありまへん。(ぶつぶつ)チッ、またお祓いしなくちゃ」
ユナ「ん? お祓い?」
ソヒョン「へえ、以前なにをやっても売れなくて自殺した先輩歌手がおるんです。会社を恨んでやるー、ゆうて。
  それ以来、ドアの表札に血のようなシミが…(ふふふ)」
ユナ「ひ、ひえーっ(ぶるぶる)」
船越「そう言う用件なら我々よりエクソシストでも呼んだ方が良いと思いますけどね」
ソヒョン「はいはい、もちろんウチが警察を呼んだんは、それとはまったく別件ですねん」
船越「と言うと、今回の通報はお嬢さんが?」
ソヒョン「へえ。メンボの中で薬物に詳しいのはウチだけやし。…そうそう、ウチは少女時代のソヒョンいいますぅ(ペコリン)」
船越「少女時代…?」
ソヒョン「2007年にデビューした8人組のアイドルグループです。2009年に『Gee』ゆう曲が87位を記録したことありますよ」
ユナ「(ふりふり)申し訳ありませんが、まったく存知まへん」
ソヒョン「そうですかぁ(がっくり)。まぁベスト100入りがたったの1週では仕方ありませんねえ」
船越「私は江南署の船越警部です」
ユナ「同じくイム巡査です」
ソヒョン「フナコシ? 日本人でっか?」
船越「ええ、公務員交換制度で留学中でして」
ソヒョン「面白い!(ふふふ) 見せて貰おうか、日帝モビルスーツの性能とやらを」
船越「日帝でもモビルスーツでもありませんがね」
ユナ「(ひそひそ)先輩、この人大丈夫ですか?」
船越「心配すんな、日本の秋葉原ではごく一般的な人種だ。
  それより通報された件ですが…」
ソヒョン「ああ、そうでした。丁度良い、会長は今奥の部屋におられます。どうぞ」
船越「では、失礼して…」


がちゃ
ソヒョン「先生、警察の方がお見えです」
スマン「む、ワシを先生と呼ぶ貴様は誰や?」
ソヒョン「少女時代のソヒョンですよぉ」
スマン「少女時代…? はて、いつの時代の話やろう?」
ソヒョン「…と、こんな感じで、ウチの会長が急にボケてしもうたんです」
船越「なるほど、所属タレントのことも覚えていないとなると重症ですな。
  急にとおっしゃいましたが、いつ頃からこのように?」
ソヒョン「先週まではまだしっかりしてはったから、4〜5日前からですかね。
  ウチらの数少ない仕事であるロッテ百貨店の屋上で歌うゆう営業を、マネージャーに伝え忘れてたんで発覚したんです」
ユナ「仕事に穴あけたんですか? それは気の毒に」
ソヒョン「ホンマですわ。ロッテ百貨店からは”二度とSMEとは仕事せんわ!”てめっちゃ怒られました。
  ウチらいつかビッグになってロッテ百貨店のCFに出るのが夢やったのに…(ため息)」
船越「その急なボケが薬物のせいやと思われて、通報なさった訳ですね?」
ソヒョン「ええ。今は…とゆうてもずっと何年もですけど、事務所は存亡の危機にあり、呑気にボケてる場合やないんです。
  百貨店の営業すら貴重な仕事やのに、それを忘れるなんて不自然です。誰かが会長に毒を盛ったとしか思えまへん」
ユナ「そやけど、毒で記憶がなくなるなんてこと、あるんでしょうか?」
ソヒョン「(ジロ)ふん、ムール貝に記憶に障害をきたす貝毒があるのは有名な話。
  記憶操作を伴う洗脳や逆洗脳にも、昔から麻薬の類は幅広く使われてきましたし、最近では高血圧の治療に使われるプロプラノロールを使って特定の記憶を消すPTSD対策など、その分野での研究はめちゃ進んでます。
  刑事さんのくせにそんなことも知らないんでっか?」
ユナ「そ、そうなん?(ひえー)」
船越「ちゅうか、ソヒョンさん、芸能人の割りにずいぶん詳しいですな」
ソヒョン「ウチ、毒物の研究が趣味なんですよ(けけけ)」
船越「そ、それは素敵な趣味をお持ちで(苦笑)」
ユナ「(ひそひそ)先輩、趣味ゆうても詳しすぎます。この子が毒盛ったんやないんですか?」
船越「(ひそひそ)そんならわざわざ通報して来ないだろう。老齢のせいで認知症になったと思わせる方がずっと自然だし」
ユナ「それはそうやけど」
船越「とにかくこのボケが毒物のせいかどうか確認せにゃならん」
ユナ「そんな方法あるんでっか?」
船越「オレに訊くなよ。署に戻ったら科捜研のマリコちゃんに相談してみるわ」
♪じゃかじゃん、じゃかじゃん、じゃーじゃーーーーん!


  CM
  IU「あ、スマン先生、こんにちは!」
  スマン「ん、誰?」
  IU「ローエンのアイユです、お忘れですか?」
  スマン「アイユ…はて?」
  IU「(がーん)忘れられてる! やっぱり日本で7位の歌手やと誰にも覚えて貰えへんのかぁ。ううう、胃が、胃が痛えよぉ!」
  ソヒョン「なんて経験、あなたにはありませんか? そんなとき当社のアプリ『チケボ・マスター』があれば大丈夫。
    簡単操作で、すっきりストレス解消。あなたを悩ませるイライラが、今日からきれいさっぱり消えてなくなります」
  スジ「ねえさん、なにやってるんです?」
  IU「『チケボ・マスター』やってるねん。これでウチのイベントに応募してきたペンの当落は思いのまま。
    …む、なんやこの昭和生まれのおっさん、こんな小汚い奴にウチのコンサート来て欲しないわ。…落選と(ポチ)。
    こっちの恐妻家も落選(ポチ)、野球バカも落選(ポチ)…わっはっは、これは愉快、ウチはまるで神や!」
  スジ「ああ、久しぶりにねえさんの顔が明るい。よかったわぁ。『チケボ・マスター』さまさまやね」
  ソヒョン「これだけの性能で、料金はわずか5700ウォン。今すぐダウンロードして、爽快な日常を手に入れましょう」


スマン「む、もうすぐ『ショー!音楽中心』の時間やな。ソヒョン、テレビを付けれや」
ソヒョン「はい(ぽち)」
ユナ「せ、先輩、今”ソヒョン”て言いましたよ」
ソヒョン「時々都合の良いときだけ一瞬記憶が戻るんですよ。それからするとプロプラノロールによる選択的な記憶消去ではない可能性が…」
スマン「わーい、ヒョナたんや。今日もエロいでー、ヒョナたん(もぞもぞ)」
ソヒョン「先生、警察の方が来てるんですから、テレビ観ながらチン●ン出したりしたらあきまへんよ」
スマン「なに、警察やと? いったいなんの用や?」
ユナ「そ、それはですね(あんたのせいやないかい。ホンマうすらボケって面倒やなぁ)」
ばたん!
がやがやがや
ソニ「はぁー、疲れた。今帰ったでぇ」
ヒョヨン「ウチ、今日は2回もチェンジてゆわれたわ。ぶっさいくな貧乏くさい奴ほど望みが高いねん」
エンボ「それでどうしはったん?」
ヒョヨン「ちょっと化粧変えてもっかい行ったらOKやねん。バカにしてるわぁ。今度からちゃんと客の質を選ぶようにクッキーマンにゆうたろ…あら、お客さん?」
ソヒョン「江南署の刑事さんですねん」
ソニ「ああ、おっちゃんのうすらボケの件、通報したんやな」
エンボ「絶対天然ボケやって。ソヒョンねえさん、勘ぐりすぎですわ」
船越「この人たちは?」
ソヒョン「ウチに所属しとるアイドルです。年上のふたりはウチと同じ少女時代、ショートカットの子はf(x)ゆうグループで」
船越「さっぱりわからん(苦笑)」
ユナ「てゆうか今の会話、アイドルゆうよりデリヘルみたいやありまへんでしたか?」
ソニ「(ドキッ)そ、そ、そんなことありまへんよ。いままでロケで大阜島に行って来たんやから」
ヒョヨン「ホンマですよ。『G8の美味しい地獄』ゆう番組で」
エンボ「Yes! 『G8’s Delicious Hell』ね」
ユナ「デリシャス・ヘル? …デリヘル?」
ソニ「デリヘルやありまへんて。いくらウチらが売れないアイドルやからって、身を売って生活してるなんてことありまへん」
ヒョヨン「アイドルは汚れたらあきまへんし」
ユナ「確かにそうですね。みなさんはあくまでアイドルですもんね」
エンボ「イエス、イエス(コクコク)」
船越「ところで、ソヒョンさんは、スマン会長の記憶の薄れが薬物によるものと考えられておるようですが…」
ソニ「まったく、困った子ですわ。薬物趣味が高じて、なんにでも薬物を絡めて考えてしまうんです」
ヒョヨン「おっちゃんは結構前からボケかかってましたし、要するに歳なんですよ」
ソヒョン「それは違うで。4〜5日のある日を境に、急におかしくなって…」
ヒョヨン「それはその日に梅毒が脳に達したからや、ひゃひゃひゃ」
船越「しかし、薬物犯罪の可能性を考えると言うことは、なんらかの動機が思い当たるってことですよね」
ソニ「…(どきっ)」
ユナ「皆さんの中の誰が、どのような動機をお持ちか、ご存じのことがあったら教えてください」
がちゃ
テヨン「(つかつか)動機があるとしたら、それは少女時代の全員です」
ティパニ「8人全員、スマン会長がボケてくれたらと思っていますよ」
船越「あなた方は?」
テヨン「少女時代のテヨンとティパニです」
ティパニ「通称韓国のアミユミ(パフィー)と申します」
ヒョヨン「うそつけや」
ユナ「それで、少女時代全員が持つ動機とは?」
テヨン「それは、おっちゃん…スマン会長が少女時代の再編を考えていたからです。
  おっちゃんはこの7月に新たなメンボを加えて、少女時代を9人編制にするゆう計画を発表したんです」
ティパニ「それと同時に、結成4年半たってモチベーションが薄れたメンボはクビにすると。危機感のない奴は去れ、ゆうたんです」
船越「なるほど。それでクビになりそうな程モチベーションが低下してるメンバーって、実際にいるんですか?」
テヨン「それはいるんじゃないでっか? アイドルとしての仕事はほとんどないし、みんなキャバ嬢やらデリヘル嬢やらやって事務所を支えとるし」
ソニ「わー、わー!(しーっ)」
ティパニ「生活に疲れ、アイドルとしての夢が薄れていっても仕方ないことかも」
ヒョヨン「デ、デリヘルってさっきのDelicious Hell…『G8の美味しい地獄』のことなんですよ(ほほほ)」
船越「(苦笑)別にデリヘルでも構いませんよ、私ら生活安全課じゃありませんから。会長のボケの原因が判ればそれでいいんです」
ソニ「そ、そうですか(ほっ)」
ユナ「つまり、少女時代をクビになる可能性があるメンボが、会長に毒を盛って記憶をなくさせたと。そうすれば再編の話も忘れるやろうからと?」
ソヒョン「へえ、ウチはそう考えて警察に連絡しました」
ヒョヨン「それが余計なことやねん。おっちゃんは天然ボケやって」
テヨン「そやけど、確かにボケるタイミングが良すぎる気はするよなぁ」
少女時代「う〜む」
船越「(ぶつぶつ)ソヒョン、ソニ、ヒョヨン、テヨン、ティパニ…残り3人が気になるな」
ユナ「その3人がまだ秘密を握っていると?」
船越「いや、なに嬢やってるのかなぁって。えへへ」
ユナ「日本に帰れ、この中年!」


どう考えても老人が認知症を煩っただけ。そう思っていたウチの前に、次々と現れる不可解な現実。
毒物研究が趣味のアイドル?
デリヘル嬢に身を落としながらもアイドルに固執する少女たち?
老人が考えていたグループ再編の真意とは?
牝鹿刑事ユナ…次回、衝撃の事実が判明する!







※「面白いから絶対観てみろよ」…作者が『はるか17』に対してそのような意見を持っている訳ではないので、誤解なきように(笑)


※公務員交換制度…知り合いの刑事さんに確認したところ、国内では警察官留学制はあるが、海外に対してはないと言うことだった。
 つまり、これもフィクションである。


※「ロッテ百貨店のCFに出るのが夢やった」…2012年4月1日、ロッテ百貨店は少女時代をイメージキャラクターに起用したと発表した。
 少女時代は翌年3月までの1年間、同百貨店のテレビCMなどの広告に登場するという。
 ロッテでは、これまでは端正なイメージの女優や芸術家、文学界関係者をイメージキャラクターとして起用して来ており、アイドルスターを起用したのは異例ともいえる。
 「明るくはつらつとしたイメージ、トレンドをリードするファッション感覚、さまざまな顧客のニーズを反映するイメージを強化するため」だそうである。。
 また、少女時代は日本人観光客をはじめ来韓する外国人の間で知名度が高い韓流スターなので、「グローバル百貨店」のイメージを構築することができるとも期待している。
 少女時代はこれまでサムソンやLG電子などのCMにも出演しており、国内の代表的企業を制覇しつつある。
 あとは現代のキャラクターになればとも思うが、そこを一足飛びしてトヨタメルセデスなどのキャラクターになる可能性もある。いやはや。


ムール貝…フランス料理の食材として知られる。ムラサキガイとも言う。
 ムラサキイガイは記憶喪失性貝毒や麻痺性貝毒、毒下痢性貝毒など多種の貝毒を蓄積する事が報告されている。
 が、季節になるとバケツ一杯のムール貝を食べるベルギー人が忘れっぽいという話は聞いたことがない。


※プロプラノロール(Propranolol)…実在する薬剤で、アドレナリン作動性効果遮断薬の1つ。
 不整脈、高血圧、心筋梗塞緑内障、偏頭痛の治療に使用される。
 モントリオールマギル大学の研究者たちの報告によると、トラウマ的な出来事を思い出した直後にプロプラノロールを投与すると記憶の辛さが緩和されるという研究報告がなされているが、
 これを実証しようとした人のブログでは、効果が確認出来なかったとのこと。


※科捜研のマリコちゃん…登場しなかったが、上唇にハナクソのようなでかいホクロがある美女という設定(笑)。


※2012年4月6日、コアコンテンツのキム・グァンス代表は「T−araを現在の7人体制から最終的には9人中心のシステムに変更する」と電撃発表した。
 また「必要に応じてメンバーの交替および新しいメンバー招聘を果敢に断行する」
 「T−araが人気グループという考えの中に安住しているならば絶対発展できない。彼女らも頑張っているが、今後さらにたくさん努力して熱心にしなければならないという意味で変化を与える」と述べた。
 要するにデビューして2年以上たち、だらけて来たメンバーも見受けられるので、そんな奴らはクビにしちゃうよん、と言うことらしい。
 昨年はT−araの年と言ってもよいほどの活動で、日本でもまぁまぁ上手くやっているグループのメンバーを突然入れ替えると言うのは常識的ではないが、AKB方式でも見習ったのか?
 少女時代にならって9人体制にするなど言うところからして、キム代表の目には必要以上に隣の芝生が青く見えているらしい。
 可哀想なのは、これまで頑張ってきたメンバーで、やっと1位常連組に這い上がったのに、褒められるどころかクビにすると脅されたのでは、モチベーションが維持出来るのか心配になる。
 確かに事務所にとってタレントは商品だが、あまりに立場が弱すぎるようだ。
 一方神話や東方神起などでごたごたを経験してきたSMEは、一転してタレント厚遇対策をとっており、少女時代やSJ、SHINeeなどに株を譲渡するなど、これまでの商品的な扱いから株主待遇へと昇格させている。
 株主となれば、事務所を辞めるとか分裂するとかも考えにくく、運命共同体として頑張っていくだろうという考えか。
 いずれにしろ、対照的な方針であり、どちらが効果的か興味深く見守りたい。