関西ソニョシデ学園

過去に生きるK-Popのブログ

第791話 そに散歩 〜フィリピン編〜(その3)


02:バコロド(承前)

ナレーション:ネグロスミュージアムを出た3人が微笑みの街をぶらぶらしていると、なにやら大きな建物の前に出ましたよ。

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アイリーン「ここはサン・セバスチャン大聖堂ゆうてバコロドで一番大きな教会になります」
ソニ「おっ、露天の食いモン屋が並んでるで。ちょっとなんか食って行こう」
ウェンディ「わーい! ウチ、ハロハロが食べたい」
アイリーン「こっちの説明聞いてます?」
ソニ「今はアーメンよりソーメン。食いもん優先や」

ナレーション:なんてバチ当たりな発言でしょうか(ぷんすか)。確かに教会の前には屋台が何軒かありますが、番組の主旨を汲み取って、名所紹介を優先してほしいものです。ハロハロなんかミニストップで食えば良いのです。

ウェンディ「そやけど、ハロハロはピリピンの代表的なスイーツで、コレを紹介することも番組の主旨に則っておると思うけど」
ソニ「確かに」
アイリーン「ほな仕方ない。大聖堂の方はウチが適当に説明しますわ」
ウェンディ「おおきに」
アイリーン「ピリピンはアジア最大のキリスト教国で、人口の8割がカトリック、1割がプロテスタントなんやそおです。残り1割が道教とか回教とか無宗教ってことになりますね」
ソニ「オウムとかアレフとかは?」
アイリーン「記録にありまへん。おっても多分潜伏しとるから判らんでしょう」
ソニ「なんじゃそりゃ。受け答えにユーモアの欠片もない」
ウェンディ「おねえに笑いを期待したらあきまへんて」
アイリーン「とにかく、このサン・セバスチャン大聖堂には日曜ごとにたくさんの人がミサに訪れておるのです。中、覗いてみます?」
ソニ「今ハロハロ発注したところやねん」
アイリーン「ハロハロ持って中には入れまへんよ」
ソニ「ほな入らんでええわ」
アイリーン「(がっくり)名所見学よりおやつの方を優先するんですね」
ソニ「それが少女時代じゃ」
ウェンディ「以前テヨンねえさんがスヨン(ジョイ)を脅した時もそんな台詞聞いたよおな」 ※第786話参照
ソニ「どおせ教会なんて何処も一緒やし」
アイリーン「(かくん)考え方が雑。スンワン、自分は?」
ウェンディ「ウチ、プロテスタントやからカトリックの教会はちょっと」
アイリーン「それじゃあ仕方ない(つまらんなぉ)」
ソニ「そもそもスペイン的なモノを見学させたいなら、ピリピンやなくて直接イベリア半島に連れてってくれればええやないか」
ウェンディ「道理ですな」
アイリーン「(呆)この番組にそんな予算があるとは思えまへんけど」
ソニ「それにしても、えらい賑やかな一帯やな。ジプニーやらバスやらがひっきりなしに行き来しとる」
アイリーン「この辺がバコロドの中心部なんですよ」
ソニ「そーなんか。交差点に信号ないから、繁華街だか郊外だかさっぱり判別つかんわ」
アイリーン「交通量で判るでしょーが」
ウェンディ「空港の出口にイッコだけ信号ありましたで」
ソニ「あー。そやけど黄色で点滅しっ放しやからあんま意味がないと思う」
アイリーン「確かに」
ソニ「カナダには信号あるん?」
ウェンディ「ありますがな。田舎あつかいせんといてください」
アイリーン「ケヴィン・サリヴァンの『赤毛のアン』観たけど、プリンス・エドワード島には信号なかったよ」
ウェンディ「(かくん)時代がちゃうでしょ」
ソニ「やっぱあれかな、島やから信号ないのかも。青山島にも竹富島にも独島にも信号ないし」
ウェンディ「そもそも独島には人が住んでまへんやん(呆)」
ソニ「こんな島で育ったら、海外の大都会に行った時面食らうやろうな」
通りすがりのあんちゃん「(ぬっ)そやから、この辺りじゃ、中学出る時信号の見方を学ぶ授業があるんですわ」
ソニ「マジで?」
通りすがりのあんちゃん「アタシも以前日本へ技能実習に行ったんやけど、信号の授業なかったら轢かれて大怪我しとったかも」
ウェンディ「なるほど~」
アイリーン「日本では何を学んではったんでっか?」
通りすがりのあんちゃん「ロボット工学です」
アイリーン「えっ?」
ウェンディ「そんな最先端の勉強を?」
ソニ「ピリピン、恐るべし」
通りすがりのあんちゃん「毎日毎日可愛いロボットの精密部品を箱に収めて、雑誌と合体させて出荷してました」
ソニ「(ずこっ)デアゴスティーニの『週刊ロビ』ぢゃねーか」
ウェンディ「安く使われてたんやね」
通りすがりのあんちゃん「そして、当時観た映画で一番感動したのは『ハンサムスーツ』でした」
アイリーン「懐かしっ」
ウェンディ「あれって感動するモンかな?」
ソニ「まぁピリピン人の感性には合うてる気はする」
通りすがりのあんちゃん「あの主役の方はアタシの理想でおます」
アイリーン「だれ?」
ソニ「北川景子大島美幸か? ピリピン人の感性にマッチしとるのはどっちの面(つら)じゃ?」
通りすがりのあんちゃん「塚地武雅で~す」
ソニ「(げろげろ)自分、ゲイじゃねーか!」

ナレーション:いつまで街角でアホな立ち話をしてるんですか。さっさとハロハロ食べて、バコロドの街を案内して下さい!

アイリーン「怒られちゃったので、次の場所に来ました~」
ウェンディ「ハロハロはちゃんと食べましたで」
ソニ「ここは?」
アイリーン「ザ・ルーインズ(遺跡)です」
ソニ「ザ・ルーインズ? あのB級ホラー映画と何か関係が?」
アイリーン「何の関係もございません。バコロドで最も有名な観光地とゆわれておるとこですわ」

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ウェンディ「どんな場所なんでっか?」
アイリーン「20世紀初頭にドン・マリオノ・ラクソンて大金持ちが建てた屋敷跡なんやって。ピリピンのタージ・マハルともゆわれとるそおやで」
ウェンディ「ほえー」
ソニ「つまり廃墟やな」
アイリーン「そおゆうたら身も蓋もありまへんがな」
ソニ「廃墟のくせに95ペソも入場料ふんだくるとは生意気な」
アイリーン「まぁまぁ。立派な庭園もありますよって。それに夜はライトアップされてきれいでっせ」
ソニ「夜までこんなところにおる気はサラサラない。廃墟なんぞ案内するくらいならショッピングモールへ連れて行かんかい。…あるならば」
アイリーン「ショッピングモールならいくつもありまっせ」
ソニ「マジ?」
アイリーン「板の上に直接食材を並べて売ってる、現地の人しか来ないモールとか…」

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ソニ「おえっ」
ウェンディ「これはショッピングモールとはゆわんでしょう」
ソニ「市場や、市場! こんな暑いところで生鮮品剥き出しで売ってたら全部腐ってまうど」
ウェンディ「買うたって保冷剤とか入れてくれへんのでしょ?」
アイリーン「そんなモンある訳ないやん。そやけどご安心を。近代的な巨大ショッピングモールもあります」
ソニ「最初からそっちを教えれや(怒)」
アイリーン「代表的なのが3つくらいありまっけど、オススメはSMシティちゅうとこですね」
ソニ「SMTownやなくて?」
アイリーン「SMTownやったらスマン先生が放っておかないでしょう」
ソニ「そやな。とにかく名前が気に入った。そこゆこう」
アイリーン「へぇ。ほなご案内しますわ」

ナレーション:てことで、バコロドで1~2を争う巨大ショッピングモール、SM(シューマート)シティ・バコロドへやって来た一同。SMシティはバコロドだけじゃなく、セブ島にもあるんですよ~。バコロドのSMシティはジプニー・ステーションも兼ねています。

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ソニ「おお、これはでかい。ユニクロある」
アイリーン「ここにはスーパーマーケットにデパート、フードコートなどがあり、何でも揃います」
ウェンディ「マニラではなんの買い物も出来んかったから、ここでお土産ゲットしたいところですね」
ソニ「それもええけど、フードコートあるんやったら現地メシ食おうで。マニラにはコンサートで来たことあるけど、ピリピン料理食った記憶ないよって」
ウェンディ「そおゆうたらウチらもそおや。コンサート終わりには中華料理食ってたよおな」
アイリーン「ピリピンの料理は基本的にスペインか中国の影響を受けたものが大半です。タイやベトナムみたいなスパイシーな料理を想像するとだいぶ肩すかしを食いますわ。そして島によってもそれぞれ特徴があります」
ソニ「ネグロスは?」
アイリーン「なんちゅうてもチキンですわ。ピリピンで一番高級なのは豚肉とゆわれますけど、ネグロス島はチキンが美味しいそおです」
ソニ「なんでやろ? チキンな奴が多いからかな?」
ウェンディ「その内刺されますよ(呆)」
ソニ「そのチキン料理って、どんなん?」
アイリーン「醤油味で煮込んだものとか、醤油味っぽいスープとか」
ソニ「しょぼっ」
アイリーン「そおゆう料理をおかずに細長い米を食べるのが主流です」
ソニ「二品? ご飯とおかずで二皿?(驚愕)」
ウェンディ「いくつも皿が並ぶ韓国式とはだいぶちゃいまんなぁ」
ソニ「なんでそんな質素な醤油味なん? 日本兵の軍隊メシの記憶でも反映しとるんか? スペイン料理の影響なんか全然感じへんど」
アイリーン「それがイヤならバロットってもんがありますけど。これは伝統的な東南アジアの料理です」
ソニ「なにそれ?」
アイリーン「孵化する直前のアヒルの卵をゆでた奴ですね」

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※衝撃的な画像のためぼかしを入れております

ウェンディ「げろげろーーー」
ソニ「食えるかっ、こんなもん!」
ウェンディ「この国の人間は頭おかしいわ」
フードコートのおねえさん「あら、失礼ね。これは中国から東南アジアにかけて広く食べられてる美食中の美食ですよ」
ソニ「いやいや、こんな見た目のもんはさすがにあかんて」
フードコートのおねえさん「そうおっしゃるけど、あなた方なんか変態さなかの虫食べてるじゃないですか」
ソニ「変態の虫?」
アイリーン「多分ポンデギ(蚕のさなぎ)のことですわ」

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ソニ「ポンデギの何が悪い。あれは酒のアテに最高なんじゃ。草彅剛も好物ゆうてたぞ」
フードコートのおねえさん「いやー、虫食はさすがに無理(ぷるぷる)」
ソニ「あ、虫食をパボにした。井上咲楽に謝れ」
フードコートのおねえさん「それとおチンチン食べてるし(ぷるぷるぷる)」
ウェンディ「ケブルユムシ)のことかな?」

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フードコートのおねえさん「あとワンちゃんも食べるでしょ? 韓国人、みんな頭おかしいね」
ソニ「(うきーっ)貴様~、テッキョンとテコンドー使うてボコボコにしてやるど」
アイリーン「まぁまぁ。違う国なんやからそれぞれ文化や考え方、習慣が違てるのは当たり前ですって。それを認めてリスペクトしあわないと。他国をオノレの基準で測ったり、何の役にも立たんプライドを振りかざしたって喧嘩になるだけですよ」
ソニ「ポンコツのくせに偉そおなことゆうやないか」
ウェンディ「ペジュねえのゆうとおりですわ。何処とはゆわんけど新大陸や東アジアのアホ政治家見とれば判るでしょ」
ソニ「ゆうとるよおなもんやん」
ウェンディ「とにかく、せっかく来たんやからチキンでも食べて機嫌直しましょ。ねえさん、オススメはなんでっか?」
フードコートのおねえさん「そーですねぇ。やっぱり炭火焼きかしら」
ウェンディ「ほなそれを人数分下さい」
フードコートのおねえさん「かしこまり~」
ソニ「自分が頼んだんやから、自分が払えよ」
ウェンディ「なんでですのん?」
ソニ「ウチはチキン欲しいなんてひと言もゆうてへんもーん」
ウェンディ「子どもかっ(呆)」

ナレーション:ネグロス博物館に続き、再びたかられてしまったウェンディさん。人が良いのもほどほどに。待つことしばし、3人のテーブルに美味しそうなチキンが運ばれてきましたよ。

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アイリーン「なんともシンプルな…」
ウェンディ「そやけどええ匂いしまっせ。早速食べてみましょうよ」
ソニ「(もんぎゅもんぎゅ)もお食っとる」
ウェンディ「(かくん)他人の金やのに、誰よりも先に食う…」
ソニ「う~ん、見た目は飾り気ないけど、味は美味し!」
フードコートのおねえさん「おおきに」
ソニ「チキン食うたら、なんやビール飲みたなったな。ピリピンのビールてどんなんやろ?」
フードコートのおねえさん「オススメはサンミゲル・ライトですよ。その名の通り軽い口当たりで、女性に大人気」
ソニ「おいくら万円?」
フードコートのおねえさん「30ペソ」
ソニ「安っ!(驚愕)」
アイリーン「ロケ中にお酒飲んで大丈夫ですのん?」
ソニ「かまうこたないって。この暑さやもん、すぐ汗と一緒に排出されるに決まっとる」
ウェンディ「それもそおですね。ほんならそれを3ぼ…」
ソニ「(にやり)」
ウェンディ「し、しまった」
アイリーン「学ばない子やねぇ(呆)」
フードコートのおねえさん「サンミゲル・ライト、3本。確かに承りました~」
ソニ「(がっはっは)チキンが美味くてビールも美味い。ピリピンはええ国や。尊敬できる文化を持ったええ国や~」
ウェンディ「現金やなぁ(とほほ)」






ネグロス島に行った時案内してくれたフィリピン人の青年は、2年ほど四国の方で技能研修を受けていたそうなのだが、その時DVDで観た『ハンサムスーツ』がえらくお気に入りのようで「まじで面白いから」と何度も薦めてきた。帰国してからTSUTAYAで借りて観ましたよ。まぁまぁ面白かった(笑)