関西ソニョシデ学園

過去に生きるK-Popのブログ

第795話 そに散歩 〜フィリピン編〜(その7)


03:Mountain,Sea and Toads(承前)

♪○%×$☆♭#▲~
ソニ「ん?」
ウェンディ「なんだか、歌が聞こえますね」
アイリーン「ホンマやね」
女教師「ああ、あれはカラオケです。あっこの小屋がカラオケハウスになってるんですわ」
ソニ「こんな海っぺたにカラオケハウスやて?」
女教師「ここなら大声出しても周りに迷惑かかりまへんからね」
アイリーン「なるほど」
ソニ「さっきの子どもの家で歌うたかて、何処にも迷惑かからんと思うぞ」
ウェンディ「まぁまぁ。せっかくやからちょっと覗いてみましょうよ(わくわく)」
アイリーン「スンワン、カラオケ好きやもんね」
ソニ「なんで仕事であんだけ歌うといて、プライベートでも歌いたがるかなぁ」

ナレーション:ブツブツ言うソニさんを無視して、一行はカラオケ・ハウスの前へ。ここもご多分に漏れずニパ・ハット様式の小屋になっています。

ソニ「スカスカやんけ。防音ちゅう概念がないらしい」
アイリーン「そやから海辺に作ったんでしょう」
ウェンディ「窓ガラスもはまってまへんな。中が丸見えや」
ソニ「こんな平日に誰が歌うてるのかと思たら、まだ若いあんちゃんやないか」
女教師「やはり若者の利用率が高いんですよ。年寄りはカラオケ関係なく作業しながら歌いますからね」
アイリーン「すごっ、あれは8トラ・カートリッジ式ですやん(驚)」
ソニ「マジで? そんな古墳時代の機材使うてるの?」
ウェンディ「考えたら家のビデオがCDですさかい、映像付きの通信カラオケがある訳おまへんもんね」
女教師「そやけど、あなた方が寄付してくれれば最新式のカラオケ機材も買えます」
ソニ「なんで平日の昼からええ若いもんが遊ぶのに協力せにゃあかんねん。暮らしをよくしたいならバリバリ働け!」
女教師「仕事、あんまないんですよ。どおか仰山寄付して、仕事を創出してくらはい」
ソニ「他力本願もええ加減にせぇ(むかむか)」
ウェンディ「それにしてもこれほど音が筒抜けのカラオケハウスは珍しい。せっかくやからウチらも入って歌いましょうよ」
ソニ「隣の部屋と音がゴッチャゴチャになるで」
ウェンディ「大丈夫。コンサートで鍛えたウチの爆声であんな兄ちゃんの歌声なんか圧倒してやるです」
アイリーン「そやけど、なに歌うの? ウチらが知ってるよおな歌、8トラにはなってへんと思うよ」
女教師「少女時代みたいな太古のアイドルなら8トラになってるかも知れまへん」
ソニ「(怒)ここの浜で青沼静馬の最期再現してやってもええんやで、おばはん!」
ウェンディ「大丈夫、ピリピンの歌もちゃんと知ってるから」
アイリーン「ホンマに?」
ウェンディ「フレディ・アギラの『アナック(息子)』や」
ソニ「(どっすん)ちょー懐かし」

ウェンディ「♪お前が生まれた時、父さん母さんたちはどんなによろこんだ事だろう~
ソニ「歌詞がなかにし礼ヴァージョン!」 ←霜降り明星粗品
女教師「(パチパチパチ)さすがプロですねぇ。お上手」
ウェンディ「どもどもども」
女教師「ほなウチも一曲歌わせて貰いますぅ」
ソニ「なんでピリピンまで来てシロウトの歌聴かなあかんねん」 
女教師「そやけどもお5曲分100ペソ払うてしもうたし、歌わないと勿体ないですやん」
ソニ「5曲1セットかい。大昔のスナックみたいな料金設定やな」
女教師「それじゃ、このカセットを入れてっと…(がちゃんこ)」
♪ぽんぽこぽこぽこ
ソニ「ゆるい曲やなぁ」
女教師「すごく流行った『Ikaw Pa Rin』て曲なんですよ」

ウェンディ「どっかで聴いたよおな」
アイリーン「これはあれやね、徳永英明の『最後の言い訳』やん」
ウェンディ「あー(ポン)、あれのタガログ語版かぁ」
ソニ「ちゅうか、なんでそんな歌が8トラになってるんや(呆)」
女教師「♪Nais ko'y makapiling kang muli.Nais ko'y mayakap kahit sa…
アイリーン「め、めちゃめちゃ上手いっ(驚愕)」
女教師「学生の頃YGエンタにスカウトされたことあります」
ソニ「マジかっ?」
女教師「教師になるのが夢やったので断りましたが」
ウェンディ「勿体ない」
ソニ「いやいや、今のYGを考えると断って大正解や。犯罪集団やからな」
アイリーン「そおゆうデリケートな事柄はもちっとオブラートに包んで話しなはれ(呆)」

ナレーション:などと気持ちよく歌っている内に、日も傾いて来たので、一行はバゴの町に戻ることにしました。

ごとごとごと…
PD「今夜はこの島に泊まって、明日の朝マニラ経由で帰国する予定でーす」
アイリーン「二泊三日ゆうても、実質ロケ日が一日ってことですね」
ソニ「大して時差もないのにヨーロッパみたいなスケジュール組みやがって」
PD「飛行機の都合で仕方ないんですわ」
女教師「そやけど、バゴにはホテルありまへんよ。バコロドまで送りまっか?」
PD「それには及びまへん。バゴ郊外のNGOの宿泊施設を格安で貸して貰えることになってます」
ソニ「ホテルに泊めろや(怒)」
PD「空港行くにも、バコロドからより近いんですよ」
女教師「その宿舎なら知ってます。最近客人を泊められる建物作ったて、NGOの代表が自慢してましたさかい」
PD「おや、ご存じですか。そんなら話がはやい。そこまで送っていただければ充分ですわ」
女教師「どうせ通り道、お安いご用です」
ぶぅーーー

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ソニ「これはまた結構なド田舎で」
女教師「あの建物がNGOの施設ですわ」
ソニ「して、ウチらの宿は?」
女教師「こっちです」

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ソニ「あ、まとも(驚)」
ウェンディ「けっこうきれい」
女教師「出来たてですよって」
アイリーン「マニラのホテルって訳にはいかんけど、ニパ・ハット様式ばっか見てきたんで、すごく立派に感じられますね」
ソニ「それがPDの思うつぼなんやろうな」
PD「どきっ」
女教師「事務所で聞いたら鍵は開いてますから、勝手にどうぞってことでした」
ソニ「保安ちゅう概念がない(呆)」

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ソニ「中は質素やな」
アイリーン「学生寮みたい」
ウェンディ「そやけどクーラー付いてますよ」
女教師「そのクーラーは今は動きまへんで」
全員「えっ?」
女教師「この辺は電気の供給が不安定なんすよ。NGOの人がゆうには、今は電気止まってるそおです」
ウェンディ「ホンマに? ほな扇風機も飾り?」
女教師「へぇ」
ソニ「(うきーっ)そんな部屋で黒カーテン下ろしてんじゃねぇ! 茹で上がっちまうがな」
アイリーン「困ったなぁ、ここで充電させて貰お思うたのに」
女教師「ほなご自分で電気作らはったらいかが?」
アイリーン「電気を作る?」
女教師「よお停電する関係で、たいがいの施設には非常用の発電機があります」
アイリーン「ああ、灯油でエンジンを回して…」
女教師「いえ、自分で自転車漕いで」
アイリーン「げっ」
ウェンディ「そんな装置あるの?」
ソニ「『ぶっコギ!生発電』かっ」
アイリーン「自分で自転車漕いで、自分に充電する?」
ソニ「これがホンマの自家発電(笑)」
アイリーン「原理的に不可能や。スンワン、自分漕いで」
ウェンディ「えーっ?」
アイリーン「この世に永久機関なんか存在せんもん。やるだけ無駄や」
ウェンディ「とほほ~」
PD「ついでにカメラの充電もお願いしますわ。そこに出してありますさかい」
ウェンディ「そんぐらい自分で漕げや、ボケッ(怒)」

ナレーション:結局みんなで大汗かいて自転車を漕ぎ、何とか充電完了。すっかり疲れた一同は早々に寝てしまったのですが…

ごえーーーーー! ごえーーーーーー!
ソニ「(がばっ)わぁうるさい! なんの音や!」
ウェンディ「大変です! 宿所の周りがものすごい数のウシガエルで埋め尽くされてます!」
ソニ「なんやてぇ?」
アイリーン「周りは田んぼばっかりでしたからねぇ。夜になって陸に上がってきたんでしょう」
ソニ「マジか? …ちょっと見てみよ。(がらら)ぴゃーっ、完全に地面を覆うほど蛙だらけやないか」
アイリーン「かつて秦の始皇帝は300万の兵士を集めて人間コンピュータを作り円周率の計算をしたとゆうが、それに匹敵するウシガエルの数…(汗)」
ごえーーーーー! ごえーーーーーー!
ソニ「これじゃまったく寝ておられんぞ」
ウェンディ「NGOの事務所にでも逃げ込みますか」
ソニ「アホか、これほど異常な蛙口密度じゃ、一歩でも踏み出したら確実に蛙を踏み潰してしまうわ。アイドルが蛙踏み殺しながら歩けるか」
アイリーン「おねえは“元”アイドルやから大丈夫」
ぱかーん!
アイリーン「きゃんきゃん」
ソニ「なめた口きいとると、ドタマかち割って自慢のポジトロン脳、蛙のエサにしたるぞ」
アイリーン「ひーっ、器物損壊やぁ。総務部が黙ってまへんで」
ウェンディ「なんやろうなぁ、この間抜けな会話は…(呆)」

ナレーション:と言う訳で、フィリピン最後の夜は、数万匹のウシガエルによる大合唱で全員まんじりともしないで過ごしたそうです(笑)

ソニ「今回の『そに散歩』はここまで」
ウェンディ「なかなかショボい旅でしたね」
ソニ「うむ。貧乏旅過ぎて画にならんし話にもならん」
アイリーン「一瞬スペインぽかったんですけどねぇ」
ウェンディ「すぐサトウキビ畑とか田んぼの風景になっちゃいましたもんね」
ソニ「この反省は今後に生かさねば。誓いましょう。次回の『そに散歩』は必ずスペインからお届けします!」
アイリーン/ウェンディ「ええーっ!?」
ソニ「自分らは連れて行かんからな」
ウェンディ「別にええですけど」
アイリーン「これはあれですね、志摩スペイン村でやるって言うネタ振りかと」
ソニ「どきっ」
ウェンディ「図星や(笑)」
ソニ「(うきーっ)やかましい! こおなったら自腹切ってでも絶対イベリア半島行ったるからな!」
PD「(喜)自腹なら可能性あるかも。スタッフの分もお願いします」
ソニ「…コロス」






※おまけ…
 
 徳永英明『最後の言い訳』

※おまけ02…
 
 「ぶっコギ!生発電」