関西ソニョシデ学園

過去に生きるK-Popのブログ

第794話 そに散歩 〜フィリピン編〜(その6)


03:Mountain,Sea and Toads

ナレーション:バゴ市の小中学校の女教師(本名ジェシカ・フローレス)がさらに西ネグロスを案内してくれるというので、一行は再び男子教員の運転する車に乗り込み山岳地帯を目指します。

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女教師「目の前に見えているのが島の中央に位置するカンラオン山です」
ソニ「おおっ、でかい!」
女教師「標高が2465mありまっさかい。国内では4番目に高い山です。山の周りは国立自然公園になってて、猪やら鹿やら猿やらよーさん棲んでます」
アイリーン「火山は今でも活動してるんでっか?」
女教師「現役バリバリの活火山ですわ。1996年には突然噴火して24人の登山者が巻き込まれました」
ウェンディ「ほえー」
アイリーン「ま、まさか、そこ目指してる訳やおまへんよね(ビクビク)」
女教師「カンラオン山まで今から行くには遠すぎます。脊梁山脈の途中までちょこっと上る程度ですわ」
アイリーン「そ、そおでっか(ほっ)」
ソニ「作りもんのくせにビビりやなぁ(嗤)」
アイリーン「自己防衛プログラムが強固なだけです」
ウェンディ「それにしても、周りは田んぼばっかですね。米も作ってはるんでっか」
女教師「いくらなんでも砂糖ばっか食って生きてる訳やありまへんからね。米の他にトウモロコシやイモも作ってますで。米に関しては世界の生産量8位です」
ウェンディ「へぇ。作ってるのはやっぱインディカ米なんすか?」
女教師「そおです。インディカ米は世界の米の生産量の8割を占めますよって」
アイリーン「韓国や日本みたいな丸いお米が少数派なんやね」
ソニ「ウチ、インディカ米は匂いが苦手やな」
女教師「あれがええ香りなんやおまへんか。フィリピン人はお米が大好きで、食事には必ずつけますしおやつにもします」
ソニ「おやつ?」
アイリーン「そおゆうたらさっき貰うたスマンゆうお菓子も米で出来てましたな」
ソニ「(むかっ)ウチは食うてへんちゅうねん」
女教師「あのマクドナルドが世界で唯一シェア1位になれない国がフィリピンゆわれとりますな。ジュリビーゆう国内のファストフード店が、チキンやハンバーグにマクドナルドやKFCにはないライスをセットしたメニューを開発したことで、国内人気1位の座を保ち続けておるからです」
ウェンディ「あー、こんな奴ですね(ぽち)」

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ソニ「さすが検索王」
女教師「そおですそおです。紙に包んであるのがライス。この茶色いグレイビーソースが大人気で」
ソニ「シンプルな見た目やなぁ」
女教師「フィリピンの食事は基本的にワンプレートなんですわ」
ソニ「うーむ、韓定食と真逆の世界観」
アイリーン「それにしても、こんな高地でも制服を着た子ども達と頻繁にすれ違いますね」
女教師「田畑あるところ人がおり、人おるところ子どもと学校がセットで存在しております。先ほど露天で教えてるゆうた学校はこのずっと上の方ですが」
ウェンディ「あ、あそこにもゾロゾロと歩く学生の一団が」
女教師「この時間帯は中高生も下校する頃ですよってね。みんなで家まで歩いて帰るとこでしょう」
ソニ「いよいよエッチの時間が始まるんやな」
アイリーン「それしか頭にないんでっか?(呆)」
キキーッ
女教師「着きましたで。クルマを降りてあちらをご覧下さい」
ウェンディ「おおー、これは!」

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アイリーン「雄大ですねぇ」
女教師「バゴ郊外と違うてこの辺は棚田ばかり。これもまたフィリピンの典型的な光景とゆえますね」
ソニ「うむ。絵に描いたよおなド田舎である」
ウェンディ「コンサートツアーで都市部ばっかり巡っとったら絶対見られへん景色ですわ。これは貴重かも(カシャカシャ)」
アイリーン「あ、ウチも写真撮ろ(シャコシャコシャコ)」
ソニ「自分、ロボットやったらカメラくらい内蔵したらどおや? なんでスマホ使うねん」
アイリーン「ガンダムかてライフルやらサーベル使うて戦うてますやん」
ソニ「ち、屁理屈ばっかこねやがって」
女教師「さぁ、山を見た後は海にご案内しましょう」
ソニ「やたっ! やっぱりピリピンゆうたらマリンリゾート。一面に拡がる紺碧の大洋! 家畜臭いニパ・ハットとか硫黄臭い火山とかやなく、ハナからそこへ連れて行っていただきたい」
アイリーン「さんざん世話になっておいて、えらい言い様ですな」
ウェンディ「♪あなたは、感謝知らずのおおおんんんななな~
アイリーン「♪ありっがとうとひと言、なぜっ言えないのかなあああ
ソニ「コーラスすんな(怒)」
女教師「とにかくもお夕方です。急ぎましょう」

ナレーション:てことで、一同は一気に山を下り、バゴ郊外のビーチへ。

キキーッ、バスン!
女教師「さぁ、ここがバゴ市民に人気の海水浴場です!」
ソニ「うひゃーっ、すんばらしい! まさに南国、まさにピリピン!」
ウェンディ「そおでっか?」
ソニ「見てみぃ、水が透明すぎて遙か先まで珊瑚礁が透けて見えてるで。ああ、太陽がまぶしい」
アイリーン「アラン・ドロン気取ってみたって、珊瑚礁も白い砂浜もイッコも目に映りまへんが。砂も海も茶色やおまへんか」
ウェンディ「けっこうゴミも浮いてるし」
ソニ「え、やっぱそお見える? ウチの気のせいかと思うたわ」
アイリーン「思い込みでリゾートビーチに見えるとしたら、それはそれで相当な精神力やと感心しますけど」
女教師「島のこっち面はギマラス島との海峡ですから、あんま珊瑚おらんのですわ」
ウェンディ「確かにきれいな海があったらセブ島みたいに開発されてますもんね」
女教師「そお、サトウキビに頼らんでも豊かな島になってたかもしれまへん。そやけど、ここはここで市民が愛する憩いの浜なんですよ」
ウェンディ「そおゆうたらあちこちに休憩場所がありますね」

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ソニ「これが休憩場所? 打ち棄てられた百葉箱かと思うたわ」
アイリーン「毒ばっかり吐いてないで、せっかく来たんやからひと泳ぎしたらどないでっか?」
ソニ「いやじゃ、こんな濁りきった海。30㎝先も見えんやないか。目が真っ赤になるわ」
ウェンディ「文句多いなぁ(呆)」
アイリーン「ウチとワニちゃんはもともと水苦手やから泳ぐ気なかってんけどね」
ソニ「ちくしょー、ピリピンロケと聞いて水着3着も持って来たのに。カッコええラッシュガードも買うたのに」
アイリーン「諦めなはれ(笑)」
女教師「ほなせっかくやから、そこの売店でココナツ買いまひょか」
ウェンディ「ココナツ?」
女教師「へぇ、椰子の実の先っちょナタで切り落として、中のココナツ・ウォーターを飲むんです」
アイリーン「あ、タイで飲んだことあります」
女教師「そおゆう観光地で売ってる奴と違うて、ここのはホンマに地元民用。ワイルドでっせ」

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ソニ「ホンマや」
アイリーン「なんかストローと一緒にスプーン渡されましたけど」
女教師「ココナツ・ウォーター飲んだ後、そのスプーンで中の白いところを削って食べるんです」
アイリーン「へぇ」
ウェンディ「これでイッコおいくらですか?」
女教師「5ペソくらいですかね」
ソニ「安っ」
ウェンディ「そんなに安くて商売として成り立つのかしら?」
ソニ「他人様のことなんか知らん。とにかくいただいてみよう」
ウェンディ「そおですね」
じゅるじゅるじゅる~
ソニ「…う」
ウェンディ「…ん」
アイリーン「…うーん」
女教師「いかがです?」
ソニ「ほのかに甘みがあって、ほのかにココナツ風味がする鼻水って感じやな」
ウェンディ「汚なっ」
アイリーン「冷えてればもう少し美味しく感じられたかも」
女教師「白いところはどおです?」
ソニ「(ほじほじ、ぱく)うーん、これも別に甘くはないな」
ウェンディ「食感を楽しむもんなんですかねぇ」
女教師「ほっほっほ。それでも町の人たちにとってはふるさとの味。ソウルフードなんですわ」
ウェンディ「そおかも。ウチらにとってのホンオフェみたいなもんやない?」
ソニ「(もぐもぐ)著しく違うと思うで」
どすんっ!
ソニ「わぁ、なんか落ちてきた!」
ウェンディ「ココナツや!」
ソニ「あ、危なっ。頭に直撃したら大怪我するやんけ」
アイリーン「なるほど。それで売店が椰子の木の真下にあるんやな」
女教師「そおです。このシステムのせいで仕入れがタダなんですわ(笑)」
ウェンディ「それであんなに安かったのかぁ」
ソニ「感心しとる場合か。椰子の実食うのも命がけのビーチなんか願い下げやっちゅうの」






※バゴシティにはホテルがないので、滞在中は地元のNGOに寝泊まりさせて貰ってた(次回登場します)。食事もNGOの女性たちが作った完全なフィリピン式で、基本はお米とおかずが2~3品。おかずは大皿で配膳されるので、ライスを盛った自分の皿に取り分けていただく。漬物とか副菜って考え方はない様子。スープもおかずのひとつとして考える。脊梁山脈の方に行った時地元の食堂でランチを取ったけど、この時はライスにおかず1品(チキンを煮たスープ)だった。それからすると、毎回おかずが2~3品出てきたNGOの食事は贅沢だったのかも。デザートは必ず付き、決まってバナナなんだけど、毎回その種類が違う。大きさも色も味も違うので飽きない。バナナ王国です。

※ココナツが上から落ちてきた話は実話(笑) たいがい実話(想像力欠如)