第65話 マンネの恋
ソヒョン「こんばんは、お花をどうぞ〜。はい、お花をどうぞ」
ヨンファ「今夜も来ている…。
最近この清渓川で、毎晩のようにピンクの花を配って歩いてとるあの娘は誰なんやろう?
今時マタンゴの着ぐるみなんてセンス良すぎるで」
ソヒョン「お花をどうぞ〜。…ふう。
(カパッ)あかんわぁ、せっかく栽培したダチュラの花やのに、みんな平気で持って歩いとるわ。
毒性のない種を売りつけられたんかなぁ? 実験失敗や」
ヨンファ「あの…」
ソヒョン「はっ」
ヨンファ「それ、チョウセンアサガオやね? 昔麻酔で使うた」
ソヒョン「(やばい! 逃げよ)」
ヨンファ「あっ、待ってや」
カポ
ソヒョン「(わ、真っ暗や。頭、逆さに被ってもうた)」
ヨロヨロ…コケッ
ヨンファ「だ、大丈夫? …あ〜あ、這うて逃げて行った。花みんなまき散らしていったで。
ん〜、これ毒性のない園芸用の種類やな。顔を隠して配ってた以上、毒を撒こう思てたんやろけど、失敗やったな。
それにしても、チラッと見えた顔、あれは少女時代のソヒョン…? あの子もワシと同じ趣味やったんやな。
事務所は違うけど、なんとか力になってあげたいで」
ソヒョン「くっそー、昨夜はインチキ業者のヤツにまんまと騙されたで。
今夜は別の種で育てた花持ってきたからな。研究の成果、今夜こそ出したる!」
ごそごそ(マタンゴ着ぐるみ、装着)
ソヒョン「さぁ、気合い入れて行くで。綺麗なお花いりませんか〜? 良かったらどうぞ〜。
…あっ、人が倒れてる」
人々「気、気分がぁ…(バタバタ)」
ソヒョン「どないしたんや?
いつもの噴水公園が一面の花畑に…。いや、芥子の花がいっぱい置いてある。あれのせいか?」
人々「あか〜ん(バタバタ)」
ソヒョン「す、凄い! ウチずっと、こんな光景が見たかったんや」
ヨンファ「やっぱりそうやったんやな。その瞳に暗い炎が燃えていたからすぐわかったで」
ソヒョン「あなたはあのときの…。そのホッケーマスク、手にした鉈…、ひょっとして、やまもとまさみ…?」
ヨンファ「(コケッ)萎えるわホンマ。ジェイソン・ボーヒーズや」
ソヒョン「ええっ? ま、まさか、本物がいたなんて」
ヨンファ「本物の訳ないやろ。自分、結構天然やな」
ソヒョン「すんまへん。それはコスプレなんですね」
ヨンファ「そや、自分と同じや。そのマタンゴ姿、なかなかイケてるで。
こうして出会うたのも運命やと思う。ワシと一緒に奥深いダークな世界を探求せえへんか?」
ソヒョン「確かにウチと同じ匂いを感じます。運命か…。ウチ、男は嫌いやけど、あんただったら一緒に生きていけると思う」
ヨンファ「(ニコ)好きな犯罪者はヘンリー・リー・ルーカスや」
ソヒョン「ウチは永田洋子です」
ヨンファ「ええ趣味や」
ソヒョン「(ポッ)うふふ」
ひゅ〜〜〜、ど〜ん、どど〜ん
ソヒョン「あ、花火…!」
ヨンファ「見てみ、清渓川を花火に照らされて死んだ魚が流されて行くで」
ソヒョン「ホンマや。きれいやな〜」
ど〜ん、どど〜ん…
※今回のネタ元…
完成品は”AIEA2009”を参照のこと
※マタンゴ…
※ヨンファ…2010年1月デビューした男性4人のアイドルバンドCNBLUE(FNCミュージック所属)のメンバー。
2010年2月から、かつてテヨンも出演していた『私たち結婚しました(ウギョル)』にソヒョンのお婿さん役で出演中。
この話はもともとヨンファが相手ではなかったが、書いたすぐ後にウギョルが決まったため、ヨンファを相手役に修正した。
『私たち結婚しました』 ソヒョン&ヨンファ篇
※手にした鉈…ジェイソンがチェーンソウを振り回すというのはありがちな誤解で、実際には鉈をふるっている。
これこの通り
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こういうのは間違いです。おもしろいけども。