関西ソニョシデ学園

過去に生きるK-Popのブログ

第517話 Indestructible

テヨン「なんやって?」
クッキーマン「イン、ディス、トラ、クー、ティー、ブル」
テヨン「なんや、そら?」
ソヒョン「鉄爪族の名前では?」
クッキーマン「今度発売される『The BEST』に収録される新曲や」
ヒョヨン「ベスト盤なのに新曲て(呆)」
ユナ「ほこたてほこたて(笑)」
クッキーマン「ボーナストラックゆう奴や。リパケみたいなもん思うて、サクッと憶えてサクッと録音せぇや。これ、譜面な(配り)」
ユリ「そんなクソ長いタイトル、サクッと憶えられるか!」
クッキーマン「そこまで長くはないやろう。一単語で長い曲名ゆうたらメリーポピンズの『Supercalifragilisticexpialidocious(スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス)』ゆうのがあるからな」
ソニ「なんじゃ、そりゃー?(ぴゃー)」
ユリ「どおゆう意味?」
テヨン「英語担当?」
ティパニ「直訳すれば”とびきり美しく繊細な感じで償うほど洗練された様子”やね」
スヨン「意味不明や(呆)」
クッキーマン「あと、ひとセンテンスで長い曲名ゆうたらヴィジュアル系バンド”レム”の
 『拝啓、大好きなキミへ。誰かに手紙というものを書くのは初めてです。最初で最後の手紙を書きます。キミは覚えていないだろうけど、初めて会った時のこと。
 涙を見せながら必死に笑顔を作るキミは、どこか寂しくて、奇麗で、僕が生きてきたこの世界のものとは思えないほど繊細でした。
 それは温かい陽射しのような、優しい春風のような、雨上がりに架かる虹のようで。僕の生きる真っ暗な世界に温もりと色をくれた。
 キミに触れた時、僕は初めて生きていることを感じることができた。だけど。いつしか僕らは大人になり、キミとの日々はいつからか日常になった。
 押し殺したはずの真っ黒な渦が世界を飲み込んでいく。苦しくて苦しくて、痛くて辛くて。キミとの思い出が、キミとの日々が色を失っていくのがただ怖かった。
 だから。僕は僕を終わらせる。温もりが冷めないうちに。色を失わないうちに。キミはきっと勝手だと僕を罵るだろう。
 でも誰かのために生きるなんて奇麗事、僕には似合わない。僕が色を失わないうちに、温もりを抱いて逝 きたい。生きたいキミと、逝きたい僕。
 幸せの守り方は一つじゃない。考え方が違うだけ。大好きなキミへ。キミを守れなくてごめん。僕に光をくれてありがとう。先立つ僕を許して。敬具』ちゅうのがある」
ヒョヨン「ながっ!」
ソヒョン「キモい」
テヨン「さっさと死ねばええのに」
ユナ「なんかAVのタイトルっぽいな(笑)」
クッキーマン「それに比べたらひと息でゆえる分、短いタイトルやと思え」
ジェシカ「そうかなぁ」
ソヒョン「ちなみに、今度『誰がでぇ! だでに投票しでも! 同じや同じや思でぇ!んぁっ! はっはっはっはーあん!! この日本ふんふんっは ああああああああぁん!!! あぅっあぅおぅうあ あああああああーーーーぅあん! このひほんぅぅぅぅ……あー! 世の中を… うっ…がえだい! 高齢者問題はぁ…ぐずっ…我が県のみんどぅっはっはっはっはああああ! 我が県のみんぅっはぁー! グズッ我が県のみならずぅう!! にしんみや…日本人の問題やないですかぁ…命がけでっへっへっへえええええーい ぁああん! あだたにはわからないでしょうねぇ!』ちゅう曲が出るらしいで」
ユナ「嘘つけ」
スヨン「そもそも”Indestructible”てどおゆう意味やねん?」
テヨン「英語担当?」
ティパニ「知らんがな」
ジェシカ「ネイティブスピーカーだからって英単語全部知ってると思うなよ」
ソヒョン「あれは違う? 世界大戦争以前の技術を未だに保持してて、世界征服を狙ってる悪い都市のこと」
スヨン「なにそれ?」
ソヒョン「宮崎アニメの原点やがな」
クッキーマン「それはインダストリアね。これは”インディストラクティブル”」
ユリ「スーパーヒーロー一家の歌では?」
ソニ「それは『Mr.インクレディブル』」
クッキーマン「素早いツッコミありがとう」
ユナ「その”インクレディブル”てのはどうゆう意味?」
ジェシカ「”信じられなーい!”って感じかな」
ユナ「ほな”インディスなんとか”もそんな意味なのでは?」
ティパニ「浅はかな。じゃあ”ボソク(宝石)”と”ボソス(キノコ)”の発音が似てるからって、意味まで似てるのかよ? 言い間違いをさんざんからかったのは自分らやないか!」
ユナ「…うっ」
スヨン「とにかく、語感からして工業的な何かなのは間違いなさそうや」
ティパニ「(くりくり)お、エキサイトで辞書引いたら”不滅なもの””壊せないもの”って出たで」
ユリ「スマンのおっちゃんのこと?」
ティパニ「それは”不潔”やろ。”不滅”や”不滅”」
テヨン「巨人軍のこと?」
ティパニ「そおゆうボケはもおいらんから」
ソヒョン「工業的な何かで”不滅なもの””壊せないもの”ゆうたら、ドイツの大河SFシリーズ”ペロー・ローダン”に、物として完成されてるから1万年もデザインが不変な光線銃が出てくるけど?」
全員「…」
ソヒョン「おや? マニアックすぎてお呼びじゃない? こりゃまた失礼しやしたぁー!」
クッキーマン「ええ加減にせぇ! そもそも”工業(Industry)”じゃねえ、”Indestry”や。これは自分らの間にある”誰にも壊せない絆”を歌った曲や」
テヨン「ええ、? マジで?」
クッキーマン「そうや。おそらく今後自分らの代表曲となるやろう名曲や。心して歌えや」
テヨン「それは知らんかった。ちょっと反省しよう」
クッキーマン「ちょっとかよ!」
テヨン「まぁまぁ。それじゃ、皆の衆、その歌の練習をしよう」
ティパニ「その歌て?」
テヨン「ゆうまでもないがな。”インディストランジション”…あれ?」
ジェシカ「やーい、噛んだ噛んだ(笑)」
テヨン「くそーっ! こんな歌、すかん!(びりびり)」
クッキーマン「…こらあかんわ(がっくり)」
ジェシカ「絆なんか、ウチらの間にありゃしねーよ(笑)」






※鉄爪族…アメリカのSF作家ヴァーナー・ヴィンジの小説『遠き神々の炎』およびその続編に登場する異星人で集団知性体。解説する気はなかったが、ケビンさんとの話が弾んじゃったので、最低限のことは書いておきます。
 ヴァーナー・ヴィンジは1944年生まれの数学者、コンピュータ科学者で、元の奥さんが著名なSF作家であるジョーン・D・ヴィンジ。コンピュータサイエンスの分野では最近話題の文明的特異点(シンギュラリティ)の提唱者として有名。
 SFの分野では、当初、奥さんの方が『雪の女王』でヒューゴー賞を受賞するなど目立っていたが、それはヴァーナーに本職があったからのようで、ヴァーナーの小説も以前から評価は高かった。サイバーパンクを先取ったと言われる『マイクロチップの魔術師』などの中編がある。が、彼の名を一気に高めたのが、『遠き神々の炎』を始めとする「思考圏」シリーズとも言うべき長編群である。
 このスペースオペラの中で、ヴィンジはおよそ科学者とも思えない、奇っ怪な宇宙像を生み出した。その宇宙では、銀河系の中心に近づくにつれて、空間の物理特性が段階的に変化するのである。詳しくは記さないが、このため宇宙があたかも海洋のように描かれ、水面下深く潜るほど、思考や物理特性が遅くなるのである。
 鉄爪族の世界は、こうした銀河の底深くにあり、中世的な文化を持っている。火薬はまだ発見されていない。彼らはSF史の中でもきわめてユニークなエイリアンであり、通常4〜8個体がひとつの精神を持つ集団知性である。外見は犬によく似た大きさと姿、長い首、ネズミのような顔をしている。同一精神内では常に思考音と呼ばれる超音波で思考を交わし合っており、このため他の群れにあまり近づくと思考が混乱してしまう。逆に同時に個体があまり離れると、思考を共有できなくなってはぐれてしまう。4つ足なので手を持つ人間ほど器用ではないが、逆に完全にシンクロする数体の前足や口を使って道具を使うことも出来る。多数のロープを同時に操るようなヨットや飛行船の操縦は人間より上手い。戦闘の際には、同じく複数の個体を使って弓矢を放ったりするし、鉄の爪を足にはめて切り裂いたりする。個体の寿命は数十年だが、一体ずつ入れ替えることで、群れは数百年も共通した記憶(精神)を維持できる。群れの名前は個々の名前を単純に連ねたもの(ウィ、クラ、クー、スカーでウィクラクスカー)と、通称として呼ばれるもの(巡礼者、木彫師、鋼鉄卿など)の二通りを併用している。
 クッキーマンの「イン、ディス、トラ、クー、ティー、ブル」に反応してソヒョンが「鉄爪族の名前では?」と言ったのは前者の呼び方を連想したためである。

    
 
 ヴィンジと鉄爪族(と書いてあるけどどう見てもハスキー犬だな)


Supercalifragilisticexpialidocious…映画『メリーポピンズ』でジュリー・アンドリュースがうたう、世界一長い単語のタイトルをもつ曲。
 
 この言葉は曲のために作られた造語で、特に意味はないらしい。最近映画『ウォルト・ディズニーの約束』が日本でも封切られたので、『メリーポピンズ』も再び注目されるかもしれないな。