関西ソニョシデ学園

過去に生きるK-Popのブログ

ミニそにょ243

先日、取引先のプロダクションの社長と番組の音処理について打ち合わせをしていたのだが、その時なんとなく、人が聞こえる音の周波数的上限の話になった。
その社長はもともと工業大学出のハード屋で、オーディオにも詳しい。
若い頃、国産のイオン(プラズマ)型やコンデンサー型のスーパーツィーターを売って結構稼いだという。
「イオン型は高価だったけど、コンデンサー型は5万円位で安かったし、付ければすぐ効果が聴き取れたのでずいぶん売れたんだよ」
スピーカーシステムにスーパーツィーターを付けると、低音まで変わって聞こえる。つまりシステム全体の音が変化する。
てのはよく言われる話で、実際に5万円程度の追加で音が大きく改善されるなら、それは売れただろうと思う。
「スーパーツィーターの音って人の耳のはほとんど聞こえないんだけど、それでも全部の印象が変わるんだから不思議だよな」
そう、人の耳は20Hzから20KHzまで聞こえると言われているけど、実際にそこまで聞こえる人はまれで、しかも年齢と共に聞こえる周波数はどんどん狭くなっていく。
「オレなんか、若い頃は15KHzまで聞こえたのに、最近は10KHzがやっとだよ」と社長は言う。
10KHzはボクらの仕事ではレベルチェックに使うので、馴染みの周波数だ。聞こえなくなると不安になる。


    
    これが聞こえない人は、耳か機材を疑った方がいい。


で、スーパーツィーターというのは、たいていこの辺り(10KHz)から上、超音波の領域までを受け持っている。
最近では100KHzとか200KHzまで出る製品もあると言う。
ほとんど超音波ばっかりな感じだし、そもそもCDにそんな音が入っているのかわかったものではないが、ちゃんと効果は出るらしい。
そもそも自然界には超音波があふれている。
森のざわざわした雑音、小鳥のさえずりなどには100KHz級のノイズが含まれていると言うし、
バイオリンやフルートなども超音波の倍音を含んでいて、音色に大きく影響するらしい。
ボクが昔取材した能管の製作者も似たようなことを言っていて、管の中で息が螺旋状に渦巻くことで人の耳の聞こえない音が発せられ、それがないと生きたいい音にならないのだとか。
だから、能管の中はあえてデコボコが付けられている(流体力学ではボーテックジェネレータ−と言う)のだが、デコボコを作る漆の塗り方が難しくて、一本一本音が違ってしまうそうだ。
とにかく、音楽やオーディオにとっては、人の耳に聞こえない帯域の音が結構重要だってことが、最近何となく判ってきた。
CDはそれが理解される前の規格だから、理論上20KHz以上の音は出ないのだが、それでもスーパーツィーターの効果は判る。
この辺はちょっとオカルト。
その後出たSACDやDVDではもっと高い音までカバーしているから、さらに判りやすくなったようだ。
最近流行のハイレゾ音源ではPCMのサンプリング周波数192KHzでの場合88KHz、DSD5.6MHzでは100KHzまで再生できると言うのが売りだ。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%83%97%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%B0%E5%91%A8%E6%B3%A2%E6%95%B0
耳に聞こえないこれらの超音波は、主に声や楽器の実体感やステレオフォニックな音場の広がりに効くと言われている。
ボクのダメな耳でも、確かに実体感が増し音場が広がったように聞こえるので、もはやオカルトではないようだ。
どころか”ハイレゾは現実、音がいい、これからはハイレゾだ”と多くのメーカーが注目し、SONYなどは相当に入れ込んで商品開発をしている。
もはやハイレゾは常識、機材の進化に伴って、来年には結構ロープライスゾーンにまで定着するのではないか?


そんなSONYが、この秋にハイレゾ向けの製品をいくつか立て続けに発表したのだが、最近ヘッドフォンが欲しいボクが注目しているのはMDR-Z7である。
これは70mmと言う大口径ユニットを使いながら、100KHzまでの高域再生を保証している。
しかもケーブルが脱着可能で、最初からバランス接続用のケーブルが付属する。
http://ascii.jp/elem/000/000/937/937685/
価格的には最上位機種といいながら実売5万台に収まっており、バカ高い海外製の高級品に比べればなんとか手が届く(かもしれない)範囲。
ちょっと欲しい。いや、だいぶ欲しい。
それまで気になっていたのはオーディオテクニカのATH-A2000Xか、そのオープンエア型ATH-AD2000Xだったのだが、こちらはケーブルが脱着式でなくて断線したら怖い。
しかも、ネットには断線の報告がそこそこある。
こちらは本来は8万台で、SONYよりひとクラス上にもかかわらず、実売は3万円台と相当こなれているので魅力的なのだが…バランス接続も不可能なので、結構悩む。
MDR-Z7のオープンエア型(音場に有利)が発売されれば、もうそれで決まりなんだけどね(笑)


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JOO「…はぁ?(怒)」