関西ソニョシデ学園

過去に生きるK-Popのブログ

ミニそにょ84

わし「さぁ今夜も張り切って、誰にも理解されないマニアックな話をするぞ!」
JOO「しつもーん! 今夜放送された『Hey×3』には触れなくてもええんでしょうか?」
わし「今は触れません。何故なら、まだ観ていないから」
JOO「(ガク)ペンならすぐ観ろよ」
わし「今日のお話は、午後にある美しい人妻と語らったB&O社についてです」
JOO「へっ、その幻想が当たってりゃええけどな(嘲笑)」
わし「B&O、すなわちデンマークのオーディオヴィジュアル製品メーカー”バング&オルフセン社”のことである」
JOO「またオーディオォ?」 ←いきなり興味をなくした
わし「わしが若い頃にはB&Oのオーディオ機器は、その未来的なデザインと機能で垂涎の的やったんやで。
  例えばこのターンテーブルがそうや」


     Beogram4002


JOO「ターンテーブル? て、これになに乗せて回すの?」
わし「スカタン! オーディオでターンテーブルゆうたらレコードに決まっとるやろう」
JOO「そんなことゆわれても、ウチが生まれる前から世の中CDやったし。レコードゆう発想がないんやもん」
わし「マジか? …おお、ちょっと調べたら1986年にはCDの販売数がLPを追い抜いとるな」
JOO「そやろ。おっちゃん、いちいち話題が古すぎるねん」
わし「ええい、うるさい。とにかく、このB&O Beogram4002は今でもいささかも古びておらん名機や。
  ヤコブ・イェンセンによる円と直線だけで描かれたクリーンなデザイン。スリットで分割された電子スイッチ類。『謎の円盤UFO』にでも出てきそうなオシャレさやないか。
  デザインだけやない。機能面でも最先端やった。レコードを乗せるだけで、LPかEPか自動で判別して回転速度を決定、何曲目でもプログラム通りにアームが移動して演奏が始まる、真の意味での全自動を実現したプレイヤーやったんや。アームも凝っておった。原理的に内周で歪みを生じないリニアトラッキングゆう優れた方式でな。
  その夢のような使い心地は、生まれたときからCDに慣れとる自分らには決して判るまい」
JOO「おっちゃん、使うとったの?」
わし「まさか。実物を見たのも1度か2度だけ」
JOO「(ズル)あかんやん」
わし「そやから、夢の使い心地やねん」
JOO「なんか知らんけど、デザインが綺麗なのだけはわかったわ」
わし「CDの時代になると、B&Oはこのような製品を送り出した」


     Beosound9000


JOO「あ、これ見たことある。ドラマでセレブの家に必ずある奴や」
わし「これは現代のジュークボックス、6連奏CDプレイヤーやが、CDをガラスの向こうに縦に並べておいて読み取り部がスライドするという驚天動地の発想に腰を抜かしたものや。
  当時はナカミチやパイオニアも連奏CDプレイヤーを出しておったが、とてもこんなスマートで美しい製品は作れなかった」
JOO「なるほどー。動いてるのを見るだけで楽しくなってくるね」
わし「ホンマやな。B&Oが作るとスピーカーもこうなる」


     Beolab5


JOO「なんじゃこりゃー。とてもスピーカーには見えん」
わし「それは水平方向に広範囲に音を拡散させるためのデザインなのだ。しかもアンプを内蔵していて、B&Oが理想とする音質が保証されている」
JOO「てことはプレイヤーさえつなげば鳴るってこと?」
わし「そう。それだけやなく、部屋によって異なる音響特性の影響を受けないよう、内蔵されたコンピュータが自動でそれを補正するしくみや」
JOO「すげー」
わし「このように、デザインだけやなくその性能も常に最先端なのがB&O社の特徴や。だが、欠点がひとつある」
JOO「なに?」
わし「高い! 庶民にはとても買えないほど高い!」
JOO「やっぱり(がくっ)」
わし「まぁそのおかげでブランドイメージが高まり、B&Oへの憧れが存在するのも確か。昨今アイドルの多くがB&Oのイヤフォンを使っているのはそのせいかもしれんな」
JOO「イヤフォンくらいなら多少高くても手が届くもんね」
わし「そう。それに性能がいい訳やから、買って損はない」
JOO「性能がいいって、音がいいってこと?」
わし「悪くはない。そこが微妙な点やけど、着け心地とか間違いなく人間工学的な面では優れている」
JOO「むー、なんか歯切れが悪いなぁ。B&Oの音質ってどうなんよ?」
わし「それはいい音をどう定義するかやけど、例えばさっきのスピーカーBeolab5やけど、これは間違いなくいい音がする。300万円もするから当然と言えば当然や」
JOO「そ、そんな高いの?(汗)」
わし「いやいや、世の中には1000万を超えるようなもっと高いスピーカーもいっぱいあるで。
  それはともかく、Beolab5は音質を自動調整するしアンプも内蔵やから、誰でも買ったその日からいい音で音楽を楽しめる代わりに、B&Oが決めた音しか出てこない。
  そしてB&Oが決めたいい音とは、リビングでくつろいで聴くのにいい音なのだよ。鬼気迫るハチャメチャな音なんか絶対しない」
JOO「そんな音、いらないでしょ」
わし「ところが、世の中のオーディオマニアと言うのは、えてしてそうゆう音を欲しがるもんなんや。”あの演奏家のあの演奏はまさに天才と狂気が紙一重。その音を再現したい”などと言い出す訳や。
  それとはちょっと違う例えやが、ワシが昔西城秀樹のレコーディングに立ち会ったとき、たかがアニメの歌なのにスタジオのラージスピーカーはとてつもない低音を奏でておった」
JOO「ヒデキ、なにやってんだ。スターがアニソン歌うなよ」
わし「けっこうあちこちのスタジオでモニタースピーカーの音聴いて来たけど、あのときの経験には驚いたなぁ。あれもまさに狂気やった。
  で、それ以来もう一回あんな低音を家でも聞きたいと、悪戦苦闘しておるのや」
JOO「おっちゃんのウーファー11センチのスピーカーで、ラージモニターの低音が出るか!」
わし「まぁ、ユーザーがそういった願望を抱いたら、いくら弩級とはいえ所詮はお上品なリビングオーディオであるB&O社の出番はない。
  すべてを全自動化して誰にでも簡単に美しい音で音楽を聴かせるというのがB&Oの思想であり、それは趣味の製品ではなく家電である、と主張する人々もいる」
JOO「家電にしちゃ高いけどな」
わし「まぁな。だから自分の求めるモノが何か、ちゃんと判ってないと買い物に失敗する訳や。
  B&Oのイヤフォンを1万5千円で買う、オシャレだし着け心地もいい。音も充分いい。…が、音だけ追求した同じ値段のイヤフォンの中には、もっとすごい音が出る製品もある。
  何処で満足するかはその人次第やろうね」
JOO「ふーん。ところで、日本ではB&Oのイヤフォンて流行ってるの?」
わし「いや、ほとんど見かけへんね。今ゆうたように、日本人は価格対性能を気にする。同じ値段なら見た目が悪くても専門誌でより音質がいいと書かれた製品を欲しがるんや。
  ストイックな民族なんやろうけど、ワシは何気にB&Oをつけてる韓国の女の子の方がオシャレやと思うな」
JOO「てことは、韓国人は音質よりオシャレ優先ってこと?」
わし「いや。韓国もオーディオ盛んやし、そうとも言い切れん。
  映画『破壊された男』の犯人はオーディオマニアで、伝説的な真空管アンプを手に入れるために殺人まで犯すような奴や。さぞかし幽玄な音がするんやろうな(笑)。
  ただ一般には、日本と違ってひたすら音質追求って訳でもないのが韓国で、メーカーにもそうした気質がうかがわれる」
JOO「韓国にもオーディオメーカーってあるん?」
わし「あるある。最近話題のエイプリルミュージックとかJAVSとか。日本ほど物量型やなく、小粋でオシャレな製品が多い。
  趣味の世界なんやから、そうゆうモノがもっと多くあるべきやと思うで」
JOO「ふーん。で、おっちゃんはイヤフォン、なに使ってるの?」
わし「えーと、オーディオテクニカのCKM99って奴」
JOO「日本製じゃねーか!」
わし「わしもやっぱりコストパフォーマンス重視派なので」
JOO「おいっ」
わし「それ以前に使ってたCKM90ってのがすごく気に入ってたんやけど、寿命が来ちゃったんで買い換えたんよ。でも90と違って99はダイナミック型やったんや。そのせいか、あんまり好きやない。
  90はバランスドアーマチュア型で音色が自然やったのになぁ。
  で、こないだ店頭でCK90proMK2て奴を聴いたら、これWバランスドアーマチュア型なんやけど、すげー気に入った訳。今度まとまったギャラが入ったら買い換えたいなぁ」
JOO「いててて、もお訳わからん(脳みそ煮えるわ)」