関西ソニョシデ学園

過去に生きるK-Popのブログ

第243話 ポッポパブ

JOO「ねえさん、ねえさん」
ジェシカ「ん? なんや、ミンジュやないけ」
JOO「寒い中ご苦労様です。ドラマ撮影の帰りでっか?」
ジェシカ「よお知っとるな」
JOO「そら毎週水木の夜は『ワイルドロマンス』観てますもん。視聴率4%の内の貴重なひとりでっせ」
ジェシカ「…なんでか感謝より怒りが込み上げてくるな」
JOO「まぁまぁ。それよりドラマ、えらいことなってますな。猫ちゃん殺されたり、心の病ぶり返したり」
ジェシカ「そやねん。あと2週間、裏ヒロインとして、ウチの見せ所やから、頑張るわ」
JOO「猫殺したんも躁鬱病ぶり返したんも、全部ジョンヒの狂言やそうですね」
ジェシカ「ええっ、そうなん?」
JOO「まぁウチのおかんの意見ですけどな。演ってる本人も知りまへんの?」
ジェシカ「全然。台本はその日にならんと上がって来ぃへんから」
JOO「おかんは、ジョンヒがホンマに躁鬱病やったら、それを見捨ててウンジェとくっつくようなストーリーでは視聴者の共感が得られへん。
  ジョンヒには悪役を務めて貰わんとあかん。ジェシカは悪顔やから適役や、なんて作家みたいなことゆうてます」
ジェシカ「誰が悪顔や!」
JOO「まぁまぁ、素人のゆうこと真に受けたらあきまへんて」
ジェシカ「貴様、放送作家ゆうたり素人ゆうたり、矛盾だらけの会話すんな(プンスカ)」
JOO「そんなことより、今日はウチ、ねえさんの演技力を見込んで、ビジネスの提案を持って来ましたんや」
ジェシカ「ビジネス?」
JOO「へえ。ウチ今度、江原道の方にパブを開こうかな思うてまして」
ジェシカ「江原道? なんでまたそんなところに?」
JOO「あっこは無駄に金をもてあましたマグロ漁師が多い割りに娯楽が少ないんですよ。
  夏には海水浴客もいるし、たまに北や中国から密輸業者も来るし、うまくやれば『冬ソナ』ツアーで春川に来た日本人も取り込めるかもしれん思うて」
ジェシカ「聞くからに胡散臭いな。で、それと演技力がどお関係あるねん?」
JOO「店の女の子と客が疑似恋愛するんですよ」
ジェシカ「はぁ? イメクラ?」
JOO「そんなもんですけど、客と女の子が恋人同士みたいなシチュエーションで、ポッポを売りにしたポッポパブゆうスタイルでやろうかと思うてます。ポッポ1回につき5000ウォンとるんです」
ジェシカ「なにをポックンパップ(焼き飯)みたいに気楽にゆうとるねん。ウチは天下の少女時代やぞ、漁師相手にそんな真似出来るか!」
JOO「えー? 演技やったらなんでもやるんちゃいますの?」
ジェシカ「アホか…1回塩水で脳みそ洗うて来い…ん、待てよ。パニなら乗るかもしれへんぞ(ニタ)」
JOO「ホンマでっか?」
ジェシカ「奴はアメリカ人やさかいな。ポッポぐらいなんの抵抗もないで」
JOO「そおゆうシカねえさんも美国人ちゃいますの?」
ジェシカ「ウチのことはこの際どおでもええ。とにかくアメリカ人は朝の挨拶でもベロ入れるくらいやから」
JOO「ぴゃー、犬みたいですなぁ」
ジェシカ「ホンマ(んなわけあるか、ボケ)。ウチが奴を推薦したこと、黙っておけよ」
JOO「あい。さっそく、パニねえさんにあたってみます」


JOO「ねえさん、美国遠征、ご苦労様でした」
ティパニ「ジュやんか。その腰の低さ、なにか企んどるな」
JOO「実は、ポッポパブゆうサイドビジネスを計画してるんですけど、ねえさんは見知らぬ男とポッポするのは平気ですか?」
ティパニ「なんも抵抗ないけど(きっぱり)」
JOO「(ぴゃー、ホンマにシカねえさんのゆうたとおりやった)そ、それはありがたい。どうです、いっちょ噛みしてみまへんか?
  ねえさんほどのポッポのプロが開店メンバーやったら心強い」
ティパニ「どおゆうシステムやねん?」
JOO「店の女の子と客は常に1対1で、個室で対応します。ふたりは恋人ゆう設定で、女の子が客に甘えたり、きわどい格好を見せつけたり。とにかくベタベタしますねん。
  すると男はポッポしたくてたまらなくなるやないですか? でも建前としてポッポは禁止の店なんです」
ティパニ「そんで客が我慢しきれずポッポしたら、罰金を巻き上げると」
JOO「そうです。さすがに察しがいい(パチパチ)」
ティパニ「キス我慢選手権か!(ゲシ)」
JOO「うきゃあ!(べちゃ)」
ティパニ「帰れ!」
JOO「えー?」
ティパニ「ウチはいま忙しいんじゃ。自分の戯言を聞いとる暇なんかない」
JOO「急にソワソワして、どないしたんです?」
ティパニ「ウチはユナの付き人として、一緒に日本に行かなあかん用があった。急に思い出したんや」
JOO「うそーん」
ティパニ「…! そうゆう勧誘ならテヨンに話してみ。ウチらの中じゃ、奴がいま一番ポッポに近い立場やから」
JOO「そうなんですか?」
ティパニ「もちろんや。奴のポッポ解禁は秒読み段階に入っとるんやで」
JOO「ぴゃー。タブーのない会社やなぁ」


テヨン「ポッポパブ? わかった、ええで」
JOO「(ぴゃー)ホンマでっか?」
テヨン「急なことやから具はあんまりないけどな(ジャージャー)。そやけどウチの得意料理を覚えてるなんて、なかなかの心構えや」
JOO「いや、ねえさん、ポックンパップのことやおまへん。ポッポパブです」
テヨン「は?」
JOO「実は…(かくかくしかじか)」
テヨン「ああ、その件か。それならもう聞いとる」
JOO「え、どなたから?」
テヨン「パニがツイッターに書いてたからな」
JOO「へー。ねえさんたち、ツイッターやってはるんですか?」
テヨン「もちろんそれと判る名前やないけど、ウチらしか知らん登録名で極秘に会話しとる」
JOO「はぁー、そうやって情報を共有しとるんか(メールでええやろ)」
テヨン「それはともかく、ウチのポッポは高いど! 世間に未公開やしな。自分いくら払う気や?」
JOO「出来高でお願いします。ポッポ1回5000ウォンで、取り分は半々。1日100回ポッポしたら、なんと25万ウォンにもなりますよ」
テヨン「テリオスッ!!」
BAGOOOOOOM!
JOO「ギョピー!(ごろごろごろ)」
テヨン「寝言は寝て言いやがれ! えーか、こら、今アジア最強のアイドルは誰や?」
JOO「(ぷしゅ〜)そ、それは少女時代ねえさんで…」
テヨン「その中で不動の一番人気は?」
JOO「テヨンねえさんですぅ」
テヨン「そうや。つまりウチがアジア一のアイドルゆうことや。その時価は浜辺でエロいことしてるところをパパラッチされたチャン・ツィイーより遙かに高い。
  最低でも50億の契約金を用意してから来いっちゅうねん」
JOO「ご、50億? ジンバブエドルで?」
テヨン「ん? なんかゆうた?」
JOO「すんまへん、なにもゆうてまへん」
テヨン「そんなくだらない用事でいちいちウチの時間を使わせるんやない。スヨンにでも持って行けや」
JOO「ス、スヨンに?」
テヨン「あいつはポッポしたくてしたくてたまらないらしいで。ポッポに恋する乙女やねん」


スヨン「ポッポはしたいけど、愛のないポッポはいや」
JOO「(笑)自分、愛のあるポッポを求めてたら中年になってまうで」
スヨン「(ムキーッ)そんなん判らんやんか。明日にでも美国の歌手兼俳優がプロポーズに来るかもしれへんねんぞ」
JOO「ええ歳こいて小学生みたいなことゆうなや。だいたい愛のあるポッポより先に、演技でポッポ要求されるかもしれんやん」
スヨン「う…」
JOO「『スピード』やったっけ、ドラマ出るんやろ? そんときの練習思うて、軽い気持ちで接客したらええねん」
スヨン「そやけど、ウチ…」
JOO「考えてみ、ポッポてなんや? 所詮唇と唇の接触現象や。そんなんやったらいつだって上の唇と下の唇は接触しとる。つまり人は生まれ落ちたときから、ずっとポッポして生きとるんや」
スヨン「うう…、なんか違う気がするけど、論理的にあってる気もする」
JOO「ポッポ、恐るるに足らず、憧れるに足らず。どーんと、ポッポで一稼ぎしようで」
ばーーん!
ユナ「待てーい!」
JOO「ユ、ユナ!」
ユナ「スヨンの身柄はウチが預かった」
JOO「な、なんやてぇ」
ユナ「少女時代のポッポ第一人者として、ウチが正しいポッポ道へ導くんや。スヨンはあきらめてワンゴルでも誘うがいいさ」
JOO「えー?」
スヨン「ど、どうゆうこと?」
ユナ「ウチとパニねえで六本木にええ物件を見つけてきた。足立のスナックをたたんで、これからは六本木でポッポパブ”美唇”をやるんや。メンボ全員参加して貰うからな」
JOO「ず、ずるい! ウチのアイデアやのに、勝手に東京で…」
ユナ「自分かてテレ東のパクリのくせに。この商売、なんでも先にやったモンの勝ちや」
JOO「それでパニねえさん、急にソワソワして、慌てて日本に行ったんか…」
ユナ「江原道のマグロ臭い漁師と違うて、六本木に来るサッカー選手やお笑い芸人は、ポッポ一発に何万も払うてくれるやろ。うっひぇっひぇっひぇ」
JOO「(がくっ)負けた…SMの資金力に負けた」
スヨン「そんな問題なんか?」
でででで、ばん!
ティパニ「来たで来たで! ネットにちょっと情報漏らしたら、さっそく予約殺到や」
JOO「ぴゃー、まだなんの準備もしてへんうちから?」
ティパニ「ふーんだ。店は居抜きで借りるし、ウチらしょっちゅう日本に行くから、やる気になれば来週からでも始められるモンね」
ユナ「で、予約入れてきたのはどこの金持ちやの?(わくわく)」
ティパニ「ちょっと待てや(ぶりん)…えーと、イ・スマン様、キム・ヨンミン様、カンタ様、キム・ジュンス様…はぁ?」
ユナ「(がっくし)身内ばっかりやん」
JOO「うひゃひゃひゃ、自分ら一生スマンのおっちゃんとポッポしとったらええねん」