関西ソニョシデ学園

過去に生きるK-Popのブログ

第54話 お病気面接

面接官A「ほな午後の面接始めまひょか?」
面接官B「次は誰やったかいな?」
面接官A「あれですわ、例の…」
面接官B「あー、アイドルの…。なんや筆記はめっちゃ悪かったらしいて?」
面接官C「答案見ましたが、あれはもう病気ですな。あんな子、ウチに入れたらあきまへんわ」
面接官B「そないに? そんなら、さっさと型どおりにすませてまお」
面接官C「そうですな。どうせ落とすんやさかい」


がちゃ
ソヒョン「受験番号1729、ソ・ジュヒョンです」
面接官A「ま、おすわり」
ソヒョン「(ぺこ、ガタガタ)」
面接官A「あんたのことは我々みんな知ってます。そやけど、有名人やからゆうて試験に依怙贔屓はありませんで」
ソヒョン「はい」
面接官A「ほな、本学を受験した動機をお願いします」
ソヒョン「そうですね、進学は両親の希望でもあったし事務所も勧めたんで、ほなそうしよかと。
  学校行かへんかったらウチのリーダーみたいに朝から晩までこき使われそうやし。
  まぁあの人はワーカーホリックやから苦にならんのやろうけど、ウチはもうちょっと逃げ道作っときたいゆうか」
面接官C「それは進学の動機でしょ? 本学を選んだ動機は?」
ソヒョン「あー。ここの大学の図書館。何度か覗いてみたんですけど、結構充実してましたんで、ええかなー思うて」
面接官B「充実てどういう図書が?」
ソヒョン「解剖学とか生化学とか犯罪心理学とか」
面接官B「本好きなの?」
ソヒョン「ウチらの商売、本好きやないと務まりまへんよ。移動多いし待ち時間長いし。こう見えて読む時間はたっぷりありますねん」
面接官B「それにしても変わった本が好きやね?」
ソヒョン「マイベストは『ネクロノミコン』と『ドグラマグラ』です。
  ことに『ドグラマグラ』の後半で、呉青秀が絶世の美女である嫁はんを殺してその死体が腐っていく過程を詳細に絵に写し取る…
  ちゅう場面は何回読んでもゾクゾクしますわ。
  ウチも死んだら骨になるまで毎日写真撮ってもらいたいんです。
  目ん玉が溶けて流れて、眼腔がポカーって空いて…そんな自分の死に顔想像するとゾクゾクしますわ」
面接官B「………」
面接官C「………」
面接官A「あ、あの、他に動機は?」
ソヒョン「あとは庭園ですか? 広うて季節ごとにいろんな花が咲いて、とても魅力的です」
面接官A「(ほっ)そ、そう。そう言う普通の感性もあるのね」
ソヒョン「ウチきれいなものめっちゃ好きです。あの花壇一面に芥子の花を植えたらさぞステキやろう思うんです。
  春になったら一面血の海みたいに真っ赤な花が咲いて、花壇を歩く人はみんなラリってふらふらになって…。
  隣の畑にはベラドンナとかトリカブトとか植えてみたいですね」
面接官B「(ヒソヒソ)これは予想以上の…」
面接官C「(ヒソヒソ)ホンマモンですわ、これ以上聞いとっても無駄ですやろ」
面接官A「(ヒソヒソ)わかりました、ではそのように。
  ソ・ジュヒョンさん、以上で面接は終わりです。合否は後日各キャンパスの入り口に張り出します。郵便による通知が希望なら一階の入試課で…」
ソヒョン「わかりました、オ・ユヒ事務員」
面接官A「…! な、なぜ、ウチの名前を?」
ソヒョン「そやかて面接する側はこっちの名前も経歴も知ってはるのに、こっちはなんも知らされへん。不公平ですやろ。
  そやからちょっと調べたんです。予備知識程度に」
面接官B「し、しかし、誰が面接に当たるかは秘密のはずや」
ソヒョン「そうでした? すぐわかりましたで。オさんのプライベートも…」
面接官A「ぷ、ぷらいべえと?」
ソヒョン「入試課勤務の32歳、離婚歴1回。前夫との間に一男一女有り。現在子どもは春川の両親の家に預けてある。
  ちなみにユヒさんの両親は『冬ソナ』観光地巡りの日本人客相手にあこぎな商売をしていると」
面接官A「あこぎてなんじゃい、こら!」
ソヒョン「今年に入って仏教文化学部のH教授と親密な関係になり、昨夜も江南のレストランで楽しく食事されましたね」
面接官B「ホンマか、キミ? 仏教文化部のH君ゆうたら…」
面接官A「嘘です嘘ですぅ!」
面接官C「彼は妻子持ちやで」
面接官A「違うんですぅ! 誰かこの子を追い出してぇ!」
ソヒョン「そちらはイム・グォンロ教授ですね」
面接官B「はいはい。…あかん、返事してもうた」
ソヒョン「イム教授の一番下の娘さん、確かJYPのオーディションを2回、DSPを1回受けておられますね」
面接官B「なんかそんなこと嫁がゆうとったわ。歌手になりたいゆうんが夢らしいけど、不憫なことにワシに似てもうてな。
  SMなんかは書類審査で落ちたんやて」
ソヒョン「まだ中学生ですやん、無限の可能性がありますよ。ウチがなんか口添え出来るかもわかりまへんし」
面接官A「あんた、こ、今度は買収する気!?」
面接官B「オくん、ちょっとうるさいで。チュヒョンさん、その話はいずれゆっくりさしてもろてええかな?」
ソヒョン「もちろんです。さて、そちらはリュ・カンボク准教授。確か2年前のシン准教授学歴詐称事件で…」
面接官C「うへえ、そんなことまで調べて来たんか?」
面接官B「もおええよ、キミ」
ソヒョン「…はい」
面接官B「ワシらの負けや。キミを合格させへんかったら、大学が潰されるわ」
ソヒョン「おおきに」
面接官B「そやけど、これだけは約束してや。在学中は絶対問題起こさんといてな。芥子とかトリカブトとかあかんで」
ソヒョン「心得とります。もっぱら本を読んで勉強します」
面接官C「…どうせ犯罪の勉強やろ?」
ソヒョン「さぁ犯罪ゆう自覚はありまへんけど。ウチがやってみたいことの大部分がこの国では禁止されとるだけで」
面接官C「天性のテロリストやな」
面接官B「(溜息)キミ、いっそ北に行ったら重宝されるかもしれんで」






※2009年11月4日、ソヒョンが東国大演劇映画科に合格したというニュースが伝わった。
 ソヒョンは当初ユナと同じソウルの対英高等学校に通学していたが、芸能活動優先のためか2008年に全州芸術高等学校に転校し、そこを卒業した。
 この高校にはかつてテヨンも在籍していて、芸能活動していれば単位をくれるというありがたい学校である。
 しかし、テヨンのトークを聞けば判るとおり、学校に行く機会が少ないだけでバカな訳ではない。
 これはソヒョンも同様で、受験に関して『筆記は最低だったらしい』『少女時代でなければ合格しなかった』など、例によってアンチが噂を飛ばしていが、
 ソヒョンの生真面目な性格、もともとの頭の良さ(ちゃんと勉強したときはクラスで2番の成績だったと本人が言っている)を考えると、
 受験勉強する時間は少なかったにもかかわらず、そんなに酷い成績ではなかったと思う。


※シン准教授学歴詐称事件…東国大と合せてググるとちゃんとヒットする。