関西ソニョシデ学園

過去に生きるK-Popのブログ

第578話 しくじり先生 in Korea(中編)

    


JOO「そんなウチはまだまだしくじりを重ねるのです!」
全員「ええーっ?」


ナレーション:前回、順風満帆のデビューから、突然のスキャンダルによる、練習生への逆戻りをカミングアウトしたミンジュ先生。
  でも、先生のしくじりはまだまだ終わりそうにありません。
  3年にわたる暗黒時代に受けた酷い仕打ち、再デビューした彼女の前に立ち塞がった悪魔の正体とは?
  このしくじりからきちんと学ばないと、あなたも地獄を見ますよ。


JOO「練習生に戻ったゆうても、いつまでも親に食わせて貰う訳にはいかんし、大学の学費も払わなあきまへん。
  ドラマのOSTはバイト代わりに時々歌わせて貰うてました」
ユナ「へー、自分、大学に行ってたん?」
JOO「行ってたもなにも、自分と同じクラスやないか!」
ユナ「おやー?」
JOO「自分と一緒に東国大の演技才能優秀者選考受けて、40人の中からソネねえさんと自分とウチの3人だけ合格したん、忘れたか?」
ユナ「んー…ウチ、ほら、ちょっとO脚気味やろ?」
JOO「そうかな?」
ユナ「そやから忘却もし易いねん」
JOO「なるほど、それは仕方ない…て、パボ野郎!」
テヨン「で、ソネがどおした?」
JOO「ソネねえさんは関係ない。ついでに名前が出ただけや!」
ミョンス「ちっとも話が進まへんな」
JOO「自分らのせいやないかっ!(うきーっ)」
若林「どうどう、落ち着いて。先をお願いしますよ」
JOO「(むかむか)OSTゆうても、テヨンねえさんのようなスターが歌えば話題になるし、視聴率にもええ影響が出ます。
  そやけど、基本は名前の出ない陰の仕事。ウチクラスが歌うて話題になることはありまへん。
  逆にゆうと、スキャンダルで汚れたウチでも出来る仕事はそれくらいでした」
若林「ふーん。
  日本のドラマは主題歌以外歌モノ少ないんで、よくわかんないですけど」
JOO「いくつかご紹介すると、2008年のKBSドラマ『パパ3人、ママ1人』では主題歌『これが愛だ』を歌い…」


     『これが愛だ』


ソニ「お、ロック調」
ユリ「バラード歌手のくせに生意気な」
ヒョヨン「タブレット純みたいに陰気な歌ばかり歌うてりゃええものを」
JOO「他にはSBSの『シークレットガーデン』や『サラリーマン楚漢志<チョハンジ>』、KBS『シンデレラのお姉さん』などを歌わせていただきました」
スヨン「あー、『シンデレラのお姉さん』は泣いたわぁ」
ヒョヨン「けっこう流行ったもんな」
JOO「そうですね。国民の妹ムン・グニョン、今をときめくチョン・ジョンミョン、国民の母イ・ミスク、演技派ソウとキム・ガプス、2PMのテギョンと出演陣は豪華。
  OSTもスーパージュニアからイェソンにいさん、f(x)からはルナとクリスタルが参加して、話題性も充分」
ティパニ「そやったなぁ。イェソンの歌なんか1話につき3回くらい使われてたもんな」
テヨン「うむ。ウチの『マニャゲ』や『トゥリナヨ』くらいの頻度やった」
JOO「そおです。一流歌手の歌うOSTですから、当然ええ曲ですし、心に浸みます。監督かて”ここはあの曲やろ”となにかと使い易い。
  そこ行くとウチのようなドロップアウトした歌手の歌なんて使い物になりません」
若林「そんな卑下しなくても(苦笑)」
JOO「いえ、そおなんです。その証拠に、ウチの歌なんか特に重要でもないシーンで1度しか使われなかったのです」
テヨン「げー、考えられん」
JOO「毎週耳をかっぽじって観て、確認出来たのはこの場面だけでした」


     『振り向いて』


スヨン「こ、これだけ?」
JOO「全20話で、ここだけです」※当ブログ調べ
スヨン「しえー」
JOO「しかもこの歌はOSTのアルバムには収録されず、後から追加されたシングルに入れられてしまいました。当然売れません」
ユナ「『シンデレラのお姉さん』史上、なかったことにされたんやな? 黒歴史や」
JOO「OSTは買い取りやから、売れなくても収入に変わりはないんやけど、使わないのに起用されたのが、なんかテギョンにいさんのバーターっぽくて」
ティパニ「そやなぁ」
JOO「そんならいっそ歌わせなきゃええのに、と泣いて夜を明かしたこともあります。
  ただまぁ、今思えば、事務所としてはまだウチを見捨てないでいてくれたのかもと…」
ユリ「ちゅうと、終いにゃ見捨てられた訳か?」
JOO「見捨てられたゆうか、なんとゆうか。
  この2009年、10年、11年がK−Pop界にとってどうゆう時期やったか、次のページをご覧下さい」
全員「(ぺらり)


    


全員「おわっ」
JOO「”祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす”との名文もありますが、まさにこの世は諸行無常です」
若林「韓国人のくせに、よく『平家物語』なんか知ってるな」
スヨン「驕る平家みちよは久しからず(笑)」
ユナ「(やかまし)自分かてASAYAN出身で売れなかったくせに」
JOO「ワンダーガールズの『Tell Me』で社会現象を巻き起こしたJYPEですが、ウチのデビューと相前後して、その戦略ミスから徐々に力をなくしていきます」
テヨン「まさに盛者必衰やな。少女時代には当てはまらんけど」
若林「戦略ミスって?」
JOO「当時少女時代より売れていたワンダーガールズを本国から引き離し、アメリカデビューさせてしまったことです。
  これは美国育ちである半裸師匠の長年の夢でしたが、残念なことに成功はしませんでした」
若林「ピンクレディーアメリカじゃ売れなかったもんなぁ」
JOO「一方、少女時代さんは『Gee』を大ヒットさせ、長い雌伏の時を抜けると、一気に国内トップの地位に立ちました」
ソニ「実際には2NE1に突かれてたけどな」
JOO「JYPEは、ワンゴルの美国戦略にこだわって赤字を増やし、国内で売れてるのは2PMとペ・スジのみ。
  もともと企業的体力があった訳でもなく、3大芸能社とは名ばかりで、代表の半裸師匠が気にするのはおのれのカムバックだけです。
  日を追うごとに予算が減り、これではウチのバックアップなんか期待出来るはずもありまへん」
スヨン「そおやったんかー。外から見るともう少しちゃんとしてたようにも思えたけどな」
JOO「師匠だけは元気でしたからね」
若林「まさに暗黒時代だったわけですね」
JOO「そうです。外から見ても中から見ても、この時期はウチのキャリアの中で暗黒期と呼ぶにふさわしい数年間でした。
  ま、これが最後の暗黒期やありまへんけど」
若林「え?」
JOO「が、わたくし、この時期を失意の思いだけで過ごしておった訳ではございまへん。
  むしろ楽しんでいたくらいなのです」
若林「へー」
JOO「大学で演技を習うのは面白かったし、たまにはOSTなどで歌も歌えた。
  なにより4歳下の弟がどんどん力をつけてきて、プロ歌手になろうとするのを手助け出来ました。
  そうゆう意味では日々楽しく生きていたのです」
テヨン「ウチらが前線で壮絶な戦闘を繰り返していたことに比べ、結構なぬるま湯生活や」
JOO「そおなんですねー。さすがにこれはあかんと思うようになります。
  それに事務所もいつまでも味噌っかすを抱えておく余裕もなくなり、2011年、ついにウチは再起を決意するのです!(どーん)」
若林「おおっ!」


ナレーション:ついに芸能界への復帰を決意したミンジュ先生。
  カムバック曲には当時最も売れっ子だったE-Tribeを作詞作曲に起用。
  MVには事務所の先輩チャンソンにも出演して貰い、万全の体制でカムバックを果たします。
  そこには少女から立派な女性に成長したミンジュ先生の姿があった…はずでしたが


    CM
    
    絶版になる前に、是非一枚!


【第3章】
JOO「結論から申しますと、この『悪い男』とゆう新曲、全く売れまへんでした」
全員「あらー(こけっ)」
JOO「なぜなら、ウチはここでもまたいくつかのしくじりを犯してしまったのです」
若林「と言うと?」
JOO「まず、E-Tribeの起用ですね。確かにEトラさんはこの頃一番の売れっ子でした。
  ヒョリ先輩の『U-Go-Girl』、少女時代さんの『Gee』、ミョンカドライブの『冷麺』と立て続けに名曲、ヒット曲を量産していた時期ですね」
ミョンス「Oh、シガニイッソヨ?」
テヨン「やかまし
JOO「無意識に、売れっ子に曲を書かせりゃええやろと、実に後ろ向きの発想をしてしまった。もうここで逃げ腰ですね。再起なのに、チャレンジングな姿勢が全然見あたりまへん」
ティパニ「ゆわれてみれば」
JOO「更にE-Tribeはこの時期だけ輝いていたあだ花のような存在。ダル★シャーベットを生み出して以降、表舞台からは消えていきます。
  それは第1回関ソ歌謡祭で、オールタイムベスト作曲家になれなかったことからも明らか。
  そうした時代の流れを見通す力量にも欠けていました」
ティパニ「まぁそれは仕方ないんじゃないかな」
JOO「そやけど、その眼力を持ったアイドルだけが勝ち残ってゆくんですわ」
ソニ「うーむ。それも否定できん」
ミョンス「歌謡祭で、Eトラは何位やったん?」
クッキーマン(カメラ横から)「3位でした。2位はイ・ミンス。1位がスウィートチューンです」
ティパニ「なるほどー。さすがこのブログの読者、見る目あるなぁ」
JOO「ウチにはその目がなかったんですね。
  そしてウチ最大のしくじり、それは再起の時期を完全に読み違えたことです!」
若林「読み違えた?」
JOO「そおです、2度目の練習生生活はまさにぬるま湯。家族や事務所に守られながらのうのうと暮らしておる間に、K−Pop界は悪魔が支配する時代になっていたのです!」
若林「悪魔!?」
JOO「先ほどのグラフにもう一つの流れを重ねてみましょう。次のページをどうぞ」
全員「(めくり)」


    


全員「でたーっ!(ごろんごろん)」
JOO「そお、あのセルフプロデュースの鬼IUが三段ブーストで革命を起こし、国民の妹の称号を恣にしていたのです」


     IU『ええ日』


若林「あ、可愛い(ぽっ)」
テヨン「(きっ)なんやと、こら」
若林「ひっ(びく)」
JOO「いえいえ、IUが可愛いのは確かです。しかもおじさんペンへの殺傷力が異常に高い。
  おじさんはもともと”女子高生ソロアイドル歌手”が大好きですしね」
ソヒョン「あ、そのフレーズ…」
JOO「そお、先ほどゆいましたね、このフレーズは後でまた出て来ると。
  ウチがデビュー曲でスマッシュヒットを放てたのは、当時ただひとりの”女子高生ソロアイドル歌手”やったからですが、3年経ってみたら、その地位はすでにIUのもの。
  しかも、IUは幼い顔して、本質的にはたいそうエロい。自分の見せ方も上手い。
  人気のためなら、際どい格好もするし、ドジッ子を演じてわざと転けても見せる。あらゆる手でおじさんペンを手玉にとりまくる」
テヨン「ホンマやなぁ」
JOO「例えば…そちらのプロデューサーの方、ちょっと前に出て来ていただけますか?」
プロデューサー「ワ、ワシでっか?」
JOO「そおです、おおきに。そしたら、この写真を(ぱさり)踏んでみてください」


    


テヨン「ふ、踏み絵…」
若林「わ、エロい写真」
JOO「清楚可憐な国民の妹と呼ばれつつ、こんな格好もする。これがIUって奴なんです」
プロデューサー「うっ…(たらたら)」
JOO「どおしました。あなたがIUペンやないのやったら、こんな恥知らずなIUの写真なんか簡単に踏めるはず。それとももおIUに魂を抜かれてしまったのでしょうか?」
プロデューサー「(がっくり)ふ、踏めん。ワシにはIU様の御姿を踏むなど、とてもでけん」
全員「ざわざわ…」
ソヒョン「うーむ。カート・ラッセルが物体Xの正体を暴く時くらい場内が不穏な空気になったで」
ソニ「判りにくいー」
IU「あなたは隠れIUペン、間違いありませんね!」
プロデューサー「そ、そうや、ワシはIUペンや。こんな年で恥ずかしいけど、IU様を見るとときめく心が抑えられんのや。
  もはやIU様は思想、IU様は小宇宙(コスモ)、ワシはIU様のために殉ずる覚悟やで〜」
JOO「こうやって寄生獣のように人の身体に巣くい、魂まで食ってしまう、それがIUの怖さです」
ソニ「制作会社の偉い人まで取り込んでしまうとは」
スヨン「お、恐ろしい…(汗)」
JOO「そお、女性ソロ歌手というジャンルを、そんな悪魔が支配する時代に、ウチはカムバックしてしもうたんです。
  しかもIUには3段ドロップゆうウィニングショットがありました」
ヒョヨン「3段ブースターやろ。自分、澤村栄治か!」
JOO「実際には喉を痛めるとゆう理由でIUが生で3段ブースターを披露することはあまりなく、この動画を見ても判る通り、体幹を鍛えてへんので踊りながら歌うとヘタクソなんですが、ウチがカムバックした頃にはすでに”IU=天才歌手”と言うイメージが出来上がってました。
  Yahoo知恵袋には”IUはテヨンねえさんより上手い”と堂々と書き込む者もおったほどです」
テヨン「(うきーっ)いらつくわー。IUに『Catch Me If You Can』踊りながら歌わせてみろっちゅうーの」
JOO「その辺のイメージの作り方はIU陣営は非常に上手いんです。そのIUの掘った穴にまんまと落っこちてしまったのがウチです」
若林「またしくじったと?」
JOO「そおなんです。『悪い男』にも結構な高音パートがあるんですが、カムバックの舞台でそこが少し不安定になってしまって…」


     JOO『悪い男』@ Music Core(110108)


ソヒョン「手足みじかっ!」
JOO「そんな所には注目せんでよろしい。この3分15秒くらいの所が上手くいかなくて、翌日のネットニュースで叩かれたんです」※第118話参照
ユナ「そんな気にするようなことかな?」
JOO「確かに久しぶりの音楽番組出演で緊張もしてましたし、音が高いのも確かなんですが、ウチの歌い方はもともとちょっとビブラートがかかってるんです。
  ゆうたら大貫妙子先生と同じなんです」
テヨン「大きく出たな」
JOO「それやのに、IUの伸びやかな歌い方が大衆の頭にあるから、すぐ”不安定”とかゆわれちゃって」
若林「それは可哀想ですねー」
JOO「せめてIUが『ええ日』でブレイクする前にカムバックすべきでした」
ソニ「事務所はどんな反応を?」
JOO「事務所ですか…(ふっ)。ウチが3年ぶりにカムバックして大勝負しているその時、JYP師匠は自らのカムバック情報をマスコミに流し続けていましたよ」
若林「えーっ? 代表自ら所属タレントを潰しにかかってたんスか?」
ソニ「ありえへん(呆)」
JOO「そう。こんなことをするのはT-araのファヨンをクビにしたキム・グァンス社長くらいのものです。
  そやけど、考えてみたら悪いのはウチなんです。だって入る事務所を選ぶ目も、カムバックする時期を見定める目も持ってなかったのですから。
  所詮2流タレントやったんです」
スヨン「ミンジュ…」
テヨン「そお自分を責めるなよ。2流なのは認めるけど」
JOO「相変わらずイラッとする慰め、おおきにです、ねえさん。
  3年ぶりに起死回生を狙ったカムバックは見事に空振り、デビュー戦で金田にけちょんけちょんにやられた長嶋茂雄もかくやとゆう負けっぷり」
若林「でも長嶋さんはその後金田投手からホームラン打ちましたけど」
JOO「ウチには2度と出場機会を与えられまへんでした」
若林「ひえー、悲劇すぎる」
JOO「2度目のデビューでウチが得た教訓。それが次のページに書いてあります」
全員「(めくり)」


    


JOO「『悪い男(Bad Guy)』ゆう曲で再起を図ったウチですが、時期を間違えたせいで、そのままテレビの世界からグッドバイとゆうはめになったと、そうゆう句ですね。
  ”『Bad Guy』 時期を間違え Good Bye” はい!」
全員「”『Bad Guy』 時期を間違え Good Bye”!」
若林「哀しすぎるよ〜」


JOO「再起に失敗したウチは、もはやポップス歌手失格の烙印を押されたのと同じです。
  例によって事務所はなにもしてくれまへん。そやけど、ウチから歌をとったらなにも残らない。
  そこで演技者として生き残る可能性に賭けました。そう、ミュージカル界への進出です。
  大学では演技を学んでいましたし、歌を捨てずにすみます」
若林「日本でもそうですね。大体売れなくなった歌手はミュージカルやります」
ソヒョン「失礼やな。真面目にミュージカルに打ち込んでる売れっ子もおるで(怒)」
JOO「もちろんそうゆう人もいるでしょう。そやけど確かに売れなくなると舞台ちゅう構図も頑としてあります」
クッキーマン(カメラ横から)「舞台ゆうのは稽古の時間がひと月とかあるでしょ? あと公演中も拘束長いですよね。
  そやから暇がないと出来ない…逆にゆうと、暇になった芸能人でも仕事した気にさせる効果があるんですよ」
若林「なるほどー」
テヨン「ウチはクソ忙しい時期にミュージカル出たから大変やったわー」
JOO「幸いなことに、ウチにはミュージカルが性にあってたようで、数作品に出させていただきました。ソニねえさんともご一緒させていただきました」
ソニ「そおそお、『Catch Me If You Can』な。ウチとダラねえさんとJOOが同じ役を演ったとゆう(笑)」
ミョンス「採石場で怪獣を倒す話?」
テヨン「全然違うわ、ハゲ」


ナレーション:再びテレビの世界から身を引き、ミュージカル女優への道を歩み始めたミンジュ先生。
  このまま演技の世界で生きるのかと思いきや、1度しくじった人間はそう簡単に更正できないのがこの社会。
  ドラマや映画で先生の身に起きた一大事とは?
  次回、『しくじり先生 in Korea』いよいよ最終回ですよ。






※IU信者へのプレゼント…
    IU_踏み絵.jpg 直