関西ソニョシデ学園

過去に生きるK-Popのブログ

ミニそにょ69

わし「ミニそにょも69回目かぁ。なんか知らんけど興奮するなあ」
JOO「アホなことゆうとる場合か? 犬小屋の周り、本だらけになっとるやん」
わし「そやねん。ファニたんがワシの部屋使いたいゆうて、荷物全部出してしもうたんや」
JOO「エエッ? あのガキ、どこまで図々しいんや。追い出してやる!」
わし「まあまあ、おかげで長年探してた本が見つかったんやから、かえって感謝しとるんやで」
JOO「探してた本?」
わし「そう、大前田りんの『ガケップチ・カッフェー』ゆう漫画や。ワシ、昔からこれを映画にしたくてなあ」
JOO「聞いたこともないわ」
わし「そらそうやろ。アイユがまだ腹の中でおかんを蹴飛ばしてた頃の漫画や」
JOO「そんな昔の? チャンバラ漫画?」
わし「なんでやねん。ロマンチック・コメディや。『バグダッド・カフェ』ゆう映画知っとる?」
JOO「いやまったく」
わし「ええ映画やぞ。この漫画はそれのパロディやないんやけど、導入部はちょっと似とる。
  田舎の流行らないドライブインに身元の判らない女が転がり込むところは一緒や」
JOO「犯罪者?」
わし「訳ありっぽいが、犯罪者やない。多分家出人。
  で、この女が若くて美人で料理が得意と来ているから、それまで閑古鳥が鳴いてた店が急に流行り出す」
JOO「良かったやないですか」
わし「ところがこの店の主人である男は、流行らなくてもいいから、都会のゴタゴタを忘れてここでひっそりと暮らして行きたいんや」
JOO「変な奴」
わし「まあ過去に何かあったんやろう。それは女も同じで、互いに昔のことは明かさないのさ」
JOO「大人ってことですね」
わし「そうそう、ジョンとメリーね」
JOO「スカイライン?」
わし「(いらっ)主人公の男は今のワシみたいに、女に対してイラッとした感情を抱きながら惹かれていく。
女もまた男のグウタラ加減に呆れながら惹かれていく。なんのことはない、二人とも一目惚れなんだよな」
JOO「面倒くさいな」
わし「恋愛ドラマは基本的に面倒くさいもんなんだよ。トレンディドラマ全盛期のバブルの頃なら尚更だ。
  ただこの漫画はその辺の描き方がホンマにセンスよくてなあ。いま読み返しても、ちっとも古くなってない」
JOO「じゃ、それを映画にするんだ?」
わし「そうね、そのうちね。描かれた当時ならヒロインは浅野温子石原真理子。今なら綾瀬はるか石原さとみ
JOO「ホリプロ限定かい」
わし「となりそうなところだけど、ワシはあえてキム・ハヌ…」
JOO「言わさねえよ!」
わし「じぁあ、イム・ユナ」
JOO「は? イム・スジョンやなくて?」
わし「ユナ! この役にはぴったりや」
JOO「てことは、まさか主人公は?」
わし「そう、チャン・グンソ…(ひでぶ)」
JOO「今度こそ言わさないよ!」
わし「うう、冷静に考えればそんな悪い役者やないのに」
JOO「巡りが悪かったな」
わし「つまり、歌手としての自分みたいってことか?」
JOO「やかましい」






※ガケップチ・カッフェー…
    
    作者の大前田りんはもちろんペンネーム。
    これ以前に前田由美子の名で松本隆原作の『微熱少年』を連載していたことがある。
    『ガケップチ・カッフェー』執筆中に大病を煩い、以後執筆活動を中断している。