第42話 永遠にソニョシデ!
【以下要約】
…そんな訳で、ビクトリア女王とその奴隷イ・スマンによる迫害は日ごと激しさを増し、ついに札付き8人組はソウルを逃れることにした。
が、脱出の直前になってジェシカが「やはり妹を置いていけない」と、戦火の中にひとり残る決断をする。
いつの日か平和な日本での再会を誓い、別れるジェシカと7人。だが、その背後には、すでに女王の追っ手が迫っていた。
長身ののスヨンとユリが盾となり、仲間を逃すことに成功するが、ふたりは凶弾に倒れる。
さらに釜山を目前に、ティファニーの尿路結石が悪化、一行は病身の彼女を親切な村人に預け先を急ぐ。
釜山から難民船に乗り、日本の海岸を目指す一行。だが、必死の思いでたどり着いた彼女らを待ち受けていたのは、先回りしたビクトリア女王その人だった。
残されたメンバーは死んでも守る。その思いで女王と対決するリーダー・テヨン。
女王にひと太刀を浴びせはしたが、これまでの過酷な旅で、彼女の剣のキレは失われていた。逆に追い詰められ、断崖から落とされてしまう。
そこへひと足遅く、ジュンス率いる救援隊が駆けつけ、女王は逃げ出す。
「テヨーン!」 愛する人を失ったジュンスの悲痛な叫びが、いつまでも崖にこだましていた。
一年後…。
スマンの手先の振りをしてSMの内部にひとり身を置いていたサニーは、ソニョシデのメンバーを救うべく、裏からいろいろと工作していた。
傷を負ったスヨンとユリはサニーの働きで助け出され、今では反SMの急先鋒として各地でゲリラ活動を行っている。
また、ジェシカとクリスタルもSMの悪事を暴くべく、独自に活動していた。
一方、日本に逃れたメンバーは、新たな戸籍を得て支援者の家庭に迎えられていたが、皆が幸せという訳ではなかった。
例えばユナの養母はいじわるで、毎日彼女に野沢菜100束を漬けさせていたが、気丈な彼女はお年寄りには受けが良かった。
化粧品事業で大儲けしたジュンスは、私財を投げ打ってテヨンを捜索させていたが、遺体すら発見できないでいた。
ある日ジュンスは錦糸町の問屋街でテヨンそっくりの少女を見かけ、思わず後を追いかけるが、見失ってしまう。
アメ横のおっちゃんに聞くと、草履屋で働く少女で過去の記憶をなくしているらしい。
テヨンが生きているかも! と喜ぶジュンス。八方手を尽くして少女に会ってみると、それは確信に変わった。
突然目の前に現れた大金持ちの青年に、戸惑いながらも惹かれていくテヨンそっくりの少女。だが、少女にはすでにカンインという素行の悪い婚約者がいた。
さらに、ジュンスの母親がジュンスと少女が会うことを禁止する。母親にとっては最悪のシナリオだった。何故なら…
「あなたとテヨンは本当は腹違いの兄妹なのよ、ジュンス!」
そのころ韓国では尿路結石が治ったティファニーが、ゾランマル印の化粧品を売り出し爆発的なヒットとなっていた。
「次は日本に進出よ。テヨンを見殺しにしたジュンスオッパの会社なんか、乗っ取ってやるわ!」
………
スヨン「うーん、おもしろい! こんなん初めてや」
テヨン「くだらんもん読んどらんとさっさと寝え! 明日も早いんやで(ぷち)」
スヨン「ああっ、殺生な…。頼むわ、読んだら寝るさかい(ポチ)」
テヨン「もお、せっかく消したのに。大体なんやの、これ?」
スヨン「いま日本で話題になっとるインターネット小説や。ウチらが主人公やねんで、ビックリやな」
テヨン「チラッと斜め読みしたけど、この作家は確実に気がふれとるやろ?」
スヨン「えー? おもろいやん」
ばたばたばた、バーン!
ユリ「ただいま! 今週の『永遠にソニョシデ!』、もうアップされとる?」
スヨン「それがまだやねん」
ティパニ「ちぇ、早よ読も思うて急いで帰ってきたのに。今週はウチが大活躍すると思うねん」
ソニ「そやった。あんた、ジュンスにいさんのこと誤解して目の敵にしとるんやったな」
テヨン「自分らもこのけったいな小説読んどるんか?」
ユリ「当り前や、めっちゃブームやし。
テヨンねえ、おいしい役どころやないの。記憶は無くすわ、ふたりの男に愛されるわ、実は恋人と血がつながってるわ」
スヨン「斬新な展開やなあ、さすが文化大国日本や」
テヨン「いやいや、ありえへんやろそんなストーリー。だいたいソウルが戦争中なんていつの話やねん?」
スヨン「外人の認識なんてそんなもんやで。ウチかて日本で暮らす前は、日本人みんな刀差してチョンマゲ結うとる思てたし」
ソニ「自分がアホなだけや」
ユナ「(バーン!)こんな小説、ウチは認めへんで」
テヨン「お、まともな奴がおった」
ユナ「内容がどうこう言う前に、ウチに一銭も肖像権料が払われてないやないか!」
テヨン「そこかよ!(関東風ツッコミ)」
ピコーン
スヨン「あっ、新しい奴、来たで」
全員「どれどれ(わらわら)」
なんとかティファニーの誤解を解こうとしたジュンスだったが、却って彼女の憎悪をかき立てる結果となってしまった。
2人の戦いは避けられず、京の五条の橋の上でワイアーアクションを駆使した戦いが繰り広げられる。
「やめて! 私のために戦わないで」2人の戦いの中に思わず飛び込んでいくテヨン。
「しまった!」ティファニーが気付いたときにはすでに遅く、冷たく光る刃がテヨンの心臓を貫いていた。「ああ、時が見える…」ガクッ!
ユリ「わー、テヨンねえが死んでもうた」
スヨン「大丈夫や、彼女ならきっと生きとる。信じるんや」
3年後…
失意のジュンスは代々木公園でサイボーグを連れた露天商を見かける。
サイボーグが客寄せに歌う調子はずれの歌、その錆び付いた声の中に、ジュンスはテヨンの面影を感じる。
「ワタシハてよんデハアリマセン。ナモナイオンボロノさいぼーぐデス」というサイボーグの手を引いて連れ出すジュンス。
「テヨン、ボクがきっともとの身体と歌声を取り戻してみせる!」
サイボーグ窃盗罪および機械偏愛罪で追われる身となったジュンス。
そしてその行く先々に警察だけでなく、ビクトリア女王の手の者が現れサイボーグを奪おうとする。
今は誤解も解け、よき協力者となったティファニーは、その頃ようやくサイボーグの秘密に気付いていた。
「あの機械のボディには世界を破滅させる力が隠されている! 逃げて、ジュンス、テヨン!」
…つづく
ユリ「えらい展開になってきたなぁ」
スヨン「せつない、せつないわ(ぐす)」
ティパニ「ああ、来週が待ち遠しい…」
テヨン「それにしても何一つ解決せんうちにどんどん問題ばかり出てくる話やな。いつになったら終わるのか見当もつかんわ」
ヒョヨン「タイトル通り永遠に続くんちゃうか?」
ユリ「ウチらがそんなに続かんわ」
ティパニ「来年あたり『永遠に2NE1!』ゆータイトルに変わっとったりして」
全員「わはははは!」
ソニ「笑とる場合か!」
ピコーン
スヨン「お、また更新されたで。なになに…『来週から「永遠にf(x)!」に改題します』やて」
全員「やっぱりな。わはははは!」