関西ソニョシデ学園

過去に生きるK-Popのブログ

第785話 地獄とは神の不在なり

テヨン「やってくれたな~、自分ら!(激おこ)」
ジホ「ひゃーっ」
アリン「ザブングルの加藤みたいでありんす~」
ヒョジョン「きゅ、急にウチらの楽屋に乗り込んでキレられても、なにがなにやら」
テヨン「パクリ疑惑じゃ、ボケぇ」
ヒョジョン「パクリ? ウチらが? 誰の何を?」
テヨン「おーおー、とことんシラを切る気か。たかがケーブルTVの音楽番組でちょこっと1位獲ったくらいで調子こいてるんやないど」
ビニ「そやけどホンマに身に覚えがないんで、ちゃんと説明して貰わないと」
テヨン「盗っ人猛々しいとはこのことやな(呆)。ええやろ、説明したる。自分らの新しいアルバムに入っとる曲が、ウチの曲を丸パクりなんじゃ」
ユア「はあ?」
ヒョジョン「それはなにかの間違いでは?」
テヨン「ほんならまずこの曲を聴け」

ミミ「これは『Checkmate』」
ジホ「ウチらの新盤のラストを飾る名曲やないか」
スンヒ「特に“Bam Baram Baram Baram”ちゅうところがクールでええ」
テヨン「よおゆうた。そこを踏まえて、今度はこれを聴いて貰おう」

スンヒ「げぇ、なんやこれは?」
テヨン「ウチの三枚目のミニアルバムに入っとるクールな名曲で、その名も『Baram X 3』や。コンサートでも歌うとるし、ウチのペンなら必ず知っておらねばならない有名な曲なのである」
スンヒ「ならないゆわれても…」
ユア「ウチは知りまへんでしたわ」
テヨン「ほぉ?(ギラッ) この独歩的大歌手テヨン様の名曲を知らんと? それでよおこの国で歌手やれとるな?」
ヒョジョン「しまった、これは知ってるゆうても知らんゆうてもピンチになる袋小路攻め(汗)」
ユア「そやけど、『Checkmate』はウチらが作った訳やおまへんし」
ミミ「い、いや、それが…(大汗)」
ユア「ん?」
テヨン「ふっふっふ。そお、この歌の作詞にキム・ミヒョン、通称ミミが参加しておることは調査済み。もはや言い逃れは出来へんぞ」
ヒョジョン「根拠が薄くないっすか? 歌詞の一部は確かに似てますけど、曲調は全然ちゃいますし」
スンヒ「そーだそーだ」
テヨン「その曲調も怪しい。だいたい自分らはいままでお花畑みたいなふにゃふにゃした歌ばっか歌うて来たやないけ。それやのにこの曲はまるで少女時代-TTSみたいな大人のおしゃれ感を匂わせとる。コンセプト泥棒や」
ヒョジョン「言いがかりですわ」
テヨン「自分らガキンチョは子どもっぽい幼稚な歌を歌うとけばええんや」
アリン「お言葉ですけど、ヒョジョンねえさんはもうすぐ30歳。充分大人でありんすよ」
ヒョジョン「(かくん)30は言い過ぎやろ」
テヨン「そもそも自分らは妙にウチらに寄せてる感が見え見えなんや。人数かて8人やし」
ビニ「いまは7人でっせ」
テヨン「ふん、ひとり抜けたか。そんならいずれ5人組になるに決まっとる」
スンヒ「だ、誰が抜けるんやろ?(どきどき)」
ミミ「真に受けんでええから」
ヒョジョン「とにかく、そんな薄い根拠で脅される訳にはいきまへん」
テヨン「根拠なんてどーでもええんや。今時の社会は論理やなく感情で動いとる。ひとたびウチが“パクられたぁ”と騒げばネット世論はたちまちおまごる叩きに転じるがな。先週のMカが貴様らにとって最後の1位になるかもしれんで」
ジホ「うひー(震)」
ミミ「ど、どおすれば…(汗)」
テヨン「ウチの曲とTTSのイメージを侵害した罪は軽うない。本来なら世間の目に晒して判断を仰ぐとこやけど、自分らもまだ将来のある身。ここは内々に収めてやろう。今後の売り上げの5割でどーや?」
ヒョジョン「ご、5割ぃ!?(目飛)」
ユア「んな法外な!(腰砕)」
テヨン「やかましい! 自分らの稼ぎが悪いからそおなるんや。Twiceくらい収入あったら1割で手を打ってるわい。悔しかったらあいつら並に稼いでみろ」
ヒョジョン「…!(ぱくぱく)」
テヨン「ほな頑張ってCD手売りしたりサイン会開いたりしてちょーだい。来週1回目の集金に来るさかいな」
ばたーん!
Oh My Girl「じ、地獄やぁ(よろよろ)」

テヨン「さーて、次のパクリ犯はあいつやったな。さっそく押しかけたろ。奴の場合おまごるよりずっと稼いどるから3割くらいで手を打ってもええかなぁ(るんるん)」






※「地獄とは神の不在なり」(Hell Is The Absence Of God)…
 中国系アメリカ人SF作家テッド・チャンの短編小説で、ヒューゴー賞とネヴュラ賞をW受賞(2002年)。天国や地獄、天使が目に見える世界での理不尽な出来事を扱っている。宗教的な主張より実際の世界がいかに理不尽極まりないものかをテーマにしたものと思われる。
 本業はテクニカルライターで、小説は極めて寡作。これまで発表した作品は20篇余りですべて短編である。代表作のひとつに2016年に映画化された『あなたの人生の物語』(Story of Your Life)がある。映画のタイトルは『Arrival』(邦題『メッセージ』通称バカウケ)で、概ねのストーリーは原作通りだがラストなどはハリウッド流に変更されている。
 テッド・チャンの小説の特徴は仮想の世界を描きながらもその手法はあくまで論理的で、いずれの作品も高い水準を誇る。現代アメリカSF界で最高の作家のひとりと評価されている。「書く価値のあるアイディアを思いつかない限り書き始めない」がモットー。作家の殊能将之は「仕事で年間何十本も書いてたら駄作だって出てくるのに」と皮肉っている。私なんか関ソシ1000本も書いてるから駄作だらけである(しおしお)。


映画『メッセージ』