関西ソニョシデ学園

過去に生きるK-Popのブログ

第754話 そに散歩 〜日南編〜(その8)




06:都井岬(承前)



ナレーション:馬の餌場…もとい廃ホテルはまだあちこちに。しばらく歩くと、今度は左側に大きな建物が…


ガイドのおっちゃん「これが都井岬観光ホテルでおま。客室数150、収容人数400を誇る都井岬最大のホテルでしたが、2010年に廃業しております」
ソニ「ほんで今は夜な夜な馬がバリボリやってるっちゅう訳やな」
ガイドのおっちゃん「そないだす。ちょっと寄ってみますか?」
ソニ「いらんですわ。もうだいぶ歩いて来たよって疲れた。無用な寄り道は遠慮したい」
ユナ「なーなー、ホテルの向かいの駐車場、馬が仰山おるで」
ガイドのおっちゃん「その辺は芝生が覆ってますさかい、ええ餌場なんですわ。陽当たりもええし、食って良し、ゴロゴロして良し、居眠りして良し。小松ヶ丘程やないけど割とよお馬が見れるポイントですわ」
ソニ「ほえぇー」


 バリボリ
 ボリバリ


ユナ「おお、近寄ってもまるで気にしない」
アイリーン「夢中で草食うてますなぁ」
ソニ「まさにスヨンの食事時そのままや。擬音が“むんぎゅむんぎゅ”か“バリボリ”の違いだけ」
馬「ブルルルッ」
ユナ「わ、ビックリした」
ガイドのおっちゃん「あんまり近づくと、そないして鼻を鳴らすことがあります。それ以上近づかん方がええでっせ」
ソニ「そうか。食事中にやたらベタベタしたら嫌がる訳やな」
ユナ「向こうから近づいてきたらどおすんの?」
ガイドのおっちゃん「刺激せんよおにゆっくり離れるよお指導しております。大人しく見えても力は強おおますから、敵の制空圏に入るのは非常に危険です」
ソニ「敵なんかい」
アイリーン「その制空圏てどのくらいでっか?」
ガイドのおっちゃん「だいたい3〜5mくらいでっか。それより内側が奴らの間合いです」
ソニ「後ろから近づいたら? 敵も後ろに眼が付いてるわけやないやろ」
ユナ「馬のキン○マやコーモン見て何が楽しい?」
ガイドのおっちゃん「後ろから接近するんが一番危険でっせ。馬の視界は350度あるゆわれとりますからな。こっそり近づいても敵には丸見え。後ろ足で蹴られたら命の保証は出来まへんで」
ソニ「ぴゃー」
ユナ「350度て…。もうちょっと頑張ればオノレのコーモンも見えるかもしれんな」
ソニ「アイドルがコーモンコーモンゆうな!」


ガイドのおっちゃん「こっからちょっと道をそれると民宿とビジターセンターがおます」
ソニ「ビジターセンター?」
ガイドのおっちゃん「通称“うまの館”ゆうて、串間市の観光物産協会が運営しとる資料館兼観光案内所ですな。ワシらガイドもここに所属しております」
ユナ「うまの館…。ウチが以前行った阿蘇ちゅう所には“あか牛の館”なる赤牛の焼肉を食わせるレストランがあったが、するとここは馬の肉を食わせる…」
ガイドのおっちゃん「資料館兼案内所ゆうとるでしょーが! 天然記念物の御崎馬を食うたら死刑になりまっせ!(怒)」
ユナ「マジで? サンメッセ日南のレストランでも食わせてへんの?」
ガイドのおっちゃん「食わせてまへん!」
ユナ「なんやぁ。馬肉美味いのになぁ」
ガイドのおっちゃん「(うきーっ)逆にBBQにして食ってやりたいところやが、そんなガリガリの体じゃ美味い訳もなし。ここは聞かんかった振りして華麗にスルーや」



アイリーン「あ、館の前にも馬が。可愛ええ❤」
ソニ「館の人が餌付けしとるのかな?」
ガイドのおっちゃん「餌なんかやってまへん! 御崎馬は自然のままで生活させてますから、皆さんも餌あげたらあきまへんで」
ソニ「なんや、奈良の鹿とはだいぶ違うんやな」
ユナ「餌付けしてせんべい見たらお辞儀するよう仕込んだら観光客も奈良並みになるのになぁ」
ガイドのおっちゃん「いらんお世話じゃ!」
ソニ「ビジターセンターの中にはなにがあるんでか?」
ガイドのおっちゃん「まぁ御崎馬の剥製とか御崎馬骨格標本とか御崎馬の写真とか」
ソニ「写真て遺影?」
ユナ「死体ばっかりやな」
ガイドのおっちゃん「遺影ちゃいます。在りし日の元気な姿を写し取ったものですわ」
ソニ「遺影やん」
ユナ「殺して食ったんやな」
ガイドのおっちゃん「食ってへんちゅーの!(うきーっ)」


ナレーション:とにかく一行は館の中に入り、馬の死骸を見たり、御崎馬の生態について学芸員の人からより詳しく説明を受けたりしました。説明の内容はほぼほぼ餌事情とウン○の話に尽きるのでここでは割愛させていただきますよ。


てくてく、てくてく
ソニ「いやぁ、もお一生分ウン○って単語を聞いた気分やな」
ユナ「まったくじゃ。あの学芸員は絶対スカトロマニアに違いない」
ソニ「ところで、なんやら林の中に入ってきたけど?」
ガイドのおっちゃん「都井岬の多くは樹木に覆われております。餌が少なくなる冬場には、馬も林の中に入って枝や木の根を食うておるんですわ。むしろ御崎馬本来の生息場所はこういった林の中かも知れまへんな」
ソニ「へぇ」



ガイドのおっちゃん「死期が近づいた老齢の馬は、群を離れて独り林へ入っていきます。そやから林の中には結構馬の死骸がごろごろしとります」
ユナ「死骸好っきやなぁ(呆)」
ソニ「組合の方で埋葬したりせんのですか?」
ガイドのおっちゃん「一切しておりませんな。あくまで自然のままに暮らさせております。死体を発見したら記録には残しますけど、馬そのものは鳥やイタチなどに食べられてあっという間に骨になってしまいます」
ユナ「なるほど、芸能界と一緒やな」
アイリーン「て言うと?」
ユナ「死んだ4MinuteやSistarはあっという間に芸能界の鬼どもに毟られてもおて、残ったのはヒョナやヒョリンと言った骨太女ばかり」
ソニ「よしなさいって」


ナレーション:などとアホなことを言いつつ歩き続けること30分、ついに一行は岬の突端へ到着しました。


ガイドのおっちゃん「お疲れ様でした。ここが都井岬灯台でおます」
ソニ「おおっ!」



ずーん!


ユナ「♪俺ら岬の 灯台守は…
ソニ「歌わんでええ。ココマか、自分」
ガイドのおっちゃん「都井岬にはここと南灯台のふたつがありまっけど、こっちの灯台の方が大きゅうおます。その景観の良さから“日本の灯台50選”にも選ばれておるんでっせ」
ソニ「へぇ。てことは登れるんでっか?」
ガイドのおっちゃん「登れます。入場料200円払うてくださいね」
ソニ「はいはい。ほな行ってみよぉ!」
ユナ「元気やなぁ」




ソニ「わーお。確かにこれはええ眺めや」
ガイドのおっちゃん「岬の突端でっから、右手は太平洋、左手は志布志湾と、ぐるっと見渡すことが出来まんねん。天気がよおて大気中の埃がない日には、遠く内之浦のロケット発射場や種子島辺りまで見えるんでっせ」
ソニ「すげー」
ユナ「おおー、SMビルが見える!」
ソニ「嘘つけや(呆)」


ソニ「いやーしかし、今回は『西郷どん』の代替え企画ゆうことで、とんでもない田舎の城下町だの、なんの必然性もなくモアイだの、放送出来んよおな日本の神話関係だの旅させられたけど、最後にええ景色が見られて良かったな」
ユナ「馬の死骸も仰山見たし」
アイリーン「そやけど、まだ生きた馬はそれほど見てまへんね」
ソニ「そお? 5〜6頭は見たよって充分ちゃうか?」
ガイドのおっちゃん「とんでもおまへん。都井岬の馬は全部でおよそ120頭。未確認ながら春駒も数頭生まれておるよおです。せめて美しい海を背景に草を食む群々を見んことには来た甲斐がないっちゅうもんでっせ」
ソニ「そおはゆうても、ここまでの道中、大した群なんかなかったやないでっか。せいぜい2〜3頭ずつちょぼちょぼおっただけやろ?」
ガイドのおっちゃん「実は確実に群を見れるポイントがあるんですわ」
ソニ「ホンマ? 一体どこに?」
ガイドのおっちゃん「最初に立ち寄った小松ヶ丘ですわ」
ソニ「はぁ? あっこには3頭しかおらんかったやないの」
ガイドのおっちゃん「そん時見たのは小松ヶ丘広場の駐車場。小松ヶ丘っちゅうのは車道を挟んだ対面にありまんのや」
ユナ「(がっくし)じゃあそん時案内してくれよお」
ソニ「これからまたあそこまで戻るんかぁ(とほほ)」
アイリーン「そおゆうたかて、クルマは駒止の門においてあるんやから、いずれにしても歩いて戻らにゃあきまへんで」
ソニ「がーん」
ユナ「自分、電池大丈夫なんか?」
アイリーン「ギリ」
ユナ「マジか? もお引きずって歩くのいややで(うんざり)」
ソニ「大丈夫や。帰りは下り坂やから、電池切れたら転がしていけばええ」
アイリーン「勘弁してくださいよぉ」


ナレーション:あっは。会社の備品は大事にしろと主張していたソニさんも、さすがに面倒くさくなったのか過激なことを言い出しましたね。ともあれ一行は1時間程歩いて小松ヶ丘に戻ってきました。アイリーンさんの電池もなんとか持ったようです。



ガイドのおっちゃん「ほれ、あっこ、斜面で草食んでますやろ」
ソニ「あー、ホンマにおるな(はぁはぁ)」
ガイドのおっちゃん「丘に登ったらもっと仰山おりまっせ。そこの遊歩道から上がれますわ」
ユナ「また登るんかい!?(ひぃひぃ)」





馬「ブヒヒヒンッ」
ソニ「おーっ、確かによーさんおるわ(ぜいぜい)」
ユナ「馬は息切れせんのかな?」
ガイドのおっちゃん「普段扇山の頂まで駆け上がったりしてますさかいな、このくらいの丘ではビクともしまへんで」
アイリーン「なんとも牧歌的な光景ですね。もっとあっちの方まで行ってみましょうよ」
ユナ「いや、行かん」
ソニ「ウチも」
アイリーン「え、なんでですの? あっちにはもっと仰山の群がおりまっせ」
ユナ「足もとをよお見てみろ。地面がこんなババだらけじゃ、絶対踏んでまうやろ。この靴、結構気に入ってんねんで」
ソニ「うまの館の学芸員があれほどババの話をしとった意味がよお判ったわ。馬あるとこババありやな」
アイリーン「まぁ馬場っちゅうくらいでっからね」
ユナ「(うきーっ)ポンコツのくせにシャレてんじゃねぇ!」
ガイドのおっちゃん「さっきはウン○ゆうてましたのに、今はババゆわはるんですな?」
ソニ「ババゆうのが正式なアイドル用語です。ウン○ゆうとアイドル業界ではA○inkのブサイクボーカルを指しますよって」
ガイドのおっちゃん「ふーん、いろいろあるんですな。そやけどウン○にしろババにしろ、表現が直接的過ぎまへんか? ここはひとつ団鬼六先生に倣って“黄金”とゆうことにしまひょ」
ソニ「黄金! 日本特有の婉曲表現極まれりやな」
アイリーン「ソニ者、蒼き衣を纏いて金色の野に降りたつべし! てとこですね」
ソニ「それ、奈良篇でソヒョンがゆうた奴やないか。同じネタを使い回すんじゃねぇ」
ユナ「さすがロボット。独創という概念がない」
アイリーン「いえいえ。奈良は鹿で、ここでは馬。ねえさん方にピッタリやなと思うて敢えて言いましたんや」
ユナ「まぁ確かにウチは牝鹿ちゃんと呼ばれておるけれども。馬や鹿みたいに可愛ええってことやな」
アイリーン「そおそお(ニヤニヤ)」
ソニ「とにかくどう表現したところでクソはクソ。クソの野を歩き回る程アイドルとして命知らずではないど」
ガイドのおっちゃん「そやけど馬のクソはほとんど未消化やから実質草と同じ。匂いもほとんどありまへん。うまの館ではこれを原料にハガキを作ったりしてますし、馬糞を燃料や建材に利用してる地域もあるんでっせ」
ユナ「ほな食うてみぃ」
ガイドのおっちゃん「は?」
ユナ「馬のクソがクサと同じゆうんやったら自分食うてみせろや」
ガイドのおっちゃん「無茶ゆうたらあきまへん」
ユナ「無茶やない。スヨンなら間違いなく食いよる」 
ガイドのおっちゃん「誰ですねん、さっきから(呆)」



ソニ「あっこの馬は草も食わんと、えらいボヘーとしとりますな」
ガイドのおっちゃん「ああ、あれは寝てるんですわ」
ユナ「え? 馬って立ったまま寝るの?」
ガイドのおっちゃん「そないだす。しかも一度に10〜15分くらいしか寝まへん。爆睡してたら敵に襲われますから、熟睡しないんですな」
ユナ「ほえー。なんか木枯らし紋次郎みたいな生活やな」
ソニ「なんやその例え?(呆)」
ユナ「昨夜ホテルのテレビでやってたんや。おねえは泥酔してたよって観てへんやろけど」
ソニ「今時『木枯らし紋次郎』? すげぇな、全州より電波届くのが遅いやんけ」
ユナ「まぁ日本の果てみたいなとこやからな」
ガイドのおっちゃん「それは再放送でっしゃろ。いくら宮崎でもそこまで田舎やおまへんで」
ユナ「そやけど民放2局しかないやん。充分田舎や」
ガイドのおっちゃん「その分NHKがカバーしてますよって不便はありまへん。『イッテQ』も『モニタリング』もNHKが放送してます」
ソニ「嘘つけや」
アイリーン「…(かくん)」
べしゃ
ユナ「わぁ! チュヒョンがババの塊に顔から突っ込んだで」
ソニ「電池切れたんや。斜面に突っ立ってたからそら倒れるわな」
ユナ「何てだらしない。馬ですら立ったまま寝てるのに」
ガイドのおっちゃん「おやおや、可哀想に綺麗な顔が馬糞まみれに」
ソニ「まさにAPinkのウン○並の器量になってもおたな」
ユナ「こんなん担ぐのイヤやなぁ。面倒やから斜面を転がして降ろすか」
ソニ「それはええ。ついでに日向灘まで転がして沈めたれ(喜)」
ガイドのおっちゃん「やめなさいって(呆)」


ナレーション:あっは。アイリーンさんも災難ですね。モバイルバッテリーも全部使ってしまったので、今回の旅はここまで。次回の『そに散歩』をお楽しみに〜。