関西ソニョシデ学園

過去に生きるK-Popのブログ

ミニそし445

NC.A「おっちゃん、集計は? 表彰式の準備してる?」
わし「表彰式?」
ヨジン「歌謡祭の結果発表でやんすよ」
わし「あー…うーん、まぁぼちぼち。それより今はこの動画の方が優先事項で」
NC.A「はぁ?」



リアルドキュメンタリー『ミラクル遠征隊』


NC.A「出た出た、またおまごるちゃんや」
ヨジン「そんなグループよりLOOΠΔを強力にプッシュするでやんす」
わし「いやいや、これにはSF野郎として看過出来んものが写ってるんでどうしても紹介したいんじゃ」
NC.A「なに、その看過出来んものって?」
わし「うむ、それはな…」




NC.A「ん? おまごるちゃんがペンから貰うた似顔絵かな?」
ヨジン「アクリルを型に切って挟み込むとか手が込んでするでやんすね。これなら飾ってても劣化しないしきれいだし」
NC.A「こおゆう捨てにくいもの渡されると、正直迷惑なんだよねぇ」
わし「こらこら、堂々と暗黒面をさらすんじゃない。
 この似顔絵スタンドはおまごるペンの某日本人漫画家さんが手作りしてサイン会で渡した物らしい。仕事でも会う機会ある立場やのに、わざわざ一般人に混じって並んでまで手渡すなんぞ、えらい。ペンの鑑である」
NC.A「ストーカー体質なんじゃね?」
わし「否定は出来ん。まぁそれはともかく、この似顔絵スタンドのことはどおでもよくて」
NC.A「(かくん)どーでもええんかいっ!」
わし「似顔絵スタンドが写った次の瞬間!」
ヨジン「なになに? ケンミンショーのナレーション風に煽ってくるなんてずるい」



NC.A「この瞬間? なにこれ?」
わし「ここはユアたまの部屋らしいのだが、問題は入り口近くに置いてある本棚の中身や」
ヨジン「中身って、この画像で判るんでやんすか?」
わし「ワシは判らんかったけど、とあるマニアの方から教えて頂いたのだ。それによると、ここに写っているのは全ケンミン熱愛のSF本なのだ!」
ヨジン「いや、ケンミン関係ないから」
NC.A「本棚にSF本飾るなんて、ユアの奴、SF者ってこと? うわー、不潔」
わし「不潔とはなんじゃ。SF者を代表してジョン・W・キャンベルJrに謝れ」
NC.A「だれだよ?」
わし「とにかくユアたまがSF読むなんて思ってもみなかったからワシはびっくらこいた。カズレーザーグレッグ・イーガン読んでると知ったときより驚いた」
NC.A「カズなんとかとかイーガンとか判らないから」
ヨジン「危険。なんかこの先知らない名前がいっぱい出てきそうな予感がするでやんす」
わし「そんなことはないぞ。ワシの知らない名前は一人も出てこない(えっへん)」
NC.A「…バカなのか?」
わし「とにかく、そのマニアの方の報告によると、一番上の左側に並んでる銀色の4冊、これはGRRMの傑作選“限定版ハードカバー・ボックスセット全4巻”て奴らしい」
ヨジン「GRRM?」
NC.A「ほら、さっそく知らん名前出てきた」
わし「ワシらの間ではもっぱらジョージ・R・R・マーティンと呼ばれている作家である」
NC.A「ほな最初からそーゆえよ(ゆわれても判らんけど)」
わし「この人はピュアなSF作家と言うよりホラーとかファンタジーの方が有名なんで、ワシもあんまり読んだことはないんだよなぁ。『サンドキング』くらいかなぁ」
NC.A「聞いたことない」
わし「え、あの『サンドキング』ですよ?」
NC.A「サンドキングだろうが参勤交代だろうが、SFなんか興味ない」
わし「じゃあ大ヒットドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』の原作者にしてプロデューサーだとゆうたら」
NC.A「マジで?(ぴゃー) そんなえらい人やったの?」
わし「そうなのじゃ。原作は元々『氷と炎の歌』ちゅうファンタジー小説で、GRRMはその作者なのじゃ」
NC.A「ほえー。ほなユアがこの本持ってるのは『ゲーム・オブ・スローンズ』のペンだから?」
わし「いんや。そのマニアのお方が送ったらしい」
ヨジン「(かくん)貰いモンかぁ」
NC.A「本も捨てにくいんだよなぁ」
わし「やめなさいって。で、その右の方にある青白い背表紙はテッド・チャンの『あなたの人生の物語』ね。これはワシも大好き」
NC.A「当然聞いたことがない」
わし「あの映画『メッセージ』(邦題)の原作やないかいっ!」



ヨジン「あ、これは知ってるでやんす。“バカウケ”っすね」
わし「左様。大ヒットはせんかったけど、去年公開された映画の中では最高とゆう知人もおるくらいクォリティの高い映画や。ただ小説を先に読んでると、やはりハリウッドの限界ちゅうか、俗な話にまとめちゃったなぁと思うけどね。原作の持つ文学的な薫りはだいぶ失われてしもうた」
ヨジン「そおなの?」
わし「まぁハリウッドが映像化すればこうなるのは判りきってるけどな(残念)」
NC.A「どーでもええし」
わし「最下段の左から10冊目はロバート・J・ソウヤーの『さよならダイノサウルス』ね」
NC.A「AKMUちゃんに別れを告げる話?」
わし「違います(つまらん)。ソウヤーは大作家ではないが、よく練られた面白い娯楽SFを書かせたら上手い。確か『フラッシュフォワード』ちゅう小説はアメリカでドラマになってたな」
ヨジン「あったあった。けど、すぐ打ち切りになったでやんす」
NC.A「詳しいな」
ヨジン「おじいちゃんが観てたもんで」
わし「その方の情報によると、この動画には写ってないが、他にもペンから贈られたル・グィンやロバート・ブロック短編集などもあるはずだと言う。とすれば、ユアたまはもう立派なSF野郎とゆうてもええのではなかろうか」
NC.A「野郎じゃないけどな」
ヨジン「それにしてもこんな一瞬の映像からそこまで語れるなんて、もう尊敬出来るレベルのアホさでやんすね、おっちゃん」
わし「褒めてんの? 貶してんの?」
ヨジン「おっちゃんもいつもさぞかし小難しいSFを読んでるんでやんしょうねぇ」
NC.A「やめろやめろ、興味ないし話が長ごなるやんけ」
わし「よお訊いてくれたな。ワシが今読んでるSFはこれじゃ」



ばーん!


NC.A「な、なんじゃこりゃ?」
ヨジン「冒険ファンタジー名作選…児童書?」
わし「知らんのかい? これがSF史に燦然と輝く名著『27世紀の発明王』やおまへんか」
NC.A「いや、おまへんかとゆわれても」
わし「SF界で最も権威ある賞、ヒューゴー賞はこの作家から名前を頂いたモノであるぞ。そらもお関ソ歌謡祭の2億倍は価値がある賞や」
NC.A「それは悲しいな」
ヨジン「なんか表彰式手伝う気失せるでやんす」
わし「ヒューゴー・ガーンズバックが1911年に記したもともとの小説は『ラルフ124C41+ ─ 2660年のロマンス』ちゅうてな、その本もちゃんと持ってるで」



わし「これはまだラジオ局もない20世紀の初めに、ガーンズバックが科学の啓蒙のために無線関係の雑誌に連載したモノや。27世紀の青年発明家の恋と冒険のお話やけど、テレビやリニアモーターカーなど現在実現しているさまざまな科学技術を予言しておって、それにより彼は“現代SFの父”と呼ばれておるのじゃ。主人公の名前“ラルフ124C41+”の英数字部分は“one to foresee for one(未来を見通す人)”のもじりで、その名の通り、ガーンズバックは未来を見通す人だった訳や。思い起こせば今から半世紀ばかり前、小学校の図書館でこの本を手にしたのがワシのSF人生の始まりやったなぁ」
NC.A「戦前やん(呆)」
わし「そこまで古ぅないわい」
ヨジン「そやけど、またなんで児童書なんか読んでるんでやんす?」
わし「うむ。病気したから字の細かいハードな内容の本を読むのがしんどなってなぁ。たまたま図書館でこのシリーズを見つけたんで借りてきた。他にも仰山あるんやで」



ずらーっ


ヨジン「わぁっ」
NC.A「ええ歳こいて気持ち悪ぅ」
わし「お気に入りはやっぱり『宇宙のスカイラーク』と『超能力部隊』かな。どっちも原著の方は数え切れないくらい読んだで。ハインラインの『超能力部隊』はもともと『深淵(Gulf)』ちゅう中編やねん。何度読んでも涙なしにはおられへん」
NC.A「そんなに原著読んだんなら、児童書借りてまでまた読むことないやん」
わし「つい懐かしくて(ぽりぽり)」
ヨジン「病気の世界でやんすねぇ」
わし「このネタで『マツコの知らない世界』に出たろうかな」
NC.A「マツコが理解するとは到底思えないし、そもそもおっちゃんはマツコの好みの男性ではない」
わし「じゃあやっぱりユアたまに送りつけてやろう。それもシリーズ全巻。ユアたまSFマニアに洗脳計画や(うっふっふ)」
NC.A「怖い怖い(ひーっ)」
ヨジン「こんな調子でやってて、いったいいつになったら表彰式が始まるんでやんしょうねぇ(呆)」






※nightowさんとケビンさんに捧げます(ネタありがとう)