関西ソニョシデ学園

過去に生きるK-Popのブログ

第714話 そに散歩 〜釜山編〜(その3)





ウンジ「そんじゃここらで昼飯にしまーす!」
ユリ「おおっ!(喜)」
ソニ「やたっ! 今回はついてる。おでん食ったりカフェで一服したり、歩いてばかりのロスとは大違いの旅や」
ユリ「それに夜には海鮮も待ってるし(涎) 釜山、サイコーやんけ」
ウンジ「そがんやろ? 西面の隣の草梁(チョリャン)ちゅう街には、有名なデジカルビ通りがあるけん、そこでランチにするばい」
ユリ「デジカルビ!(ごくっ)」
ソニ「豚、大いに結構。ちっちゃいリーダーがおったら、ここで必ず犬とか言い出しよるからな」
ユリ「ホンマや。なにが食の都全州出身や。見境なくなんでも喰うだけやないか」
ウンジ「まぁまぁ。おらん人の悪口は置いといて、こっちばい(スタスタ)」
ソニ「え、歩くんか?」
ウンジ「そらまぁ、ひと駅の距離やけんね」
ソニ「とほほ〜、結局ロスと一緒やなぁ」


05:草梁


ユリ「ひぃひぃ」
ソニ「ふぅふぅ。しかも坂道ばっかり」
ウンジ「草梁は山の斜面に作られた街やけんね、仕方のなか。…お、ここここ、ここが草梁デジカルビ通りたい」



ユリ「ほぉ、美味そうな匂いが…(くんくん)」
ソニ「ソウルのデジカルビ通りとはちょっと雰囲気がちゃうね」
ユリ「そやな。だいぶごちゃごちゃして薄汚い店が多い」
ウンジ「生活感のあるて言いんしゃい(ぷんぷん)」
ソニ「それにしても、港町なのになんでデジカルビが有名なん?」
ウンジ「それは高度成長期にこの辺りに港湾労働者がてげ住んどったけんたい。自然と安くて美味しくて栄養のあるもんば提供する店が増えた訳やね」
ソニ「あー、その代表格がデジカルビってことか」
ユリ「確かに牛に比べりゃ安いもんね」
ウンジ「全盛期には専門店の数十軒あったて言われとる。今でん3〜40軒はあっとじゃなかとかねぇ」
ソニ「そんなにデジカルビばっか売ってて競合せえへんの?」
ウンジ「その店その店でタレの味に特徴のあるけんね。それにデジカルビはどの店にもあるけど、その他の部位は店によって扱いが違うとたい」
ユリ「なるほど。確かにこっちの店には“幻の5枚肉(オギョプサル)”、あっちには“豚トロサムギョプサル”て書いてあるな…ん?」
ソニ「どないした?」
ユリ「なんか、やたらとIUの看板が多いような」



ソニ「そおゆうたらそおやね。海雲台でもいくつか見かけたし」
ウンジ「ジウンちゃんはブランドイメージが高かけんね。影のCM番長たい」
ソニ「そおゆう問題ちゃうがな。IUが宣伝しとるんはチャミスル(ハイト眞露)やないけ。釜山ゆうたら焼酎は昔からC1(デソン酒造)て決まっとるはずや」
ウンジ「もちろんC1もちゃんとあるばい」
ソニ「そやけど広告はあまり見かけんで」
ウンジ「そらやっぱ眞露は大メーカやけんね。立て看板やポスターを飲食店に置かせて貰うごて、営業マンがいろいろ動きよるとたい。C1にはそこまでの営業力はなかけんね。ばってん店の中にはポスターの貼ってあるばい」
ユリ「“釜山のチョン・ジヒョン”と呼ばれたパク・キリャンも、営業力でIUには勝てんか。ちっこいリーダーが聞いたら“うきーっ”ってなるで」
ソニ「確かに」
ウンジ「で、この通りを左に曲がってちょっと行くと…あった、ここが銀河(ウナ)カルビばい」



ユリ「♪ウーナーウナウナ、うなずきマーーーチーー
ソニ「やめれ、ヘタクソ」
ウンジ「ここはデジカルビ通りで一番有名な店で、濃厚なタレに漬け込んだデジカルビが有名たい。福岡のテレビでもしょっちゅう紹介されよるけん、日本人客もてげ多かと」
ユリ「確かに、入り口にNHKやらKBCやらに紹介されたって書いてある」
ソニ「ほぉ。味は保証付きっと思うてええんやな」
ウンジ「そがんたい」


がららら
ハルモニ「いらっしゃいまっほー」
ウンジ「3人ばい」
ハルモニ「あい。靴ば脱いでから、こっちのテーブルに座りんしゃい」



ソニ「ふーむ、中はおばはん率高し」
ウンジ「昼やけんね。夜はサラリーマンが多かとよ」
ソニ「へぇ」
ハルモニ「なんにすっとね?」」
ウンジ「デジカルビば」
ハルモニ「あい。デジカルビ4人前ね」
ウンジ「おばぁ、乱視ね? 3人しかおらんやろうもん」
ハルモニ「この店はひとりなら2人前、ふたりなら3人前、3人なら4人前から注文して貰うごてなっとっと」
ユリ「なんで?」
ハルモニ「なんでか知らんばってん、それで日本人客は文句ゆわんけんよかろーもん」
ソニ「なるほど。観光地ならではのぼったくりシステムか」
ウンジ「まぁそれでも安かけん腹は立たんばってん。そんならしょんなか、デジカルビ4人前ね」
ハルモニ「あい。味噌汁(チゲ)とご飯は?」
ウンジ「それも4人前ずつからね?」
ハルモニ「うんにゃ。それは人数分でよかよ」
ウンジ「ならそれも頼むばい」
ハルモニ「あい。少々お待ちを」


ナレーション:と言うわけで、待つこと数分…



じゅーじゅー
ユリ「おお、美味そうやないけ」
ソニ「鍋がアルミホイルちゅうのが、エコだかエコじゃないんだかよお判らんけど、ええ匂いや」
ユリ「給仕のおばはんがちゃっちゃと切り分けて行ったところを見ると、これはもお喰うてええってことかな?」
ソニ「そうかも。このままじゃタレが焦げついちゃうし、喰うか」
ユリ「喰おう、喰おう。(パク)おおっ、これは美味い!」
ハルモニ「こら! まだ中まで火の通っとらんけん、喰うたらでけんばい!」
ソニ「えーっ?」
ハルモニ「牛やなかけんね、ちゃんと火ば通さんと腹こわすばい」
ユリ「もお喰っちゃったよぉ」
ハルモニ「こないだもデジカルビば喰いつけん日本人観光客が生焼けのまま喰うて嘔吐熱発しなはったとばい。ウチがよかて言うまで喰うたらでけん」
ウンジ「わはは、下痢じゃ。下痢確定じゃ」
ユリ「とほほ〜」
ソニ「てか、自分、笑って見とらんで教えろや!」
ウンジ「人は痛い目に遭って学習していくもんばい(笑)」
ソニ「見かけ通り人が悪い奴やな」
ユリ「いてて、腹痛くなってきた」
ハルモニ「さすがにそれは早すぎるばい。気のせいやろうもん」
ウンジ「意外にメンタル弱いな(うひゃひゃ)」
ユリ「死ね、アホ!」


ナレーション:メンタルは弱くても消化器は強いユリさん。この場ではおなかを壊すことなく、美味しくデジカルビをいただきましたよ。


06:釜山駅周辺


ユリ「はぁ〜、喰った喰った。屈託なく喰った」
ソニ「確かに美味かったな」
ウンジ「そやろ? 釜山の食いもんに外れはなかったい(えっへん)」
ソニ「この後はどこに?」
ウンジ「そやねぇ。この下の路地にちょっとした市場のあって、そこば抜けていくとチャイナタウンがあるばい」
ソニ「チャイナタウン?」
ウンジ「そがんたい。ロシア人キャバクラもある」
ユリ「ロシア人キャバクラのあるチャイナタウン? なんやそれ」
ウンジ「あっとやけんしよんなか。このチャイナタウンもよお映画に出てくるとよ。そんでチャイナタウンば抜けたところが釜山駅たい」
ソニ「あ、そうなん? ほんなら中華街通って釜山駅に行ってみるか」
ユリ「うむ、腹ごなしにちょうどええしな」


ナレーション:と言うことで、一行は20軒ほどの露天商が並ぶ市場を通って中華街へ。



てくてく
ソニ「なるほど、ちゃんとチャイナタウンて書いてある」
ウンジ「この中華街は上海通りゆう名前で、釜山と上海は姉妹都市なんよ」
ソニ「へー」
ウンジ「それに釜山は昔から国際港やったけん、19世紀に清国の領事館がこの辺りに置かれとったとよ。そのせいで華僑の多かと」
ソニ「それで中華街があるんやな」
ユリ「ロシア文字の看板も目につくけどな」
ウンジ「ロシア人船乗りも多かけんね。
 ここもよお映画の舞台になるばい。一番有名かとはそこの長盛香ちゅう店やね」



画像提供:ジンジャーさん


ユリ「おおっ、どっからどー見ても中華料理屋!」
ソニ「何の映画に出たん?」
ウンジ「窓のところのメニューば見てみんしゃい」
ソニ「メニュー? …わっ、これは!」



 どーん
画像提供:ジンジャーさん


ユリ「メニューの癖がすごいっ!」
ソニ「てっきり下手な画かと思うた」
ウンジ「その顔、誰と思うね?」
ユリ「うーん。 …ちょっとわかりまへん」
ウンジ「チェ・ミンシクさんたい」
ユリ「マジで? 似てねー(呆)」
ソニ「なんでチェ・ミンシクの顔がメニューに? ここが実家とか?」
ウンジ「うんにゃ。ミンシクさんはソウル出身たい。今言うたでしょーが、映画の舞台になったて」
ユリ「チェ・ミンシク…映画…、判った、『LUCY/ルーシー』やな」
ウンジ「(かくん)こんバカチンが。『LUCY/ルーシー』に一回でも釜山の出てきたか。ここが舞台になったとは『OLD BOY』たい」
ユリ「へー」
ウンジ「へー、てなんね。感動の薄かね」
ユリ「そやけど、その映画の公開の時、ウチら中学生やったから観せてもらえんかったモン(19禁)」
ウンジ「今からでも観れ。名作なんやから」
ソニ「ウチは観たで。そやけど、こんな店、出てきたっけ?」
ウンジ「店の外観は出てきとらんとよ。中盤でチェ・ミンシクさんとカン・ヘジョンさんが餃子(饅頭)を食べた店がここばい」



映画『オールドボーイ』より


ソニ「うーん、ゆわれてみればそのよおな」
ウンジ「このメニューは、そん時のミンシクさんば再現したもんたいね。監禁部屋に飾ってあった絵もオマージュしとるかも」



映画『オールドボーイ』より


ユリ「へぇ、店の人も熱心やね。ちょっと入ってみる?」
ソニ「いま飯食ったばっかじゃん」
ユリ「そやけど有名な饅頭なんやろ?」
ウンジ「ばってん映画に出た饅頭は実物とは違うとよ。ここの店、メニューほど味には熱心じゃなかちゅう評判たい」
ユリ「あら、そおなん?」
ウンジ「映画の中の饅頭は、どっちかっちゅうと馬家マンドゥちゅう店の饅頭に似とる」
ユリ「へぇ。ほなそこの店の饅頭を撮影に使ったんかな?」
ウンジ「いや。多分フードコーディネーターが作った消えモノやろう」
ユリ「(かくん)夢がないなぁ」
ソニ「…『オールドボーイ』、そして餃子。思い出すわぁ、ウチがまだアイドル売りやった若き日を(しみじみ)」
ウンジ「急にどげんしたと?」



SuperJunior-Happy『料理王(COOKING? COOKING!)』


ウンジ「わ、若い。全員若い(驚)」
ユリ「この頃のライバルはさとう珠緒やったな」
ソニ「そこまで老けてへんわい。せめて小倉優子てゆえや(どげしっ)」
ユリ「ぐぇええ。まだ豚消化してへんのに腹打つなよ(うっぷ)」
ソニ「カメラ前で吐いたらあかんで。吐くなら路地裏に行ってこっそり吐けや(げしげし)」
ユリ「うう…私は獣にも劣る人間ですが、生きる権利はあるはずです(涙)」
ソニ「てめぇに権利なんかあるか(ぱかーん)」
ユリ「ひぃ〜」


ナレーション:あっは。楽しく遊んでいる内に釜山駅前までやって来ましたよ。



ソニ「おおっ、結構でかい! それに近代的じゃん」
ウンジ「2004年にKTX乗り入れのタイミングで改装されたとよ。こっからソウルまでは2時間ちょっとで行くとばい」
ユリ「へー、案外近いんやね」
ウンジ「何遍もゆうばってん、田舎じゃなかけんね(えっへん)」
ソニ「駅の中の見所は?」
ウンジ「1階が商店街で、2階にも商店街のある。改札は2階にあるたい。ばってん今は1階は改装工事中で、カフェくらいしか開いとらんたい」
ユリ「なんやつまらん」
ソニ「改装中でもカフェだけはあるってのが逆にすごいけどな。駅前にもカフェいくつかあるし」
ウンジ「都会にカフェは必需品」
ソニ「そおかなぁ?」
ユリ「スタバやタリーズもあるけど、Angel-in-us(エンジェルイナス)が特に多いな」
ウンジ「うんうん、エンジェルイナスは駅の1階にも通りを挟んだ向かいにもあるばい。
 そおゆうたら『青い塩』でソン・ガンホとシン・セギョンがお茶してたのも海雲台のエンジェルイナスやったばい」
ソニ「なんでそんなにエンジェルイナスが多いねん?」
ウンジ「よお知らんばってん、韓国資本やけん、スタバに比べたら権利の安かとじゃなかろーか」
ソニ「ふーん」
ユリ「とにかく、せっかくやからカフェに入ろう」
ソニ「また?」
ユリ「歩き疲れたし、ゲロ吐いたよって体力消耗した」
ソニ「ダメなアイドルやなぁ」


ナレーション:てことで、ダメアイドル一行は駅前のエンジェルイナスCoffee店の2階でちょっと一服。
 こちらではいわゆるブレンドコーヒーがなくて、アメリカノ(アメリカン)かエスプレッソが主流となっています。



エンジェルイナス2階から見た釜山駅前


ソニ「(ずずー)そんで、これからどこに行くべ?」
ウンジ「これからいよいよ釜山港周辺に突撃たい。釜山と言えば竜頭山公園に国際市場、チャガルチ、BIFF広場やろーもん」
ソニ「なるほど、これからが目玉か」
ウンジ「そぎゃんたい。今までは前座よ、前座」
ユリ「なんか前座の段階で体力を使い果たした気がする…(ぎゅるぎゅる)あ、あかん、ちょっとトイレ」
ウンジ「ここのトイレは店の外ばい」
ユリ「はぁ?」
ウンジ「ビルの共同トイレやもん。他の店の客が塞いどらんのば祈ることたいね。そこのドアから出るとよか」
ユリ「うう…漏れる〜」
よろよろよろ
ウンジ「(呆)まさかあがん姿まで放送されるとじゃなかろうね?」
ソニ「されんじゃねーの? ここのスタッフアホやから」
ウンジ「ひゃー、えらか番組ばいねぇ」


ナレーション:さぁ、と言うわけで、次回はいよいよ巨大都市釜山の中心部・南浦洞(ナンポドン)エリアに突入!
 マンホールから地下に潜ると、そこは戦慄の暗黒街が。マリファナ密造、臓器売買とヤバすぎる釜山の闇社会に、ゴンザレスウンジが潜入する!


ウンジ「クレイジージャーニーかっ! 釜山に闇なんてなか!」
ソニ「APinkにはあるけどな」
ウンジ「APinkにもなかっ! ええ加減にしなっせ!(がおーっ)」





※おまけ…C1焼酎のイメージキャラクターは“韓国No.1チアリーダーで釜山出身のパク・キリャンが務めている。
 


※銀河カルビのデジカルビ…私の連れは一応ハルモニの許可を待ってから食べ始めたのだが、それでも2時間後に具合が悪くなって空港でトイレとラウンジを往復していた。
 私は焦げるくらいカリカリに焼いた方が好きなので無事だったが、ひょっとしたら消化器が強いだけかも知れない。
 とにかくニンニクやエゴマなど毒消しの食材と一緒に食べた方がいいと思う。


※長盛香…私が上海通りに行ったとき、この店の存在を知らなかったので、当然写真を撮ってない。帰国後ジンジャーさんから聞いて、己の浅はかさにホゾを噛んだ。
 ただ、当時やたらロシア人キャバクラに行った思い出話をしたがる相方を連れていて、奴の面倒を見るのに精一杯だったんだ、と言い訳させて欲しい。
 今回快く写真を提供していただいたジンジャーさんには深く感謝いたします(土下寝)