関西ソニョシデ学園

過去に生きるK-Popのブログ

第538話 シュレーディンガーの鹿

葬儀屋「えー、ご参列の皆さんは、こちらからお入りくださーい」
ソニ「はいはい」
テヨン「なんや、えらいみみっちい扉やな。
  魔王と呼ばれた故人にふさわしく、もっと地獄の門みたいな派手な入り口にせえや」
ティパニ「ホンマに地獄に行かはったらどないする。シャレにならんがな(呆)」
タブロ「なんや少女時代も来とったんか」
ユリ「あ、にいさん、この度はまことに持ってごにょごにょごにょ(ぺこぺこ)」
タブロ「いやまったく急なことでごにょごにょ(ぺこぺこ)」
スヨン「シン・ヘチョルのおっさんは、かつて沈黙事件の折、唯一ウチらを応援してくれたいわば恩人。
  その恩人の告別式とあらば、ドラマの合間を縫ってでも駆けつけるのは当然です」
タブロ「なるほど」
ユナ「そうそう。あの時のシン・ヘチョルのおっさんのラジオ、涙が出る程嬉しかった。
  片や楽屋でのウチらの態度がなっとらんと苦言を呈したヒップホッパーもおったらしいけど(ギロリ)」
タブロ「そ、それは噂やって(汗)。ワシ、一言もゆううてへんがな」
ユナ「ホンマァ?」
タブロ「ホンマホンマ。ソシのアンチが広めたデマ…あっ!」
ティパニ「どないしました?」
タブロ「ジェシカちゃんや。ジェシカちゃんも告別式に来たんか…」
テヨン「ふーん」
タブロ「ふーん、て。こんなところで鉢合わせしたら、マスコミのええ餌食やで」
テヨン「鉢合わせも何も、この世に存在しないものとは遭遇できまへんがな」
タブロ「な、なにゆうてんの?」
テヨン「ジェシカゆう存在は、今非常に不安定な状態にありますねん。
  ファンにとっては今だ少女時代であり、我々にとってはただの駆け出しデザイナーな訳で、量子力学的には両者の重ね合わせの状態にあると言えましょう」
タブロ「はぁ?」
ソヒョン「シュレーディンガーの猫ですよ、にいさん」
タブロ「シュレ…あの、物理好きな作家がよく読者を煙に巻く時多用すると言うアレか?」
テヨン「彼女自身は”まだ少女時代に未練があるにもかかわらずメンバーと会社から外されている”と説明していますが、これこそ重ね合わせの状態。
  少女時代なのかデザイナーなのか、自分ではっきりさせ社会に公表せんことには、いつまでも収束しないのです」
ソヒョン「そして重ね合わせの状態にある物体を、我々は見ることが出来ないのです」
ソニ「つまり我々とシカが遭遇することはあり得ません(きっぱり)」
タブロ「ぴゃーっ! まさに中陰」






※シン・ヘチョル…韓国のロックミュージシャン。1968年5月6日〜2014年10月27日。
 韓国では珍しくロックグループ「無限軌道」「N.E.X.T」などを通じて、認知度のあるロックミュージシャンとなった。
 魔王と言うあだ名で知られ、自分の意見をきちんと語る性格である。
 少女時代の沈黙事件(2008年ドリームコンサート)においても、原因をファンクラブ間の諍いと断じ(「最低の観客が最低の公演を作った」)、少女時代はその犠牲になったと主張した。
 更に自らのラジオ番組で少女時代の歌を掛け、「この放送に文句があるなら365日少女時代の歌を掛け続ける」「番組のタイトルも少女ステーションに変える」と断固とした態度を取った。
 一方、当時流された噂の中で、タブロは挨拶もせずに泣きながら楽屋を飛び出していった少女時代に対し「礼儀がなっていない」と言ったとされている(笑)
 シン・ヘチョルは2014年10月17日、ソウル松坡区のS病院で小腸閉鎖症の手術を受けたが、翌日退院後に持続的な胸部と腹部の痛みを訴えた。
 10月20日、緊急治療室に移送され、応急処置を受けて退院したが、熱と痛みが治まらず再入院。
 この後も何度か入退院を繰り返した末、10月22日に病室で倒れた状態で発見され、心肺停止状態に陥った。
 10月27日、意識不明の状態で家族が見守る中、午後8時19分、低酸素虚血性脳損傷で死亡。享年46歳だった。
 28日、少女時代のサニーは自身がパーソナリティを務めるFM番組『サニーのFMデート』で追悼のコメントを述べた。
 さらに「故シン・ヘチョルさんは私たちにたくさんのことを残してくれました。今この状況にも力になるような言葉を本当にたくさん残してくださいました。
 故シン・ヘチョルさんの音楽と彼が残した言葉の力で、今日一日頑張ってみようと思います」と付け加えた。
 同じ28日、スヨンは自身のインスタグラムに「良い音楽を残してくださってありがとうございます。忘れません。故人のご冥福をお祈りしますRest in peace」という文を載せている。

 2014年は、さまざまな悲劇がK−Pop界を襲った年として長くファンの心に残るだろう。
 しかし、哀しいニュースはもうこれを最後にして貰いたい。


シュレーディンガーの猫…量子物理学を説明する時に必ず出て来る有名な思考実験。
 量子物理学については説明しだすとキリがないので省くが、要するにシュレーディンガーはこの思考実験によって
 マクロ系もミクロ系も同じ物理現象として量子力学を適用すべしとしたノイマン-ウィグナー理論に反対した訳である。
 つまり実験によれば、猫が生きてるのと死んでるのの重ね合わせた状態を作ることが出来るが、そんなアホなことがありまっか?
 マクロ系とミクロ系は別のものでしょうが。
 と言いたかったのだが、意に反して、そうとも言えない微妙な問題となった。
 なぜならマクロ系であろうと、観測なしにはどんな状態であるかは断じれないからだ。
 そして、観測したとたんに物体はどちらかの状態に収束するので、これは永遠に判らない問題と言える。
 それはともかく、猫という身近で可愛い動物を例に挙げたことが、この実験をココまで有名にしたことは間違いない。
 だって一般の人は量子力学なんて全然興味ないんだもの。