関西ソニョシデ学園

過去に生きるK-Popのブログ

第535話 その女、単純につき

からんころーん
ウェイター「いらっしゃいませ〜」
チユル「えーと(キョロキョロ)」
ジェシカ「こっちや、こっち(手招き)」
チユル「あ…(ぱたぱた)
  ご無沙汰してます、ジェシカおねえさん(ぺこりん)」
ジェシカ「うんうん、元気そうで何よりや。ま、座り」
チユル「はい(がたがたん)
  ニュースで知りましたけど、この度は大変なことになってしまって…」
ジェシカ「そうなんや。ウチかて少女時代メインボーカルの一角ゆう自負もあったし、女子度やルックスならメンボいち思うてた。
  それがまさかこうもあっさりクビになるなんて…ショックで、いっとき茫然自失になってもうてなぁ」
チユル「お察しします」
ジェシカ「そやけど、あれから2週間。今はなんとか善後策を考えられる程度には立ち直った。
  そこで、自分に折り入って頼みがあるんや」
チユル「頼み?」
ウェイター「(つかつか)ご注文はぁ、お決まりでしょうかぁ?」
チユル「えーと、きな粉コーラください」
ウェイター「大変申し訳、あ、ございません。きな粉コーラは夏季限定メニューでございあぁす」
チユル「じゃあイカスミミルクを」
ウェイター「かしこまりましたぁ。ご一緒にいちごミルクのCDは、あ、いかがですか?」
チユル「(イラッ)いりません!」
ウェイター「かしこまりましたぁ。少々、あ、お持ちくださいませえ(つかつか)」
チユル「…それで、頼みとは?」
ジェシカ「実はウチ、完全に事業家に転職するには時期尚早と思うとる。
  ぶっちゃけまだまだ歌手で行けると思うし、歌うことに未練もある」
チユル「当然でしょう。おねえさんほどの実力なら」
ジェシカ「うん。今のところ歌手の方が儲かるし、事業のためにも芸能界で名を売る必要があるのが実情やし。
  そこでや…自分とこ、ひとり戦線離脱したて聞いたけど」
チユル「はぁ。ウヒが気胸で入院…て(はっ)おねえさん、まさか?」
ジェシカ「(こくん)ウチが加入したらダル★シャーベットももっと人気出る思わんか?」
チユル「そ、そうかも知れませんけど、ウヒはそこまで重病じゃありませんし、第一そんな重要なこと、私の一存では決められません」
ジェシカ「(ちぇ)ケチ」
チユル「すみません」
ジェシカ「まぁええ。冗談や。
  今更ダル★シャーベットみたいなC級アイドルに格を落とすウチやないって(はっはっは)」
チユル「はぁ…(これだから少女時代って嫌いなのよ)」 
ジェシカ「やっぱ、歌手を続けるなら少女時代でないと。
  収入も名声も段違いやからな」
チユル「それはそうでしょうね」
ジェシカ「そこで、近々SMEに直談判に行こうと思うとる」
チユル「直談判? クビを撤回しろというおつもりですか?」
ジェシカ「そや」
チユル「会社と直接話をしたからと言って、そううまく行くものでしょうか?」
ジェシカ「確かに普通ならイ・スマンやキム・ヨンミンを向こうに回して勝てる訳がない。
  そやけど、ウチには切り札があるんや」
チユル「切り札?」
ウェイター「イカスミミルク、お待たせいたしましたぁ(かちゃかちゃ)。
  サービスでいちごミルクのCDをお付けしておりまぁす」
チユル「いらないって」
ウェイター「聴いてやってくださいよぉ(うるうる)」
チユル「あー、もう、うるさいなぁ。あっち行っててよ。
  それで、切り札って?」
ジェシカ「(ピポパ、ポチ)これや」
チユル「こ、これは少女時代ねえさん方の下着姿!(驚愕)」
ジェシカ「へっへっへ。練習生時代から撮り続けてきたメンボの着替えやお風呂やだらしない寝姿の画像が10年分。
  枚数にして数千枚、動画も含めたデータ容量はたっぷり20ギガバイトある」
チユル「(ぴゃー)少女時代ねえさんの恥ずかしい映像がそんな大量にあるなんて世間に知れたら…」
ジェシカ「いや、ウチがこの画像を持ってることはソニがテレビでバラしたから、ペンならみな知ってる。ただ、まだ一枚も表に出ていないだけや。
  ペンにとっては徳川の埋蔵金に匹敵するお宝やで」
チユル「そ、そうでしょうね(汗)。
  じゃあ、それを取引の材料にするおつもりですか?
  少女時代に戻れないならこのデータを世間に公表すると?」
ジェシカ「いやいや、それじゃ例えうまくいっても、互いの関係はギクシャクしたままや。
  ウチはウチなりに反省してるところを見せないと」
チユル「なるほど」
ジェシカ「そやから、これをスマンやヨンミンの前で消去する」
チユル「(うひゃー)消してしまうんですか?」
ジェシカ「そのくらいしないとこっちの気持ちは伝わらんからな。
  やばいデータはこの通り消してしまうし、脅迫するつもりもないから、元の鞘に戻ろうやないかと、こうゆう作戦や」
チユル「そこまで譲歩するおつもりなんですね。
  それなら会長や社長もおねえさんのお気持ちを判ってくださるでしょう」
ジェシカ「そおいけばええんやけど(ひょい)」
カチーン
チユル「…USBメモリ? これは?」
ジェシカ「お宝データのバックアップや」
チユル「バックアップ?」
ジェシカ「データを消した途端に”やっぱりクビ〜(笑)”とかゆわれたら、こっちはもお手がないさかいな。
  万が一のために予備を用意した」
チユル「…」
ジェシカ「そやけど、このことは誰にも内緒やで」
チユル「はい」
ジェシカ「データはこの携帯の中にある分だけと思わせたいし、ウチが身につけておくのも危険や。
  そやから、このUSBは自分に持ってて欲しい」
チユル「でもそんな大事なものを…」
ジェシカ「ウチは少女時代からも裏切られた。信用出来るんはもお自分しかおらんのや」
チユル「…わかりました。SMEにいじめられてた時、ジェシカおねえさんだけは優しくしてくれました。
  私もおねえさんのために命をかけます」
ジェシカ「チユル…(涙)」
チユル「おねえさんから渡せと言われるまで、このUSBは必ず死守します。お任せください」
ジェシカ「頼んだで」


チユル「と言って渡されたのが、このUSBメモリです(すっ)」
カチン
ヨンミン「おお、でかした!」
スマン「こんな小さなプラスティックの棒に若い娘の恥ずかしい姿が仰山…うーん、パーラダーイス!」
チユル「ジェシカおねえさん、完全にこっちを信用してますから、後ひとつやふたつは秘密をバラしそうです(笑)」
ヨンミン「そうか。…ほんなら次はクォン・タイラーの秘密を探ってくれんか」
スマン「そやな。こうして奴の切り札を手に入れ、タイラーを失脚させれば、ジェシカもブランドも宙に浮く。
  両方を好きに出来るチャンスや(いっしっし)」
ヨンミン「ホンマですわ。こっちゃ東京ドームを皮切りに、ジェシカ卒業記念・閉店ガラガラセール公演で半年は荒稼ぎしよう思うてたのに、自分からSNSにバラしちゃうから、なんの下準備も出来へんかった。
  これくらいのことはさして貰うで」
チユル「かしこまりました。その代わり…」
ヨンミン「わかってるがな。ダル★シャーベットの日本デビューの際には、ユニバでもエイベックスでも紹介してやるから。
  金かけてキチンと売り出すよう、ワシから頼んでもええ」
チユル「よろしくお願いします(ぺこり)。
  ああ、ジェシカおねえさんが単純な人でよかった」
ヨンミン「まったく、単純やからタイラーごときにええように使われるんや」
スマン「まぁそれ以前に、妹にええように使われてるけどな」
ヨンミン「違いない(笑)」
全員「わーっはっはっは」






※いちごミルク…
     いちごミルク『OK』
    これは完全にDigipediの作品でしょう。