関西ソニョシデ学園

過去に生きるK-Popのブログ

第514話 そに散歩 〜奈良〜(前編)

ソニ「(下からフレームイン)あんにょ〜ん、よろぶん!」
テロップ:散歩人 イ・スンギ
ソニ「最近歩いてますか? 散歩ってええですよー。さぁ、散歩に出かけましょう!」
♪ポロロ〜ン


  OP
  テーマ曲:BIG BELL「ほのか」
  テロップ:散歩は 大人の休み時間
       一歩 踏み出せば 冒険が始まる
    


ソニ「ウチは今、少女時代の日本ツアーで、大阪に泊まっております。なんと4連泊です」
ソヒョン「そんで、その期間を利用して、また『そに散歩』をやれとアコギなプロデューサーが無理やり企画を…」
ソニ「いえいえ。ウチはみなさんにまたお会いできて、と〜っても嬉しいです!
  そんでもって今ウチらはJR奈良駅の前に立っておりまーす。
  そうです、今日の『そに散歩』は、日本を代表する国際観光文化都市・奈良を散歩します」
ソニ「案内人はいまもっとも暇なアイドル、KARAからハラグーが担当します」
ハラ「よろしくお願いしますKARA(ぺこりん)」
ソニ「てか、なんで自分やねん。奈良公園の鹿より記憶力悪い癖に、ちゃんと案内出来るんか?」
ハラ「アホやな、NARAは世界で一番KARAペンが多い地域なんやで」
ソニ「ホンマ?」
ハラ「ホンマや。NARAとKARAは姉妹都市提携を結んでおるくらいや」
ソヒョン「人間と都市の間で、よおそんな関係になれたな(驚)」
ハラ「愛の前では、そのくらいの障害、屁でもない」
ソヒョン「なにひとつ説得力がないわ」
ハラ「そのNARAをKARAのHaRaが案内せんでどおする」
ソニ「結局、それ言いたいだけやん(呆)」
ハラ「それに、奈良ではここを見て来いと、イカだかタコだかゆう熱烈なウチのペンがメールをくれたし」
ソヒョン「嘘つけ。KARAペンのほとんどはスンヨンねえさんのペンて話やど」
ソニ「そやそや。そのペンも十中八九スンヨンねえさんペンに決まってる」
ハラ「(怒)やかまし! 少女時代ペンかて大半がテヨンねえさんペンやないか!」
ソニ/ソヒョン「…(うっ)」
ナレーション:まぁいずれにしても、熱心な地元ファンのおかげでルートはすでに決定、ハラさんのおつむでも大丈夫なようです。
  それに、ソニさんとハラさんの相性の良さは『青春不敗』で立証済み。案外楽しい旅になりそうです。
  そして奈良と言うことでマニアックな展開が予想されるため、少女時代のマンネ、ソヒョンさんが同行します。


    


ソニ「(てくてく)駅前から東に歩き出しました。通りの左右に土産物屋が並んでますね」
ハラ「ここは(ちら)三条通りゆうとこですね」
ソニ「おいおい、もおカンペ見たで(呆)」
ハラ「そやけど、ウチが前来たときと雰囲気が違うから」
ソニ「発展したんかな?」
ハラ「そうかも。きっとそうや」
ソヒョン「1300年の古都が、そんな急に様相変わるかな?」
ソニ「お、なんか池が見えて来たで」
ハラ「あれはサルサワケーゆうて、コーフクジーがホージョーエーのために造った人工池なんやで(ちらちら)。西暦749年のことや」
ソニ「解説がちっとも頭に入ってこないんですけど」
観光客「(わいわい)サルサワケー!」
観光客「(がちゃがちゃ)ホージョーエー!」
ハラ「そやけどほら、周りの観光客もガイドブック見ながらそうゆうとるで」
ソニ「どうみても中国人やな。奴らはクリスと同様、口から出任せばかりやから信用できん」
ソヒョン「そもそも749年とはいつ頃や?」
ハラ「えーと、(ちら)白江の戦闘の80年ばかり後で、統一新羅時代やね。中国では唐時代」
ソニ「(いらいら)カンペばっかり読むな」


     猿沢池


ナレーション:この一帯が栄えた時代は奈良時代と言い、平城京と呼ばれる都が置かれていた8世紀頃に当たります。
  仏教が大いに普及し、天平文化と言う中国(唐)の影響を強く受けた文化が栄えました。
ハラ「で、このサルサワケーの北側がコーフクジーって訳や。
  当時の天皇の親戚が立てた、やたらでかくて国宝だらけの寺や。なんでも世界遺産らしい」
ソニ「ふむふむ。藤原不比等ゆかりの寺と書いてあるな」
ハラ「ええっ? 案内板読めるの?」
ソニ「不思議と読める。どうやら日本でコンサートやってるうちに、いつの間にか日本語が読めるようになったらしい」
ハラ「すげー。少女時代、すげー」
ソヒョン「ちゅうか、案内版にハングルで説明文書いてあるやないか」
ハラ「あらっ(かくん)」
ソニ「あ、なーんだ。そやけど、これでもおハラグーの怪しい解説に頼らんですむな」
ハラ「とほほ」
ソヒョン「なになに…”南都六宗の一つ、法相宗大本山の寺院”? つまり南斗聖拳の総本山てことか」
ソニ「またまた。話をややこしくすんなよ」
ソヒョン「そやかて南斗聖拳はもともとは南都聖拳ゆうとったし、宗派の数も南斗六聖拳とぴったり」
ソニ「知らんがな」
ソヒョン「そんな南斗聖拳の聖地なら、是非見学せねば」
ハラ「はいはい。そんならこの階段を上がってね。五十二段ゆう階段や」
ソニ「なんでそんな名前に?」
ハラ「ごじゆうにお上がりください、ゆう意味や」←うそ


     興福寺境内地図



ハラ「(はぁはぁ)で、上がってきたところが有名な五重塔や」
ソニ「おお、これはでかい(ぴょんぴょん)」
ハラ「げ、ピンピンしてる」
ソニ「ウチらは普段からめっちゃ鍛えてるよってな」
ソヒョン「KARAとは違うのだよ、KARAとは」
ハラ「ふん。五重塔はあちこちあるけど、これは日本で二番目に高い。ほぼ50メートルあるKARA」


     五重塔と東金堂


ソヒョン「なるほど。ほぼテコンVと同じくらいの高さやな」
ソニ「いちいちそんなモンと比較せんと実感出来んのか!」
ソヒョン「判りやすいやん」
ソニ「却って判りにくい」
ハラ「そんで、その左隣がトーキンドーや」
ソニ「土金土?」
ハラ「漢字は知らんKARA」
ソヒョン「東金堂て書いてあるで。トウコンドウて読むらしい」
ソニ「当てにならんガイドやな(呆) そんで、そもそもなんやこれ?」
ハラ「(ちらちら)えーと、726年に聖武天皇が伯母にあたる元正天皇の病気平癒を祈願し、薬師三尊を安置する堂として建てた…」
ソニ「…?」
ハラ「まぁとにかくお堂やね。この建物自体が国宝やけど、中にも国宝がわんさかあるそうや」
ソヒョン「ぴゃー、そんな貴重なモンやったか」
ソニ「そんなら見てみるか。あっちで入場料払うらしいで」
ハラ「(しゅたっ)入場券くださーい!」
ソヒョン「あ、もう窓口に」
ソニ「行動力だけはある。アホ特有の性質や」
坊主「へい、らっさい!」
ハラ「タレント3枚とディレクター1枚とカメラ3枚と音声1枚と照明1枚…」
ソニ「そしてアホ特有の注文の仕方や(呆)」
坊主「国宝館の入館券もついたお得なセットもございやすが、いかがいたしやしょう?」
ソヒョン「例の、イヤらしい岩とかオブジェとか飾ってある奴? ちょっと見たいかも(えへへ)」
坊主「それは秘宝館ですな。こっちは国宝館。失礼なことゆうたら仏罰当たり末世」
ソニ「東金堂も国宝だらけなのに、別に国宝館があるん? なぜ一緒に展示せえへんの?」
坊主「それは奈良が国宝だらけで、1カ所にまとめきれんからです。石を投げれば国宝に当たり末世」
ソニ「マジ?」
坊主「ゆうて見れば奈良全体が国宝みたいなモンでおます」
ハラ「じゃあ、その国宝館とセットの奴をください。タレント3枚とディレクター1枚とカメラ3枚と…」
ソヒョン「もういいKARA(呆)」


    


ソニ「中は薄暗いな」
ソヒョン「仏像ばっかり」
ハラ「えーと…もともとアンチされてた薬師三尊の他に、今では菩薩と信者の座像、四天王像、十二神将像があるらしい」
ソニ「足したら何体?」
ハラ「3と2と4と…(指折り)」
ソヒョン「どんどんキャラがソナねえさんと被ってきたな(笑)。…それにしてもこの十二神将の凛々しいこと。南斗最後の将をお守りするにふさわしい(南無南無)」
ソニ「こっちはこっちでまともじゃないし…(頭痛)」


ナレーション:その東金堂の前には、興福寺の中心・中金堂があります。


     中金堂


ソニ「工事中じゃねーか!(がく)」
ハラ「あれ、おっかしいなぁ。
  まぁええ。イカだかタコだかゆうペンの指示では、中金堂はもともと関係ない。
  その裏にある南円堂、北円堂、三重塔を見よという話や」
ソヒョン「じゃあそこに行ってみよう」


     北円堂


ソニ「工事中じゃねーか!」
ハラ「どひゃー!」
ソヒョン「イカコペンは、いずれ死刑やな(ぷんすか)」
ハラ「仕方ない。さっきチケットを買った国宝館に行ってみよう」
ナレーション:三人は、工事してなかった南円堂、三重塔をサクッと見て、国宝館へ向かいます。


     サクッ


     サクサクッ


     国宝館


坊主「いらっしゃいませー」
ソヒョン「おおっ、中は真っ暗。まさにお化け屋敷か秘宝館か」
坊主「国宝が光に弱いからですよ、失礼ですな」
ハラ「へー。ほんならカメラのフラッシュは切っておこう」
坊主「そもそも撮影禁止です!(ぷんすか)」
ソニ「おお、目が慣れてくるといろんな物が見えて来たで」



     千手観音菩薩立像


ハラ「これは千手観音やね。高さ五メートルもある」
ソヒョン「スコープドッグよりでかいな」
ソニ「これは見たことある。SMのダンスの教師が『Kissing You』の時、この像にインスパイアされてあの振り付けを考案したと言う噂が」
ハラ「マジで?」
ソヒョン「そして、こちらにはまた十二神将的なモンが…」
ハラ「それは八部衆だKARA。元は古代インドの神が仏門に帰依し、仏教を守る神になったものや」
ソニ「なんでそんな趣旨替えを? 所属事務所が変わったりしたんかな?」
ハラ「知らんがな。そんでその中のこの一体、これぞ国宝館の目玉、阿修羅王像や」



     阿修羅王
 

ソヒョン「おお、これが阿修羅! あの有名な?」
ソニ「え、知ってんの?」
ソヒョン「知らいでか。百億の昼と千億の夜を渡り、プラトン仏陀と共にキリストと戦う美少女やんか」
ソニ「…どんな宗教観持ってるねん(呆)」
ハラ「とにかく戦闘神と言われながら、非常に華奢で内向的な仏像や。
  (ちらちら)三面のうち正面の顔は愁いを含んだ少年の顔で、しかもどこか激しさを秘めて見る者の心を掴んで離さず、
  向かって左の面は何かに耐えるかのように唇を噛み、右の面は己の心を見つめている表情や。
  あくまでも静かな表情の中に無限の思いを宿す像、これがインドや中国やタイの仏像と大きく異なる、日本の仏教美術の頂点やねん」
ソニ「おー、なんか知らんけどすごい!」
ソヒョン「アシュラマンとだいぶ違うことはわかった」
ソニ「そんなすごい仏像と判った以上、せっかくやからこれをバックに記念写真を撮ろうで」
ハラ「そらええ考えや。さ、並んで並んで」
3人「きむちー!(ニン)」
ぱしゃ!(ピカーッ!)
坊主「こらーっ! 撮影禁止じゃ! たたられ末世!」


    





※「南斗聖拳はもともとは南都聖拳ゆうとった」…少年ジャンプ連載時。コミックでは「南斗」に修正されているので、今では確認するのが難しい。


※『百億の昼と千億の夜』…光瀬龍が1966年に書いたSF小説。
 光瀬龍はもともと興福寺のこの阿修羅王像が好きでよく見に来ていたらしい。
 世界を滅ぼさんとする謎の意志(神)に抗い、圧倒的な力の差を前にしながら戦い続ける阿修羅王とその一派の姿を描いた叙事詩
 そう書けば平井和正の『幻魔大戦』や石川賢の一連の漫画作品に近いが、こちらは圧倒的な時間スケールを誇る。
 弥勒が救世に来る56億7千万年の未来まで扱っており、小松左京の『果てしなき流れの果てに』さえ超えると言われている(ホントにそうかは未確認)。
 光瀬龍のSFに特徴的な無常観あふれる作品だが、スケールが壮大すぎて実感出来にくい。
 萩尾望都によるコミックの方が手軽だし、理解しやすいかもしれない。
 SFには妙に心に残るタイトルのものが多く存在する。
 ハーラン・エリスンの「世界の中心で愛を叫んだけもの」やジェームズ・ティプトリー・ジュニアの「たったひとつの冴えたやり方」、
 フィリップ・K・ディックアンドロイドは電気羊の夢を見るか」など、読んだことがなくてもタイトルだけは知っているという名作が多いと思うが、
 この「百億の昼と千億の夜」もそれに負けないキャッチーさだと思う。