関西ソニョシデ学園

過去に生きるK-Popのブログ

第512話 自殺は痛くない(前編)

清渓川の母(ヒョヨン)「あーあー、よろぶん、あんにょんはしむにっか、あんにょんはしむにっか。
  寄ってらっしゃい、視られてらっしゃい。
  ウチこそ鍾路区のアイドル、悩める通行人の味方、清渓川の母でっせ。
  赤字で嘆いている社長さん、借金を踏み倒されて眠れない夜を過ごしている奥さん、恋人に捨てられて落ち込んでるおにいさんおねえさん、
  その他悩みを抱えてるすべてのみなさん。この清渓川の母にお任せを。
  神秘の清渓川占いでたちどころにお悩みを解消して差し上げます。
  当たるも八卦当たらぬも八卦。視るだけですから、ちっとも痛くありませんよー」
女「(つつつ)ほな視て貰えまっか?」
清渓川の母「へいへい。出前迅速落書無用、今なら待ち時間なしでちょいちょいと…うげぇ」
女「うげぇ?」
清渓川の母「い、いやなんでもない。まぁそこへお掛けなさいな(ユ、ユリやないかい。だいぶぷっくりしたんで気付かんかったわ)。」
ユリ「へえ(座り)」
清渓川の母「…えー、えーと、なに視ましょ?(やばいやばい。身内といえどもこのバイトは内緒や。何とか誤魔化さんと)」
ユリ「視て欲しいのはウチの将来なんですけど」
清渓川の母「将来?」
ユリ「へえ。実はウチ、とあるアイドルグループのメンボでして」
清渓川の母「と言うとお客さんは芸能人?(仕事関係の悩みか? ほんなら何とかなるかも)」
ユリ「まぁ一応」
清渓川の母「BADKIZかなにかで?」
ユリ「(かくん)誰やねん、それ?」
清渓川の母「知りまへんか? 今年の3月24日にシングルアルバム『Ear Attack』でデビューした女の子5人組でZOOエンターテインメント所属でっけど」
ユリ「事務所を含めて聞いたことすらないす」
清渓川の母「じゃあBop Girls?」
ユリ「違います。それは?」
清渓川の母「今度デビューするCrayon Popの妹分です」
ユリ「なんでそんなジャリタレばっかり…ウチはそんなポッと出の新人やありまへんで」
清渓川の母「そーでっか。するとバダ姐さん?」
ユリ「そうそう。S.E.S解散してからソロアルバムが全然売れなくて、いっそミュージカル歌手になろうかと…って、アホー、いきなり大年増やないか!」
清渓川の母「はぁ、バダ姐さんでもない? するとどちらさんで?」
ユリ「まぁ名前は伏せさせて貰います。とにかく大人数のグループで」
清渓川の母「ほぉほぉ」
ユリ「ウチはそこでセクシー担当ゆう唯一無二のポジションに立っておった訳やけど」
清渓川の母「なるほど。歌もダンスも中途半端やさかい、色気勝負に出たっちゅうことですな」
ユリ「いえいえ。歌しか能がないとか、ダンスしか売りがないとか、そんな可哀想なメンバーに座を譲っておっただけです」
清渓川の母「それは殊勝な(物は言い様やな)」
ユリ「そやけど、そんな控えめな性格が災いしてか、デビュー以来7年、なかなか人気に火がつかず。
  歌手活動だけやなく、ドラマでもバラエティでも、ずいぶん頑張っておるのですけど」
清渓川の母「共演者の方が目立っていると?」
ユリ「まぁそうです。
  それでもセクシーさではメンボの誰にも負けてへんと思うておったのですが…」
清渓川の母「…」
ユリ「先日の日本公演で、いつもウチの下半身ばかり食いつくように見ていたペンが、ウチやなくソニの方を向いていたのです。
  だらしなく口を開けたまま、目尻を下げて、ソニのおっぱいを凝視してたんですわ(うきーっ!)」
清渓川の母「ソニ? ちゅうとまさかお客さん、少女時…」
ユリ「いえ、えーと、ソんニゃ事態になっていたとゆうことで」
清渓川の母「ああはいはい。
  うーん、それはやはり、お客さんの方になにか原因があるんでしょうな」
ユリ「ウチに?」
清渓川の母「人は原因もなく好みを変えたりしまへん。いくらソニょ娘さんのおっぱいが魅力的でも、それ以前はお客さんのペンやった訳ですからな」
ユリ「そ、それは確かに」
清渓川の母「となると、考えられるのは、お客さんの劣化」
ユリ「れ、劣化? まさかそんな、そんなはずは…」
清渓川の母「何か身に覚えはありまへんか? アイドルのくせにほうれい線が目立つとか」
ユリ「どきっ」
清渓川の母「ちょっとした動作でもギャランドゥが見えるほど毛深いとか?」
ユリ「ギク」
清渓川の母「セルライトが減るライトどころか全身に出るライトだとか」
ユリ「びくびく」
清渓川の母「ぶよぶよ太ったとか」
ユリ「ひえーっ、全部お見通しやぁ」
清渓川の母「清渓川の母に隠し事は出来まへん(まぁ前から知ってることばかりやけどな)」
ユリ「実は日本公演の合間に、慶煕大学で行われた百想芸術大賞に出たんでっけど、その時露出の多い衣装を着ていったら会場中から失笑が」


    


清渓川の母「わ、これは酷い(以前からファッションセンス悪いとは思うとったけど、まさかここまでとは)。
  肌色のクジャクみたいなドレスから極太の二の腕と弛みきったバストがはみ出してまっせ」
ユリ「メンボからはボンレスハム渡辺直美とまで揶揄される始末です」
清渓川の母「確かに。ツアー中によおこんだけ太れますな」
ユリ「毎朝の山芋汁やヨガは欠かさないのに、加齢とともに痩せるが難しくなってきてるんです。どうしたらええでしょう?」
清渓川の母「はーはー、つまり視て欲しいのはそこですな?」
ユリ「そうですそうです。どうすれば痩せるのか? 痩せないとしたら将来どうすれば人気が出るのか?」
清渓川の母「判りました。少々お待ちを…」
じゃらじゃら
清渓川の母「東西南北中心の…青龍白虎朱雀にえーと…」
ユリ「ばっくんばっくん」
ピーン!
清渓川の母「出ました!」
ユリ「ドッキーン」
清渓川の母「出ましたけど、これは…(うーむ)」
ユリ「な、な、なんです?」
清渓川の母「お客さんの人気が薄いのは前世の呪い。今回の生ではどおにもならんと出ております」
ユリ「えええーーーー!?」
清渓川の母「お客さんは前世で虎族の女族長でしたが、地上に降りた神の子ファヌン様と懇ろになった熊族の女を妬むあまり、ファヌン様と女の間に生まれた赤子をさらってしまったのです。
  熊族の女は半狂乱となり、朱雀の力で地上を焼き尽くしてしまうところでした。それで仕方なく、ファヌン様はその女に神の矢を向けたのです」
ユリ「なんと、非道い話やなぁ」
清渓川の母「おかげでこの世は救われましたが、ファヌン様は自らの力不足を嘆き、天に帰ってしまわれたのです。
  そしてお客さんは赤子をさらった罰として、この世では人気の出ないデブキャラに貶められていると言う訳です」
ユリ「ぴゃー、マジで?」
清渓川の母「マジですとも」
ユリ「ど、どうすれば?」
清渓川の母「どないもなりません。前世の呪いですよって」
ユリ「そ、そんな…(がっくし)」
清渓川の母「可能性があるとすれば…」
ユリ「(すがりっ)あ、あるとすれば?!」
清渓川の母「一回死ぬことですな」
ユリ「はあ?」
清渓川の母「生まれ変われば前世の呪いも解けます。新たな生で再びアイドルを目指すのがよいでしょう。てか、それしか方法はありません」
ユリ「えー? 練習生時代から数えて10数年、ようやっとここまで這い上がったのに」
清渓川の母「上がったゆうたって、グループ内ポジションは最下位ですよ」
ユリ「(ズキン)そ、そないはっきり言わんでも」
清渓川の母「このまま大家志津香的ポジションで圏外生活を受け入れるか、はたまた生まれ変わってNC,Aやアクムちゃんすら婆ぁ扱いする若くて期待の星になるか。さぁどないします?」
ユリ「うう、追い込むなぁ」
清渓川の母「今夜のご注文はどっち?!」
ユリ「いや、そんな『どっちの料理ショー』ノリで迫られても。まさしく一生の問題やし、料理のようには決められん」
清渓川の母「同じようなものですよ。同時に二つの料理は食えまへん。また同時に二つの人生も送れないのです」
ユリ「スヨンなら10皿くらい同時に食べるけどなぁ」
清渓川の母「じゃあスヨンになってみますか?」
ユリ「そ、それだけは勘弁や。
  …わかった、今のままひとつふたつ階段を上ってもスヨンかソニ止まり。
  そんなしょぼい序列を超越した、輝くスターになれるのなら、ウチ、生まれ変わるわ!」
清渓川の母「よお決心されましたな。ほんなら後のことは、この清渓川の母にお任せを。
  大スターに生まれ変われるよう、立派な葬儀を企画してあげまっせ(うひゃひゃひゃ、おもろなって来たわ)」
ユリ「はぁ…さよならクォン・ユリ。短くも幸薄い人生、よく頑張った。
  来世ではマリー・アントワネットのような華やかな人生を送るんやで、ウチ」
清渓川の母「マリー・アントワネットはギロチンで殺されるんやけどな(呆)」


つづく







※BADKIZ…上でヒョヨンが言ってるとおりである。
  91〜94年生の5人組で、少女時代のデビュー年齢を考えても特に若くはない。
  参考までにイ・ハイやNC,Aが96年生、イ・スヒョンに至っては99年生まれである。
  次は21世紀生まれと言うのが話題になるだろう。
     BADKIZ『Ear Attack』
    今のところ、売れる要素が見つからない


※Bop Girls…6月10日にデビューが予告されている4人組少女グループ。
  クロームエンタ所属でCrayon Popの妹的存在となる。
    
  その名の通り全員ショートボブの髪型だが、それがいつまで続くことやら。
  ただしCrayon Popを送り込んだクロームだけに、今度はどんな手で来るか期待は持てる。