関西ソニョシデ学園

過去に生きるK-Popのブログ

第405話 脱・国民の妹

IU「(とぼとぼ)あーあ、なんか最近やることなすこと上手く行かんなぁ。
  毎日毎日死ぬほど働いて、見返りは批判だけとか、ウチは極東一不幸な少女やねん」
ユリ「よお、アイユやんかー!(二段横蹴り!)」
どこーん!
IU「わーっ!(ごろごろ)ゴホゴホ、な、なんちゅう挨拶や、殺す気か…て、あ、ユリねえさん」
ユリ「どや、久しぶりに少女時代流挨拶食らった感想は?」
IU「いつか黄海に沈めてやるってとこですかね。…そやけど、今やる気はちょっと…(しゅん)」
ユリ「どおしたどおした、元気ないな?」
IU「(はぁ)どーも日本デビュー以来歯車が狂ったようで、CDは売れへんし、スキャンダルには巻き込まれるし、ドラマは不評やし、なんもかんもあきまへんねん」
ユリ「ホンマやなぁ。こないだまではこの世の総てが自分の物みたいな顔して歩いてたのに、えらい変わり様やで(がっはっは)」
IU「笑い事ちゃいますがな」
ユリ「日本でこけたのは仕方ないとしても、スキャンダルに関しては巻き込まれたゆうんか? 自分で撒いた種やろ?」
IU「だってぇ、これで世間が”ああ、子供やとばっかり思うてたけど、アイユちゃんもすっかり大人なのね。もお国民の妹やないのね”て意見になるかと」
ユリ「ははぁ、なるほど。ところが逆に”国民の妹としての自覚がない”ゆう反応やったと」
IU「意外にも」
ユリ「意外なことあるかい。”国民の妹”ゆうのは誰もがなれる訳やない名誉あるポジションなんやで。その分資格も厳しく責任も重い。
  大相撲の長い歴史の中でなんで横綱が70人しかいないか、考えてみろや」
IU「なに曙みたいなことゆうてますねん」
ユリ「その一方、ついてまわる清純なイメージが足かせになるのも事実。
  あのムン・グニョンですら”国民の妹”ゆうイメージを払拭するのに苦労したんやぞ。
  それには長い時間と真摯な努力が必要やねん。安易にスキャンダルゆう手法に頼ったらあかん」
IU「ほんならどうしたらええんでしょう? 今更”国民の妹”にも戻れへんし」
ユリ「きちんと成長した姿をお見せするしかないな」
IU「成長? 成長ゆうと、ねえさんらが工事する度に言い訳として口にする言葉でっか?」
ユリ「工事なんかしてません! 容姿の変貌はあくまで成長です!(ぐいっ)」
IU「うう、なんやらすごい迫力や」
ユリ「こればっかりは譲れません。それに結局ムン・グニョンも成長した姿を披露することで”国民の妹”から脱したんや」
IU「そうなんですかぁ」
ユリ「(ぽぴーん!)うん、ここはひとつ、”国民の妹”から”国民の嫁”を目指してみたらどうや?」
IU「国民の嫁?」
ユリ「そう。ユナが『君は僕の運命』で一時そう呼ばれたことがあったわ。妹よりずっと深くお茶の間に浸透出来るで。
  せっかく週末ドラマ出てるんやから、これから特訓して”国民の嫁”としてひと花咲かせえ」
IU「と、特訓?(なんやなんや、またウチを引っかけようとしてるんか? いや、ユリねえさんはそんなタイプやなかったな)」
ユリ「”郡民の嫁”クォン・ユリがひと肌脱ぎまっせ(にやり)」


ユリ「てな訳で、江原道洪川郡のとあるナス畑にやって来ました。こちらがユチ里の万能百姓ことロード・イさんです(拍手)」
ロード・イ「よろしくお願いしマース、ヨロブン」
IU「な、なにこの番組ノリ?」
ユリ「ウチが『青春不敗』時代のコネを使って自分を”国民の嫁”にしてやるから、ロード・イのゆうことを素直に聞くように」
IU「はぁ。あのー、なんで”国民の嫁”になるために農家の手伝いを?」
ユリ「農業こそ我が国の基幹産業やからや。農業を知ってこそ、この国の多くの家庭に認められ”国民の嫁”になることが出来るんや」
IU「(ぴゃー)韓国の基幹産業って、未だに農業やったんですか?」
ロード・イ「(むか)当たり前や。まさかヒュンデやサムソンのような製造業やと思うてたんか?」
IU「いえ、てっきりK−Popやとばかり」
ロード・イ「このバカチンがー!(ピシーーー!)」
IU「いったたたーーーー!」
ユリ「ロード・イ、鞭はあきまへん。牛馬やないんやし、第一傷が残ります」
ロード・イ「ああ、こりゃすまん。しょせん芸能は収穫の合間の余興に過ぎん。
  そんなんが基幹産業になるほど浮かれとったら、この国はあっという間に北か中国に占領されてまうわ」
ユリ「ま、確かに」
ロード・イ「アイユゆうたか? 自分はまだ農業の素晴らしさを理解しておらん。(もぎり)このナスを食うてみろ」
IU「ええっ? これは今もぎったばかりの生じゃ…」
ロード・イ「ホンマに上手い野菜は生でも食える」
IU「でも洗ってないのに」
ロード・イ「無農薬やから大丈夫や」
ユリ「ロード・イの作った野菜は美味いでぇ」
IU「はぁ。ほんなら(かぷ)…お、おいしい!」
ユリ「そやろ? ウチはロード・イに一年間学んだよって、よお知ってるねん」
IU「うそつけ、半年で降板したくせに」
ユリ「(ぴーぴー)とにかく、アイドル女子とモンペとナスの組み合わせは鉄板。頑張ってモンペとナスの似合う嫁候補になるんや」
IU「へ、へえ」
ロード・イ「ほんなら、さっそく作業を手伝って貰おう。まずはこの肥タゴに肥溜めからたっぷり肥を注いで、ここまで運んできて」
IU「コエ? コエは得意ですよ。ウチは3から4オクターブ出ますねん。♪あーーーーーー」
ロード・イ「その声ちゃうわ(ピシーッ!)」
IU「痛いってーーー!」
ロード・イ「ソウルじゃどうか知らんが、このユチ里でコエゆたらババのことや。さぁ裏の肥溜めまで行って、この桶にあふれるまでババ汲んで来い!(ぐい)」
プゥーン
IU「ひえー」
ユリ「ふふふ。テレビでは決して伝わらないこの香り、この虫のわく気配…背中を走るものがあるぜ(by 不破北斗)
  こういう気持ち悪さを山ほど味わって、ウチも郡民の嫁になったんや。頑張れ、アイユ!」


とっぷんとっぷん、ぴちゃっ
IU「あー、足にハネが…あっ(こけっ)」
ばしゃーん 
ロード・イ「パボ野郎! いったい何回ひっくり返したら気がすむんや! もっかい汲んで来い!」
IU「ひーん」


とっぷんとっぷん
IU「はぁはぁ…(そろー)」
ずん
IU「や、やったー! 無事着地。肥、汲んで来ましたぁ!」
ロード・イ「ご苦労。ほんならその肥をヒシャクで、ナスにかけてやるんや」
IU「はぁ。(ちび)こうですか?」
ロード・イ「そんなママゴトみたいなやり方で作物が出来るか! もっと大きく。こうじゃ、こう!(バッシャー)」
IU「ぴゃー、ナスの実の上からも大量の肥が…」
ロード・イ「ケンチャナ、ケンチャナ。ウチは人糞100%の良質な肥しか使うとらん。全く持って人畜無害。それこそ洗濯屋ケンチャナじゃ(←意味不明)」
IU「ええ? てことは、さっきウチが食うたナスも…(汗)」
ユリ「自分、洗ってなかったな(笑)」
IU「お、おえーっ(えろえろえろーーー)」
ロード・イ「こらー、戻すんなら、そんな道ばたやなく、こっちの畑に戻せや。あとで晩飯の時にきっちり食物連鎖について教えてやるで」
ユリ「それはええですね。ぜひ教えたってください(ニタニタ)」


ネットニュース記事:『国民の妹、盗作でカムバック』
 国民の妹IUが先週カムバックしたが、たちまち盗作疑惑に巻き込まれた。
 新曲『田園一揆』はIUの自作とされているが、作曲家チーム・イダンヨプチャギが作りT−ara N4が歌った『田園日記』に酷似しており、タイトルもそれを匂わせていた。
 この疑問に対しIUは”『田園一揆』は『田園日記』そのものだ”と素直に認めた。
 ”『田園日記』はいい曲だったし、田園で修行していた自分にはよりぴったりに思われたのでリズムや旋律を利用させていただいた。
 田園では、これは誰の肥、とかいちいち区別はしない。同様に良い曲はみんなで共有せねばならないと思う”
 これに対し、イダンヨプチャギ側は現在ローエンを訴える準備を行っている。
 またアルバム中IU作とされる『ナスがママ』と『ただ今、寄生虫』にも盗作疑惑が持ち上がっている。
 (記者:アン・ミンジョン)


ユリ「うーむ、ある意味ヒョリ姐さん。国民の嫁を通り越して、一気にセクシーアイコンになっちまったなぁ(笑)」
ソニ「いや、盗作=セクシーアイコンちゃうから(呆)」






※子役出身の女優ムン・グニョンは映画『マイ・リトル・ブライド』で、おじいさんのために幼なじみの大学生キム・レウォンと結婚する羽目になった女子高生の役を演じ、
 その瑞々しさ、可愛らしさからたちまち”国民の妹”の称号を得た。


     『어린 신부(幼い新婦)』予告編


 その称号は続く『ダンサーの純情』『愛なんていらない』にはある程度プラスに働いたが、彼女自身が成長するに伴い、徐々に足かせになっていった。
 大人となり、それに相応しい役を得て、深い演技をしようとしても、愛らしい国民の妹のイメージが足を引っ張るのである。
 そこでひとまず学業に専念することとし、大学に通いながら、自身が成長し、世間のイメージが薄れるのを待った。
 数年のブランクを経て、彼女はSBSのドラマ『風の絵師』で女優業を再開した。そこでまず時代劇であり、男装の天才画家という難しい役所を見事にこなし、
 さらにKBS『シンデレラのお姉さん』で屈折した性格のヒロインを演じるなどして、やっと国民の妹というイメージから脱却したのである。


     『風の絵師』予告


     『シンデレラのお姉さん』メイキング
    『シンデレラのお姉さん』のメイキング。ムン・グニョンとチョン・ジョンミンの集中力が素晴らしい。
    テストでカットがかかっても二人が足の位置を動かさないのはピントがずれてしまうため。
    その立ち位置に合わせてカメラも照明もピントを合わせているので、動いたらスタッフに余計な手間がかかるのだ。
    こういうことを体で覚えるのもプロになる課程のひとつ。