関西ソニョシデ学園

過去に生きるK-Popのブログ

第333話 デロリアン

今回は少女時代とはほとんど関係ありません(へこへこ)



ティパニ「ごめんください、クルマください」
営業マン「へぇへぇ。なんにしまひょ? なんでもありまっせ」
ティパニ「ウチのツレがみんなドイツ車なんで、それ以外がええなぁ」
営業マン「え? トラバントとかお嫌いでっか?」
ティパニ「当たり前や。それにもうトラバントは第172話でネタにしとるから却下や。
  もっと壊れなさそうで速いの見せて」
営業マン「ははぁ、そうなると日本車ですな。これなぞ如何でしょう?」
     三菱スタリオン(超ネガティブキャンバー
ティパニ「これは?」
営業マン「ミツビシのスタリオンゆうスポーツカーです。速いですよ。映画『キャノンボール2』でジャッキー・チェンも乗ってました」
ティパニ「ラリー車やんか」
営業マン「ええでっしゃろ? こんなんもありまっせ。ランサーGSR」
     三菱ランサー1600GSR
ティパニ「…ちょっと古すぎやないか?」
営業マン「まぁ作者が若い頃乗ってたゆう話やからそれなりに(えへへ)。
  そやけどトヨタAE86なんかとそう年式変わりゃしまへんて」
ティパニ「自分、ウチがクルマに詳しくない思うて、売れへん在庫押しつけようとしてるんやないやろな?」
営業マン「と、とんでもありまへんて。そ、そや、こんなのどうでっか? ワシの一押しでっせ」
     三菱コルディア
ティパニ「バックミラーが妙なところから生えてるやん」
営業マン「この頃のクルマはみんなこうですねん。いかがです、ミツビシ・コルディア。今やアイドルグループのチャイルズより知ってる人が少ない貴重なクルマでっせ」
ティパニ「なんか嫌やなぁ。ボンネットの上にへんなたんこぶついてるし」
営業マン「これはパワーバルジゆうて、ハイパワー車の象徴ですねん」
ティパニ「(へー)そんなにハイパワーなん?」
営業マン「いやー、今となってはほぼ見かけ倒しですな。あと4速のトランスミッションを見かけ上8速にするミツビシ独自のスーパーシフトとか、世界初の液晶デジタルメーターとか、役に立たないギミックは満載です。さながらティパニはんのフルートみたいなもんですわ(がっはっは)」
ティパニ「貴様、売る気あるんか? とにかくミツビシはいやや。他のクルマ持ってきてや」
営業マン「日産ならどおです? めっちゃ速いのありまっせ」
ティパニ「お、GTRとか?」
営業マン「惜しい。GTI−Rです」
     日産パルサーGTI−R
ティパニ「わ、なんじゃこりゃ」
営業マン「R32GTRのノウハウをハッチバックボディに詰め込んだ、ハイパワー4DWマシンで、操縦性の悪さは折り紙付きです」
ティパニ「いらんわ」
営業マン「じゃあ同じパルサーの流れを汲むEXAでは?」
ティパニ「EXO?」
営業マン「そんなカッコええもんちゃいます。エクサです」
     日産EXA
営業マン「アメリカでデザインされたクルマで、リアハッチを取り替えることで、クーペにもステーションワゴンにもなるというのが売りでした」
ティパニ「へー、その日の気分でボディスタイルを変えられるのはオシャレやね」
営業マン「そうなんですが、簡単にデザインが変わるのはあかんと、運輸省から許可がおりませんでした」
ティパニ「(こけ)あかんやん」
営業マン「今となっては貴重なクルマです」
ティパニ「売れへんかったから貴重なんやろ。騙されへんで」
営業マン「(ちっ)ほんなら、もうちょっとは売れたスペシャルなクルマで、スバルのアルシオーネなんかおすすめですよ」
     富士重工アルシオーネ
営業マン「エクステリアもインテリアもコンセプトカーそのままのデザインで量産されたスバルの本気が伺えるクルマです。
  言ってみれば勝負パンツのような気合いの入り方ですが、気合いが入りすぎて男が引くというありがちな展開もありました」
ティパニ「どゆこと?」
営業マン「例えばガンダムのようなコクピットなんか、デザイン優先やから非常に使いづらいのです。また工作精度がデザインに追いついてないから、安っぽさが際だったりもしますな」
ティパニ「あかんやん」
     コックピット
営業マン「ドアハンドルでいちいち指が挟まれるとか、いろいろあるんですが、こうゆうスタイル優先のクルマって、基本的には我慢して乗るもんですからね」
ティパニ「ウチは免許取り立てやで。我慢出来るほどスキルがないわ」
営業マン「そやけど、初期のポルシェやランボルギーニに比べるとずいぶん乗りやすいですよ」
ティパニ「いらんわ。もお速くなくてええから、初心者に優しいクルマを出してや」
営業マン「となりますと、こちらなんかいかがでしょう?」
     トヨタ SERA
ティパニ「いきなり丸っこいの出してきたな」
営業マン「これはトヨタのSERAいいまして、ご覧の通り天井まですべてガラス製とゆう実にカリフォルニアな感じのデートカーですねん」
ティパニ「外から丸見えやん」
営業マン「マジックミラー号って訳にはいきませんので、このクルマでデートして行為に及ぶ際にはパパラッチにご注意ください」
ティパニ「及ぶか! その目的には小さすぎやろ」
営業マン「その辺はプレイスタイルによりますから、ワシにはなんとも」
ティパニ「それにしても日光バリバリ入って来そうやな。UV対策とかしてあるん?」
営業マン「そんな高価なガラス使うたら、ベンツ並に高くなってしまいますがな。車内は初夏から晩秋までサウナ状態必至ですわ」
ティパニ「ぴゃー、天下のトヨタがよおそんなクルマ出したなぁ」
営業マン「あの頃はバブルで商品開発も平常心やなくなってたのかもしれまへんね」
ティパニ「そやなぁ。JYPがJOOをデビューさせたようなもんやろな。
  ともかくウチはアメリカ人やで。アメリカンシップに溢れたスペシャリティな車はないんかい?」
営業マン「(ピーン)ありまっせ。お客さんにピッタリの奴が、昨日入荷しましたわ」
     デロリアンEV
ティパニ「…『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のタイムマシーンやんか」
営業マン「正確にはタイムマシーンの元になったクルマです。DMCDMC−12ゆうクルマで、通称デロリアンいいます」
ティパニ「すげー、レトロでオシャレ。そやけど、これ走るの?」
営業マン「走りますとも。実はこれ、電気自動車に改造してあるんですわ」
ティパニ「(ぴゃー)マジで?」
営業マン「ある意味、世界最先端のクルマです。雑誌の取材でクルマについて訊かれたときに”ゼロエミッションカー”に乗っているゆうたら、芸能人としての株がぐーんと上がりますで」
ティパニ「うーむ、確かに」


テヨン「で、騙されて買ったのがあのボロ車か?」
ティパニ「うん」
ヒョヨン「今朝も途中の坂道上りきれんで立ち往生しとったやろ」
ジェシカ「迷惑やなぁ。だいたいソウルみたいな坂だらけの街で電気自動車なんか向いてへんのや」
ティパニ「なんと言われてもええ。報われぬ愛とエコの伝道師、それがウチや」
ソヒョン「…オロカモノメ」
     ジョージ秋山デロリンマン
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