関西ソニョシデ学園

過去に生きるK-Popのブログ

第276話 日陰の花

スヨン「いま評判のスイーツ店?」
ソニ「どっか知らん?」
スヨン「そらいくつかあるけど、なんで?」
ソニ「『鬼さんこちら』ももうじき終わるし、後に残るダナねえさんやスタッフに持っていこうかと」
スヨン「ああ、差し入れね。そんなら弘大にあるパティスリー・ヒゲハチゆう店がいま旬や。
  ”アノマロカリスの卵のぷるぷるプリン”とか”カブトガニの精巣ロールケーキ”とか”ワンダフルゼリー〜バージェス動物村の可愛い休日”とかえらい人気やねん」
ソニ「わぁ、ウチ、プリンとかゼリーとか、めっちゃ好きや。自分用にも買って来ようかな」
スヨン「おお、行って来い行って来い。ついでにウチの分も買うて来てや」


ソニ「ただいまー」
スヨン「(でででで)ど、どうやった? 買うて来た?」
ソニ「それが、めっちゃ長い行列出来ててな、2時間待ちなんやて。さすがにそんなヒマはないわぁ」
スヨン「ええーっ(へなへな)」
ソニ「いやーん。買えないてなったら無性に食いたくなって来た。プリンとゼリー!」
ジェシカ「…(ふ〜ん)」


ポンピ〜ン
スヨン「はーい(がちゃ)…なんや、シカかい」
ジェシカ「なんややないわ。はぁー、おも(ドサ)。ちょっとテヨンちゃん、この荷物、キッチンに運んで」
スヨン「は、テヨン?」
ジェシカ「自分、ナイナイの岡村と10年前に共演経験があるテヨンちゃんやろ?」
スヨン「…(作者の奴、今頃『めちゃいけ』観たんやな)」
ジェシカ「さっさと運ぶ!」
スヨン「はいはい。で、自力でドアも開けられへんほど、両手に一杯なに買うて来たん?」
ジェシカ「卵とか牛乳とか砂糖とか蜂蜜とかゼラチンとかバニラエッセンスとか…」
スヨン「なんや、新式の美肌パックでもやるんか?」
ジェシカ「美肌術ならキッチンに運べとはゆわんやろ。ほら、この鍋も持ってって」
スヨン「ま、まさか、お菓子でも作る気か?」
ジェシカ「そうや。ソニが食いたがっとったからな。店で買えなきゃ作るしかないわ」
スヨン「ひえー、どうゆう気の迷いや」
ジェシカ「ウチはこれでも、ソニの奴がこれまで文句ひとつゆわず少女時代を陰から支えて来てくれたこと、ちょっとは感謝しとるねん。それにもうすぐ奴の誕生日やからな」
スヨン「(ひゃー)あれだけ外様扱いしてたのに、5年目にしてやっと認めたか。ならウチは?」
ジェシカ「貴様の何処を認めろゆうんや。残飯処理しかしたことないくせに、厚かましい」
スヨン「え、えらい言われようやな」
ジェシカ「ま、余ったらちょっとは食ってもええで」
スヨン「そら余るやろう、こんな何キロも買い込んで」


チュウイイーーーーーン
ドガ、ガッガッガッガ!!
グワッシャ−−−ン
グラグラ
ヒョヨン「(よろよろ)わー、なんやなんや。窓が割れる、建物が揺れる」
スヨンジェシカが調理中なんや」
ヒョヨン「な、なんやて?(ぞぉー)」
スヨン「それも、よりによってお菓子作りや」
ヒョヨン「それはまた(バリバリバリーーーー!)な」
スヨン「えー? 聞こえへんがな」
ヒョヨン「難易度の高い工事に取り組んだなって!」
スヨン「工事やない、調理や!」
ヒョヨン「こんなドリルや削岩機の音がする調理なんかあるか!」
スヨン「む(ピーン)、『斫(ハツリ)ばやしが聞こえる』ゆう新曲はどうやろう?」
ヒョヨン「売れるか、ボケ!」
(ピタッ)…シーン
スヨン「ん? ハツリの音がやんだ」
ジェシカ「で、出来たー!」
ヒョヨン「うそーん」
そー(キョロキョロ)
ヒョヨン「わ、キッチンが完全に破壊されとる」
スヨン「北の奴らめぇ」
ジェシカ「は?」
スヨン「この毒ガスの臭気、戦闘はつい先ほどまで行われていたようですね」
ヒョヨン「うむ。ガスを吸わないよう匍匐前進や。地雷に気をつけろ」
スヨン「ラジャ」
そろそろそろ
ジェシカ「こら!(どん!)」
スヨン「わ、残存兵がいます! 退避、退避!」
ジェシカ「コントやってる場合か。盛りつけ手伝えや」
ヒョヨン「盛りつけゆわれても、どれが出来上がりで、どれが残飯か、区別がつかないのであります」
ジェシカ「一目瞭然やないか。これがプリンで、こっちがゼリーや」
ヒョヨン「そんな泥水指さしてプリンゆわれてもなぁ」
ジェシカ「ええから、さっさと器に移して。凝固してまうやろ」
ヒョヨン「普通は冷蔵庫に入れない限り、すぐには固まりませんよ」
ジェシカ「そうなん? ゼラチンの量間違えたかな?」
スヨン「それにしてもこの器はなんやねん。源平鍋やんか」
    
ジェシカ「ソニがプリンとゼリー同時に味わえるように、オシャレ鍋を買うて来たんや」
ヒョヨン「オシャレやないし」
スヨン「鍋でスイーツて、豪快すぎるやろ」
ジェシカ「鍋でスイーツこそ、女の子の夢やないか。さぁさぁ、早く手伝って。余っても食わしてやらんぞ」
ヒョヨン「頼まれても食わんて」
スヨン「一旦冷蔵庫の中の食材を外に避難させたが良くないかな?」
ヒョヨン「冷蔵庫から出したら腐ってまうがな」
スヨン「この汚物と一緒に入れた方が、もっと早う腐る気が」
ジェシカ「汚物てなんじゃこら!」
スヨン「そやかて、すごい匂いやで」
ヒョヨン「どうやったらゼリーからホンオフェみたいな匂いがするねん」
ジェシカ「アノマロカリスの卵が売ってなかったから、取りあえず郊外の田んぼに行ってな…」
ヒョヨン「(ひーっ)それ以上ゆわんでええ。想像してしまうやろ」
スヨン「これが善意から出た行為やから恐ろしい」
ヒョヨン「関ソニョに善意なんか持ち込むからや」


ジェシカ「どうぞ(ニコニコ)」
ソニ「ど、どうぞって…う(こ、この匂いは)」
ジェシカ「ミュージカルお疲れやったな。それとちょっと早いけど、誕生日プレゼント。ジェシカさま特製プリンとゼリーやねん」
ソニ「ス、スイーツやったん?(この鍋のどっちがプリンでどっちがゼリー?)」
スヨン「(ひそひそ)ゆわれて初めて食い物と気付いたぞ」
ヒョヨン「(ひそひそ)そやけど、食い物やと知らされるのと、実際に食えるかゆうのは別問題や」
ジェシカ「遠慮せんで食べて。美味しかったら、ミュージカルの人たち用には別に作るさかい」
ソニ「う、うん…(うひゃー、なんか表面に浮いてるし)。
  あ、あの、せっかくやけど、今日はミュージカルのスタッフと夕飯食べて来たから」
ジェシカ「…う(涙)、やっぱり不味そうやて思うてるんやね」
ヒョヨン「不味そう思う前に、食いモンか?て疑うわな」
ソニ「そ、そんなことないって。ただ、ホンマに今夜はお腹一杯で。あ、明日の朝食べさして貰うから」
ジェシカ「無理せんでええんやで…(どよーん)」
ソニ「む、無理なんかやないって。と、とにかく、今夜はこれ、冷蔵庫に戻そうね、ね?」
ジェシカ「はぁー…ミョンスオッパは昔喜んでウチの手料理食うてくれたのになぁ」(関西ソニョシデBigens/第17話参照)
スヨン「そのせいで死線をさまよったんやないかい」
ソニ「ううっ(やばい、匂いだけで吐き気が)…ごめん、シカ、ウチはあんたの愛に応えられへんのや(バタバタバタ)」
ジェシカ「あ、ソニ! …へへ、逃げて行きよった。
  はぁ、ウチが誰かのためになにかしようとすると、必ずこんな結果に…哀しいわぁ(さめざめ)」
ヒョヨン「重い、重いって」
スヨン「…いろいろはた迷惑な奴やなぁ。そやけどせっかく作ったプリンを捨てるのは忍ばれる。なによりシカの気持ちが浮かばれへんがな…(うーん)」


ジェシカ「あー!(喜)」
ユリ「なんやなんや、朝から大声出すなや(ムッスー)」
ジェシカ「あ、これはこれは、『ファッション王』のせいですっかり不機嫌が板についたユリ姐さん、おはようございます(ニコニコ)」
ユリ「嫌味か。寝不足なだけじゃ」
ソニ「(むにゃむにゃ)おはよ。なに騒いでるん?」
ジェシカ「スンギュ!(ぎゅっ) 昨夜はあんだけ拒否しとって、結局食べてくれたんやね」
ソニ「は? 食べたて…まさかあの汚物を…(ぞぉ)」
ジェシカ「ほら、鍋が空っぽや!」
ソニ「わっ、ホ、ホンマや」
ユリ「なに、その鍋の中になんか入ってたんか?」
ジェシカ「ウチ特製のプリンとゼリーや」
ユリ「へえ、そんなええもんあったらウチも食いたかったな」
スヨン「(ふらり)やめたがええ。あれは素人にどうこうできる食い物やないで」
ジェシカ「あ、テヨン。見て見て、なんだかんだゆうて、スンギュが食べてくれたんや」
スヨン「ふーん、よかったな」
ユリ「おえ、自分、口臭いで。また拾い食いしたな」
ジェシカ「げえ、ホンマごみ箱みたいな匂いしてるで。口臭いアイドルなんて、最低や。さっさと歯磨いて来いや、バーカ!」
スヨン「はいはい(よろ)」
ジェシカ「またみんなに迷惑かけて。いつまでたっても口ばっかなんやから(プンプン)」
ヒョヨン(モノローグ):アニメ『ゴルゴ13』のエンディングのように一瞬よろめいたテヨンの背中。だが彼女は全てを飲み込んで、黙って洗面所に消えて行った。
  男前やで、ホンマ。少女時代を陰から支え続ける自分の献身に、ウチはギュッとハグをして感謝を伝えたい。
  そやから早く歯を磨いてくれ、テヨン。
スヨン「テヨンゆうなって!」







※毎年言ってますけど、ソニの一週間手前が私の誕生日です!


※サニーは2012年3月から、ミュージカル「Catch Me If You Can」にブレンダ役で出演している。同ミュージカルは3月28日〜6月10日上演予定。
 原作は10代で400万ドルを稼いだ詐欺師の実話をスピルバーグが映画化したもの。
 『Catch Me If You Can』は「出来るものなら捕まえてみろ」と言う意味だが、鬼ごっこの開始の言葉でもある。
 日本語で言うなら『鬼さんこちら』か。ちょっとニュアンスが違う気もするけど。
 サニーの出番は5月中旬までとされている。


アノマロカリス…約5億2500万〜約5億500万年前(古生代カンブリア紀前期終盤〜中期)の海に棲息していた捕食性動物で、奇妙なエビという意味である。
 おそらくこの時代の支配的生物であったろうと見られ、突出して大きい(最大2mの化石が見つかっている)。
 その口の形(吻を4枚の大歯と28枚の小歯が円形に取り囲んでいる)から捕食生物と予想されているが、現在の生物に同様の口を持つものはいない。
 つまり、現在とは隔絶した生物種であって、卵を産むかどうかも想像の範囲を超えていない。
 バージェス動物群には、このような謎の古生物が山ほど存在する。
    
    カンブリア紀の王者アノマロカリス。ファン、多し(笑)


※バージェス動物群…1909年、米国の古生物学者であるチャールズ・ウォルコットによって発見されたカンブリア紀の古代生物群の化石。
 カナダのブリティッシュコロンビア州にあるバージェス頁岩(けつがん)の中から発見され、バージェス頁岩動物群とも呼ばれる。
 通常の化石と違い、バージェス頁岩はもともと粘土状の土であり、軟体部がよく保存され、体の組織が観察される。
 また、通常は化石に残らないような軟体性の動物の化石がきれいに残っていることでも注目を受けた。
 バージェス動物群の時期は、カンブリア爆発と呼ばれる生物層の劇的な進化・多様化の時代のすぐ後であり、現代では絶滅した悪夢のような生物がたくさん発見されている。
 アメリカの古生物学者スティ−ブン・ジェイ・グールドによる著作『ワンダフル・ライフ』で一躍有名になったが、現在ではいくつかの間違いが判明している。
 またグールドと対立する立場をとるイギリスの古生物学者リチャード・フォーティによる『生命40億年全史』では、いちいちグールド説にいちゃもんをつけていて面白い。
    
    バージェス動物群の代表格ハルキゲニア
    まるでポコ●ンに触手だが、最初は上下逆に復元されてて、さらにわけのわからない生き物と思われていたのだ。


※2012年3月31日放送のフジテレビ『めちゃ×2イケてるッ!SP』に少女時代が出演した。日本のバラエティ番組には初めての登場となる。
 MCの岡村隆史スヨンテレビ東京『ASAYAN』における”日韓ウルトラデュオオーディション”で、10年前に共演しており、感動の再会となるはずだったが、
 何故かテロップには「10年前に共演経験があるテヨンさん」と書かれていた。
 日本デビュー初期にはよくあった間違いだが、最近メンバーの名前を間違える番組はほとんどなくなっていたのに。
 日本デビューと同時に少女時代を取り上げ続けてきたフジテレビにしてはお粗末なミスだった。
 まぁこっちはネタが増えていいけど(笑)


※ハツリ…コンクリートを削ったり崩したり掘ったり穴を開けたりする作業の工事用語。
 その現場はとにかくうるさい。
 『斫ばやしが聞こえる』は言わずとしれたこの名曲から。