関西ソニョシデ学園

過去に生きるK-Popのブログ

ソニョシデ学園 10

最近雨が多い。
今日もいつもの道を通って帰っていたら、僕らの少し前を相合い傘のカップルが歩いていた。
グンソク先輩とユナだよ」
僕は隣を歩いている幼なじみのジェシカに囁いた。
グンソク先輩と1級下のユナは、ともに放送部で、最近はいつも一緒にいるところを目撃されている。
「やっぱり付き合ってるのかなぁ、あのふたり」
「さぁね」とジェシカは、歩みを緩めず、興味なさ気に答えた。
「美男美女カップル…お似合いだよね」
思わずため息が出る僕。
すると、
「私たちだって、そんなに負けてないと思うけどな」とジェシカ。
思わぬ言葉に、僕は赤くなって立ち止まってしまった。
「どうしたの?」
「あの、ぼ、僕らも相合い傘で…その帰ろうか」
しどろもどろの言葉に、ジェシカはにやりと笑って、自分の傘をクルクルと回した。
「わ、冷たい!」
たくさんの滴が僕の顔を濡らした。
「うふふふ」
ジェシカは「バーカ」と言って、スキップで先に行ってしまった。
「あ、待ってよ、ジェシカ!」
慌てて追いかける僕。いつまでたっても縮まらないふたりの距離。
グンソク先輩たちを追い抜くとき、このカップルの話し声が聞こえた。
相合い傘にもかかわらず、ふたりは口汚く罵り合っていた。
いろんな愛の形があるんだな、と僕は思った。