関西ソニョシデ学園

過去に生きるK-Popのブログ

第209話 空港ファッション

ソヒョン「ヒョヨンねえ、出かけるん?」
ヒョヨン「うん、ちょっと洋服買いに行こか思て」
テヨン「さすが自称ファッションリーダー。腐るほど服持ってるのに、まだ買うか」
ジェシカ「もお秋やし、女の子なら当然やろ」
ヒョヨン「まぁ季節変わりもあるけど、今日買うのは空港ファッション用やねん」
ユリ「ああ、あれは確かに頭の痛い問題やな」
テヨン「ウチも酷評されたことあるわ。クルマを降りて搭乗口をくぐるまでのわずか数十メートルに、なんであんな気を使わにゃならんのかなぁ」
ティパニ「ウチら9人もおるのに誰とも衣装被ったらあかんし、2度と同じ服を着れへんからなぁ」
ジェシカ「服だけやないで。靴、バッグ、眼鏡、アクセ、全部チェックされるんやから」
ユナ「KARAのジヨンなんか、おかんが心配して洋服買うて来たらしいで」
ヒョヨン「そやろ? ウチら韓国いち注目されとるからなおさらや。暇を見つけちゃアイテムを補充する、それがもはや仕事のひとつになっとる」
ソヒョン「ほんならウチも行こうかな。おねえ、ウチに似合う服、選んでくれへん?」
ヒョヨン「そら構わんけど」
テヨン「ウチも付き合うわ」
ユリ「ウチも」
ソニ「ウチも」
ジェシカ「行ってらっしゃーい(ごろん)」
ユナ「おねえは行かへんの?」
ジェシカ「ウチとヒョヨンじゃ感性が違う。自分で着るモンくらい自分で選べるわ」
ユリ「さすがデザイナー志望」
スヨン「ウチもファッションには自信があるよって行かへんわ。それに今日は教会のボランティアで炊き出しする予定やし」
ティパニ「そのうち半分は自分で食うくせに(笑)」
スヨン「(むきーっ)自分もクリスチャンなら炊き出し手伝え!」
ティパニ「今日は買い物気分やねん(けけけ)。さぁ行くで、みんな」
ヒョヨン「ウチの買い物なんやけどなぁ」


ぞろぞろ
ソヒョン「へー、こうやってみると狎鴎亭も洋服屋さん多いんやね」
ソニ「いつも非合法ショップばかり覗いてるから気付かんかったんやな」
ヒョヨン「お、この店、最近気に入ってるんや。入ってみよう」
テヨン「古着屋やんか」
ソヒョン「他人の着た服、わざわざ買うて着るの? 変なの」
ヒョヨン「アホ言え。着こなしさえちゃんと出来れば、古着は安価で個性的なファッションアイテムになるんや。…これなんか、テヨンに似合いそうやな。どお?」
テヨン「どお、ゆわれても、なんか渥美清が映画の中で着てたような背広ですけど」
ヒョヨン「この秋は”おじカワ”が流行やねん。自分いっつもパープルとかブラックとか婆臭い色のもんばかり着てるから、この辺でイメージ変えた方がええ」
テヨン「おじカワ?」
ヒョヨン「このジャケットに、バルーンショーパンを合わせて、ニーハイのブーツ…(ぱぱぱ)」
ティパニ「あ、可愛い!」
テヨン「マジ?」
ヒョヨン「こうゆう外したコーデが、下衣失踪ルックばかりのこの国じゃ新鮮に思われるはず」
ユリ「そやな。”あの娘、判ってるなぁ”ちゅう感じやね」
ヒョヨン「自分とユナはボーイッシュな格好も似合うんやから、他のメンボと被らんためにも、こうゆうものにどんどんチャレンジするべきや」
テヨン「はぁー、そうゆうもんかな」
ユナ「ほんならウチも”おじカワ”やんの?」
ヒョヨン「そうやね。同じ”おじカワ”でもテヨンとはスタイルがぜんぜん違うから、まったく別もんには出来るで。
  長身を生かして、この無地のジャケットに2タックの緩めのパンツ…サスペンダーとカンカン帽と革靴(ぱぱぱ)」
ユナ「全身親父なんやけど」
ヒョヨン「ほんでアクセントに安っぽいピンクの蝶ネクタイ」
ソニ「おっ」
ユリ「パッと顔に目が行くようになった」
ユナ「ホンマ? 可愛い?」
ティパニ「うん。いつものサングラスファッションより、こっちの方が断然ええわ」
ヒョヨン「これで全部で15万ウォン」
ティパニ「ウチのネイル代の半分以下や(ひゃー)」
ヒョヨン「古着やからSPAOとかアイダーとかから怒られる心配もない」
ユナ「すげー! 買う買う、すぐ買う、全部買う(喜)」
テヨン「ウチも買おうっと」
ソニ「う〜む。確かに大したファッションセンスや。感心した」
ソヒョン「次はウチの番やで。ウチに似合う服、選んでや」
ヒョヨン「そうやなぁ…自分の場合はここより東大門に行った方がええかも」
ソヒョン「東大門?」


ユナ「うう、『シンデレラマン』のいやな思い出が…」
ヒョヨン「こっちや、確かこの奥に…あったあった」
ソニ「ここは洋服屋とゆうより制服問屋のような」
ヒョヨン「ピンポーン。女性ユニフォーム専門店『働く女』や。さぁ、チュヒョン、この中から好きな白衣を選んでみ」
ソヒョン「白衣?」
ユナ「空港ファッションやで。イメクラと間違えてへんか?」
ヒョヨン「大丈夫やて。チュヒョンにしか出来へん個性的なファッションに仕立てて見せるから」
ソヒョン「そお? ほんならこの白衣で(はい)」
ヒョヨン「意外にシンプルな奴選んだな。まぁええ、そしたらスカートはこれね」
ソニ「うひゃー、白衣の下にラム皮の超ミニスカート」
ユリ「スマンのおっちゃんが大喜びしそうやな」
ヒョヨン「で、トップはサディスティックな袖なしのハイネック。白衣のボタンは絶対止めたらあかんで。常に内の刺激的な衣装を見せること」
ソヒョン「これって…赤木リツコ博士やん」
ヒョヨン「気に入ったやろ(にやり)」
ソヒョン「嫌いやないなぁ(えへへ)」
ユリ「さすがや。マンネのものすご女性らしいボディを強調しつつ、白衣と言うATフィールドで容易に手を出せない雰囲気を作ってる」
テヨン「エロ賢いぞ」
ヒョヨン「もともと赤木リツコのファッションは『振り向けば奴がいる』での松下由樹の衣装をヒントにしていると貞本義行がゆうてるから、これはエヴァのパクリではない」
ソニ「そんな情報はとくに必要ないわ」
ヒョヨン「白衣の下が競泳水着とゴーグルってヴァージョンもあるけど?」
ソヒョン「それは遠慮しとくわ」


ティパニ「ウチは? ウチは?」
ヒョヨン「清純系とセクシー系がありますけど」
テヨン「セクシー系にしとき。自分、花柄のワンピースとかブリッ子ファッションが多いから、たまには冒険せえ」
ティパニ「ステージでは結構冒険してるけどなぁ。まぁええわ、じゃセクシー系で」
ヒョヨン「そんならこれかな(はい)」
ティパニ「なんかAKBみたいやな」
ソニ「一見AKBでもガーターベルトとかついてるし、ヘソも丸出しやな」
ヒョヨン「そうそう、アメリカン・ハイスクール風衣装やねん」
ティパニ「アメリカン・ハイスクール?」
テヨン「美国の高校生がそんなエロい格好するか?」
ヒョヨン「事実は判らんがAVでは人気のジャンルやからな」
ユナ「(ズル)AVかよ」
ティパニ「なんかよお判らんが、脚やら胸やらヘソやら、露出が多くて気に入った!」
ユリ「露出の多さがポイントなら、裸族になればええのに」


ヒョヨン「ユリはこの店な」
ユリ「…どおみても作業着しかない様な」
ソニ「(読み)作業着の総合ショップ『汗屋』やて」
ヒョヨン「そやかて自分、ガテン系の衣装が超似合うんやもん。ここで一式購入して青春不敗ファッションを確立しろや」
ユリ「いややぁ、そんなん」
ソニ「でも確かに軍手に地下足袋とか似合うよなぁ」
ヒョヨン「そやろ。作業ズボンの腿ポケットに競馬新聞とか突っ込んでたら無敵やで」
テヨン「ちびた赤鉛筆を耳にはさんだりしてな(笑)」
ユナ「尻ポケットには焼酎の小瓶ね(笑)」
ユリ「真面目にコーデしてくれや。空港ファッションやで」
ヒョヨン「大丈夫。(すぽ)ほら、ウサギさんの耳当て付けたら可愛くなった」
ユリ「えー? 作業服にウサギさん?」
ソヒョン「あら、マジ可愛いやん」
ソニ「こうゆう外し方はユリにしか出来んわ」
テヨン「じゃあこれで決まりね」
ユリ「そおなの〜(泣)」


ソニ「最後はウチやね」
ヒョヨン「自分はどうせモンペでええんやから、ユリと一緒に汗屋で探せや」
ソニ「(ガク)急に扱いが雑になったな」
ヒョヨン「だってウチの買い物やゆうのに、なんも買えてないんやもん」
ソニ「そんなぁ」
ソヒョン「見て見て、このインナー、超発熱性ハイテク素材使用やて」
ユナ「ユニクロより安いのに機能性ばっちりや」
テヨン「生地も厚いし縫製もしっかりしとる。デザインだけはイマイチやけど、インナーやし気にすることもないやろ」
ヒョヨン「寒いオープンステージでは重宝しそうやな」
ユナ「お、こっちは軍服コーナーや。カッコええ」
テヨン「”今流行の弾帯留めはこれだ!”…弾帯てなんやねん」
ユリ「このベスト、ポケットだらけやで(笑)」
ヒョヨン「ああ、それは釣り用なんや。裏地が取り外せて、夏には背中がメッシュになるんやで」
ソニ「ほお」
ソヒョン「作業着って面白いねえ」
ヒョヨン「そりゃもお機能性をとことん追及してるからな。ゴム長ひとつとっても職種によって長さも形も全然違うんやで…」
ソニ「これはなかなかためになるな。『青春不敗』には必要な知識かも知れん。もうちょっとこの店を見て回るか」


ネットニュース記事:『少女時代のあきれた空港ファッション』
 金浦空港に現れた少女時代が風変わりな空港ファッションで周囲を驚かせた。
 テヨンとユナはどうみてもくたびれた中年親父のようであり、清純で知られる末っ子のソヒョンは薄着の上から白衣を羽織ると言うイメクラさながらのスタイル。
 もっとあからさまなのはティパニで、学生服風の衣装に網タイツとガーターベルト、まるで日本のアダルトビデオから抜け出してきたような衣装だった。
 またユリは明らかに肉体労働者風であり、ソニはゴム製の長靴にビニールの合羽、ねじり鉢巻、アイドルと言うより漁師と言った風情で、大いに良識を疑わせられた。
 ソニは、ポケットに大量の釣り針と錘を仕込んでいたらしく、セキュリティチェックで再三止められるなどスムースな搭乗を行うことが出来なかった。
 そんな中、ヒョヨンはカジュアルな中に優雅さを盛り込んだセンスあふれる衣装で、ひとりファッションリーダーとしての面目を保っていた。
 記者の質問に答えてヒョヨンは「彼女らはファッションセンスがまったくないので、勘弁してほしい(けけけ)」と謝罪した。
 (記者:ハン・ホヨン)