関西ソニョシデ学園

過去に生きるK-Popのブログ

第152話 もし韓流女子アイドルグループの男性マネージャーが…

♪ぽんぴ〜ん
CA「おはようございます。当機は予定通りパリ、シャルル・ド・ゴール空港へ向け、巡航中でございます。
  ただいまより朝食の準備をさせていただきます。」
ジェシカ「(ぐわーっ)よお寝たわ」
スヨン「(もぞもぞ)腹減ったなぁ」
ティパニ「ちょっと自分、寝えへんとずっと本読んでたんか?」
クッキーマン「うん。こういう機会やないと本読めないから」
ユリ「どおせロクでもない本やろ? 自己啓発本とか」
クッキーマン「ふん。自分らには一言も理解できへん、えらい学者が書いた高尚な本や」
ジェシカ「(カチン)大学出や思うて偉そうに。ウチかてメンボ随一の読書家やぞ。見せてみい(バッ)」
クッキーマン「あっ…なにするねん」
ジェシカ「こ、これは…!」
全員「それは…?」
ジェシカ「マイケル・サンデル教授の『ハーバード白熱教室』や」
全員「ドラッカーちゃうんかい(ゴロゴロ)」
CA「(ムキー)お客さーん、シートベルトしておいてくださいよ! 罰として朝食抜き!」
スヨン「いやーっ! 朝飯食わせてえな!」



スヨン「(がばっ!)ハッ!」
ジェシカ「お、飯時になるときっちり起きやがるな」
CA「ただいま準備いたします」
スヨン「ク、クッキーマンは?」
ジェシカ「後ろの席で本読んどるけど?」
スヨン「な、なに読んでるん?」
ジェシカ「ちょっと、自分なに読んでるかて、スヨンが…」
クッキーマン「は? 別に食いモンの本やないで」
スヨン「そんなん判ってるわ。難しい本読んでるんやろ、な?」
クッキーマン「難しいかな。女子高生にも理解できる内容やで」
スヨン「タイトルは?」
クッキーマン「ピーター・ドラッカーちゅう人の…」
スヨン「うんうん」
クッキーマン「『チェンジ・リーダーの条件』や」
スヨン「『マネジメント』ちゃうんかい!(ごろごろ)」
CA「きゃあ(がっしゃーん!)」
スヨン「し、しまった!」
CA「お客様、急にずっこけたりなさっては大変危険です。おかげでお客様の朝食がパーになりましたわ」
スヨン「す、すんまへん(はぁ、やっぱり朝食抜きかよ)」
テヨン「『チェンジ・リーダーの条件』てなんや? ウチへのあてつけか、こら(ギュウ)」
クッキーマン「べ、別にそういう意味や…うげえええ」







※説明するまでもないが岩崎夏海によるベストセラー小説『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』が元ネタ。
 作者は読んだことないし、多分これからも読まないと思うが、そんな奴でもあらかたのスジを知っているのはネット社会の凄さである。
 読みもしないのに勝手に分析して”映画版『もしドラ』は原作のテーマを全く理解していないからあかんやろ”などという感想を持ってしまうのも現代社会の凄さである。
 もしくは作者の早とちりであろう。
 ただ”映画『もしドラ』大ヒット公開中!”などというあおりを見ると”うそつけや”と心の中で突っ込んでしまうのはやめられない。


マイケル・サンデルは米ハーバード大学の教授で政治哲学者。
 彼の講義には毎回1000人を超える学生が押し寄せ、広い大教室が満員になることが有名で、その講義の模様を収録したアメリカのテレビ番組が制作された。
 日本でもNHKが『ハーバード白熱教室』と言うタイトルで同番組を放映。サンデル教授の斬新な講義スタイルが各所で話題となった。
 政治哲学というジャンルの性格上、結論を出すことより考えさせることが目的なので(というか結論はない)、講義の内容は非常に難解である。
 よって話題になったのはその内容ではなく、あくまでも講義スタイルであると考えるべきだろう。