関西ソニョシデ学園

過去に生きるK-Popのブログ

第138話 汚れたアイドル

IU「え、またドラマ?」
マネージャー「『ドリームハイ』が評判良かったからな。キーイーストとJYPEがえらい乗り気で」
IU「そらまぁ裏が超強力やった割に健闘したとは思うけど。そやけどウチ『ウェルカムトゥザショー』やったばっかりやん」
マネージャー「ホンマの売れっ子ゆうんは、2〜3年先までスケジュールが埋まっとるもんや」
IU「JYPEが乗り気ならまたスジ使えばええのに。なんでウチに声かけてくるねん」
マネージャー「キーイーストの希望やねんて。韓国一旬なアイドルを是非主役にて」
IU「主役?(ひえー) 嬉しくないことはないけど…なんか重いなぁ」
マネージャー「アホか、素直にもっと喜べや」
IU「そやかて、ウチは歌手やもん。ドラマもたまにならええけど、こうも連続してやと本業に負担がかかりすぎる。
  新曲とかCFとか日本進出とか、そうでなくても忙しいのに」
マネージャー「日本進出は、ヤマトがイスカンダルからコスモクリーナーDを持ってきて、放射能を完全に除去するまで当分のうなった」
IU「マジで?」
マネージャー「それに『ドリームハイ』も日本で放送されとるし、ドラマを通じて知名度上げてからデビューするのも手やぞ」
IU「うーん。…で、どんな話やの、そのドラマ?」
マネージャー「お、ちょっとは乗り気になったか? タイトルは『ダーティ・プリンセス』、脚本はヒットメーカーのソ・ヨンウンやで」
IU「えー? あの人のドラマ、いっつも復讐とか不治の病とか出生の秘密とかベタな話ばっかりやん」
マネージャー「今回も愛を裏切られた少女の復讐劇やけど、それがウケるんやから仕方ない」
IU「なんかいややなぁ。復讐なんてウチのイメージと違うし」
マネージャー「新境地言えや。相手役はJYPが直々にやるそうや」
IU「は? ウチとあのおっちゃんが恋人同士なん?」
マネージャー「JYP先生、『ドリームハイ』で役者の味をしめたらしくて、どうしても主役やりたいてごねたんやて。『ドリームハイ』に続いてのごり押しや」
IU「どう見ても不似合いやろう。中年サラリーマンと援交女子高生ならともかく」
マネージャー「いや、純真な高校の同級生同士ゆう設定や。そやけどJYPにはある事情があってふたりは別れることになるんや」
IU「事情て?」
マネージャー「それはこれからヨンウン先生が考えるそうやが、多分出生の秘密か不治の病が関係するんやろな」
IU「適当すぎる」
マネージャー「で、一方的に捨てられたと思った主人公…つまり自分やな…は男に復讐を誓う。それから20年、主人公は時に身を売りながら裏社会でのし上がって行くんや」
IU「待て待て。ほな、ウチは40歳近い設定か?」
マネージャー「そうでもせんとJYPと釣り合わんやないか?」
IU「最初から無理があるんや。それになんや”時に身を売りながら”て。それが清純派のウチに持って来る仕事か?」
マネージャー「部長は大乗り気やったで。それにもう一人の相手役にチャン・グンソクが出る。こっちとは年齢的に釣り合うやろ?」
IU「グンソクにいさんなら、それはまぁ(ポッ)」
マネージャー「グンソクは日本で大人気や。ここで絡んでおくのも将来を考えたら絶対得や」
IU「(どきどき)グンソクにいさんはどんな役やの?」
マネージャー「主人公の汚れた生き様を利用しつつ、その奥の純粋な心に気付いて惹かれていく暗黒街の大物オヤジの役や」
IU「だったらJYPとグンソクの役を入れ替えろ!(うきーっ!)」
マネージャー「残念ながら決定事項や。それにキスシーンもあるんやで」
IU「キス? グンソクにいさんと?」
マネージャー「アホか、JYPとに決まっとる。ドラマの第1話がいきなりキスシーンで始まるんや。
  お互いの病気が移るくらいベッチョベチョの濃厚な奴らしいで」
IU「出来るか、そんな演技! 台本の書き直しを要求する!」
マネージャー「ヨンウン先生がそこだけは譲れないとゆうとるらしい。それに少女時代のユナかてキスシーンやったんやから、自分かてやれるやろ」
IU「クォン・サンウとJYPじゃ大違いや、ドアホ!」
マネージャー「似たようなモンや」
IU「ほな何か、キム・テヒとBMKは似たようなモンか、え?」
マネージャー「全然違うがな。屁理屈ゆうなよ」
IU「貴様こそ屁理屈やないか−!」
どかーん!


ユリ「(るんるん)いやぁ、たまの野球観戦も面白かったなぁ。いっそ野球盤ゲーム買おうか。ユナなら遊んでくれそうやし…(ピタ)ん?
  なにやらこっちの楽屋からスキャンダルな匂いが…(クンクン)」 ← デカワンコ状態
そろそろ
ユリ「なんやアイユの楽屋か…内から声が聞こえる」
IU「(グスングスン)」
男「もう泣くなや、仕事やろ」
IU「そやかて、芝居と言えどもオッパ以外とキスなんてイヤやもん。ウチの唇はオッパだけのモンやもん」
男「聞き分けのない奴(ため息)」
IU「今だって充分忙しいのに、このままドラマが続いたらますますオッパと一緒に過ごす時間がなくなるんやで。
  ウチは以前みたいに、いつでもオッパといたい。一緒に食事して、一緒にお風呂入って、同じベッドで眠りたいんや」
ユリ「(な、なにーっ!? アイユに男? ガキのくせにそんな羨ましい生活しとったんか?)」
IU「ウチとオッパを引き裂くなら、もお芸能界なんかやめてやる!」
パシーン!
IU「あっ(こけ)」
男「わがままゆうんやない。ワシは自分をそんな風に育てた覚えはないで。
  多少の障害がなんや。それを乗り越えてこそ、自分の愛が本物やて証明出来るんやないか?(そっ)」
IU「(ぱしっ)いや、触らんといて。こんだけゆうてもウチの気持ち、わからんのやね。もお大嫌いや!」
男「チャッチ…」
IU「バカーッ(うえーん)」
ユリ「こ、これはとんでもない現場をおさえたで(狂喜)」


がやがやがや
記者「あ、来たぞ来たぞ」
記者「アイユさん、恋人がいるってホンマでっか?」
記者「すでに同棲してるとか」
記者「仕事より男が大事なんだって?」
わしゃわしゃ…どんっ
IU「きゃっ」
マネージャー「ちょっと、通して、通して!」
記者「まだ高校生なのに不道徳だと思いませんか?」
マネージャー「ええ加減にせえ! みんな早朝から大挙して押し掛けとるけど、今んところ芸能記者が喜ぶようなネタはないで」
記者「そやかて、アイユさんが男と一緒に住んどるゆうタレ込みが」
マネージャー「(むかー)誰や、そんなええ加減なことゆう奴は?」
ユリ「とおっ!」
クルクルクル…スタッ!
ユリ「ウチや!」
マネージャー「じ、自分は…?」
IU「ユリねえさん…」
ユリ「そお、芸能界の金髪先生クォン・ユリや。
  こら、アイユ。いや、イ・ジウン。高校生の分際で毎晩男と風呂入ったり一緒に寝たりするとは不届き千万。
  そんな羨ましい不道徳な輩は芸能界全体に悪影響を与える。このユリねえさんが成敗してくれるで」
マネージャー「な、なにアホなことゆうとるんや。妄言ばかりゆうとると事務所訴えるぞ」
ユリ「うるさいわい。ウチはこの耳でアイユが男と喋っとるのを聞いたんや。さては先日の”鼻を整形したい”発言もその男のためやな」
IU「男なんかいてへん。ウチにとって一番大切なんは歌とペンやもん」
ユリ「ほーっほっほっほ、模範解答ありがとさん。ほんなら自分が毎晩一緒に寝たいオッパて誰? それもペンやと言い逃れできるかな?」
IU「オッパ…?(はっ)」
マネージャー「あ、アレを聞かれてたのか」
記者「アレってなんです?」
記者「まさか、ホンマに恋人が…?」
マネージャー「し、仕方ない。もお総てを公表するしか…」
IU「いやや、ウチ恥ずかしい」
ユリ「ふふふ、恥ずかしいか、恥ずかしいやろなぁ。そやけどこれだけの記者はんがおられるんや。逃げることはかなわんで。
  さぁ白状するんや、おのれのタダレた私生活を」
マネージャー「いや、別にタダレてはおらんけどな。子供っぽいだけで」
記者「アイユさん、オッパって誰のことですか?」
IU「判りました、総てをお話しします」
記者「…(ごく)」
IU「(ごそごそ)オッパゆうのはこの子の名前です」
ばーん!
記者「あ、それは…?」
ユリ「タ、タチコマ…(がーん)」
IU「これはウチが日本に行ったときに買ったぬいぐるみの写真です。すごくおっきくて、タチコマ兄さんと呼んでいましたが、最近では単にオッパと呼ぶようになりました。
  可愛くて可愛くて、寝る時も一緒なんです。朝起きたらおはようのポッポもします。いつも一緒にいたいけど、サイズ的に無理やから家においているんです」
記者「なーんだぁ」
記者「アイユらしくて微笑ましいエピソードやないか」
ユリ「ふ、ふん。そんなクモみたいなぬいぐるみが可愛いなんて、どうかしてるぜ!」
IU「ソヒョンねえさんかて未だにカエルと寝てるやないですか」
ユリ「う…」
マネージャー「それに大木アナかて結婚前までクマのプーちゃんを大事にして、毎晩一緒に寝ていたらしいで。
  若い女の子やったらそんな不思議なことやない」
ユリ「そそ、そやけど、あん時楽屋には確かに男がいて…」
IU「ウチの部長や。どうしてもJYPのドラマに出ろゆうて説得に来たんや」
記者「え? JYPのドラマ? それは初耳。詳しく聞かせて下さい」
IU「あ、しもうた」
マネージャー「あかんあかん、まだ何も決まっとりゃせん。今言えることなんかなんもない」
記者「そお言わんとちょっとだけでも」
記者「こっちはわざわざ来たのに、つまらんガセネタやったんや」
記者「せめて代わりのネタを持ち帰らんとデスクに怒られます」
マネージャー「あーうるさい! クォン・ユリ、どないしてくれるねん、自分のせいやで」
ユリ「(脂汗)ううう…(がばっ)すんまへんでした!!」
関東土下座組
ユリ「ウチが悪かった、許してください」
IU「ユリねえさん…」
ユリ「何でもするよって勘弁して下さい。そうや、そのJYPのドラマに出てもええで。
  なんやったら主役でも構しまへん。いや、むしろ主役の方が…。JYPとベッドシーンがあっても我慢するさかい」
マネージャー「帰れ、ボケ!」







※『ドリームハイ』…KBS2の月火ドラマで2011年1月より放送された。全16話。
 スターを夢見てアイドル養成所に通う若者たちの情熱と夢を描いた作品で、裏が『アテナ:戦争の女神』『逆転の女王』と強力だったにもかかわらず、視聴率的には善戦した。
 製作サイドも成功裏に終了したとコメントしている。
 共同製作にJYPエンターテインメントを迎え(実際にはJYPEとキーイーストの共同出資会社ホルリムが製作と言う形になる)、
 アイドルの卵の話と言うことで、Miss Aのペ・スジや2PMのオク・テギョン、JOOなどJYPのアイドルが出演、
 さらに準主役級でローエンからIUも参加し、初めての演技に挑戦している。
 またペ・ヨンジュンとパク・ジニョン(JYP)も数シーンに出演した。JYPは俳優のまねごとが出来て相当嬉しかったようである(言い方にトゲがありすぎ?^^)。
     『ドリームハイ』
    こんなポスターじゃ誰が主役やら(笑)


※キーイースト…ペ・ヨンジュン筆頭株主である芸能事務所。”ヨン様の事務所”として知られている。
 2011年5月4日、国内や日本、アジアをターゲットとする総合的音楽ソフト事業に進出すると発表した。
 最初の事業として、SS501のリーダーで同社に所属するキム・ヒョンジュンのソロアルバムを6月にリリースする予定らしい。
 これはこれで、いずれネタになるであろう(笑)。


※『ウェルカムトゥザショー』…SBSが3月16日に放送された特番で、業界ものの単発ドラマ。
 多くの出演者が現実そのままの名前と役所で出演し、『人気歌謡』などの舞台裏が描かれる。
 2PMのニックン、2AMスロン、f(x)ソルリなどが主な出演者。IUもちょっと出た。
 視聴率が3.9%と最低だったため、ほとんど話題にならない闇番組。


※ソ・ヨンウン…実在しない脚本家。SBSのドラマで業界の内幕を描いた『オンエアー』の中でソン・ユナ扮するスター脚本家として登場する。
 やはり復讐、出生の秘密、不治の病などベタネタが得意なライターと言うことになっている(笑)。
    
 日本では業界モノと野球モノは流行らないと言うジンクスがあるが、韓国はそうでもないらしく、
 このドラマはヒットしたし、以後業界モノが増えた気がする。
 復讐や出生の秘密や不治の病などベタに頼らない新しいドラマを目指す新人監督と、ベタな人気女流脚本家、
 超人気者だが高慢で演技が下手な女優(しかも脚本家とは犬猿の仲)、人気女優に振り回されっぱなしのくそ真面目な弱小事務所社長の4人が繰り広げるドラマ制作現場のあれやこれや。
 ドラマにつきものの都合の良さはあるにしても、それなりにちゃんとドラマの現場を見せてくれる。ただしどの辺が嘘でどの辺が本当かは業界内部の人にしか判らないだろう。
 韓国特有のドラマ事情もあるしね。そんなに嘘八百のドラマじゃないよ、とだけ言っておこう。
 個人的には演技派と言われるキム・ハヌルが下手くそな女優の役なのが面白くて、段々本人の演技も下手に見えて来たほどだった。
 またイ・ヒョリカン・ヘジョンキム・ジョンウンなど毎回のサプライズゲストが豪華なのも楽しかった。


※「『ドリームハイ』に続いてのごり押し」…『ドリームハイ』でJYPが制作体制に口を出しすぎたことが非難の対象になったことがある。
 なにしろ主な出演者の半分はJYPEの(役者でもない)歌手たち、OSTはIUを除いてみなJYPEの歌手だったのだから。
 ただJYPとしては金を出した以上当然という感覚だろう。
 今度SMも『花盛りの君たちへ』を作るらしいが、SMの子たちが大量に投入されるのは目に見えている。
 ドラマ『オンエアー』でも芸能事務所がドラマに出資し、配役や脚本にいろいろと口を出してくる状況が描かれているし、日本でもよく聞く話だ。
 何故こういうことが起こるかというと、ドラマの制作費が上がり(クォリティ維持や俳優のギャラ高沸のため)もはやテレビ局が出す制作費だけでは作れなくなっているからだ。
 このため製作会社は他所からスポンサー(番組の提供スポンサーではなく製作スポンサー)を探してこざるを得ない。
 その結果ドラマ内でさまざまなタイアップやバーターが強要され、現場スタッフを苦しめることになる。


※PKL…コメディエンヌでMCのパク・ギョンリムのこと。
 ちなみに少女時代メンバーは、KTY、JSY、LSK,HMY,KHY,KYR,CSY,IYA,SJHということになる。FBIやYMOはいない。


※「たまの野球観戦も面白かったなぁ」…20111年5月3日、ユリは蚕室球場で行われた斗山ベアーズ対LGツインズの試合を観戦した。
 始球式などで縁があるユリはベアーズの帽子とジャンパーを着て応援した。それを目撃したファンは「球場の女神ユリ」などと大喜び。
 だが試合は、延長の末ベアーズが0−2で敗北した。  
    


※”鼻を整形したい”発言…5月5日に放送されたSBS『一夜のTV芸能』に出演したIUは、
 「整形するとしたらどの部位を整形したいですか」というファンからの質問に「鼻が少し低いので、鼻の整形をしたいです」と語った。
 ジョークのつもりだろうが、翌日「IUがテレビで妄言を吐いた」とニュースになった。


タチコマ…テレビ版『攻殻機動隊』に登場する自律式小型歩行戦車。
    
 可愛いと婦女子の間で大人気。
 でも、この話って「犬飼ってました」とかでも充分成立するのな。
 そこをあえてタチコマにするのが関ソニョっす。


※プーちゃん…テレビ朝日大木優紀アナウンサーが心から信頼するクマさん  
    
    生まれたときから一緒にいるらしい。
    結婚後もベッドにいるかどうかは判らない。


※おまけ…
    
    パリのデカワンコ