関西ソニョシデ学園

過去に生きるK-Popのブログ

第84話 『アイルド9』

☆2002年 ソウル
ユナ「ここや、草波さん、入って入って」
スマン「お、なんや小綺麗にしとるやないか」
ユナ「女の子の部屋、そんなジロジロ見るもんやないわ。さ、ベッドに座って。脱いで脱いで」
スマン「えらい手慣れとるなぁ」
ユナ「そらもうこれで生活しとるからな」
バーン!
悪ガキ「(どたどた)こら、ワレェ! なに人のオンナに手を出しとるんじゃぁ!」
スマン「やれやれ…ま、そんなことやと思たけどな」
パチパチチッ!
悪ガキ「キャイーーーーン!!!(バッタリ)」 
ユナ「ス、スタンガン…! 自分、なにもん? ポリか?」
スマン「ポリがこんな手間かけるか。ワシの本名はイ・スマン、貴様を大金持ちにしてやれる男や」
ユナ「金? 金稼げるん?」
スマン「そや。わずか12歳で美人局をやって男を手玉にとれるその美貌と演技力、ワシが買うたる。イム・ユナ、ワシと一緒に来い!」


☆2004年 L.A.
ブロロロロー!
スマン「あー、あー、そこのガングロ娘、停まりなさい!」
ティパニ「なんや、やかましな。おい、停めろや」
ききーっ
ティパニ「なんや、おっさん。バイク、タンデムで飛ばしとっただけで犯罪者扱いか? コンクリに埋め込んだるど」
スマン「さっき韓人祝祭のステージで歌うとった娘やな。名前はファン・ミヨン」
ティパニ「ほ、本名で呼ぶんやない!」
スマン「自分の歌、なかなかええ。プロになる気はないか?」
ティパニ「歌は好きやけど、プロて…? マドンナみたいになれるの?」
スマン「イ・ヒョリみたいにはなれるかもな。
  このままこの街で外人ゆう劣等感抱いて生きるのか、祖国に渡って宝石より輝くか、自分どっちを選ぶ?」
ティパニ「祖国やて?」
スマン「確かに国籍はアメリカかもしれん。そやけど、自分の心のふるさとはどこにあるのか、それを訊いとるんや。
  さぁ、あなたならどっち!?」
ティパニ「関口宏の料理ショーか!」


☆2001年 インドの山奥
スマン「(はぁはぁ)ダイバ・ダッタ師匠はおられるか?」
ダイバ「お、スマンやないか。久しぶりやな」
スマン「お師匠(おっしょう)のところにヨガを極めた美少女がおるて聞いてスカウトに来ました」
ダイバ「美少女、はて? 女の子ならひとりおるけど。おーい、ユリや」
ユリ「(サッ)はい、お師匠」
スマン「ブーッ!(こ、これはまたえらいぶっさいくな)」
ダイバ「こいつはワシの不肖の弟子でスマンゆう奴やが、自分をスカウトに来たんやと」
ユリ「スカウトてなんのです? 格闘技かなんかですか?」
スマン「い、いや、ワシが探しとるのはアイドルで…」
ユリ「わぁ。ウチ歌って踊ってお気楽に暮らすのが夢やったんです。嬉しいわぁ」
ダイバ「この子、踊りは上手いで。ちょっと踊ってみたら?」
ユリ「はーい!」
スチャスチャスチャ…
スマン「う、上手い(そやけど顔が…。整形でどうにかなるレベルやないしなぁ)」
ダイバ「ユリや、アイドルになるんやったらふさわしいルックスが大事やで。特別に許可するから術を使いなさい」
スマン「じゅつ?」
ユリ「うひゃー、ええんでっか? ほな全力でやりますわ。えい、レインボー・ダッシュ3!」
ピカーッ!
スマン「わ、化けた。えらい美少女やんか」
ユリ「能力を使いすぎると『ヨガの眠り』に陥ってしまうんが欠点やけど、こんなルックスでどうですやろ?」
ダイバ「ユリの奴、この変身術を身につけるために死ぬほど修行したんやで」
スマン「歌って踊ってお気楽に暮らすために、死ぬほどの努力を?」
ダイバ「まぁ頭はゆるい子なんでな」
ユリ「でへへへ」


☆2000年 インチョン中華街
少女「ニイハオ〜。おっちゃん、ウチの踊り見ていかへん? お代は気に入ってからで結構や」
スマン「(雑伎団のガキか)自分、韓国語上手やな」
少女「ウチは韓国人や。顔見てわからんか?」
スマン「そりゃスマンかった(わかるもなにも、人類の範疇からだいぶはみ出した顔しとるからなぁ)」
少女「ほな踊るでえ」
スリャスリャスリャ…
少女「(はぁはぁ)どない?」
スマン「いや大したもんや。ストロングマシン2号以上や。それだけ踊れたらいずれプロになれるやろ」
少女「からこうたらあかん。ウチのこのルックスでプロになれるわけあらへん」
スマン「(お、自覚あるのか)子供のうちからそう卑下するもんやないで」
少女「そやかて身体中に筋肉付き過ぎやろ? せめて顔だけやったらアイドルにもなれるのになぁ」
スマン「(ズコーッ!)そ、そうかもね」
少女「ああ、ウチは世界一不幸なダンサーやねん」
スマン「(気に入った。この厚顔さ、案外芸能界向きかもしれん)自分、名前は?」
少女「ヒョヨン! キム・ヒョヨンや!」



バサァー
タカハシ「もう、いいです(嘆息)」
スズキ「え? どこまで読んだの?」
タカハシ「名前はキム・ヒョヨンってところまでです」
スズキ「まだ4人目じゃん。このあとスヨン、ソヒョン、テヨン、ジェシカと続くんだよ。
  まだ書いてないけど、次の回ではスマンの姪のソニがスパイとして送り込まれて来るんだ」
タカハシ「主人公が9人というのは多すぎます。声優のギャラだけで制作費を圧迫しちゃうじゃないですか」
スズキ「キミんところの『プリキュ●』とか『お●ゃマジョ』とかだって主役級がいっぱいいるじゃん」
タカハシ「最初はどっちも2〜3人だったんです。何年かやっていく中で増えたわけで、最初から9人もいたら最後には金八先生みたいになります」
スズキ「そうねえ。KARAやらf(x)やら入れていったら、すぐそのくらいになるだろうね」
タカハシ「そんな大人数、アフレコスタジオに入りきれません。そもそもなんで登場人物が関西弁なんですか?」
スズキ「この世界では関西弁がデフォなんだよ。まぁ韓国語で喋ってる雰囲気をだそうとしたんだろうね」
タカハシ「なんですか、他人事みたいに。関西弁を喋れる声優、そんなに多くいませんよ」
スズキ「でも人数に関しては妥協できないしなぁ」
タカハシ「スズキさん、韓国にかぶれてから評判悪いですよ。
  ガンジスのオーツキさんのところにも『戦国ソニョシデ』とか言う企画持ち込んだらしいですね。オーツキさん、途方に暮れてましたよ。
  誰も知らないアイドルの話を延々するから友達も減ったんじゃないですか?」
スズキ「ソシの話して興味を持たない奴はこっちからお断りだい」
タカハシ「正直に言ってワタシもまったく興味ありません。この『アイルド9』と言う企画もなにが面白いのかさっぱりです」
スズキ「うん。だから一回でも彼女らのパフォーマンスを見たら関心湧くから」
タカハシ「そんなヒマはありません。スズキさんには昔お世話になったから企画に目を通しましたけど…」
スズキ「そうだよ。『エヴァ●ゲリオン』の時には、大学出たてでペーペーのキミをさんざん面倒見てやったじゃないか。そのよしみでこの企画通してくれよ」
タカハシ「この企画は無理です。ワタシはおかげさまで、タツ●コからA●Kに移っていっぱしのプロデューサーになりましたし、作品に対する目も肥えました」
スズキ「だったら…」
タカハシ「だから言ってるんです、これはダメですと。
  スズキさんは通信業界に移ったんでしょ? そっちで頑張った方がいいんじゃないですか?」
スズキ「オレが通信業で破産したこと知ってるじゃん。それにソニョシデを世界に知らしめるのがオレの使命だと思ってるから、どうしてもアニメでやりたいんだ。
  日本のアニメは世界市場持ってるからね。それにソシの子らもアニメ好きだし」
  あーあ、この企画、デン●ーのスギヤマさんにでも持っていこうかなぁ(チラ)」
タカハシ「どうぞどうぞ。でも、スギヤマさんに断られたからワタシのところに持ってきたんでしょ?」
スズキ「う…」
タカハシ「そんなにソニョシデで創作活動をやりたかったら、ブログを立ち上げるなりしたらどうです?
  スズキさんが言う程ソニョシデに魅力があるのなら、そういう草の根的活動でもいずれムーブメントになるでしょうし、
  アニメ化の話もそれからで遅くないと思いますよ」
スズキ「ブログやってるけど、未だにコメントほとんどないんだよ」
タカハシ「そうですか。でも今ワタシに言えるのはそれぐらいです」
スズキ「…そうか、ははっ。今日はこれまでだな。ま、正直に言ってくれてありがたいよ(開き直り)。ところで、最後にひとつだけ頼みがあるんだが」
タカハシ「なんですか?」
スズキ「昼飯代貸して」
タカハシ「お出口はあちらです」


註)この物語はフィクションであり、実在の人物及び団体とは一切関係ありません







※『アイルド9』…第69話にも出て来るが、元ネタは望月三起也の漫画『ワイルド7』(1969〜1979年)。
 エリート官僚の草波が”悪を叩くのは悪によるしかない”と不良や犯罪者をスカウトして組織した超法規的警官グループがワイルド7
 少年誌連載とは思えない、ハードな絵柄、内容で、後には実写化やアニメ化がされている。
 この回を2ちゃんねるに書いたときは「さすがに古すぎるやろ!」と突っ込まれた。逆に言うとわかる読者がいたわけだ。
 2ちゃんねるに書いていたのは通称昭和スレと言い、古いアイドルを懐かしむ板にある。読者が古いのもそのせいだと思う。
 そのため、意識的に昭和ネタをぶっこんでいたのだが、このブログに転載してみると、もう昭和にこだわる必要がなくなっている。
 書いてしまったものは仕方がないので、多少推敲する程度で掲載しているけど、今後は考えなくちゃいけないな。
    
    その後映画になりました。


※ダイバ・ダッタ師匠…テレビ朝日で1972〜73年まで放映された特撮ヒーロー番組『愛の戦士レインボーマン』に登場する。
 これは古すぎるとは言われなかったが、『ワイルド7』と完全に時期が被っている。
 主人公のヤマトタケシがインドの山奥で仙人ダイバ・ダッタの元で修行し、愛の戦士レインボーマンになる秘術を会得、
 日本人抹殺を企む”死ね死ね団”と戦う、と言う戦後色の強い不思議なドラマだった。
 レインボーマンダッシュ1から7まで7つの形態があり、主人公は状況により使い分けるという設定。
 もちろん美形になるわけではない。
 余談だがアニメ『うる星やつら』(第62話参照)で校医さくらの声を担当している女優鷲尾真知子がゲストで出演しており、
 その役名が”さくら”であった。
 
 ここで執拗にユリを不細工扱いしているのは、ユリの整形疑惑が後を絶たないのでネタにしただけ。
 確かにかなり不細工なユリの過去写真が出回っているが、写真はどうにでもなるのであまり信用していない。
 動画を生業とする身としては、たまにスチール屋さんが羨ましくなる。

 

ストロングマシン2号…プロレスラーではなく少女ダンサーの方。これは昭和ネタではない。
    


※関西弁を喋れる声優…私の知り合いの声優さん(の知り合いの声優さん)の話だが、生まれが大阪と言うだけで
 事務所に「特技:大阪弁」とプロフィールに書かれてしまった子がいる。
 もちろん育ちは東京なので大阪弁はおろか関西的イントネーションはまったく出来ない。
 ある日アフレコに行くと「大阪弁でお願いします」と言われ、必死で頑張ったが何度もNGを出された。
 後日その番組を観てみると、誰か別人が大阪弁で声を当てていた、と言う(涙)。