関西ソニョシデ学園

過去に生きるK-Popのブログ

第80話 3D

テヨン「(がちゃ)おまたー!」
スヨン「遅いで。(もんぎゅもんぎゅ)スマン大先生をどんだけ待たす気や」
テヨン「(ケッ)自分と違うていろいろ忙しいさかいな」
スマン「おお、カオルちゃん。どないやミュージカルの方は?」
テヨン「ま、なんとかやってます」
スマン「調子ええゆうことやな」
テヨン「調子の良し悪しは関係ない。風邪だろうが怪我だろうが、ウチが演れるゆうことは、すなわち勝てるゆうことや」
ヒョヨン「陸奥圓明流か!」
全員「(こないだ『常勝疾走』の収録休んだくせに)」
スマン「そんならええ。ほな全員揃うたところで今回の議題や。
  まだ『ロンデビ』も売れとるけど、そろそろ新曲のこと考えなあかん思てな」
ティパニ「そやな。今月に入って、ワールドスターやらヒョリ姐さんやら帰って来たし」
ユリ「ヒョリ姐さんなんか矢継ぎ早に道化から宇宙人やもんな。もはや人間棄ててるわ」
スヨン「まぁ、姐さんだからできる技ともいえるな」
ソニ「とにかく女性歌手だけ見ても、まだ今年に入って3ヶ月しかたたんのに、オリンピック→黒盗賊→黒少女→鼓笛隊→道化→宇宙人という流れや」
ジェシカ「やったモン勝ちゆうか、すでになんでもありな世界ってことやな」
スマン「なんでもありやけど、なんでもウケるわけやない。コンセプトの決定は大事やで」
ユリ「いっそ透明人間ゆうんは? ウチら舞台袖で歌うだけで、ダンスは視聴者に勝手に想像してもらう。MVも服とかフワフワ浮いとるだけみたいな」
ヒョヨン「そら楽でええな」
ソヒョン「(ふん)ケビン・ベーコンも楽や思うて『インビジブル』の主役引き受けたけど、撮影は超大変やったらしいで。
  撮影の度に全身緑色に塗って丸裸で演技した挙句、完パケではほとんどCGに置き換えられたわけやろ。透明人間の役は割に合わんゆうとった」
全員「へー(どこからそんな情報拾ってくるんやろ?)」
ユナ「ならもう全員裸でチ○コケースつけてピョンピョン跳ねるか?」
ユリ「土○コンセプトか。それは他の誰もやらんやろな」
ティパニ「やりたいなら自分らだけでやれ。そんなことするために韓国来たんちゃうわ」
スヨン鳥取コンセプトは? 河童とか一反木綿とか砂かけ婆とか」
ジェシカ「ほなウチは猫娘な」
ソニ「『ゲ○ゲの女房』が数字とってたらともかく、今そこに乗っかるのは危険な気がする」
スマン「自分ら『少女時代』なんやど。なんですぐ変な方に行こうとするんや。あくまで清潔で溌剌としたイメージを保ちつつ、新機軸を打ち出さんかい」
テヨン「ほな、おっちゃんのアイデアは? わざわざ全員集めたゆうことは、なにかあるんやろ?」
スマン「察しがええな。ワシこないだ流行りの映画を観てひらめいたんや。なんやったけ、ブラマヨの吉田的な…ニキビの痕的なタイトルだったけど」
ソニ「『アバター』でっか?」
スマン「あ、それそれ」
テヨン「(そんな無理してボケんでも)」
ヒョヨン「ははぁ、スヨンとかマンネとかが尻尾生やして全身青に塗りたくりドラゴンに乗る、ゆうコンセプトやな」
ジェシカ「実際、奴ら3メートルあるからな」
スヨン「あるか!」
ユリ「ウチとかユナは?」
ティパニ「カルチャン150枚重ねやろ。ウチは人間役に甘んじさせてもらうで」
スマン「そんな少女時代、誰が喜ぶねん。『アバター』ゆうたら他にあるやろ?」
テヨン「つまり3Dってこと?」
スマン「そうや。自分らは世界初の3Dアイドルになるんや」
全員「…?」
スマン「今後自分らの映像はすべて3Dにしよ思てる。MVだけじゃなく、出演する番組も全部3Dで作る」
全員「ええ? 出来んの、そんなん?」
スマン「ごり押ししてでもやらせるんや。これこそ他所の事務所には真似の出来へん、最大手ならではの新機軸ちゅうわけや。
  今サムソンやLGに話を持ちかけとる。少女時代とワールドカップはぜひ3Dテレビで、ゆうわけや」
ヒョヨン「HDもろくに普及してへんのに?」
スマン「そやからチャンスやねん。地デジに乗り換えるついでに3Dテレビにしとこ、ゆう売り方が出来るやろ。
  一度店頭で3Dテレビを観てその威力を知ったらもう2Dなんか馬鹿らしくなる。ステレオを聴いたらモノラルに戻れないんと一緒や。
  その効果たるやSDとHDの比やないで。家電芸人が『アメトーーク』で宣伝するやろし、あっという間に普及するわい」
ソヒョン「(さすがにでかいこと考えとるな。ただのM男とはちゃうってことやな)」
テヨン「となると、曲自体のコンセプトはそれほど重要やなくなる。映像そのものに価値があるってことやな」
スマン「そや。新世代の3Dは被写体が手前に飛び出すより、映像全体に奥行きを与える効果が素晴らしい。
  自分らは9人もの大人数が一糸乱れぬ群舞を繰り広げるパフォーマンスが売りやし、これこそ3Dを生かす最大の素材でもある」
ソニ「ワールドスターやヒョリ姐さんがいくらピンで頑張っても、3Dやったらウチらの敵やないってことですね」
スマン「そのとおり。音源も今後は立体や。5.1ch基本にするからな。気張れや」
全員「はーい!」


3Dオペレータ「すいません、右端の人もっと奥に」
スヨン「こ、こうですか?」
ユリ「それは引っ込み過ぎやろ」
3Dオペレータ「いやいや、もっともっと。あと5メートルくらいは下がってもらわんと」
ヒョヨン「そやけど、この娘だけこんなに奥に引っ込んだら、ダンスのフォーメーションが崩れるんよ」
3Dオペレータ「そうゆうても、どうやってもその人だけ異常に顔が飛び出して映るんですよ」
スヨン「うう…、ウチの顔がでかいからや」
3Dオペラータ「えーと、前列中央の人はもっと前へお願いします」
テヨン「えー、これ以上前に出るの? 舞台から落ちるで」
3Dオペレータ「なんか全体に立体感がでないとゆうか。胸とか特に」
テヨン「(ウキー!)ウチが平たく映るのは生まれつきや」
ソニ「ほんでも鼻だけ飛び出してたりしてな(笑)」
ティパニ「ピノキオか」
スマン「状況はどないだ?」
3Dオペレータ「あきまへん。こんなに立体化が難しい被写体は初めてですわ」
スマン「どれどれ、モニター観してみ…あ、これはあかんな。『THEビッグオー』のメガデウス並みにいびつな映像やわ」
3Dオペレータ「これ、このまま公開したら遠近感グチャグチャなって、酔うて吐く子供とか出てきますで」
スマン「うーむむむ。しゃあない、あきらめるか。ええアイデア思うたけどな」
ソヒョン「立体に 見えぬ9人の けったいさ」
ソニ「サラリーマン川柳か!」






※こないだ『常勝疾走』の収録休んだ…テヨンは2010年3月23日放送の『常勝疾走』の収録を休んでいる。
 スタジオには来たのだが、過労と風邪が重なって収録できる体調ではなく、泣く泣く帰った
 と、番組の冒頭で説明されている。
    


※道化…イ・ヒョリは第4集『H-Logic』の発売前に、その中の収録曲『ブランコ』を先行公開した。
 正式な活動曲ではなかったが、たちまちチャートの1位に駆け上がり、ヒョリ姐さん健在を知らしめた。
     『ブランコ』


※宇宙人…で、正式な活動曲がこれ。
     『Chitty Chitty bang bang』


※『インビジブル』…ケビン・ベーコンらしからぬ、趣味の悪い映画だった。
    


※『ゲ○ゲの女房』…これを書いた頃はまだ第1回が歴代最低視聴率という話題ばかりだった。
 その後尻上がりに視聴率を伸ばしてブームになったので、乗っておくべきだった状態である(笑)。


※3D…半分冗談で書いたら、あっという間に実現するんだもんなぁ。現実は怖い。