第33話 サニーの”帝国の逆襲”
ソニ「…まぁ座り」
チユル「は、はい(ビクビク)」
ソニ「自分、仕事はなんやった?」
チユル「ダ、ダンサーです」
ソニ「”バック”ダンサーな。歌い手さんの後ろで色を添える引き立て役や。
それが主役を差し置いて目立ちまくった挙げ句、テレビでインタビューまで受けるなんて、いったいどういう神経の持ち主なんやろか?」
チユル「私は、そ、そんなつもりでは…」
ソニ「”つもり”は関係あらへん。結果が問題や。関連ネットやらなんやら手を回して”アイディミョ”とあんたの名前消すの大変やったんやで。
ウチの叔父さん、今2NE1対策で大変なんや。余計な手間かけさせなや。
…まさか、ウチの叔父さん知らん訳やないやろな?」
チユル「もちろんです。この業界にいる者で、イ・スマン先生のことを知らない人はいません」
ソニ「分かっとるやないか。あんたらアイディミョがまだAtoZゆってた頃から面倒見て来たんは誰やと思うとるの。恩を仇で返すんがアイディミョか?」
チユル「ど、どうか、どうかお許しを…(がたがた)」
ソニ「リーダーのコンパンにはゆうたけど、自分今日のステージは立ち位置いっちゃん端な。そんでカメラ寄ってきたらさりげのお逃げるんやで」
チユル「わ、わかりました」
ソニ「あと前髪も下ろして目にかかるようにしてな。無表情に事務的に…。頼むで、ホンマ」
チユル「は、はいぃぃ」
バタン! パタパタパタ…
ジェシカ「お、チユルやん。今日もよろしゅうな」
チユル「う、ううう…(ぱたぱた)」
ジェシカ「涙…?」
ユリ「事務所の圧力や」
ジェシカ「わ、どっから湧いて出た?」
ユリ「こっそり盗み聞きしてたんや」
ジェシカ「自分、よー盗み聞きするなぁ」
ユリ「趣味やねん。それはともかく、ソニがSM帝国の権威を振りかざして…(かくかくしかじか)」
ジェシカ「ほえー、ソニって小スマンやったんやな」
ユリ「それどころか、ウチらの間に送り込まれたスパイの可能性も…」
ジェシカ「やっぱり? あの要領の良さは怪しい思てたで」
ユリ「ホンマかいな。普段ぼーっとしとるくせに」
ジェシカ「ぼーっとしとるからこそ、要領のええ奴は信用でけへんのや。
…ん? ほな、あれやな、テヨンと対立する関係やな」
ユリ「なんで?」
ジェシカ「テヨン、裏でいろいろ独立工作しとるやんか。人気ナンバーワンの子をただ手放すSM帝国やないやろ?」
ユリ「ホンマや! これはあるで、テヨンvsソニ、短身対決!」
ジェシカ「次回、乞うご期待!」
魔王「ないない(苦笑)」
※チユル…ダンスグループ”アイディミョ”に所属する女子大生ダンサー。
MBCの人気バラエティ『無限挑戦』内での企画”オリンピック大路デュエット歌謡祭”で
ジェシカとパク・ミョンスが『冷麺』を披露したとき、ジェシカのすぐ後方で踊っていたため
「あの笑顔が可愛いダンサーは誰だ?」と話題になり芸能ニュースが本人に突撃インタビューしたほど。
チユルの人気を語るニュース
が、その後7月25日のMBC「ショー!音楽中心」の際には一番隅で顔が隠れるほど前髪をたらして、笑顔もなく踊っていた。
※「これはあるで、テヨンvsソニ、短身対決!」…この話に続いて『契約』(第56話)を書こうと考えていたが、
あんまり気が乗らなくて、出来上がりがずいぶん先になってしまった。