関西ソニョシデ学園

過去に生きるK-Popのブログ

第716話 そに散歩 〜釜山編〜(その4)




今回地図を作る時間がなかったので、グーグルアースさんにベース画像をお借りしました。



07:竜頭山公園


ソニ「はいっ。てな事で釜山港を望む竜頭山(ヨンドサン)公園にやって参りました」
ユリ「てゆうと、前回の釜山駅前からすぐ来たよおに思えるでしょうけど、実際には駅の地下商店街だの、釜山港国際旅客ターミナルの工事現場だのを無理矢理連れ回されて、やっとたどり着いたんですよ」
ウンジ「変わりゆく釜山ば見て貰いたかったったい」
ソニ「そんなシーン、台本にはないよって、ほぼほぼカットやと思うけどな」
ウンジ「そっでんよかと。ねえさん方には、いつまでも魚臭い雑然とした街やない事を知って欲しかったとばい」
ユリ「それは判ったが、おかげでこっちゃヘロヘロやで」
ウンジ「ばってん公園までちゃんとエスカレーターのあるけん、よかろーもん」
ユリ「それはまぁそうやけど」



龍頭山公園 / 釜山タワー (トリップアドバイザー提供)


ソニ「それにしても、目抜き通りの光復路(カンボクロ)からいきなりエスカレーターに乗れるのはありがたい」
ウンジ「そうでもせんと、地元の人しかこの山に登りに来んけんね」
ソニ「地元の人は割とマメに登りに来るん?」
ウンジ「そがんたい。身体ば鍛えるとにちょうどよか高さやけんね」
ユリ「なるほど。それで途中に運動器具のある空き地があったんやな」
ウンジ「そおそお。この山は釜山のモムチャン製造工場たい(えっへん)」
ソニ「それは言い過ぎやろ」



ユリ「ところで、公園の入り口にあるこの銅像は誰?」
ウンジ「誰て…(呆) かの有名な忠武公イ・スンシン将軍でしょうが」
ユリ「あー、これがスンシンちゃんかぁ」
ウンジ「IU先輩のドラマみたいにゆわんと。史上最も偉大な英雄ばい、もっと畏敬の念で接しなっせ」
ソニ「釜山は露梁津から近いとゆえば近いから、ここに忠武公の銅像があっても不思議やないけど、海辺やなく山の上に立ってるのがなんか妙な感じやね」
ウンジ「この山はかつて倭人のてげ住んどった場所やけんね、倭人に勝った将軍を置いてお清めたい」
ユリ「ホンマか?」
ウンジ「あと釜山港の一望出来るこの山から、ウチらのことば見守ってくれよらすと」
ソニ「なるほど。確かに眺めはええな」



言うほどよくはない(やはり釜山タワーに登りたいところ)


ウンジ「夜景もきれいかとよ。デートスポットたい」
ユリ「スンシンちゃんの後ろに見えるあの塔の上からならもっときれいに見えるやろう」
ウンジ「うむ。釜山タワーは釜山のランドマーク中のランドマーク。高さ120メートルの展望台からは、あべのハルカスブルジュ・ハリファから望むより釜山港のはっきり見ゆっとばい」
ソニ「当たり前やんけ」
ウンジ「釜山に来た観光客はほぼほぼこの塔に登ると。まるで『死亡遊戯』のブルース・リーのよおに、ひたすら上を目指すとばい」
ソニ「例えが間違っとりゃせんか?」
ユリ「とにかくさっそく登って見ようやないの」
ウンジ「それが、今は無理とたい」
ユリ「は?」
ウンジ「今は改装中で閉鎖されとっとたい。ほら、ここの看板に書いてあろうもん。“よりよか施設にするためやけんご協力ばお願いする”て」
ソニ「ちっちゃ(呆)」
ユリ「せめて山の登り口に書いておけや。ひぃひぃゆうて登って来て、こんなこまい表記でお願いされても納得いかんがな」
ウンジ「入り口に書いたら韓国客の誰も登って来よらんでしょうが。土産物屋が困るやなかね」
ソニ「知らんがな」
ウンジ「とにかく土産物店は開いとるけん、中に入ってなんか買いんしゃい。釜山の経済に貢献しんしゃい」
ユリ「なにが売ってあるん?」
ウンジ「海苔とかお菓子とかマグネットとか、日本人観光客向けのしょーもないものが山ほど」
ユリ「いるか、ボケ」
ソニ「せめてもっとテレビ映えする光景はないんかいな」
ウンジ「あー、これはテレビ番組やったね。判った、そんならとっておきの場所に連れてっちゃる」
ソニ「とっておきの場所?」
ウンジ「ロッテ百貨店たい」
ユリ「(ずるっ)またロッテデパートかいっ!」
ウンジ「いやいやいや、こっちのロッテ百貨店光復店は港に面して建つ13階の高層建築。その屋上にはウッドデッキを張り巡らせた空中庭園のあって、ばり眺めのよかったい」
ソニ「ふーむ、釜山タワーが改装中の今、代案としてはそこしかなさそうやな」
ウンジ「屋内には高さ21mの吹き抜けがあって、噴水ショーも見らるっと」
ソニ「それはいらん」


ナレーション:あっは。どうやら登り損になってしまったようですが、確かにここ竜頭山公園は釜山きっての観光地であると同時に、市民憩いの場所でもあるんです。
 2年前に大ヒットした映画『国際市場で逢いましょう』にも登場していますよ。



『国際市場で逢いましょう』より


ナレーション:『国際市場で逢いましょう』は半島の分断直後から現代までの歴史を、変わりゆく釜山の光景とともに描いている、いわば釜山版『フォレスト・ガンプ』。
 映画に登場したこのシーンでは、主人公のファン・ジョンミンがベトナムに出稼ぎに行くことを妻に伝えますが、ふたりの後方にはすでに釜山タワーが建っています。
 釜山タワーが完成したのがベトナム戦争末期の1973年ですから、主人公が渡越したのはそれ以降の、敗戦濃厚な危険な時期だったことが判りますね。
 実際主人公は戦闘に巻き込まれて左足を負傷、当時ベトナムに派兵されていたトロット歌手のナム・ジン(東方神起のユノが好演しています)に救われるという場面もありました。


ウンジ「(ひょいひょいひょい)あの戦争には政府が積極的に兵を送り出して、おかげで国庫は潤ったばってん、いろんな悲劇を生んだもんばい」
ユリ「(はぁはぁ)見てきたよおな事ゆうやないの。ウチらより若いくせに」
ウンジ「そらぁ町内の年寄りにガキの頃から何百回て聞かされとるけんね。軍だけやなく企業も参加した戦争やから、関係者のてげ多かとよ」
ソニ「(ふぅふぅ)確かにウチらの子どもの頃、年寄りが口を開けばあの頃の話ばっかりやったなぁ…て、帰りは階段なんかい?! エスカレーターは?」
ウンジ「あれは登りだけ。健康のためにも下りは徒歩を推奨するばい」
ソニ「膝がやられるって」
ウンジ「ババ臭っ」
ソニ「こっちゃAPinkのゆるいパフォーマンスと違うて、10年も過激なダンスを踊らされて来たんじゃ。全身ボロボロなんやっちゅうの」
ユリ「そおじゃそおじゃ、ソニなんか毎日皇潤飲んでるんやで」
ウンジ「うへぇ」
ソニ「余計なことはゆわんでええ。とにかく、タクシーかなんか拾うてくれや(よろよろ)」
ウンジ「タクシー乗るほどの距離やないって。ほら、もお光復路に着いたばい」
ソニ「なぬ?」
ウンジ「こっからロッテ百貨店まで歩いてすぐだけん」
ソニ「すぐってどれくらい?」
ウンジ「15分てとこかいねぇ」
ソニ「(かくん)結構あるなぁ」


08:光復路


ナレーション:竜頭山から階段を降りることわずか10分。そこはガラッと景色が変わって、オシャレストリート光復路です。



ユリ「きれいな通りやなぁ」
ウンジ「そがんやろ? ウチが子どもの頃はもっとごちゃごちゃしとったばってん、10年くらい前にこがんきれいに整備されたとばい。釜山のファッションと文化の中心たい」
ソニ「ソウルでゆうたら明洞みたいなもんかのぉ」
ユリ「♪ミョンドンミョンドン、愉快なミョンドン
ソニ「適当な歌はやめれ…お、ココマがおった」
ユリ「なんやて?」



ユリ「ああ、化粧品屋の看板かぁ」
ウンジ「この通りには、若者向けの店がてげ多かけん、歩いとうと看板の数でアイドルの人気のよお判るとよ」
ソニ「なるほど。それにしても三十路間近とは思えんブリブリのアイドルルックやな」
ユリ「見た目は愛らしいからな、中身はともかく。…お、あっちはユナがおる」
ソニ「ホンマや」



ユリ「こっちにはヨーチンが」



ソニ「そんで、飲み屋の前には必ずIUがおる。IU強えーなー」」
ユリ「完全にドランカーのアイドルと化してるな」



ソニ「一方APinkの看板は一枚も見当たらん」
ウンジ「しぇからしか。今はただそういう時期たい」
ユリ「IUなんか出ずっぱりやで。時期とか関係ないやろ」
ウンジ「そうでんなか。これば見てみんしゃい」



ユリ「ん? これは?」
ウンジ「ここは釜山を中心に展開するT Woridちゅう携帯電話の販売店で、いろんな通信会社の看板が飾られとっと。その中で最近増えて来たとがこの少女の看板たい」
ソニ「誰や、これ?」
ウンジ「それは知らん」
ソニ「(ずるっ)知らんのかい!」
ウンジ「ばってん、通信会社の看板ゆうたら、ちょっと前までAOAのソリョン一色やったとばい。それが一夜にしてこの看板に置き換わったと。あのCM女王ソリョンにして、かくも波がある訳たい」
ソニ「そやから今APinkの広告が少なくても不思議やないと?」
ウンジ「その通り(えっへん)」
ユリ「えばるようなもんでもなかろう。…それにしても、ゆわれてみれば、この娘の看板やたら多いなぁ」





ソニ「ホンマやねぇ。歌手とも思えんし、新進の女優かな?」
ユリ「どーかな? そやけど、このスタイルの良さはとても素人とは思えんし」
行きずりのカメラ小僧「こ、この娘の名前はチャン・ウンホンて言うんだな。いま20歳の、ネイルアーティスト出身のモ、モデルって噂なんだな」
ソニ「なるほど、モデルかぁ。…て、自分、詳しいやんけ」
行きずりのカメラ小僧「ボ、ボクは常に流行の先端を追いかける、エ、エッジハンターさ。誰も知らないうちから流行の兆しを嗅ぎ取って、世界中追いかけているんだな。Twiceなんて4年前から追いかけてたよ」
ソニ「うそつけ」
ユリ「エッジハンターゆうたらカッコええけど、要は変態やろ」
行きずりのカメラ小僧「そ、そんなこと言ったら、ニュートンチューリングも変態だし、橋本環奈の奇跡の一枚写真を撮ってネットに上げた“博多のタケ”さんだって変態なんだな。
 でも時代が追いつけば、誰よりも先見の明を持った時代の寵児って、い、言われるんだな」
ソニ「そんな奴が往々にして、テヨンの手を引っ張って連れ去ろうとするんやで」
行きずりのカメラ小僧「そんなことボクはしないんだな。愛情の対象は常に四角いファインダーの中だから(ひぇひぇひぇ)」
ソニ「わ、マジ変態やった(ぞー)」
ウンジ「気色の悪か。あっちに行かんね(どかっ)」
行きずりのカメラ小僧「わぁー(ごろごろごろ) ボクを足蹴にしたら写真撮ってあげないんだなー」
ウンジ「いらん! …とか言うとる間にロッテ百貨店に着いたばい」
ソニ「なぬ?」


09:前略、ロッテ百貨店光復店の上より



どーん


ユリ「おお、これは西面のロッテデパートよりだいぶでかい」
ウンジ「そがんやろ? ここはもともと市役所のあった場所とよ。
 今は本館とアクアモール、ロッテマートとみっつの部分からなる複合ビルになっとるばってん、もっともっと大きゅうなる予定ばい」
ソニ「ほえー」


ナレーション:あっは。そうなんです。ここは2009年から14年にかけて開業した、釜山ロッテタウン構想の一部を成す建物で、地下で地下鉄1号線とつながっています。
 例によって映画『国際市場で逢いましょう』で見てみると、遠景にロッテ百貨店と工事中のロッテマートを覗うことが出来ます。映画のロケ中はまだ建築途中だったんですね。
 釜山ロッテタウンは釜山港に面して作られているロッテグループ渾身のテーマパークで、今後超高層タワーホテルやオフィスビルが建つ予定になっています。まさに新時代の釜山を象徴する存在ですね。



『国際市場で逢いましょう』より


ウンジ「てことで、ここが屋上ばい」
ユリ「てゆうと、まっすぐ屋上まで上がって来たよおに思えるでしょうけど、実際には本館の食品売り場の品揃えだの、ロッテマートの噴水ショーだのを無理矢理見させられて、やっとたどり着いたんですよ」
ソニ「ま、そこもカットやけどな」
ウンジ「屋上ちゅうても見ての通り、11階から13階までの3階建てたい。それぞれ、公園、カフェレストラン、展望デッキになっとる」
ソニ「オススメは?」
ユリ「やっぱりカフェ…」
ウンジ「そら展望デッキたい。釜山港のばりよお見えるとよ。特に今日は天気のよかけん、絶景ばい」
ユリ「無視かーい」



ロッテ百貨店からの眺望


ソニ「おお、確かに絶景やな。かの有名な釜山港が眼下に一望出来とる」
ユリ「こうしてみると、趣があってええ街やなぁ」
ウンジ「そやろーもん(えっへん)」
ユリ「♪TSUーBAーKI咲くー、HAーLーなのにー、あー鉈はーかえらないー
ソニ「歌うな、ヘタクソ」
ウンジ「来たがってなかった割に上機嫌じゃなかね」
ユリ「悲しいかな、少女時代に高所恐怖症はひとりもおらん。どころか、高いところに登ってついついテンション上がっちゃう自分が悲しいなぁ」
ウンジ「カフェでラテの写メ撮るよりよかでしょーが」
ユリ「まぁ確かに」
ソニ「あの波だかカモメだかの形をした建物はなんなん?」
ウンジ「あれがチャガルチ市場たい」
ソニ「ええっ? えらいモダンやな。想像と全然ちゃうやんけ」



ウンジ「あそこも10年ばっかし前に建てられたビルで、あそことその裏のビルに、かつての露天商がみんな収まっとる」
ソニ「ぴゃー、アメ横みたい」
ウンジ「ほんなこて、釜山はこの10年で恐ろしく近代化したとばい。そしてこれからもどんどん変わっていくと。
 『国際市場で逢いましょう』にもあるとおり、その変化について行けん人も多かばってん、釜山の未来は明るかとウチは信じとる。
 仁川が空を通じて世界に繋がる都市になるなら、釜山は海を通じて世界に繋がる都市になる。
 長い歴史を通じて、大陸(中国)からと海側(日本)、そして内側からの圧力に耐え忍んで来た韓国やからこそ、真の世界意識を持った国家になれるはずやけん!(ばーん)」
ソニ「ゆうてることは立派やけど、方言丸出しで世界国家ゆわれてもなぁ」
ユリ「とにかく、こうやって伏線も張ったし、次回こそチャガルチで海鮮料理ですね(ぐー)」
ソニ「もう腹減ったんかい(とほほ)」





※チャン・ウンホン…2月に訪れた釜山では彼女のポスターだらけだった。南浦洞だけでなく海雲台や西面でも多く見かけた。写真に取り損なったがあと2〜3パターンのポスターを確認している。
 去年まではAOAのソリョン一色だったという話だが、私が行ったときは1枚も見かけなかった。さらにそれ以前はMissAのスジ一色だったそうだが、これも見当たらなかった。他にはキム・ユジョンの広告が目についた。
 ファッション(テヨン、ユナ、ユジョン)と通信機器(チャン・ウンホン)と飲食店(IU)と、私が訪れた場所の広告が偏っていたことは否定しないけどね。
 ちなみにSKTelecomのソリョンの有名な広告写真がこちら。

 


 これはこれで破壊力がある。