関西ソニョシデ学園

過去に生きるK-Popのブログ

第678話 秋の怪談大会(イチゴの日)

ジホ「その瞬間、目の前の女がサッと振り返りました。その女の顔は…」
全員「…(どきどき)」
ジホ「なんと自分自身の顔だったのです!(どーん)」
スンヒ「ひーっ!」
ビニ「ちょ、ちょっと怖かったな」
ミミ「うむ、なかなかや」
ヒョジョン「ほな、次はウチの番やな(ひっひっひ)」
アリン「おねえ、もお顔が怖い」
ビニ「いや、あれはもともとや」
ヒョジョン「やかましーわ!
 これは日本の作家、筒井康隆の小説がもとなんやけど…」
ミミ「あのバナナ好きで自転車によく乗ってる?」
ヒョジョン「それは道隆じゃ、ドアホ!」
ミミ「うう、日本人の名前難しいわ」
ヒョジョン「その『イチゴの日』ちゅう短編は、こんな話や。よお聞きぃ」
ビニ「ごくっ」
ヒョジョン「ある日、ある産院で、とてつもないブスが生まれたんやけど、その女の子こそテレビ局が探し求めていた究極のブスやった。
 どのくらいブスかとゆうと、生んだ母親がひと眼見て気を失い、看護師たちが悲鳴を上げて産室から逃げ出し、医者が“これでも人か”ゆうて窓から抛り出すくらいのブスやった」
アリン「うへー」
ビニ「そんな子を、なんでテレビ局が探してたん?」
ヒョジョン「アイドルにするためや」
ビニ「はぁ?」
ヒョジョン「その、誰が見ても化け物のような少女をテレビの力で“絶世の美女”とおだて上げてアイドルにし、これもテレビの力で大スターに仕立て上げるためや。
 もちろん世間はその子が実はとんでもないブスやと判ってるけど、建前として“超美人”という態度をとり続けておった。
 自分のことを本当に美人やと思い込んでいるのは、その本人だけやったんや」
ミミ「ひでー」
ヒョジョン「それはテレビ局が考えた長大で悪質なドッキリで、18歳になった誕生日に“実は自分はふた眼と見られぬブスやったんや!”と大衆の面前で知らしめて絶望を味あわせよう、その様を見て大いに笑おうという意図によるものやった」
アリン「ぴゃー、筒井康隆エグいこと考えるなぁ」
ヒョジョン「計画通り、少女は花よ蝶よと育てられ、アイドルになった。ブスのくせにステージに立って歌い踊れば、観客は“なんて可愛いの”“なんて上手なの”と感嘆する。それがドッキリの仕掛けとも知らずに」
全員「…(あれ? どっかで聞いたような)」
ヒョジョン「そしてついに18歳の誕生日が来た。コンサート会場は3年前から建てられていた屋根付きの特設スタジアム、だって野球場なら雨で中止もあり得るからね」
ジホ「絶対にその日にドッキリを敢行したかったんやね」
ヒョジョン「そお、18年の総決算やし、国中が注目してるイベントやからね。
 その少女は台本通りコンサートを消化して、最後の曲を歌い終わった。そこで拍手喝さいの中でコンサートは終わるはずやった。でもそうはいかなかったんや。なぜならこれはコンサートやなく、ドッキリ番組やったから」
全員「…(なるほど)」
ヒョジョン「歌い終わった少女に、突然スポットライトが当たる。その時司会者のタレントがこう言った…(ふっふっふ)“今世紀最大のブス、スンヒさん、誕生日おめでとうございます”と」
スンヒ「ひーっ!」
全員「…(やっぱり)」
スンヒ「よりによってその子、ウチと同じ名前なのが気の毒やなー。やっぱスンヒって美人につける名前やからなぁ(うふ)」
全員「…(自覚ないのかよっ)」
ヒョジョン「てところが一番怖いお話でした」
♪ちゃんちゃん