関西ソニョシデ学園

過去に生きるK-Popのブログ

第677話 天才

秘書官「次なる陳情の方、入られませい!」
ソヒョン「は、はーい(とてとて)」
IU「…(てとてと)」
秘書官「わが主は御簾の奥で聞いておられます。まず名を申されませい」
ソヒョン「はい、ソ・ジュヒョンおよびイ・ジウンと申します。巷では歌手のソヒョン、IUで通っております」
声「なんや、自分らか」
するするする
秘書官「おお、御簾が上がった。わが主が姿をお見せになられる!」
ソヒョン「(どきどき)」
テヨン「自分らなら、朝早よから行列に並ばんと、門番にひと言ゆうて裏から入ったらよかったのに」
ソヒョン「いえいえ、今太閤様に願いをお聞きいただきたい気持ちは一般人も知り合いも関係ございません」
テヨン「(照)今太閤はやめてやー。ウチまだ現役やさかい」
ソヒョン「申し訳ございません。そやけど、おねえは韓国歌謡界随一の実力者にして成功者、ひと節歌えば株式市場も大きく変動するほどの影響力を持つとゆわれておりますぅ。
 その影響力を期待して毎日すごい数の陳情者が狎鴎亭参りに押し寄せている訳で、その方たちものっぴきならぬ悩みをお持ちと察します」
テヨン「そらまぁ、“KBSの歌番組から少しでも事故を減らしてくれ”ゆうのから“ユリやAileeの体型はもうちょっとアイドルにふさわしくならんのか”ゆうものまでさまざまやな」
ソヒョン「そおでしょうそおでしょう。その方々の心中を思えば、同じグループやからと列に横入りする気持ちにはなりまへん」
テヨン「ほお偉いやないか。わかったわい。その気持ちに免じて、自分の陳情、必ず聞き届けてやろうぞ」
ソヒョン「ありがとうございます(へへぇ)
 こら、自分もふてくされとらんと、ご挨拶しぃ」
IU「…」
ソヒョン「早く!(しゃーっ)」
IU「うう、…こ、こんにちは。長濱ねるです」
テヨン「うそつけ!(げしっ)」
IU「いったーい」
テヨン「ふざけとると、願い聞いたらんど」
ソヒョン「も、申し訳ございません(平伏)」
IU「ども、IUですぅ。ご無沙汰してます(ぺこ)」
ソヒョン「実はウチとジウンは、最近ドラマで共演してまして…」
テヨン「知っとる、『歩歩驚心:麗』ゆう奴やろ」
ソヒョン「おお、ご存知でしたか」
IU「もおそんなタイトルちゃうもーん」
テヨン「ん?」
ソヒョン「いや、実は発表時とタイトルが変わりまして、『麗<レイ>〜花萌ゆる8人の皇子たち〜』ゆうタイトルで放送されております」
テヨン「長っ(呆)」
IU「ふん」
テヨン「てか、主演はジウンやないの? なんで皇子の方がタイトルになるねん」
IU「その方が視聴率獲れるからゆうてプロデューサーが」
テヨン「なるほど、彼氏持ちの国民の妹よりイケメンの方が魅力がある、ゆうことやな」
IU「むか」
ソヒョン「そのあたりはお察しくださいませ」
テヨン「で、どんなお話なん?」
IU「えーと、原作は大ヒットした『宮廷女官 若曦(ジャクギ)』て小説なんやけど」
テヨン「知らん。本なんか読まん」
IU「(読めよ)…21世紀に化粧品販売員をやっていたウチ26歳は、湖に落ちた子供を助けようとして溺れてしまい、気が付くとそこは10世紀の高麗時代。16歳の少女の体に意識だけがタイムスリップしてしまったんです」
テヨン「どっちも自分が演じてるん?」
IU「へぇ」
テヨン「今更16歳の役とか無理あるやろ」
IU「放っといてや(プンスカ)。初代皇帝ワン・ゴンの宮廷で暮らすことになったウチは、そこで8人のイケメン皇子に囲まれることになり…」
テヨン「逆ハーレム状態やな」
IU「そーなの(えっへっへ)」
テヨン「三角関係、四角関係どころか九角関係て訳か(すげー)」
ソヒョン「実際にはそこにウチとかカン・ハンナねえさんとかZ.HERAとかが絡んで、十角以上のぐちゃぐちゃな関係に」
テヨン「うひゃー、ケダモノの世界やな」
IU「…(自分にゆわれたないわ)」
ソヒョン「つっても主役はイ・ジュンギさんなんで、あの方を中心に展開するんですけどね(えへへ)」
テヨン「なるほど判った。要は現代の戦車部隊が1500年代にタイムスリップして、戦国武将になるって話やな」
IU「おー、懐かしい『G.I Samurai』! “歴史は俺たちに何をさせようとしているのか”…て、アホー!」
テヨン「♪サンゴーズダウン、サンゴーズダウン、もう日が暮れるからぁ
IU「いちいち歌うなっ!」
テヨン「カリカリすんなよ。生理か?」
IU「体調に関係なくボケが腹立つんや」
テヨン「そんで? そのドラマと陳情と、何の関係があるねん?」
ソヒョン「それが…タイトルを変更した割には、数字が思わしくありまへんで」
テヨン「数字ちゅうと、視聴率ってこと?」
ソヒョン「へぇ」
テヨン「うそーん。イ・ジュンギと国民の妹と少女時代のマンネとカン・ハヌルとウチのベッキョンが出てて低視聴率なの?」
IU「…(結構詳しいやんけ)」
ソヒョン「…(てかウチのベッキョンてなんやねん)」
テヨン「あの! 国民の妹! が出てるのに?」
IU「しつこいなぁ」
テヨン「IUは今まで視聴率ずっと良かったのに?」
IU「『きれいな男』でも外してるわ。蒸し返すなよ(むかむか)」
ソヒョン「実は裏でKBS2が同じウェブ小説を原作とした時代劇の『雲が描いた月明かり』を放送しておりまして、これがめっちゃ評判がええのです」
テヨン「そおなんやー」
ソヒョン「へぇ、もう20%台に乗るのは確実とみられておりまして(8月現在)、月火ドラマの中では断トツなんですわ」
テヨン「ほな『麗<レイ>』は第2位ってこと?」
IU「…
テヨン「え?」
IU「…3位です」
テヨン「3位? つまり同時間帯最下位ってことですかー? 国民の妹が出てるのにー?」
IU「くくく…」
ソヒョン「MBCの『キャリアを引く女』がまぁまぁ評判ええんですよ」
テヨン「それって誰が主演?」
ソヒョン「チェ・ジウ先輩です」
テヨン「『蜘蛛もえずいた吉田朱里』は?」
IU「『雲が描いた月明かり』や」
ソヒョン「キム・ユジョンちゃんです」
テヨン「ほー。ほな、とっくの昔にピーク過ぎたおばちゃん女優とこないだまでオシメしとった子役上がりに負けとるっちゅうんか? 国民の妹なのにー?」
IU「うきーっ! このババァ、さっきからイヤミばっか言いやが…」
ソヒョン「ふんっ(入り身投げ)」
IU「うきゃーっ(どすーん)」
ソヒョン「失礼いたしました。まぁそんな訳で、放送開始以来7%前後の状況が続いておりまして、今後はもっと差が開きそうな気配なんですわ」
テヨン「なるほど。事情は分かった。そんで、ウチにどおしろと?」
ソヒョン「それでございます。おねえは別名OSTの女王。さらにソロ活動でもその人気と実力を世間に見せつけた、当代一のポピュラーシンガー。曲を出せば必ず売れ、評判となります」
テヨン「私、失敗しないので(えへん)」
ソヒョン「おねえがOSTを歌えば、その番組の視聴率が上昇するのはもはや業界の常識。となれば我々の願いはひとつしかありません」
テヨン「ウチに自分らのドラマの挿入歌を歌ってくれと?」
ソヒョン「御意」
テヨン「んんー」
ソヒョン「…どおされました?」
テヨン「ええんかなぁ、ウチなんか歌うて」
ソヒョン「もちろんでございます」
テヨン「そやけど、そっちのヒロインはアイドルの域を飛び出して作詞作曲を手掛けるアーティストIUさんでしょ? ソロ歌手としてはナンバー1の人気を誇ってるし、なんちゅうても国民の妹やし(彼氏おるけど)
 そんな人を差し置いて、しょせんチャラチャラしたアイドル歌手のウチなんかがと思うと気が引けてなぁ」
IU「…(まったくネチネチネチネチと)」
ソヒョン「おねえはもおアイドルを超えたアイドル。アイドル・オブ・アイドルズなんやで。これまでこの国にはここまで美貌と人気と実力を極めたアイドルは存在せんかった。まさに破天荒アイドルとゆうてええでしょう。
 それに比べれば、ジウンちゃんなんてたまたま2〜3曲売れただけのまぐれ歌手。女優としても、よいしょ記事にすがってやっと生きてるゴミ役者にすぎません」
IU「そ、そこまで…(くらくら)」
テヨン「あ、やっぱそおなん? そおやないかとうっすら思うてたけど、チュヒョンがそおやって太鼓判押すなら間違いないやろ」
ソヒョン「そおですとも。てことで、気兼ねなくOSTを歌うてください」
テヨン「でもなー」
ソヒョン「(かくん)ま、まだなにか?」
テヨン「自分ら、お願いに来たんよねぇ」
ソヒョン「左様で」
テヨン「お願いに来たんならさぁ、なんちゅうかそれなりの態度? まぁ、頭を下げる? 特にそっちのチンチクリンがね。
 別にこっちは金貰う訳やないんやし、そんくらいのことはあってもええと思うんやけど」
ソヒョン「ああ、失礼いたしました。これジウンちゃん、土下座しなさい」
IU「はぁ?」
ソヒョン「それが陳情するモンの姿勢でしょーが。さ、さ、早う」
IU「ちぇー。…(ぺたん)テヨンおねえさん、OSTの方、よろしくお願いします」
テヨン「(ほじほじ)なんか違う気がする」
IU「え?」
テヨン「人にお願いするときは、もっとこお、気持ちを見せるゆうか、姿勢を低く」
ソヒョン「はい、はい、ただいま(ぎゅー)」
IU「いたいいたいいたい…」
ソヒョン「これでいかがでしょう」
テヨン「そーねぇ(ほじほじ)ま、ええかな」
ソヒョン「(ぎゅうぎゅう)ほな、お願いして」
IU「うう…(土下寝)ど、どうかテヨンねえさんのお力で『麗<レイ>〜花萌ゆる8人の皇子たち〜』を救ってください」
テヨン「ふむ。そんなもんでよかろう」
ソヒョン「お、おおきに」
IU「ぐてー」
テヨン「ほな、早速事務所にゆうて曲の手配をするか。安心せえ、ウチがOST歌うのは2年ぶりや。必ずや大きな話題となって、視聴率も跳ね上がるに違いない」
ソヒョン「さ、さすが天才。心強いです〜」
IU「…(いびりの天才やな)」


………
……


     テヨン『All With You』


IU「で、出来たのがこれ?」
ソヒョン「うむ。さすがテヨンねえさん、安定の感性バラードやな。もお先週から放送で使われとるし、これで視聴率もアップアップ。お料理アップアップや」
IU「思うたより地味やな。こんなんで数字上がるのかな」
ソヒョン「アホか。凡人のくせに天才の業を疑うたらあかんがな」
プロデューサー「(どたどたどた)大変やー、し、視聴率が! 視聴率が!」
ソヒョン「おおっ、上がったんすか。お料理アップアップっすか?」
プロデューサー「つ、ついに5%台にまで…(がっくり)」
ソヒョン/IU「げぇ」
プロデューサー「逆に『月明り』はまたしても20%超え」
ソヒョン/IU「ぴゃー」
ソヒョン「うーむ、テヨン効果見られずかぁ」
IU「全然天才やないやないけ」
ソヒョン「さすがのテヨンねえさんでも、ヒロインが彼氏持ちでは如何ともしがたかったか」
IU「ウチか? ウチのせいか?」
ソヒョン「当たり前や。あの方は絶対。非はこちらにあるはず」
IU「ちょっとプロデューサー、自分もそお思うとるん?」
プロデューサー「んー(困)、まぁそのー」
IU「田中角栄はもおええわっ!」






※2016年は少女時代個人活動の年である。新曲も出ない、コンサートもない。まぁテヨン様のソロ活とコンサートあったから良しとするけど(あと日章旗掲載女と9人目のメンバーも祝ソロ活)
 その分夏から秋にかけてメンバーの半分がドラマや舞台で活躍している。あるいはこれから活躍する。
 ユナは主演デビュー作の『君は僕の運命』以後は視聴率に恵まれず(てか作品に恵まれず)、起死回生を図った『ラブレイン』でも、歳の差婚に挑んだ『総理と私』でも結果を残せなかった。女優としての資質まで疑われるようになって来たので、一度中国へ渡りそっちのドラマに出演してみると、あら不思議、高視聴率を記録しただけではなく、美人女優として大人気となったのである。この秋には人気実力保証済みの中国トップ女優として凱旋、tvN金土ドラマ『THE K2』に悪女主人公の娘でトラウマを抱えた少女という難しい役どころに挑み、国内ドラマとしては久しぶりに高視聴率をマークしている。


    
    『THE K2』予告編


    
    ユナが出た中国ドラマ『武神・趙子龍』の予告
    ちゃんと中国語喋れるのかと思ったら吹き替えやったorz
    本物のユナのガラガラ声聞いたら中国のファン、ひっくり返るぞ(笑)
    どうでもいいが相手役が金城武にしか見えん


 スヨンは6〜8月に放送されたケーブルテレビOCNのドラマ『38師機動隊』にヒロインとして出演し、開局以来の高視聴率を叩きだしている。これは警察の機動隊の話ではなく、脱税を取り締まる税金徴収公務員の物語で、言ってみればマルサもの。スヨンは秀才で妥協を許さない熱血公務員を演じた。『私の人生の春の日』で演技者として一皮むけ、もはや誰もアイドル出身などと言わなくなっただけに、今回も安定の演技を見せている。


    
    『38師機動隊』予告編
    マ・ドンソク、ステキ♡


 サニーは『Catch Me If You Can』に続いてミュージカルに出演(予定)。しかもこれは日本で上演されることになっている。韓国ミュージカル界最強タッグと言われる演出家ソン・ジェジュンと作曲家キム・ヘヨンの手になるラブコメディで『カフェ・イン〜Mr.ソムリエ ♡ Ms.バリスタ〜』。日本での上演は4度目となる。
 日本での上演を強く意識したのか、主演は男性がトリプルキャストでソンジェ(超新星)/ キソプ(U-KISS)/ インス(MYNAME) 、女性がダブルキャストでサニーとウ・グムジとなっている。日本でのK-Pop人気動向を考えると男性アイドルに比重がかかるのは当然だが、ヒロイン側はサニーだけがアイドルで、ウ・グムジは本職のミュージカル女優。サニーと容姿の共通点はなく、T-araのヒョミンを日干ししたような顔をしている。出来ればサニーの回を観たい。サニーの出演回は11月3〜6日(5日は2回公演)の5回と発表されている。
 このブログの常連でサニーファンと判明しているのはたこすけさんだが、観に行かないだろうなぁ。MOMI-1さんは行くと思う(高いけど)。Spiceの記事でいいので、感想お待ちしてます。


    
    『カフェ・イン〜嘘は恋のはじまり〜』カーテンコール
    二人芝居なのか? ミュージカルなのに?
    副題が違うのはなんでだろう?


 で、今回のネタとなっている『月の恋人〜歩歩驚心:麗(달의 연인 – 보보경심:려)』にはソヒョンが出演している。ちなみに『麗<レイ>〜花萌ゆる8人の皇子たち〜』というのは邦題です。
 ソヒョンのドラマ出演は『熱愛』に続いて2度目。高麗への復讐心に燃える後百済最後の王女ウヒ役を演じる。この娘が真実清純なのは少女時代ファンなら誰でも知っていることだが、なぜかドラマやミュージカルに出ると必ずキスシーンがある。もう女芸人並みに職業キスが多いのである。事務所はもうちょっと考えてほしい。


    
    閲覧注意


 それほどマンネが体を張っているのに、本編にもある通り、このドラマ視聴率が悪い。9月の1、2週は5%台にまで落ち込んだ。その後テヨン効果か、ドラマが盛り上がって来たのか、8%台に回復してきたが、なにしろ裏の『雲が描いた月明り』が20%前後と強すぎるのである。同じ人気小説が原作の時代劇で、この差はもう言い訳が聞かない敗北といえる。
 『月の恋人〜歩歩驚心:麗』は韓国ドラマでは珍しく、放映開始時には撮影がすべて終了している。たいていの韓国ドラマは視聴者の反応を見つつ、視聴率上昇のために展開を調整したりするのだがその手が使えないのだ。完成度の高いドラマを作るためと思われるが、それが裏目に出た感じもする。
 こうなると後は編集や音楽で救うしかない。テヨンのOST参加もその一環だと思われるが、10月12日には悪童ミュージシャンも『Be With You』と言うOSTを公開した。必死すぎ(笑)

  
    
    AKMU『Be With You』


 ちゃんと観た訳ではないのであくまでパッと見の印象だが、私は世間で言われているほどIUの演技が上手いとは思わない。ユナもそうなのだが、ヒロインになることが運命づけられた女優は演技の幅を広げ奥行きを獲得するのに時間がかかる。ひととおり泣いたり笑ったりできれば、周りの役者がヒロインを成立させてくれるからだ。その先を求めるのは相当の本気度が必要となる。ユナにはその本気度が見える(気がする)が、IUはどうなんだろう? スケートでも適当だったからなぁ(いや、特に悪意はありません)
 その一方で、スヨンやソヒョンは脇役から始めているので、より演技の幅が広がるのではないか? 最近のスヨンの評価には、そうした経験が生きているように思う。