関西ソニョシデ学園

過去に生きるK-Popのブログ

ミニそにょ342

わし「うぉーっ、えらいもんを掘り出してしもうた!(驚)」
NC.A「なになに? 50億年前の邪悪なアーカイヴを間違って蘇らせちゃった?」
わし「SFネタは読者離れするから止めれ」
NC.A「ふん。普段は率先してするくせに」
わし「確かに、危うく乗っかるところやった(汗)
 とにかく、ある事情であらゆるものがひっくり返った部屋を片付けていると、いつ買うたのかすら忘れてもうたこんなLPを発掘してしまったのじゃ」
NC.A「えるぴぃ? ルイ・ピトンみたいなもん?」
わし「そんな小洒落たブランドなど持っておらんわい。てか、貴様も歌手ならLPと聞いたらすぐアナログレコードのことやと理解せんかい」
NC.A「そおゆわれても、見たことないもん、そんな青銅器時代の記録媒体」
わし「くー、嘆かわしい。これや、これ(ばん!)」


    


NC.A「わ、でかい!」
わし「直径30センチあるからのぉ」
NC.A「そんな巨大なメモリーに、どれくらい記録できるの?」
わし「A面B面合わせて45分くらいかな」
NC.A「(かくん)少なっ」
わし「その代わり音がよい」
NC.A「へぇ」
わし「再生装置に1000万円くらいかければ、MP3よりええ音が聞けるぞ(多分)」
NC.A「(ずぶずぶ)めっちゃ効率悪いわぁ。
 てか、この画、なんか根暗じゃない? LPやから?」
わし「なんでLPだとジャケットが根暗になるんじゃ」
NC.A「そやかて、いまだにアナログ聴いてる人って、絶対根暗やと思うもん」
わし「貴様、菅野沖彦先生と喫茶ベイシーのマスターに謝れ!
 確かにこのジャケット画を描いたお方は地獄のように暗い性格やけど、アナログレコードだから暗い訳やない。偏見は正しなさい」
NC.A「へーい。でも、この画家が根暗なのはホンマなんやね?」
わし「そらそうや。北海道出身やからな」
NC.A「それこそ偏見じゃい。笹森花菜と菊地亜美に謝れ!」
わし「すまん」
NC.A「で、この画家の人、有名なの?」
わし「そら有名や。ガンダムのデザイナーやからな」
NC.A「えっ、あの日本人なら知らぬ者はいないロボットアニメ?」
わし「そおそお」
NC.A「ウリナラテコンVを堂々とパクッたとゆう…」
わし「(ずるっ)いろいろ突っ込みどころはあるが、一点だけゆうと、テコンVに似てるのはマジンガーやから」
NC.A「ふーん」
わし「で、この人はガンダムのロボットのデザイナーやなくて、キャラクター、人間の方のデザイナーなの。アムロとかシャアとか」
NC.A「キム・フンとかマルコム将軍みたいな?」
わし「まぁそれで話が進むなら、そおゆうことでもええけど。とにかくこの安彦良和って人はアニメ界じゃ大スターなのよ」
NC.A「ヤスヒコ・ヨシカズ? どっちが名前でどっちが名字? それともアミユミみたいなユニット?」
わし「ああーっ(かきむしり) 全然話が進まん!」
NC.A「そんな変な名前なのがあかんのや」
わし「そうゆう名前の人かておるやろ。『攻殻機動隊』の作者みたいに」
NC.A「あー、なるほど。史郎正宗と同じパターンか」
わし「お、それに関しては理解が早いのね」
NC.A「平成の話やからね」
わし「ふん。どうせこっちは昭和の話ですよーだ。
 とにかく、このLPは安彦さんが描いたマンガのイメージアルバムとして出された幻のレコードなのじゃ」
NC.A「どの辺が幻なの?」
わし「元々のお話しは、今ゆうたように、安彦さんがとある雑誌に連載していた『アリオン』と言うマンガがあってだな」
NC.A「デザイナーなのにマンガも描くの?」
わし「デザイナーやなくて、本業はアニメーターなの。でもマンガもイラストも上手なの。なぜなら手塚治虫先生の弟子やからです」
NC.A「また昭和の名前出て来た」
わし「とにかく、このマンガが後にアニメ映画になったんや。監督したのは原作者である安彦さん自身」
NC.A「おお、多才!」
わし「多才かなぁ? ワシはこの映画を観てないけど、他の安彦さんの映画と同様、ハナクソみたいな作品だったに違いない」
NC.A「こらこら」
わし「この人は監督だけはやっちゃいけない人なんだよな〜。『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』とか超つまらないんだろうなぁ」
NC.A「いずれペンに刺されるで」
わし「ま、とにかく、その『アリオン』の劇判を担当したのが久石譲やった訳」
NC.A「なにやった人?」
わし「自分の好きな『トトロ』や『ポニョ』の音楽担当や」
NC.A「おおー、あの『早春物語』や『熱海殺人事件』や『テクノポリス21C』を手がけた巨匠やん」
わし「わかりにくっ。まぁ、そうや、巨匠や。そやから、映画化をきっかけに『アリオン』のアルバムは、そのサントラ盤を指すことになってもうて、ずっと前にひっそりと発売になっていたこのイメージアルバムは忘れ去られてしもうたんじゃ」
NC.A「てことは、このLPの作曲者は久石譲じゃないんやね」
わし「ぴんぽーん! 何を隠そう、あの宮下富実夫(旧・宮下文夫)なのじゃ!(どーん!)」
NC.A「いや、“あの”とかゆわれても」
わし「ええー? あのファー・イースト・ファミリー・バンドのリーダーやで?」
NC.A「聞いたこともない」
わし「『地球空洞説』とか知らんか?」


    
    ファー・イースト・ファミリー・バンド『地球空洞説』


NC.A「うひゃー。多分、ウチのおじいやおばあの世代やわ」
わし「キーボードはあの喜多郎やで」
NC.A「そやから“あの”てどの? ゲゲゲの? 墓場の?」
わし「いや、シルクロードの」
NC.A「そんな鬼太郎は知らんなぁ」
わし「(がーん)…ま、まさか、喜多郎すら通用せえへんとは…(よろよろ)」
NC.A「昭和が終わって何年たつ思うてんねん。少女時代ねえさんですら全員平成生まれなんやで」
わし「その割りには“ゲゲゲ”とか“墓場”のことは知ってるんやね」
NC.A「『ゲゲゲの女房』は最近のことやからね。ウェンツの映画も観たし」
わし「なるほど〜。
 ほな、これは昭和のことで、自分が知らんゆうの前提で話すけど、かつてアナログシンセサイザーを駆使してヒーリングミュージックの大家となった音楽家宮下富実夫さんて方がおったんじゃ」
NC.A「それがさっき観た動画で歌ってた人やね」
わし「そおそお。そんで、このイメージアルバムが出た1983年頃には、喜多郎シンセサイザーを使った『シルクロード』ゆう曲が流行っててな」


    
    喜多郎『絲綢之路(シルクロード)』


わし「ホンマは喜多郎を起用したかったんやろうけど、高かったんで宮下富実夫になったんやないかと思うんや」
NC.A「『シルクロード』聞いてたら、なんか眠くなっちゃうんですけど」
わし「スカタン! それは当時からみんな思うてたけど、それだけはゆうたらあかん台詞なのじゃ」
NC.A「昭和、不便やなぁ」
わし「さらに、この『アリオン』のLPには1曲だけボーカル曲が入っていて、その曲を歌うてるのがあのやまがたすみこだったんや!(どどーん!)」
NC.A「そうゆわれても、柳楽優弥の映画くらい誰も知らないと思うで」
わし「やまがたすみこはこの時27歳で、すでに結婚して一線から退いてたから、けっこうなファンでもこの『ARIONの宿命』ゆう曲を知ってる人間は少なかろう。
 Youtubeにも上がってないし、ウィキペディアにも載ってないくらいやしな」
NC.A「と自慢されても、こっちには貴重度がわからへん」
わし「判りやすくゆうと、自分の『野生』ちゅう曲を知ってるくらい貴重や」
NC.A「うわぁ、それはレアやなぁ。…て、アホ!」
わし「数少ない資料を見付けたので貼っておこう」
http://page13.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/r144336353
NC.A「で、結局この掘り出し物が、このブログとなんの関係があるっちゅうねん」
わし「つまり、安彦良和関連のレアな一作とゆう意味では『ガンダム』ヲタに、
 アナログシンセ好きという意味では砂糖喰い虫さんに、
 やまがたすみこ好きという意味では薄荷七つ星さんに、それぞれ訴求出来るレコードやぞ、と」
NC.A「見せびらかしてる訳や」
わし「そうそう(へっへっへ)」
NC.A「ショウわる(性悪)やなぁ」
わし「昭和なだけにな」
NC.A「ぎゃふん」