関西ソニョシデ学園

過去に生きるK-Popのブログ

第593話 自作時代

JUNIEL「えーと、アラガキさん?(きゃぴっ)」
作曲家「ニーガキです」
JUNIEL「ええーっ? 漢字はガッキーと同じなのに?」
作曲家「名前なんてそおゆうもんですわ」
JUNUEL「じゃあじゃあ、せめてガッキーって呼んでもいいですか?(じー)」
作曲家「…まぁ、そんでそっちゃの気が済むのなら」
JUNIEL「わーい、やったぁ(るん)」
作曲家「…(困惑)。で、今日はどのようなご用件で?」
JUNIEL「あ、そうなんです、そうなんです。実はぁ、ジュニ、シンガーソングライターやってるじゃないですか?」
作曲家「いや知らんけど」
JUNEL「そうなんですぅ。ジュニは日本でも韓国でもCDを出してる売れっ子ちゃんなんですよ。
  ジュニが作ったデビュー曲『Forever』、聴いてください」


    


作曲家「もしや売り込み?」
JUNIEL「どでした?」
作曲家「いや、どおて訊かれても」
JUNIEL「この曲は3.11の震災を受けて作った応援ソングなんですよ。
  『HIROSHIMA』を書いたガッキーには共感するモノがあると思うけど」
作曲家「…(ははぁ、そおきたか)」
JUNIEL「そんなジュニと同じ感性を持つガッキーに、次の新曲を書いて欲し」
作曲家「お断りします(きっぱり)」
JUNIEL「えー、そんなかぶせ気味に拒否らなくても(プン)」
作曲家「それだけイヤなんです」
JUNIEL「でもでもぉ、ガッキー、ニコラス・ケイジにはちっとも似ていないけどゴーストライターさんなんでしょお?」
作曲家「それは『ゴーストライダー』ね。またベタなボケかまして来ましたな。
  ゴーストライターはもおやめましてん。
  シンガーソングライターなら自分で書いたらええやないでっか」
JUNIEL「だってぇ、ジュニが書いた曲、ちっとも売れないんだもの」
作曲家「さっき売れっ子ちゃんやといいまへんでした?」
JUNIEL「(げっ)も、もっともっと売れたいってことですわ、おほほほ」
作曲家「それやったら、韓国の名のあるポップスライターの方に…」
JUNIEL「それが、今はソロシンガー受難の時期でぇ、どーしても自作曲じゃないといけないんですぅ」
作曲家「は?」
JUNIEL「そもそもK-Pop界には同い年のソロシンガーが3人いてぇ、一番売れてるのがIUちゃんなんです。でも、この娘はえらいプロデューサーと寝たり、トイのおじさまと寝たり、枕営業主体なんですよ。だから、売れてるって言ってもホンモノじゃないの。
  で、その次がジュニでぇ、ジュニは卑怯な手を使わない、真っ向勝負のシンガーなの。なのにその分売り上げがIUちゃんに届かないのって理不尽じゃないですか?」
作曲家「だから知りまへんて」
JUNIEL「その次がアヨンちゃんだったんだけどぉ、アヨンちゃんて娘は、オーディション番組で予選落ちしたのに同情で拾われた娘なの。歯並びが悪くて、すっごいおブスちゃんで、歌手になる資格が全然ないくせに、JYP先生に歌作って貰ってデビューするなんて、呪ってやる呪ってやる呪ってやるわ」
作曲家「…(話が見えん)」
JUNIEL「ところがぁ、アヨンちゃんがこの夏すごく売れちゃって…」
作曲家「入れ替わりに、自分が最下位になったと?」
JUNIEL「(むか)言いにくいことはっきり言うんじゃねーよ、ジジィ!」
作曲家「えっ?」
JUNIEL「(しもた)ゴホ、ゴホン…、気管にカナブンでも入ったかしら? 思ってもみない言葉が…。ジュニびっくり」
作曲家「…(ビックリしたのはこっちや)」
JUNIEL「アヨンちゃんはブスな上に売れなかったから、デビューしてしばらく表舞台から遠ざかっていたの。その間、顔面工事したり、男に遊ばれたりしてたらしいわ。
  で、この春にぃ、自作曲をひっさげてカムバックして来たんですけど、これがまた売れなかったのね」
作曲家「はぁ」
JUNIEL「だから”ざまーみろ”って思ってたら、6月になって急に売れ出して、音源がチャートを逆走したんです」
作曲家「EXIDみたいに?」
JUNIEL「あらん、EXIDは知ってるんですね? (じー)案外むっつりさんなのかしら?」
作曲家「放っといてください(真っ赤)」
JUNIEL「で、アヨンちゃん、テレビで活動の予定はなかったのに、急に音楽番組に引っ張りだこになっちゃって…。そしたら顔面工事してるから別人みたいに可愛くなってるじゃない? ますます人気が上がる訳。先週なんかBIGBANGや2PMと1位を争うところまで増長しちゃったんですう!(うがーっ)」
作曲家「ぞ、増長て…」
JUNIEL「このままじゃ、枕営業はしない顔面工事もしない、素のままで生きているジュニが不憫で不憫で…(しくしく)」
作曲家「(嘆息)ワシにどおせえと?」
JUNIEL「だからぁ、アヨンちゃんは元々シンガーソングライターじゃなかったのに、急に自作曲とか放り込んで来て売れたのね。IUちゃんも以前から自作曲で活動してるし、考えてみたらソロシンガーってBoA先輩もユンナ先輩も、みんな作曲するのよ。今はアイドルよりアーティスト指向だって気付いたの。
  そんな中で、デビューからシンガーソングライターとして売って来たジュニちゃんがひとりだけ取り残されてるこの状況は許し難いんです! なんとかしないと!」
作曲家「ほな何故、ワシに作曲の依頼を?」
JUNIEL「だってガッキー、ゴーストライターでしょう? お金さえ渡せば、JUNIEL作曲っ形で曲を作ってくれると聞いたから」
作曲家「プライドないんですなぁ(呆)」
JUNIEL「食ってくためには、プライドとバージンは早く捨てた方がいいってこと、日本留学中に学びましたから」
作曲家「(どんな生活してたんや?)とにかく、もうそうゆうことは止めたんですって」
JUNIEL「ええーっ?(がーん)」
作曲家「ニュース見てへんの?」
JUNIEL「日本語は苦手で」
作曲家「嘘つけ」
JUNIEL「どおしよう…もお頼れるのはガッキーだけだったのに。93ライン3人娘の中でジュニだけ売れないのは格好悪いよぉ(じたばたじたばた)」
作曲家「今までどおり、自分で作曲すればええん違いまっか?」
JUNIEL「それで売れないから来たんだって。ねえ、お願い、ジュニを助けて。
  なんだったら、ジュニ、耳が聞こえないって設定にしてもいいから」
作曲家「かえってイヤですがな、そんな設定。
  とにかく、なんと言われてもお断りしますで。
  …あ、そや。実は先程から、同じような依頼の方がもうひとりお見えなんですよ。
  よかったら、一緒に連れて帰ってくれまへんかね」
JUNIEL「もひとり?」
作曲家「へえ。こうして隣の部屋に」
がちゃ
JOO「(ぬぅ)…えへへ。あんにょーん」
JUNIEL「わぁ! バ、ババァまで」
JOO「ジュニちゃん、言葉、言葉」
JUNIEL「(うっ)ば、ばぁびっくりした。ミンジュおねえさまじゃございませんこと?(おほほほ)」
JOO「もうだいたい見抜かれてるとは思うけどね」
作曲家「はっはっは」
JUNIEL「おねえさまは何故ここに?」
JOO「自分と一緒やがな。ウチの自作ってことで作曲を頼みに来たんや」
JUNIEL「でもでも、おねえさまはシンガーソングライターではありませんでしょ?」
JOO「自分がゆうた通り、今はアーティスト指向の時代やから、カムバックするにしても、自作曲ひっさげてじゃないと格好つかん。
  それに弟のイルフンは自分で作る訳やし、ウチだけ出来まへんとは言えんやろ」
JUNIEL「それは確かに」
作曲家「だからって、そんな魂胆でわざわざ日本海を越えてうちに来られても」
JOO/JUNIEL「東海、ね」
作曲家「プライドはないくせに、海の名称にはこだわるんやね」
ピンポーン
作曲家「お、また客や。今日は忙しいな」
ばたばたばた
作曲家「はーい、どちらさんで?」
ヨンミン「(がちゃ)すんまへーん。SMエンターティンメントのキムゆうもんでっけど、ウチの少女時代に1曲書いて貰えまへんか?」
JUNIEL「わぁっ、アイドル中のアイドルまで来た」
JOO「どんな時代や(呆)」





※『HIROSHIMA』…さるお方の代表曲となっているが、ガッキーが作曲したもの。『HIROSHIMA』と名付けたのはさるお方であって、ガッキーではない。


※「アヨンちゃんて娘は、オーディション番組で予選落ちしたのに同情で拾われた娘なの」…実際には『KPopスター・シーズン1』の準決勝で落とされ、3位である。
 この時の優勝は15&のパク・チミンで、準優勝がYGエンタのイ・ハイ。アヨンが売れた今、シーズン1はなかなか充実した回だったと言える。
 ペク・アヨンはJYP所属と言っているが、実際には子会社のAQエンタに所属している。実質違いはないと思うが。
 2012年に『遅い歌』でデビュー、2013年には後続曲『a Good Boy』をリリースするも、ヒットには結びつかず。若干残念なルックスやJPY特有の放任主義と相まって、いずれ消えていく歌手(作者は第2のJOOと呼んでいた)と思われていた。
 2014年5月に自作曲(JYP専属作曲家のシム・ウンジが共作)『こうなるんやったらハナからせんといて』を2年ぶりにリリース。と言っても、ダンスもなく、活動の予定もなく、MVもイラストだけと地味なモノだった。
 が、6月に入って状況が一変。この曲が音源チャートをグイグイ上昇し始めたのである。EXIDのようなチャート逆走はそうそうないと思われていただけに、これにはみな驚いた。
 ミナも驚いたがアヨン本人も驚いた。各音楽番組は慌ててアヨンを出演させ、『こうなるんやったらハナからせんといて』のライブを放送した。
 そして6月半ばには同じ事務所の2PMと1位を競い合う兄妹対決となり、第4週には(第589話の脚注にちょっと書いたが)『音楽中心』で2PM、BIGBANGと並んで1位候補となった。
 当たり前だが、JUNIELはここまで到達したことはない(笑)。


     音楽中心@20150627
    相変わらずの美脚ぶりが嬉しい。顔もきれいになって、恨みがましい表情が冴える。大成長です。


 『こうなるんやったらハナからせんといて』は、振られた女の子の心情を綴ったかなりストレートな歌詞で、実体験に基づいているという。この辺が時間と共に同世代の女の子に受け入れられてヒットに結びついたのではないか?
  すじ田さんの解釈によると『テイラースイフトの赤裸々恋愛トーク的なトレンド』に乗っかったものらしい。JUNIELがきれい事の歌詞ばかり並べているのに対し、アヨンは身を削った訳で、結果が残せてなによりである。
 先輩であるJOOとの比較では、これもすじ田さんの分析だが、彼女は同じシム・ウンジが手がけた楽曲『アイスクリーム』を歌いながら何ひとつ結果が出せなかった訳で、明暗くっきりと言ったところ。JOOは次はよほど腹をくくらないと、マジで消えていくことになるかも。