第541話 風と共にナナナナー
テヨン「(キュッ、キュキュキュッ)…出来た! ぶわははは!」
ソヒョン「ちょっとぉ、ウチの舞台のポスターに落書きせんといてぇ」
テヨン「ええやないか、あちこち貼ってあるんやし、一枚くらい」
ソヒョン「あかん。スカーレット・オハラはずっと憧れてた念願の役なんやから」
クッキーマン「何処がええのかねぇ、あんな役。男から見たら、気が強くてわがままで、全然感情移入できないヒロインやぞ」
ユリ「そおゆうもん?」
クッキーマン「そらもお『天国に一番近い島』の原田知世くらい共感出来ん」
ユリ「ふるっ」
ソヒョン「原田知世はともかく、スカーレット・オハラは女性にとっては永遠の憧れや!」
クッキーマン「はいはい。判ったがな。そんならさっさと東京ドームコンサートの稽古を済まして頂戴。
これ終わらへんと、ミュージカルの稽古も出来んよってな」
ソヒョン「そやな。よし、気合い入れて稽古しよ」
少女時代「しゃーねえ、やるか(よっこらしょ)」
♪ジャーン
スヨン「♪1+1が2になる関係・なんかじゃ満足出来ない だから
ユナ「♪等身大よりちょっぴり大きな愛 手渡して森三中」
スヨン「待て待てーい! ”森三中”じゃねえ、”掛け算中”や! 歌詞は正確に」
ユナ「そやけどラップ苦手なんやもん」
ソヒョン「おねえが苦手なのはラップやなくて、歌全部やんか(笑)」
ユナ「なんやと、こらー!(うきーっ)」
クッキーマン「ケンカすんなよ」
声「Here We Go.Come On… Here We Go…」
ソニ「ん?」
ユリ「な、なんやこの声?」
ジェシカ「Here We Go… (がちゃ)♪苦手な〜ラップ〜 ニックン 絶句」
テヨン「なんだ、こいつぅ?!」
ジェシカ「♪ナナナナー ナナナナー 名古屋は外郎 いきなり出て来てゴメーン まことにスイマメーン!(シュタッ)」
ヒョヨン「ジョ、ジョイマン…」
ジェシカ「惜しい、ウチはジェシカ・ジョン」
テヨン「わかっとるわい。今更なにしに出て来やがった?!」
ジェシカ「SMのタレントがSMの社内におってなにが悪い」
テヨン「そーゆーことを訊いとるんと違うわ!」
ソヒョン「てか、重ね合わせの状態でも、おねえのこと普通に見えるんやね」
ソニ「当たり前やろ」
ジェシカ「いやなに、稽古場の前を通りかかったら『Chain Reaction』が聞こえてきたさかい。
やっぱりこの曲は…ちゅうかどの曲もやけど、ウチがおらんと締まらへんなー思うて」
テヨン「そおゆうたかて仕方ないやん。稽古を重ねて、8人でもちゃんと聞こえるように仕上げていかんとな」
ジェシカ「感心感心。ウチとラップで仕上げていこうよ〜」
テヨン「自分、ラップ担当やなかったやんけ」
ジェシカ「♪ラップー バラードー なんでも歌うよ」
テヨン「いや、いらんから今更」
ジェシカ「♪今は少女時代 赤ちゃんとり違い」
テヨン「妙なラップやめろ」
ジェシカ「♪8人で歌うの寂しいよ〜 寂しいよ〜 寂しいよ〜…… OK! 寂しいよ えひめ伊予」
ソニ「はぁ?」
ジェシカ「♪寂しいよ〜 えひめ伊予〜 坊ちゃん マザコン」
ヒョヨン「マザコン?」
ジェシカ「♪ぼっちゃーん マザコーン ドンゴン クリンゴン」
ソヒョン「なんでスタトレ?」
ジェシカ「♪ドンゴーン クリンゴーン クリリン 秒殺」
テヨン「貴様が秒殺されろ!」
ジェシカ「♪2、3秒 イ・ジョンヒョン」
クッキーマン「…(呆)」
テヨン「バカヤロウ!(どかっ)おととい来やがれ」
ジェシカ「♪おととい〜 来やがれ〜 ダレノガレ 大風邪」
クッキーマン「縁起でもない。誰も風邪なんかひいてへんわ」
ジェシカ「♪明日は明日の風が吹く」
テヨン「上手ないわ!」