関西ソニョシデ学園

過去に生きるK-Popのブログ

第534話 時をかけられない少女

ミョンス「よぼせよ〜、パパやでー。
  きっつい収録やったけど、今終わったわ。
  ミンソは? あ、もお寝てる? ええて、ええて、起こさんでも。
  これから帰るよって。うん、メシは食うたから。
  はいはい、ほなあとでな(ぷち)。
  …はぁー。まぁなんやな、これがヘンボク? 
  やっぱし家庭が一番。可愛い奥さんと娘がおったら、他になにもいりませんと」
きゅろろろ、ぶろん…
ミョンス「ほな我が家に帰りましょう。安全第一、電話は二番ってか? はっはっは」
どっすん!
ゆさゆさ
ミョンス「わっ、誰や、人のクルマのボンネットに腰掛ける奴は! 出られんやないけ。
  (ぬっ)こらー、自分、なにさらしよるねん?」
女「うう…」
ミョンス「ボンネットに腰掛けるな。足組むな。雑誌を読むな」
女「そ、そのハゲ? まさか…(グスン)」
ミョンス「ハゲてなんじゃ! …て、なんで泣いてるねん?」
女「やっぱり、オッパのクルマやったんやね(涙)。ウチ…逢いたかった」
ミョンス「げっ、ゲシカ!?」
ジェシカ「ジェシカじゃ」
ミョンス「こ、こんなところでどおした? 自分、少女時代をクビになったって…」
ジェシカ「え、オッパもそのこと知ってるん?」」
ミョンス「そりゃ天下の少女時代のお家騒動、今やアジア中の人間が知ってるんやないか?」
ジェシカ「そんなに有名なんかぁ(ふらぁ)」
ミョンス「あ、しっかりせぇ。いったいどないしたんや?」
ジェシカ「どないもこないも、ウチにもなにがなんやら、よおわからんのや」
ミョンス「そんな…。自分程の人気者を理由もなくクビにする訳ないやろ? 何か心当たりがあるはずや」
ジェシカ「そおゆうたら、今読んでた雑誌に、こんな記事が…(すっ)」
ミョンス「なになに…”少女時代の衣装代は年間数十億ウォン”(て、えらい昔の記事やなぁ)」
ジェシカ「衣装代が嵩むよって、ひとり首を切って経費を浮かそうとしたのかも」
ミョンス「アホな。それやったら、もっと布地がようけ必要なユリとかスヨンとかソヒョンを先にクビにするやろ」
ジェシカ「そうかぁ。するとやっぱり個人事務所を作ろうとしたことが原因か?」
ミョンス「個人事務所? ファッションブランドやなくて?」
ジェシカ「うん。チョン・ファミリー・エンタープライズゆうて、スジョン(クリスタル)のドラマのギャラがウチの懐に入るように画策したんやけど…」
ミョンス「あかんやろ、そんなことしたら(呆)」
ジェシカ「そやけど、今までウチが払うて来たスジョンの学費や給食費をどおしても回収したいし」
ミョンス「それはもっと後からでも出来るやないか。そん時はワシも一枚噛むから、上手くやろうで」
ジェシカ「(噛むつもりかよ?)
  とにかく、クビになってしもうたんで、いまさらメンボと一緒に稽古も出来んし、頼りになる男もいない。こうやってあてもなく夜の街をさまようしか…」
ミョンス「ジェシカ…」
ジェシカ「ああ、もおいっそダヒが捕まって穴が開いたGLAMにでも加入しようかなぁ」
ミョンス「自暴自棄になったらあかん! ワシが何とか救ってやるから」
ジェシカ「オッパが? …(ふん)騙されへんで。結局は奥さんと子どもが可愛いくせに」
ミョンス「う…」 ←図星
ジェシカ「待てよ。歌手の道はSMEに妨害されるかも。
  ボーカロイドの音声提供でもして細々と生きて行くしかないのかしら?」
ミョンス「ちょ、ちょっと待て! …す、捨てるから」
ジェシカ「は?」
ミョンス「嫁も娘も全部捨てる! ワシが自分を幸せにする!」
ジェシカ「まぁオッパ!(感動)」
ミョンス「さぁ、どうすれば自分を救えるんや? なんでもゆうてくれ」
ジェシカ「ほんなら時間を戻して。ボタンを掛け違える前の今年の春頃までウチを連れて行って、深町くん!」
ミョンス「…それはちょっと、物理的に無理かも(深町くんて誰?)」
ジェシカ「ダメな吾朗ちゃん(がっかり)」
ミョンス「もお少し現実的な線でお願いしますよ」
ジェシカ「ウチの願いはただひとつ、もう一度少女時代に戻りたい。8人の仲間と一緒にステージに立ちたいだけなの!」
ミョンス「おう、なんてキラキラした瞳。これは本心に違いない。
  よし、わかった。ワシが社長に直談判してきてやろう」
ジェシカ「ホンマ!?」
ミョンス「ホンマやとも。ワシもちっとは名の知れた芸能人じゃ。キム・ヨンミンかて無碍には出来んがな」
ジェシカ「嬉しい!(抱き)」
ミョンス「おおっ! 背中にパイパイの感触が」
ジェシカ「オッパのおかげで上手く行ったら、一緒に『私たち結婚しました』に出演しましょうね」
ミョンス「うん、出よう、出よう(でれでれ)」


こんこん
ヨンミン「はいどうぞ」
ばたーん!
ミョンス「こらー、キム・ヨンミン! なんでジェシカをクビにしたんじゃーーー!
  今すぐ少女時代に復帰させんと昇竜拳くらわしちゃうよ」
ヨンミン「…ふ」


ぽち
アナウンサー「次のニュースです。
  今日未明、お笑い芸人のパク・ミョンスさんが心肺停止の状態で漢江に浮いているのが発見されました…」
ジェシカ「うーん。やっぱ正面突破は無謀やったか。無策の突撃は自殺行為と…(メモメモ)
  仕方ない、次は例の切り札を使おう」
(つづく)