関西ソニョシデ学園

過去に生きるK-Popのブログ

第521話 王になった男(オカマ)

ヨンミン「その男か?」
クッキーマン「左様で」
ピーコ「もがもがもが(ジタバタ)」
クッキーマン「これ、暴れるでない!」
ヨンミン「まぁええ。猿ぐつわを外してやれや」
ピーコ「もがもが、ぺっぺっぺ。なによ、いきなり拉致するなんて非道いじゃないの」
ヨンミン「ほぉー、これは(驚)」
クッキーマン「似てまっしゃろ?」
ヨンミン「うむ。これなら側近の目も誤魔化せよう。よお見つけてき来た。でかしたで」
クッキーマン「へへー、ありがたきお言葉(平伏)」
ピーコ「な、なに、朝鮮語? まさか北朝鮮?」
ヨンミン「(向き直り)貴様は杉浦克昭、間違いないな」
ピーコ「ほ、本名で呼ばないでよ。照れるじゃないの」
ヨンミン「我々は北の者ではない。韓国人や。実は、自分におりいって頼みがあって来て貰った」
ピーコ「頼みがあるなら正面から来なさいよ。なんでこんな誘拐まがいなことすんのよ?」
クッキーマン「ちょいと内々のお願いやさかい、つい(てへへ)」
ピーコ「笑って誤魔化さないでちょうだい!」
ヨンミン「我々の企業グループは”帝国”とあだ名されるほど巨大なコングロマリットやが、実際には総師で統括プロデューサーであるさるお方が全てを仕切っておられるんや」
クッキーマン「そのお方が…我らは先生と呼んでおるが、昨夜急に体調を崩されてな」
ピーコ「なになに? 毒殺?」
クッキーマン「いや、肛門を酷く裂傷された。回復まで2週間ほどかかる」
ピーコ「(かくん)肛門裂傷て…、まさかその人?」
ヨンミン「(ぶるぶる)先生は組合員やない。ただ、ドMなだけや」
ピーコ「ははぁ、無茶なプレイをやったのね(呆)。肛門はちゃんと鍛えないとダメよ。あたしも若いとき…」
ヨンミン「そんなマニアな経験談は聞きとおない。
  とにかく、先生が復帰されるまで、誰かが政の舵をとらねばならん。
  そやけど、決定権をすべて先生が握っておられた以上、ワシらが表だって代わる訳にはいかんのや」
クッキーマン「そこで、我々は替え玉を使って乗り切ることにした」
ピーコ「…それがあたしってこと?」
ヨンミン「ホンマは偉い人の替え玉やらせたら宇宙一ちゅう評判のロレンゾ・スマイスゆう役者に頼みたかったんやが、今別の偉い人の仕事してるらしいんで仕方ない」
ピーコ「なによ、本命じゃなかったのね。
  じゃあ、あたしが断ったらどうするつもり?」
ヨンミン「自分、そっくりの弟がおるやろ? 断ったら自分は刻んで漢江に捨て、そいつを拉致って来る」
ピーコ「ちょっとやめてよ。孝昭は巻き込まないで」
クッキーマン「(こけっ)自分かて本名で呼んどるやないか」
ヨンミン「ほな協力してもえらえるな」
ピーコ「わ、わかったわよ。で、どうすればいいの?」
ヨンミン「この後御前会議があるさかい、それに出席して貰う。
  いくつかある議題にはすべて”その件はヨンミンに一任してあるよって”て答えたらええ」
ピーコ「それだけ?」
クッキーマン「そうや。上手くすれば、今夜の飛行機で羽田に戻れるで」
ピーコ「えー? せっかくだからソウルのゲイタウン鐘路を覗いてみたいわ」
ヨンミン「へいへい。上手く演ってくれたら案内させるから、頼んだで」


販売担当「ほな最初の案件です。新人ガールズグループの”Red Velvet”のデビューは8月4日でええでしょうか?」
広報担当「チャートインを狙うには週頭の方が有利やさかい、ええん違うの?」
企画担当「そやけど、少女時代のデビュー日と1日違いゆうのもいかがなもんでしょ?」
広報担当「あー、そうかぁ」
ピーコ「(ひそひそ)”緋毛氈”てなんのこと?」
クッキーマン「”緋毛氈”違う、”レッド・ヴェルヴェット”や。今度うちの事務所からデビューする新人グループの名前」
ピーコ「カイル・マクラクランが耳拾う映画?」
クッキーマン「それは『ブルーベルベット』」
ピーコ「あらそうだったかしら? おすぎじゃないから映画は苦手」
クッキーマン「じゃ黙ってなさいよ」
ヨンミン「そやけど、デビュー日が近いと、何かと誤魔化しやすいで」
企画担当「とおっしゃいますと?」
ヨンミン「もしレッド・ヴェルヴェットがシャレにならんくらい大コケした場合は、即解散して少女時代に組み込む」
クッキーマン「Babyソシプロジェクトですな」
ヨンミン「うむ。その時デビュー日が同じやと”この子らは最初から少女時代やったで”とシラを切りやすい。”だってほらデビュー日、一緒やん?”なんちゅうてね。
  あ、なんなら、この際8月5日にデビューさせよか?」
広報担当「デビュー年度つきあわせたらすぐばれると思うけどなぁ(ぶつぶつ)」
販売担当「先生のお考えはいかがですか?」
全員「秀命をお授けください、先生!(へへー)」
ピーコ「…」
販売担当「先生?」
クッキーマン「黙ってないで答えて(つんつん)」
ピーコ「なによ、あんたが黙ってろって言ったんじゃないの」
クッキーマン「訊かれたときは答えるんじゃ。教えた通りゆうんやで。ほら、早う」
ピーコ「なによ、そんならそうと、最初から言いなさいよ。
  あー、おっほん、その件はヨンミンに一任してあるから」
ヨンミン「かしこまりました、先生(ぺこり)」
販売担当「ほんならこの件につきましては、社長判断でよろしくお願いします」
ヨンミン「まっかせなさーい」
販売担当「次の案件JYJのカムバックについて」
ピーコ「JYJてなに?」
ヨンミン「その決まり文句は今いらないから」
ピーコ「だってホントに判らないんだもの」
ヨンミン「東方神起の分裂して出て行った連中の方や」
ピーコ「…! あー、あのジュンスとかユチョンとかジェジュンとか。それでJYJか」
ヨンミン「でかい声出さんでええから」
ピーコ「あたし、ジェジュン好きだったのよねー。
  ねえねえ、どうして3人は出ていくことになったんだっけ?」
ヨンミン「連中が不当雇用やゆうて会社を訴えたからや」
ピーコ「あらまぁ。そんなにギャラが安かったの?」
ヨンミン「充分与えてたがな。そやけど、親が知恵つけよってん。
  まったくいくらやっても満足出来へん、豚のような奴らやで」
ピーコ「ひー、元東方神起の親を豚呼ばわり(驚)」
販売担当「連中は7月29日に予定通りカムバックするとのことです。
  これに関し、テレビ局には例によって出演を拒否するよう書簡を回しています。
  またマスコミ各社にもこれに準じた対応を取るよう要請しています」
ヨンミン「ええで」
販売担当「8月9日に蚕室主競技場で行われるカムバック公演ではおよそ2000人のヤカラが妨害工作を行う予定です」
ピーコ「妨害工作って?」
販売担当「えーと、幟や看板にラクガキをする、入場待ちのペンをカツアゲする、会場のトイレを詰まらせる、電源車のドアに鼻くそをつける、などですね」
ピーコ「せこっ」
クッキーマン「裁判所命令で、表だっては干渉できないので、この程度で我慢してるんや」
ヨンミン「本来なら事務所に逆らったタレントは一生食えなくしてやるところやで」
ピーコ「でも、会社だって、彼らのおかげでずいぶん儲かったんでしょう?」
ヨンミン「連中を一人前に育て上げて、売れるようにしてやったのはワシらだっちゅうの。めっちゃお金かけてきたの。
  これから回収やってときに造反されたら、ヤリ逃げと同じやで(うきーっ)」
ピーコ「そうかしら」
ヨンミン「そうなの! そやからテレビにだけは、絶対出したらへんねん」
販売担当「ということで、JYJのカムバック対策に関してはよろしいですかな?」
ピーコ「うーん」
クッキーマン「先生(つんつく)」
ピーコ「仕方がない。ヨンミンに任すわ」
ヨンミン「かしこまりました」
販売担当「それでは次です。ソルリに休養と言う名目で無期限の謹慎を処し、その兼ね合いでf(x)の活動を短縮させる案ですが」
広報担当「まぁ仕方ないんじゃないの? 時期が悪すぎる」
企画担当「そやけど、悪いのは財布を落としたCHOIZAでしょう?」
ヨンミン「あれほど注意したのに、別れないまま関係を引きずったソルリも同罪じゃ!(がるるる)
  そうでなくてもあの子は普段から評判悪いねんから」
ピーコ「なになに? 今度はどゆこと?」
クッキーマン「少女時代の妹グループにf(x)ちゅう5人組があってな、今活動中なんや。
  そやけど、センターのソルリゆう子が、活動直前に熱愛が発覚して」
ピーコ「まぁおめでたいじゃないの」
クッキーマン「めでたいもんか。相手は以前から噂があったラッパーで、一旦は”仲がええだけ。兄妹のようなもの”てことでシラを切ったんやけど、このラッパーが財布を落とすちゅう失態をやらかしよって」
ピーコ「まぁ。するとその財布の中身は?」
クッキーマン「お察しの通り、ソルリとのあんな写真やこんな写真が仰山入っとった。それを拾い主が公開したもんやから、全ネチズンの知るところとなったんや」
ピーコ「それはイタイわねぁ。でも、愛し合ってるんならそう認めれば。ファンだって応援してくれるはず」
ヨンミン「アホか。おめでたい島国のペンとは違うんじゃ。直情的な半島人やぞ。応援するどころか、誰も彼もが誰かのせいにしたくて侃々諤々や。
  ”CHOIZAの奴、わざと落として自慢したかったんじゃね?”とか”女子から見ると最低の野郎”とか”軍隊に行ってるときに幼稚園に通ってた女とつきあうなんて変態!”とか、メチャクチャや。
  それもCHOIZAだけが非難されるならええけど、CHOIZAペンからはソルリも同じように非難される訳や」
ピーコ「おやまぁ」
クッキーマン「時期も悪い。カムバックの直前てだけじゃなく、我が社の看板タレント同士の熱愛が発覚した直後やったからな」
ピーコ「看板タレント同士っていうと?」
ヨンミン「少女時代のリーダーとEXOの一番人気や」
ピーコ「ええーっ? それはすごい組み合わせね」
クッキーマン「大物過ぎて誤魔化せないと考えて、事務所も認めたんやけど、ペンのリアクションは酷いものやった。
  昨日までのヒーロー・ヒロインが国賊扱いや」
ピーコ「すごい国ねえ。だから今回はほとぼりが冷めるまで謹慎させとこうっとことね」
ヨンミン「うむ。少女時代と違うて、まだ子どもやしな」
ピーコ「恋愛も自由に出来ないなんて、アイドルも可哀想ねえ」
クッキーマン「そうゆう商売なんや。仕方ないやんけ」
ピーコ「でも自由もプライベートもなく、稼いだお金は全部事務所が持って行っちゃう。これじゃ奴隷よね」
ヨンミン「やかましい! 自分は黙ってワシに任すゆうとけばええんじゃ」
ピーコ「はいはい。ヨンミンに任すわよ、いやだけど(むかむか)」
ヨンミン「余計なことはゆわんでええ!」
販売担当「次の案件はSMグループの新事業、アイドルカフェについて」
広報担当「現在狎鴎亭の候補店舗を改装中で、早ければ9月から営業できます」
販売担当「ウェイトレスの制服はミニスカート、おかっぱ頭、鬼っ子、電撃と流行の要素を全部取り入れてます」
企画担当「これは儲かりまっせー(げっへっへ)」
ピーコ「まさか今度は日本の秋葉原商法みたいなこと始める気?(わなわな)」
ヨンミン「そや。いままで我が社は練習生から経費を一切貰ってなかったけど、JYJみたいに回収もせんうちから造反されたら商売として成立せん。
  そこで練習の合間にカフェで稼いで貰うことにした。ソーシャルスタディじゃよ、ソーシャルスタディ(はっはっは)」
クッキーマン「客はアジア中から押し寄せますし、これでデビュー後売れなくても元は取れますね」
ヨンミン「我ながら、ええアイデアや」
がっちゃーん!
ヨンミン「お?」
ピーコ「ちょっと、いい加減にしなさいよっ!(怒)」
販売担当「せ、先生…(おろおろ)」
ピーコ「なにタレントを食い物にすることばかり考えてるのよ?
  芸能人を目指す子たちにとって、芸能事務所はたったひとつの手段なのよ。
  世界中から純粋な気持ちを抱いてやってくる、そんな子どもたちの味方にならなかったら、芸能事務所の価値なんてないんだから!」
クッキーマン「…う」
ピーコ「事務所の社長は親、タレントは子どもよ。子どもを食い物にする親が何処にいますか?
  むしろ何があっても守ってあげるべきでしょう。例え泥棒しても、物乞いしても、子どもたちを食べさせるべき。
  無責任なネチズンの噂には毅然と立ち向かい、本当に愛し合っているなら祝福しなければ。
  それが家族というものじゃないの?」
一同「…」
ピーコ「そんな本質を忘れるからJYJが出て行くのよ。なのに、自分たちの過ちを悟らず、彼らに嫌がらせ的な妨害工作をするなんて、恥を知りなさい!」
クッキーマン「ま、まぁ、理想はそうでしょうが…」
ピーコ「夢を売っている芸能事務所が、理想を語らないでどうしますか!」
ヨンミン「(ひそひそ)これ、杉浦、ええ加減にしろ」
ピーコ「だまらっしゃい!」
ヨンミン「えーっ?」
ピーコ「このイ・スマン、SMEの総師としてこれから大鉈を振るい、大改革を推し進めるから覚悟するがよい!」
一同「どっしゃーっ!」


ナレーション:その後、ピーコは密かに暗殺され、漢江に流されたと言う。
ピーコ「幽体離脱〜」
おすぎ「それ、違うから」