関西ソニョシデ学園

過去に生きるK-Popのブログ

ソニョシデ学園 12

朝のホームルームでヨンミン先生が教室に来て、はっきりこう言った。
「昨年、卒業式の後に行って大変評判が良かった『卒業生を送るバラードの会』を今年も行います。
我がクラスからはクラス委員のテヨンが出場します」
たちまち教室は拍手に包まれ、テヨンは顔を真っ赤にしながらも嬉しそうだった。
午前中はその話題で持ちきりになった。
バラード歌手として選ばれたのは、テヨンの他にイェソン先輩や後輩のジョンヒョン、チェンなどで、いずれも歌が上手いと評判の生徒たちだった。
もともとこの会は、去年キュヒョン先輩やジェイ先輩、ジョンヒョンたちが卒業生を送る目的で開催したものだけど、今年は人数を増やして、もっと大々的にやるらしい。
幼なじみのジェシカの妹、クリスタルもメンバーに選ばれていた。
ジェシカも選ばれて当然なのに」
ランチを食べながら、ボクは向かいに座っているジェシカにそう言った。
ジェシカの声はすごく素敵なのに。誰よりも綺麗に響くのに」
ジェシカは皿に視線を落としたまま答えた。
「クリスタルの声も素敵よ。妹が選ばれて、私は喜んでいるわ」
「でも、『卒業生を送るバラードの会』だよ。学園を代表するイベントに選ばれないなんて」
ボクはなおも食い下がった。
するとジェシカはスプーンを置いて席を立った。
「私をバラードだけの人と一緒にしないで! 私はバラード以外もいろいろ歌えるのよ」
「そ、それはそうだろうけど」
「バラードの会に選ばれて、それで満足している人と器が違うんだから!」
そう言い捨てると、ジェシカは走って食堂を出て行った。
彼女が去り際に見せた、傷ついたような表情に、ボクは自分の過ちを知った。
今日学校が終わったら、彼女の家に行って、許してもらえるまでずっと謝り続けよう。僕は誓った。
例え無視されても、玄関先でずっと頭を下げていよう。
それがボクの愛だから。
音楽室から綺麗なバラードが聞こえてきた。テヨンが練習しているのだ。
ボクの両目から涙があふれてきた。






※2014年2月10日、SMエンターテインメントは所属の歌手によるプロジェクト”SM THE BALLAD”の2ndアルバム『Breath』をリリースする予定である。
 これは2010年に結成されたプロジェクトグループ”S.M. The Ballad”の意図を継ぐもので、
 少女時代のテヨン、SHINeeのジョンヒョン、SUPER JUNIORのイェソン、EXOのチェン、f(x)のクリスタルなどがメンバーとして上げられている。
 テヨンはジョンヒョンと共に、タイトル曲『Breath』をデュエットする他、ソロ曲『Set Me Free』を歌う。
 『Set Me Free』は彼女にとってOSTではない初めてのソロ曲であり、本人も気合いが入っているようだ。
 当然のことながら、このアルバムが発売されると2月中旬から下旬にかけてのランキングは、”SM THE BALLAD”が席巻すると思われるので、
 ますます少女時代のカムバックが遅れるのではないだろうか?