関西ソニョシデ学園

過去に生きるK-Popのブログ

第439話 牝鹿刑事ユナの事件簿:直列5気筒買い占め事件

こんこん
ヒョンチャン「はーい!…(がちゃ)どちらさま?」
ユナ「(ぬぅ)ファン・ヒョンチャンさん? クローム・エンタテインメント社長の?」
ヒョンチャン「そ、そうやけど?」
ユナ「江南署のイム・ユナと申します(手帳ちら)」
ヒョンチャン「え、うそ? 少女時代のユナさんでしょ?」
ユナ「江南署のイム・ユナです!(きっぱり)」
JOO「同じく江南署のチョン・ミンジュ巡査長です」 ←バイト
ヒョンチャン「そっちの人は知らんなぁ」
JOO「(ずるっ)」
ユナ「実はおたくのタレントさんについて、ひとつふたつ、うかがいたいことがありまして。中、よろしいですか?」
ヒョンチャン「は、はぁ(ぽかーん)」

ひそひそ
チョア/ウェイ「ユナが助手を引き連れて来てるんやて?」
エリン「ユナて、あのユナ?」
クンミ「うん。そやけど、自分は江南署の刑事やって言い張ってるみたいやで」
チョア/ウェイ「はぁ? 酔っぱらってるんちゃうか?」
ソユル「…」
エリン「もしかしてユナそっくりの本物の刑事さんとか?」
チョア/ウェイ「そんな目立つ刑事がおるか」
クンミ「とにかく、社長が刑事扱いしてるうちは、ウチらも刑事として接しないと」
チョア/ウェイ「そやな。うかつな態度はとれんな」
ソユル「…」

こんこん、かちゃ
クンミ「お茶、どうぞ」
さささ
ユナ「こりゃどうも。タレントさん自らお茶くみとはかたじけない」
ヒョンチャン「うちにはこの子らしかおりまへんから」
JOO「リーダーのクンミですね。(めくり)本名ペク・ボラム。1988年生まれと新人の割に老けてますが、これは脳溢血で倒れた父親の面倒をみていたからのようです」
クンミ「老けてるは余計や」
ヒョンチャン「く、詳しいっすね」
ユナ「そら、容疑者のことはひと通り調べますから」
クンミ「よ、容疑者?(ぴゃー)」
ヒョンチャン「まさか、例のイルベ疑惑のことで?」
ユナ「いや、それはおたくのイメージの問題であって、刑事が出る幕ではありません」
ヒョンチャン「そ、そうっすよね」
ユナ「(ずい)実は、クレヨンポップさんの新曲『パパパ』には、いくつか嫌疑がかけられてんですわ」
ヒョンチャン「『パパパ』に?」
クンミ「ほらー、そやから1位なんてとったら後が怖いゆうたやないの。絶対大手に難癖つけられるんやから(泣)」
ヒョンチャン「そ、そんな弱気でどおする。『フラガール』かて四大映画会社やないのに日本アカデミー賞とったんやで。わしら弱小プロダクションかて、天下盗れること世間に見せたらな」
クンミ「そやけど結局『フラガール』の制作会社潰れたやないの」
ヒョンチャン「そ、それは…」
ユナ「(おっほん)話を進めてよろしいでっか? まず最初の嫌疑ですが、売り文句の『直列5気筒ダンス』、これは事実詐称あるいはねつ造ですね」
ヒョンチャン「は?」
ユナ「この世に直列5気筒なんてエンジンはありませんからね」
ヒョンチャン「いやいやいや、ありますって。数は少ないもののアウディボルボ、ホンダなどから搭載車が市販されてましたって」
JOO「冗談が過ぎますで。だいたい5気筒なんて生理的に気持ち悪すぎでしょ」
ヒョンチャン「そんなアホな。このブログの作者かて直列5気筒車に乗ってますがな」
JOO「あの方が乗ってるのはV型10気筒搭載車です」
ヒョンチャン「うそつけ、ヴァイパーかっ! それにV10が成立するなら直5もありでしょう。生理的に気持ち悪いゆうけど、どっちも72(144)度で割り切れるから等間隔爆発になるし、意外に回転はスムーズでっせ」
ユナ「ほーら、女子が理系弱い思うて煙に巻き始めたで(笑)」
JOO「怪しいですねえ。燃焼の話にすり替えて誤魔化す気ですよ」
ヒョンチャン「えー?」
クンミ「うわー、タチ悪いわぁ、この人ら」

チョア/ウェイ「あきらかに、ウチらが悪いて決めにかかってるな」
エリン「なんで? ウチらが可愛すぎるから?」
チョア/ウェイ「弱小なのに目立ちすぎたからや」
ソユル「…」

ユナ「そもそも『パパパ』ですけど、これ、少女時代の『ダダダ』のパクリですよね」
ヒョンチャン「は?」
JOO「もう5年前になりますが、スペシャルクイズVJの企画でラジオでやってますね」
クンミ「えー?」


ソヒョンの『DADADA』

チョア/ウェイ「えーーーーー!?」
エリン「えーーーーー!?」
ソユル「…」
チョア/ウェイ「なんかしゃべれや!(ぽかっ)」
ソユル「こ、こ、こうなったら、ウチらもあっち行った方が…」
エリン「そうやな。よし、行こう!」

がちゃ、ごろんごろん
チョア/ウェイ「待ってくだせえ!」
エリン「『パパパ』がパクリとは聞き捨てならねえっす」
ソユル「…っす」
ヒョンチャン「じ、自分ら」
JOO「(めくり)クレヨンポップの残りのメンバー、エリン、ソユル、あしゅら男爵です」
ユナ「うむ、これは丁度ええ。みんなにも訊きたいことがあった」
チョア/ウェイ「あしゅら男爵ってところをまず否定してよ」
ユナ「あっしら男子食う?」
チョア「まぁ食いますけど」
ウェイ「結構好きですけど」
ヒョンチャン「違う! 相手のペースに巻き込まれるな」
チョア/ウェイ「そ、そやった(危ない危ない)」
クンミ「『ダダダ』なんて知りませんでした。そもそも曲調が全く別やないですか」
エリン「『パパパ』が『ダダダ』に似てるゆうんやったら、APinkやAileeの『NoNoNo』も怪しいやないですか」
ユナ「うーん、そおゆうたらそうやね。そんなら、この件は不問にする」
チョア/ウェイ「当たり前や」
ユナ「それではいよいよ本題に入りましょうか」
ヒョンチャン「(がく)今までのは枕やったんかい」
JOO「まぁ単なる嫌がらせですね」
ヒョンチャン「勘弁してくださいよぉ」
ユナ「では、本題です。SME,YG,JYPなどの大手事務所が、最近音源買い占め問題を告発したのは知ってますやろ?」
ヒョンチャン「ソウル中央地検に”デジタル音源使用回数操作行為”に対する捜査を要請した件ですな」
ユナ「そう」
エリン「(ひそひそ)音源の買い占めって?」
クンミ「(ひそひそ)ブローカーに頼んで、不正に音源を何度も再生したり、ダウンロードすることで、チャートを操作することや。韓国の音源は超安いから、1〜3億ウォンもあれば、チャートでトップ10に入れるらしい」
チョア/ウェイ「じゃあ、ウチらがブローカーに委託して『パパパ』の順位を不当に上げたと?」
ユナ「その通り」
ヒョンチャン「んなアホな。うちは見ての通りの赤貧事務所、そんな金、やりたくてもありませんわ」
クレヨンポップ「そーだそーだ(ぶーぶー)」
JOO「シラを切るんじゃねえ。これまでTAKE7にも上がってこなかったイロモノグループ・クレヨンポップが、新曲の発売からなんと44日を経て、ランキング1位に輝くなんて通常じゃあり得へん」
ユナ「まさにこの音源買い占めを行ったとして、嫌疑をかけられても仕方ないでしょう」
ヒョンチャン「違います違います。我々の地道なSNS活動の成果ですよ!」
JOO「嘘ゆうな。自分らの貧相な体格が、Aileeのふっとい腰に勝てる訳がない!」
ユナ「f(x)の美貌軍団に勝てる訳がない!」
ソユル「カリスマ2NE1に勝てる訳がない(たー!)」
クンミ「お前までなんだよ」
ソユル「つ、つい勢いで(えへへ)」
ヒョンチャン「この際Aileeの腰とか関係ないでしょう?」
ユナ「それもアイドルの武器ですからね。失礼ながらおたくのタレントは、顔もスタイルも2流ですし、当然疑惑は湧きます」
エリン「ホンマに失礼やなぁ」
ヒョンチャン「なにか証拠でもあるんでっか?」
JOO「実はみなさんの通信記録を調べさせていただきました。まずエリンことキム・ミニョン、先週『パパパ』の音源を12回ダウンロードしてますね」
エリン「どきっ」
ヒョンチャン「エリン、自分…」
エリン「いや、少しでも売り上げ伸ばしたいから、自分のお小遣いで買うたんよ。歌手なら誰かてやることでしょ? 不正ちゃうって」
JOO「クンミことペク・ボラム、8回のダウンロードに加えて、CDを15枚通販で購入しています」
ユナ「個人で楽しむ量を完全に超えてますな」
クンミ「ちゃうて。親戚に配ろうと思うただけですよ」
JOO「チョアとウェイの双子は、併せてダウンロード38回、CD購入20枚と大変悪質です。一番問題なのは社長のファン・ヒョンチャンさん、あなたはダウンロード55回、CDに至っては200枚購入の記録が残ってます」
クンミ「しゃ、社長…」
ヒョンチャン「そ、それはレコード会社に在庫を引き取らされたから…」
ユナ「これらの操作によって『パパパ』のチャートが急上昇し、発売一ヶ月以上たって1位になったと考えられます」
ヒョンチャン「そんなアホな、それくらいの売り上げで」
エリン「K-Popなめてるんちゃうか?」
ユナ「黙らっしゃい!(ひっく) 証拠はあがってるんや。ソユルことパク・ヘギョンを除き、全員逮捕する!」
チョア/ウェイ「ソ、ソユルは買ってないんでっか?」
ソユル「ウチは、お小遣いでたいやき買いましたぁ(えへへ)」
エリン「パボ野郎! お前も売り上げに協力しろ!(ゲシゲシ)」
ユナ「逮捕ー!(ひっく)」
ナレーション:こうして今日もソウルの平和が守られた。ありがとう牝鹿刑事!

こんこん
JOO「あのー、ユナさんいらっしゃいますか?」
テヨン「おや、宿所に来るなんて珍しいな」
JOO「へえ。ちょっと昨夜のバイト代を受け取りに、えへへ」
ユナ「バイト代? なんのことや?」
JOO「(がーん)マジで酔っぱらってたんかい!」
ナレーション:忘れられがちだが、ユナは泥酔すると牝鹿刑事になり、その記憶は残らないのであった。






※せっかくパトさんからネタ振られたので書いてみました。

※「結局『フラガール』の制作会社潰れたやないの」…映画配給・制作会社シネカノンのこと。
 在日朝鮮人二世の李鳳宇(リ・ボンウ)によって1991年に設立された。『シュリ』や『JSA』を日本に紹介紹介したことで韓流ブームの生みの親とも言われている。が、リ・ボンウ自身はそれまで韓国が大嫌いだったと自らの著作で述べている。『月はどっちに出ている』を始め『パッチギ!』『フラガール』と自主制作映画にも手を伸ばし、大いに人気を博した。このうち『フラガール』は、本文にあるとおり大手映画会社以外では11年ぶりとなる(初ではない)日本アカデミー賞最優秀作品賞を受賞した。
 
 在日朝鮮・韓国人の監督やスタッフを用いたり、作品内容が在日問題をあつかった作品が多いのが特徴。しかし、シネカノン自体は経営の多角化やヒット作に恵まれなくなったこともあり、2010年1月、経営が破綻し東京地裁民事再生の手続を申請している。