関西ソニョシデ学園

過去に生きるK-Popのブログ

ソニョシデ学園 11

帰り道。
曲がり角でいきなり誰かとぶつかった。
「キャッ」
相手は悲鳴を上げて尻餅をついた。
僕は何ともなくて、向こうはずいぶん華奢な体つき。
「大丈夫?」
同じ学園の制服。学年章を見ると下級生だけど、見たことない顔だ。
手をさしのべると、
「すみません」
相手はそれをつかんで立ち上がった。朱い唇が印象的な少女だった。
「この街に越してきたのが嬉しくて、キョロキョロしてたらぶつかっちゃいました」
「転校生なの?」
「はい」
少女は、握手の代わりに、僕の顔をなでるように手を伸ばした。
「ヒョナって言います。よろしくお願いします」
ヒョナの手が僕の頬の辺りをくすぐる。ドキドキして来た。


    


「よ、よろしく…」
僕はヒョナの唇に視線を吸い寄せられたままつぶやいた。
ヒョナの舌が上唇をぺろりと舐める。まるで誘っているかのように…
「け、怪我がなくてよかった。それじゃ」
このまま年下の少女の虜になりそうな予感がして、僕は慌てて走り去った。
ヒョナに心を奪われてはいけない。僕には幼なじみのジェシカがいるじゃないか。


僕は逃げるようにジェシカの家に駆け込んだ。
「あーん、おねえちゃん、駄目よぉ」
ジェシカの妹のクリスタルが吐息を漏らしている。
僕の目に映ったのは、衝撃的な情景だった。

  
    


「あ、あの、なにして…?」
クリスタルとの甘い時を邪魔されて、ジェシカは明らかに不機嫌だった。
「ちっ。何の用?」
「いや、そ、その…」
「ふん、どうせ用なんかないんでしょ? あっちに行っててよ」
「そうだよ。とっとと自分ちに帰れよ、このむっつりスケベ」
クリスタルが追い打ちを掛ける。
「ああ、ヒョナ…」
ジェシカに邪険にされて、僕は思わず年下の少女の名をつぶやいていた…







※おまけ…ヒョナに弄ばれる中年歌手