関西ソニョシデ学園

過去に生きるK-Popのブログ

第237話 氷の血統

10年前
 ぴゅ〜
 クリスタル「(ぶるぶる)おねえ、寒い」
 ジェシカ「おねえのポッケに手を入れときな」
 クリスタル「そやけど、ポッケ破けてるやん」
 ジェシカ「ウチがぎゅって握っといたる」
 クリスタル「(ぐぅ〜)ああ饅頭、うまそうやなぁ」
 ジェシカ「見たらあかん。ようけ腹減るで」
 ガラッ
 饅頭屋のおばはん「(ひょい)あらあら、この寒空の下、こんな薄着で。自分ら姉妹? うちの軒先でなにしとるの?」
 ジェシカ「おかんがパートから帰って来るの、待ってるんです」
 饅頭屋のおばはん「ははぁ、近頃美国から引き上げて来た一家て、あんたらのことやね」
 饅頭屋のおじはん「美国から? はー、そら大事やな」
 饅頭屋のおばはん「なんでも大きな芸能事務所にスカウトされたらしいで」
 饅頭屋のおじはん「そうやろなぁ。姉妹揃ってベッピンやもん。将来は大スターになるで」
 饅頭屋のおばはん「ささ、寒いやろ。おかんが来るまで、中に入って温もったらええ」
 饅頭屋のおじはん「腹減ったか。暖かい饅頭もたんと食いぃな」
 クリスタル「ええの?(喜)」
 ジェシカ「お、おおきに(にっこり)」
 饅頭屋のおじはん「こらこら、こんなことくらいで笑うたらあかん」
 ジェシカ「え?」
 饅頭屋のおじはん「饅頭欲しさに笑うたように思われるやろ?」
 饅頭屋のおばはん「そやで。自分らはスターになるんやから、今からスターの気質を育てな」
 饅頭屋のおじはん「ええか、決して客に媚びたらあかんで。ワシら饅頭屋なんかやってるせいで、客にペコペコせにゃあかんのが悔しいてなぁ。
   そこいくとスターは客の方から媚びて来るええ商売や。笑顔を安売りしたらあかん。
   饅頭なんか貰うて当然や、ゆう顔して食いなはれ」
 饅頭屋のおばはん「笑いたかったら笑うてええけど、媚びるために笑うことないで。いつでも自分の気持ちに正直にな」
 ジェシカ「へえ。判った、これからはそうします」


クリスタル「そおゆうて、おねえとウチは饅頭屋はんにスターの心得をさんざん仕込まれたんや」
ルナ「なるほど。氷の血統は生まれつきやなく、植え付けられたものやったか」
クリスタル「そやから愛想笑いせんからゆうて、今さら高飛車やの性格が悪いやのゆわれても困るんですよ」
ビクトリア「ジェシカは最近よお笑うけどな」
クリスタル「そらあれだけ売れてチヤホヤされたらウチかてずっと笑うてます」
エムボ「媚びるんでのうて、自分のために笑うのはええ訳か」
クリスタル「おじはんとおばはんの教えではそうですわ」
ルナ「そんな変な教育をした饅頭屋はんて、一体誰やろ?」
クリスタル「饅頭屋はんのお兄さん一家が日本に引っ越して、その娘さんが女優になったそうです」
ビクトリア「ほえー、すると姪っ子もそんな感じで育てたんかいな」
クリスタル「そうやと思います。やたらツンケンした態度で話題になってましたから」
エムボ「なんて女優?」
クリスタル「確か、さわじ…」
ルナ「わーっ! それ以上喋るな!」
ビクトリア「えらい人育てたもんやなぁ(ぴゃー)」
ソルリ「ふん、そんな教育、ウチからすりゃまさに饅頭並の甘さやで」
ルナ「お、自分もずいぶん評判悪いけど、きっつい教育受けたんか?」
ソルリ「そおですわ」
ビクトリア「普通、きっつい教育を受けたら態度良くなるもんやないの?」
エムボ「この国に世界の常識は通用せんて」


7年前
 のっしのっし
 ティパニ「こりゃ、ジンリ! ジンリはどこ行った?」
 ソルリ「(はぁはぁ)こ、ここです」
 ティパニ「ん? なんじゃ、貴様。ふざけた格好で返事するんやない」
 ソルリ「そやけどテヨンねえが怒って”当分空気椅子してろ”って」
 ティパニ「なんで怒らせた?」
 ソルリ「それがウチにもさっぱり」
 ティパニ「まぁええ。ほんなら空気椅子のまま聞けや。ウチのGパンの穴を補修したのは自分か?」
 ソルリ「へえ。洗濯したとき穴を見つけたんで」
 ティパニ「馬鹿やろう!(げし)」
 ソルリ「あうっ!(ぐらぐら)」
 ティパニ「この手のGパンは穴が開いてるもんなんだよ! しかもチューリップのアップリケなんかで塞ぎやがって。ビンテージのGパンやのに」
 ソルリ「す、すんまへん」
 ティパニ「罰として、自分のパンツに穴開けたるからな。明日から穴あきパンツで学校行けや」
 ソルリ「そ、そんな。今クラスでスカートめくりが流行ってるんです。勘弁してください」
 ティパニ「む、SMの練習生がみんなスジョンみたいな貧乏人と思われるのもまずいな。ほたらウチのTバッグ貸してやるから、それ穿いて行け(笑)」
 ソルリ「ええ? そんなんでスカートめくりされたら恥ずかしくて学校行けなくなる…」
 ティパニ「口答えするんじゃねえ!(げしげし)」


エムボ「ぴゃー、問答無用のシバキやな。リアルシンデレラやん」
ルナ「高校生と小学生やからな。勝負にならへんやったろう」
ソルリ「(こっくり)もうひとりのねえさんはもっと容赦なかった…」


 のっしのっし
 テヨン「こりゃ、ジンリ! ジンリはどこ行った?」
 ソルリ「(はぁはぁ)こ、ここです」
 テヨン「なんじゃ、まだ空気椅子やっとたんか?」
 ソルリ「そやかて、やめてええゆわれてないから」
 テヨン「そりゃあ悪かった。よし、やめるのをやめてええで。うぴゃぴゃぴゃ」
 ソルリ「…」
 テヨン「まぁ空気椅子のまま聞けや。今な『上沼恵美子のおしゃべりクッキング』見てたら、チキンの赤ワインソテー土佐犬風ゆう料理がめっちゃ美味そうやってん。
   晩飯はそれにするから、自分、ちょっと買い物行って材料買うて来いや。これ、レシピな(ぴら)」
 ソルリ「(やった。やっと空気椅子から解放される)へ、へえ。すぐ行ってきます」
 テヨン「晩が楽しみやなぁ。…なにつっ立っとるねん?」
 ソルリ「あのー、お代を…」
 テヨン「あほんだら!(ズバコン!)」
 ソルリ「うひゃー(ごろごろ、がしゃーん)」
 テヨン「いま仕送り前やて知ってるやろ。金くらい自分でなんとかせえ!」
 ソルリ「うう…(よろよろ)そんな…」
 テヨン「ウチは先に稽古場に行ってるよって、よろしくな」


ソルリ「仕方なく、ウチはマッチという名の春を売って、肉を買ったんや」
エムボ「Oh! シンデレラからマッチ売りの少女に…(涙)」
ルナ「ホンマか?」
ソルリ「ところがその後…」


 どどどどど!
 ジェシカ「だ、だ、誰やーっ! ウチのバッグからスジョンの給食費を盗んだのはーーーーー!!」
 ヒョヨン「はぁ?」
 ジェシカ「貴様かー!(ばきっ)」
 ヒョヨン「ひでぶっ!」
 ソヒョン「問答無用やなぁ」
 ユリ「(うへー)あのふたり、将来は間違いのう仲悪くなるな」
 ジェシカ「給食費を返せ!」
 ヒョヨン「(ふらふら)ウ、ウチやないわ」
 ジェシカ「ほんなら誰や!」
 がちゃ
 ソルリ「(はぁはぁ)お、お肉買うて来ました。…ん? これはなんだか険悪な雰囲気…」
 テヨン「(ぬっ)自分、その肉代どおしたんや?」
 ソルリ「どおって、えらい苦労して小銭を集めて…」
 テヨン「小学生がそんな金持ってる訳あらへん。ポケットを見せてみい(ぐい)」
 ソルリ「あっ(よろよろ)おねえ、なにを…」
 テヨン「わー、ジンリのポケットからこんなモンが出てきたでえ!」
 ジェシカ「そ、それはスジョンの給食費袋! さては貴様が…」
 ソルリ「な、なんの話です?」
 テヨン「あれえ? 袋の中身は空っぽだぁ」
 ジェシカ「(うきーっ)ウチがスジョンのために、マッチという名の春を売って稼いだ銭を使い込みやがったな! コロス!!」
 ソルリ「ウ、ウチじゃありまへん。か、勘弁して。いやーーーー!」
 テヨン「(にやにや)」


ソルリ「それ以来、ウチは人間不信に陥ってもうて、お芝居でなきゃ笑えなくなったんや」
ビクトリア「まぁ可哀想に(うるうる)」
ソルリ「そやから今さら高飛車やの性格が悪いやのゆわれても…」
ぱちぱちぱち(拍手)
全員「ん?」
声「なかなかええ話しやった。よお出来とる」
ソルリ「そ、その声は?」
声「そやけど作り話なら宿所でやれや。稽古場で言うたら、ほら(ぬぅ)、こうやって本人が立ち聞きしてまうからな」
ソルリ「ひええええ、テ、テヨンねえ!」
ティパニ「自分の話聞いとったら、まるでウチらがいじめてるみたいやないの」
ソルリ「パニねえまで!」
テヨン「なにも褒めろとはゆわんけど、そこまで悪者に仕立てるのもどおかなぁ。給食費事件、実際はウチがかばってやったと思うけど?」
ソルリ「そおいえばそうやったような(汗)」
ティパニ「それに自分が熱出したとき、ガッコ休んでまで看病してやったのは誰やったけ?」
ソルリ「それ、それはおねえたち…」
ティパニ「そおゆうええ話しはいっこもせえへんのやね」
テヨン「今夜は長い夜になりそうやなぁ。久しぶりに空気椅子に座ってみるか(にや)」
ソルリ「ご、ごめんなさーい!(じょじょじょー)」
エムボ「オモ、ソルリの場合は生まれつき性格が悪いみたいやね」
クリスタル「どっちもどっちじゃね?」
ビクトリア「まぁ確かに」
ルナ「おねえらが犯人じゃないとすると、スジョンの給食費を盗んだのは誰なんやろう?」
ユナ「(すっ)今更そんなこと混ぜっ返して誰が得する?」
クリスタル「わぁ、びっくりした」
ユナ「時効や時効。触れぬが一番」 ←真犯人^^ 







※第235話でも触れているが、f(x)のクリスタルとソルリは態度が良くないというのがネット上ではもはや定説のようになってきている。
 美人だから多少やっかみが入ってるとも考えられるが、バラエティやトーク番組を観ていると、確かに愛想のいい方ではない。
 たまに笑顔が引きつってるし(笑)。
 クリスタルの場合は姉譲り、ソルリの場合は子供の頃からマスコミ慣れしているから、など考えられるが、人格教育に厳しいSMEだけに本当は性格もいいはずである。
 そう思いたい。…いやホントはどっちでもいいけど(笑)
 参考文献
 http://k-pops.com/sub/sub01_01_1.htm?iid=72461&page=1
 http://news.kstyle.com/article.ksn?articleNo=1937986
 http://girlsgenerationblog.seesaa.net/article/212269184.html