関西ソニョシデ学園

過去に生きるK-Popのブログ

第186話 東海の果ての東海で

ガラガラガラ
カン・ホドン「いらっしゃいませー。ようこそ東海(トンヘ)赤坂店へ!」
IU「(ずい)いらっしゃいませやあるかい、コラ」
ホドン「ア、アイユちゃん…なんでここに?」
IU「興信所使うて調べたんや。韓国で見かけん思うたら、こんな東海の果てに雲隠れしやがって」
ホドン「そ、そやかて、あっちはマスコミがうるさいから」
IU「隠遁する前にいろいろスジを通すことあるやろ!」
ホドン「うわー、なんか知らんけど機嫌悪そう」
IU「当たり前じゃ、ボケ!!」
客「…ざわざわ」
マネージャー「アイユちゃん、ここは入り口やから。話は奥の個室でしようや。ええですな、ホドンはん」
ホドン「はいはい、ただいま案内いたします」
IU「おう。マッコリでもチャミスルでもどんどん持って来いや」


がら
ホドン「お待たせ、これ当店自慢の韓国式刺身の盛り合わせ。ワシのおごりやからどんどん食べて」
IU「まずい!(ぷっぷっ)」
ホドン「わぁ、汚い!」
IU「日本で食う韓国料理はホンマまずいな」
ホドン「いやあ、ここはワシの友達がやっとる店や。味は保証付きやで」
IU「ほな、おっさんの顔見たからまずく感じたんやな」
マネージャー「(めっ)アイユちゃん」
ホドン「なんやら、さっきからえらい虫の居所が悪そうでんな。それに興信所まで使うてワシの居所を調べたとか?」
マネージャー「はぁ。実はアイユが”ホームプラス”のCMを切られたんです」
ホドン「ええ?」
IU「”ええ?”やあらへんがな(バンバンバン)。おっちゃんのせいで企業イメージが悪なったゆうて、出演陣総とっ替えすることになったんや」
ホドン「(ぴゃー)ホンマ?」
マネージャー「年間契約のなかなかに出演料の高いCMだったんですが」
IU「金の問題やない。今まで汚れないイメージで売ってきたウチのイメージまで悪うしやがって。面と向かってとことん文句ゆうたらな気がすまへんわ!」
ホドン「そ、それは申し訳なかった」
IU「いくら頭下げられたって許さへんからな。その変な髪型したドタマ殴らせろや!」
マネージャー「アイユちゃん、暴力はアカン」
IU「やかましい!」
バチコーン!
IU「キャイーーーン! いててて、指が折れた。どんだけ堅いドタマやねん」
マネージャー「当たり前やがな。ホドンさんは元天下壮士やぞ。自分の拳くらい蚊に刺されたほどでもないわ」
IU「ほんなら足や。キックでお仕置きしたる!」
マネージャー「やめえや」
IU「舐めんなよ。ウチは今までこの脚だけでのし上がってきたんじゃ」
ホドン「歌じゃなくて?」
IU「うるさーい!(キーック!)」
ゴキン、グギ
IU「うわーん、脚が折れたー!」
マンージャー「いわんこっちゃない(ホンマにパボやな、こいつ)」
IU「ぐすんぐすん…ソシねえさんたちはいつもものすごく簡単に相手をやっつけてるのに」
ホドン「あの子らはくぐってきた修羅場が違う。その戦闘力たるやスカウターが爆発するレベルや」
マネージャー「もはや地球人やありまへんな」
ホドン「とにかく、アイユちゃんには気の毒なことをした。この通りや(土下寝)。
  そやけど、ワシも引退とゆう一番重い罰を自分に与えたんや。勘弁してくれへんかな」
IU「いやや。そんなどっかで聞いた台詞、誠意が感じられへんねん」
声「無理ばかりゆうてはあきまへん!」
全員「…?」
がら
キム・アジュン「隣の部屋で食事をしていたら、ついこちらの会話が聞こえたモンですから」
マネージャー「キ、キム・アジュンさんや(ぴゃー)」
IU「アジュン姐さんも雲隠れしとったんか?」
アジュン「脱税と言っても、ホドンさんの場合は意図的にやった訳じゃなく、税理士のミスであることは国税庁も認めています。それに追徴金の額も当初マスコミが発表した額よりずっと少なかった。
  騒ぎを大きくしたのは国税庁の煮え切らない態度と一部のネチズンの口撃のせいです。なにもホドンさんが引退するほどのことはなかったのです。
  ある意味、ホドンさんも今回の事件の犠牲者。
  …アイユちゃん、それでもまだ彼を責めるのですか?」
IU「う…そ、そやけど、イメージを傷付けられたウチのこの怒りは…」
アジュン「とりあえずマネージャーでも殴っておきなさい」
マネージャー「え、なんで?」
IU「わかりました。姐さんがそうおっしゃるなら」
マネージャー「そやから、なんで?」
IU「うるさい。決定事項や(ぽかぽかぽか)」
マネージャー「あいたたた」
ホドン「ところで、アジュンさんの脱税疑惑はやはり税理士のミスのせいで?」
アジュン「う…そ、それはその、多分そうなんやと思いますぅ(おほほほほ)」
IU「ジー…」
アジュン「(まぁなんて目つきの悪いガキやろう)それなのに自ら引退する自由も奪われ、事務所は解雇。もお東海の果ての”東海”で酒に溺れるしか…(ハラハラ)」
ホドン「(ふわー、泣く姿がまたごっつキレイやなぁ)わかります、わかりますで。
  アジュンさんもどうぞこちらへ。みんなで飲んで忘れましょう。この店の酒、全部出させますわ!」
IU「まぁなんか知らんけど、ただ酒飲めるならええか」
マネージャー「自分、高校生ゆう自覚もてよ」


アジュン「♪マリア〜アヴェ・マリア〜 あの白い雲の果てまで飛んで
  マリア〜アヴェ・マリア〜 国税庁からトンズラよ〜
全員「わははは、ええどええど」
どんちゃんどんちゃん
がらがら
パク・ギュリ「まぁ楽しそうですね。ウチも仲間に入れてくれまへんか?」
IU「ギュ、ギュリねえさん」
ギュリ「なんや、自分も来とったんかい」
ホドン「どおしてここに?」
アジュン「ははぁ『美女はつらいで』の件やな。ウチに演技を教えてくれゆうんなら考えんでもないで」
ギュリ「それはもお、姐さんはハンナ役の大先輩でいらっしゃいますから、是非お願いします。
  そやけど、ここに来るまで姐さんがおられるなんて知りまへんでしたから、本当の目的はそれとはちゃうんですよ。
  実はホドン先生にお願いがあって参りました」
ホドン「せ、先生なんて…え、お願い?」
ギュリ「へえ。先生は韓国一の名司会者。どうか引退なんてパボなことは撤回して欲しいんです」
ホドン「そやかてもお決めたモン。スポンサーやら局やら、ものすごう頭下げて回ったし、今更”復帰します”なんていえんがな」
ギュリ「もちろんその辺りの事情は承知してます。そやけど番組の司会でないなら問題ないでしょう?」
ホドン「…とゆうと?」
ギュリ「ウチらKARAの専属MCになっていただきたいんです」
全員「ええー?」
ギュリ「ウチらは今後どんどん活動の場を日本へシフトしていくつもりです。いずれ帰化する予定で、ニコルなんか”ニコル麻莉子”ゆう日本名まで考えているんですよ」
IU「”森はあたたかーい”」 ←C.W.ニコルの真似
アジュン「似てねー(うひゃひゃひゃ)」
ギュリ「(ち、うるせえなぁ)そこで先生の出番です。
  鶴田浩二しかり、北島三郎しかり、日本の大物歌手にはみな専属MCがおるんです。
  各曲の前奏に語られる叙情あふれるあおり文句、お客様の気分を心地よく盛り上げて、絶妙のタイミングで歌手に受け渡すその技はすでに芸術。
  また歌手のその日の体調や気分に合わせて微妙なアドリブをかましつつやる気にさせる…ああ、これぞまさにマスター・オブ・セレモニー。
  難易度の高い職業ですが、ホドン先生ならきっとお出来になります。そして私たちKARAと新宿コマ劇場を満員にしようじゃありませんか!」
アジュン「コマ劇場て」
ホドン「せっかくやがそうゆう話なら”東京司会者くらぶ”にでも持って行ってや」
ギュリ「先生…」
ホドン「ワシ、そんな幇間司会やるために芸能界に入った訳やないし。
  それにこの機会に、相撲の世界でワシの後継者を育ててみたいゆう夢もあるんや。
  そう、それこそ大鵬柏戸、いや双葉山播磨灘クラスの大横綱を育てるんや!」
ギュリ「そ、そんな先生…」
IU「わかりました、ほなその役、ウチが引き受けましょう(すく)」
ギュリ「はぁ?」
IU「ウチかて司会業やってますからね。ちょっとしたモンですよ」
♪ドンドコドンドコ
IU「それではみなさん待ちかね。品のないケツ振りダンスでおなじみの5人組がいよいよ登場です。
  新曲『ジャンピン』は渋谷でカツアゲされている中学生を見て閃いたとか。
  ぴょんぴょん跳ねれば小銭がチャラチャラ。”持ってるじゃねえか、嘘つくな、サッサと出せよバカ野郎。”
  もともと血筋が悪いのか、それとも育ちが悪いのか。5人揃って中坊見れば、ヤカラの魂燃え上がる。
  ジャンピン、ジャンピン、ジャンピン…今日も小銭巻き上げいい気分。NHK裏はいいエサ場。
  それでは歌っていただきましょう。KARAのみなさんで”JAMPING”です。どうぞー!」
ホドン/アジュン「ぱちぱちぱち」
ギュリ「♪Jumping Jumping Jumping Now…て、バカ!」
IU「『STEP』ヴァージョンもありますけど」
ギュリ「いらんわ! なんじゃそのネガティブなあおりは」
IU「KARAねえさんの本当の姿を知ってるウチからすれば、これでも充分好意的なんやけど」
ギュリ「ふざけんな!」
ばーん!
女性漫画家「あー、やっぱり。KARAのパク・ギュリや!」
ギュリ「なんやなんや。自分、誰?」
女性漫画家「失礼な奴、自分が主演するミュージカルの原作者も知らんのか!」
ギュリ「はぁ?」
女性漫画家「ウチに無断でミュージカルなんか作りやがって。この盗人め(ぽかぽか)」
ギュリ「いててて、やめてえな、おばはん」
女性漫画家「おばはんとはなんや。先生とゆわんかい(ぽこぽこ)」
アジュン「あー、ホンマや、原作者の人や。映画の日本公開の時に逢うたことがあるで」
女性漫画家「ん? あんたは映画版のカンナさんやないか。あんたまでおったとは奇遇やね」
アジュン「そ、そうですね」
女性漫画家「ウチの編集さんが、KARAのギュリに似た女がこの店に入っていったゆうから、ひとこと文句ゆおう思うて駆けつけたんや。
  まさか新旧カンナさんが集結しとるとはな。
  こら、パク・ギュリ、今度のミュージカル絶対潰してやる。とことん裁判で争うたるわ」
ギュリ「ひーっ」
女性漫画家「アジュンさんからもゆうてやって」
アジュン「あ、はいぃ(あははは)」
IU「面倒やな、シバいて東京湾に捨てたろか」
女性漫画家「上等やないか。やれるもんならやってみやがれ」
ホドン「まぁまぁ。みなさん落ち着いて」
女性漫画家「うるさーい!」
どったんばったん


アナウンサー「…です。暴行罪、公務執行妨害、器物破損罪などで逮捕されたのは日本人少女漫画家Sさんの他、現在カムバック活動中のKARAのリーダー、パク・ギュリさん。
  脱税疑惑で引退を表明していたカン・ホドンさん。別の脱税容疑で調査中だった女優のキム・アジュンさんです。
  他に飲酒の疑いで未成年の女性歌手Lさんが補導されています。
  国際的なトラブルに発展しかねない事態に、大統領は”国家の恥だ。戻ってきたら全員死刑”と強硬姿勢を見せています」
スジン「ホンマ恥ずかしい事件やなぁ。それに、この未成年歌手てアイユちゃんやないの?」
スヨン「うーん、どうでもええわ。それよりカール買うて来て(ぶふーっ)」
スジン「…」







※実は第177話から話題にしてるのだが、『強心臓』などでおなじみの韓国相撲出身の司会者カン・ホドンに脱税容疑があり、人気者だけに大スキャンダルとなった。
 彼は即座に公式謝罪し、追徴金を払うとしたのだが、ネチズンなどからの口撃が大きく、10月9日(2011年)に引退を表明した。
 人気番組を数多く持つ彼の引退は、日本における島田紳助の引退と同じように、業界を揺さぶっている。
     謝罪するカン・ホドン


 またカン・ホドンに続いて女優のキム・アジュンにも脱税疑惑がおき、国税庁は6億ウォンの追徴金を課している。
 所属事務所は「最近キム・アジュンと決別した」とマスコミの取材を拒否。これは事実上彼女の解雇を意味していると思われる。
 キム・アジュンは2006年最大のヒットとなった映画『カンナさん、大成功です』に主演し、彗星のごとくスターとなった美人女優である。
     キム・アジュン


※東海…港区赤坂にある韓国式刺身と韓国料理の店。カン・ホドンがイメージキャラクターとなっている。
  http://www.tokai-sashimi.com/akasaka/
 

※ホームプラス…サムソンデスクが展開するホームセンターのブランド。
 2011年にカン・ホドンとIUが出演し、CM展開をしていた。
     CFとメイキング
    IUとカン・ホドンとイ・スンギ
    アスペクトがおかしいのが残念。


※『カンナさん、大成功です』…元々は『講談社Kiss』に連載されていた鈴木由美子の漫画。
 上記の通り2006年に映画化され韓国で大ヒットとなった。それを受けて日本でも山田優主演で映画化されている。
 韓国版の『カンナさん』は原作とは大きく変わり、肥満にコンプレックスを持つ女性が全身整形で美女に生まれ変わるという設定以外ほとんど共通点がない。
 主人公の名前も韓国風にハンナさんに変えられているし、タイトルも『美女はつらいよ』(韓国語)、『200ポンド・ビューティ』(英語)となっている。
 にも関わらず制作サイドは原作を漫画『カンナさん、大成功です』とし、原作料も支払っている。
 その映画版を原作とする形で『美女はつらいよ』の舞台ミュージカルが制作されることとなり、KARAのギュリや超新星のソンジェが出演することとなった。
 2011年10月8日から『美女はつらいの』のタイトルで大阪松竹座で上演されている。
 これに対し、日本の原作者側は「映画には許可を与えたがミュージカルに関しては没交渉である」と原作の無断使用であるとし、上演差し止めを求める仮処分を東京地裁に申し立てた。
    
 どうでもいいけどKARAは韓国でカムバックしたばかりなのに、リーダーが日本でミュージカルやってていいのだろうか?


※ニコル麻莉子…日本画家。C.W.ニコルの奥さん。


※東京司会者くらぶ…詳しくは右のアドレスまで http://www1.cts.ne.jp/~yuyu/TSC/