関西ソニョシデ学園

過去に生きるK-Popのブログ

第154話 猛毒カンファレンス

※この回は最後の数行を除いてすべて英語で会話されていますが、皆様の理解のためこの世界の標準語に翻訳しています


スマン「…ちゅう訳で、AKBのフォーマットを買うて”AKJ48(狎鴎亭48)”をデビューさせることは考えとる」
有名プロデューサー「その場合お宅の持つ練習生ゆう膨大なリソースを利用して、ちゅうことでっか?」
スマン「いやー、AKBのクォリティでええならそれは勿体ない。一般からオープンに募集して、合格即デビューでもええかなと」
有名P「(頷き)そこもAKB方式の方が理にかなうとるね」
スマン「これが当たれば今までのような練習生に対する膨大な投資を省いて利益を追求できる訳や。売れへんかっても切り捨て易いし」
有名P「K-Popもいよいよ大量消費時代に入ってきたな」
スマン「一方で(ごほん)従来型のスキルをとことん追求したアイドルも、リスクヘッジの意味でなくす訳に行かんし、なにより他を圧倒するクォリティがK-Popの生命線とも言える。
  SHINEeeに続く男の子アイドルグループはそっちの正当路線で考えとる。
  Yongjun BaeがプロデュースしたグループがKey Eastから来年デビューするゆう噂やし、そこにぶつけようかなっと(笑)」
有名作曲家「Songwritingゆう視点から、今後の展開をどう考えてはります?」
スマン「それこそ産地は関係なくなるやろな。今度のGirls' Generationのアルバムでは、韓国人の作家はE-tribeだけやったけど、それは会議の段階からまったく問題にならへんかった。
  もはや作曲家が世界の何処におっても関係ないし、国籍も関係ない」
有名作曲家「”Made in”やなく”Made by”やと?」
スマン「そうやけど、byに続くのが個人名やったら進歩がない。SMプロデュースの保証された品質ゆうイメージが重要なんや。つまり”Made by SME”でなきゃあかん」
司会「第2期ホンダF1みたいですな。”Powered by HONDA”ね」
スマン「まぁ今のウチにとって、SJとSNSDは、あの頃のセナプロみたいなもんかもな(笑)」
司会「89年のスズカみたいにならんとええですな」
スマン「なるか、アホ!」
司会「(笑)ほなここでみなさんお待ちかねのスペシャルゲスト、Girls' GenerationのTiffanyはんをご紹介しましょう!」
全員「わーわー(拍手)」
ティパニ「(てけてけ)どもども。Girls' GenerationのTiffanyゆいますう。よろしゅうに(ぺこりん)」
    
司会「Tiffanyはんには主に、Girls' Generationがどうやってあの素晴らしいパフォーマンスを達成し、維持しているかについて伺います」
ティパニ「えーと、ウチらが3〜5年の練習期間を経て選抜されたことはご存じやと思いますけど、その時代に大概のパフォーマンスを実現できる下地は作られます」
有名P「大概のパフォーマンスとゆうと?」
ティパニ「表向きはボーカル、コーラス、ダンスを単独または複合的に行うことです。ウチら女子の場合はそれを高いヒールを履いた上でこなすとゆう条件も加わります」
有名P「小学生の頃からヒールで訓練していると聞いたことが…」
ティパニ「Seohyunなどはそうですね。ウチは中学を出てから契約したので」
司会「それらの訓練は厳しいんでっか?」
ティパニ「厳しいですね。まず学校に行く暇がありまへんし、毎日が競争です。毎年50〜60人くらいの練習生が入ってきて、そのほとんどが脱落してゆきます」
司会「そのサバイバルに勝ち残った者だけがデビューできると」
ティパニ「ウチらの頃はそうでした。一番期待されていたStella Kimが落とされたときは、さすがに練習生全員目の色が変わりましたし、死ぬほど練習しましたね」
有名P「Rino Nakasoneに聞いたけど、Girls' Generationの子たちは異常にダンスを覚えるのが早いらしいね」
ティパニ「早く覚えないとグループ全体に迷惑を掛けます。その先に9人全員の角度やタイミングを合わせるゆうもっと大事な作業がある訳ですから」
有名P「なるほどねぇ」
ティパニ「全員が揃わなくとも2〜3人単位でできるパート練習の方法も開発しています。毎日必ず2〜3時間は練習しています」
有名作曲家「それはストレッチなどの基礎トレーニングも含めて?」
ティパニ「皆忙しいので、普段は含めた時間になりますね。そやけどコンサートや新曲発表の前には数日間の集中トレーニングを行います。
  もう何年も一緒のメンバーなので効率はめっちゃええと思います」
有名作曲家「今回のような遠征中もトレーニングを?」
ティパニ「例えば日本での活動のように長期にわたる場合は、スタッフの方々が宿所の近くにトレーニングルームを手配して下はります。
  今回のパリの場合は各自の部屋や楽屋でセットアップして、リハーサル前に裏で合わせるしかないですね」
有名P「それであのパフォーマンス?」
スマン「普段の蓄積やね。これがSM品質ちゅうことや(えっへん)」
有名P「あのー、さっき表向きゆわはったけど、表沙汰に出来ない訓練とかもある訳?」
ティパニ「へえ、むしろそっちの方が重要ですわ」
有名P「例えばどんな?」
キム・ヨンミン「(ひそひそ)そんなことまで喋らせてええんでっか?」
スマン「ええんちゃう? ここにおるのはみなビジネスパートナーやし」
ティパニ「演技練習の延長線上にあるのが懐柔術ですね。ちょっとした身振りや視線の作り方、脚や胸の見せ方などでスポンサーのお偉いさんを懐柔する技術です。
  さらに一歩進めて実際に肉体を接触させる接待術ゆうのもあります。ウチとYuri、Yoonaが得意としています」
有名作曲家「ええ? 全員得意なんちゃうの?(にやにや)」
ティパニ「あとは暗殺術とか格闘術。以前は週一でヒクソン・グレーシーや甲賀の里の忍者に習うてました」
有名P「えらい怪しいなぁ。そんな技術、どんなときに使うの?」
ティパニ「こっそりAfterschoolのUieねえさんの靴に画鋲入れとくとか、Karaとすれ違いざまにJiyoungの衣装に鼻クソつけるとか、そんなことですね」
有名P「(がく)意外にちっちゃいね」
ティパニ「そやけど本番前に確実に向こうのテンション下がりますさかい、結構有効ですで」
有名作曲家「ほかには?」
ティパニ「気付かれないように陰口をゆう技術がありますね。最近ではKrystalが番組のお偉いさんにこの技を使って、IUを引きずり下ろすことに成功しています」
スマン「わかっとると思うが、こういった房中術の流れを汲む技術は、男アイドルが使うより彼女らが使うた方が有効な場合が多い」
有名作曲家「そらそうやろなぁ」
ティパニ「他には、毒草や毒キノコの見分け方、ロープ1本でどんなところにも登れる技術、世界中の火器に関する知識、潜水術、調理師免許、書道、茶道、香道、日本舞踊、電卓早打ち、足つぼマッサージ、韓国式アカスリ術などを叩き込まれます」
有名P「なにを目ざしとるんやろう?」
ティパニ「技術の習得以外にも、アイドルらしいルックスを獲得するため、徹底して磨かれます。JessicaやTaeyeonの歯の矯正は当然のことながら、Hyoyeonにいたっては元があんまり酷かったから完全に作り替えてます」
有名P「整形ってこと?」
ティパニ「整形ゆうか、造形ゆうか。元の顔は髪で隠して、後頭部に新しく顔を作ったんです」
有名P「ええーっ? ほなワシらが普段見とるのは…?」
ティパニ「Hyoyeonの後ろ頭です!(きっぱり)」
有名P「そ、それはすごいな(汗)」
有名作曲家「よ、妖怪ふたくち女や」
スマン「Hyoyeonが前後ろ反対に踊れるようになるのに、それこそ血の滲むような努力を積み重ねて来たんや」
有名P「うーむ、恐るべし、SME」
ヨンミン「Loen EntertainmentのIUとかJYPのJooとかは顔が尻だという噂もありますよ」
有名P「マジで?」
ティパニ「ああ、それは今年の正月にウチも目撃しました。IU's Face is Ass!」(第117話参照)
有名作曲家「ピャー!」
スマン「ま、そこまで徹底してやるのが韓流や。上っ面を真似ただけでは到達出来ない深さがあるんや」
有名P「そうかぁ。いやー、今夜は貴重な話が聞けてよかった。いずれK-Popが世界の主流になるゆう確信が持てました」
有名作曲家「ホンマやな。これは今の内に是非ともいっちょ噛みしておかんと時代に取り残されるわ」
スマン「はっはっは。今後ともよろしゅう頼んますよ」
司会「SMEとヨーロッパ音楽界の未来に拍手を!」
パチパチパチ
ティパニ「(ひそひそ)ちょっと、今日のこの話し合いはみんなには絶対オフレコにしといてや」
クッキーマン「(ひそひそ)言えるか! 調子に乗ってあることないこと言いやがって」
ティパニ「ウケたからええやないの。スマンのおっちゃんかて乗っかってきたし」
クッキーマン「それにしてもふざけ過ぎや。アイユの顔がケツのわけないやろ」
ティパニ「あ、それはホンマやから」
クッキーマン「ええ加減にしなさい!」
ティパニ「ちぇ…(ホンマなのになぁ)」







※パリでSMTOWN LIVEが行われた2011年6月10〜11日は、欧州に正式にK−Popが足跡を標したという点で歴史に残る日になった。
 しかし、わずかな時間も無駄にしないイ・スマン理事はこの機会を利用して、欧州で提携している音楽関係者を集めて会合を持った。
 『2011年SMTOWNイン・パリ、作曲家および音楽配給者会議(2011 SMTOWN in Paris Writers & Publishers Conference)』がそれで、
 11日13時(現地時間)よりパリのマリオット・リブ・ゴーシュ・ホテルで行われている。
 普段アメリカに住んでいるスマン理事にとって、欧州は今まで手をつけていなかった最大の市場であり、それが向こうから寄ってきた感じなので
 この機会を逃したくないようだ。
 カンファレンスは、SMEのプロパガンダも兼ねた真面目な勉強会であり、出席者全員で、SM歌手と音楽がアジア、南米、ヨーロッパなどの地で
 多数のファンを獲得することができた理由を、時間をかけて分析するなどしている。
 スマン理事本人もIT(情報技術)に対するCT(文化技術)を切り口として、SME特有の戦略を多岐にわたって説明している。
    
 このカンファレンスには、ユニバーサル・ミュージック・パブリッシング・スェーデン代表のペレ・リデルをはじめ、少女時代の『Genie』を作曲した「Design Music」作曲家グループ、
 f(x)の『ピノキオ』の作曲者アレックス・カントロールなど、SMのヒット曲に協力した作曲家も参加。
 SM側からはスマン理事、キム・ヨンミン社長の他、少女時代のティファニーが参加して、流暢な英語でアジアポップアーティストとして感じるグローバルな環境変化と印象、
 SMでのトレーニング過程などを紹介し、出席者の関心を引いた。
 ジェシカでなくティファニーなのは、英語実力や外交的性格を考えてのことだろうが、アメリカ人でありSMの最高傑作と呼ばれる彼女を自慢したかったのではないかと思われる。