関西ソニョシデ学園

過去に生きるK-Popのブログ

第139話 私は歌手だ

テヨン「フン、出る訳ないやん、そんな番組」
スマン「は? あの『私は歌手や』やぞ。喜んで出る思うたけどな」
クッキーマン「そうやで。『私は歌手や』ゆうたら『日夜』の視聴率を押し上げた功労番組や。
  KBSの『ハッピーサンデー』を何年ぶりかで視聴率首位の座から引きずり降ろすんやないかと、世間が大注目しとるんやで」
テヨン「判っとるわい。そんなたいそうな番組から、一体どうゆう経緯でオファーが来たんや?」
クッキーマン「それが、あんまり好評なんで、『私は歌手や:アイドル版』も作ろうゆうことになったらしい。
  ちょうど”歌の上手いアイドル歌手は?”ゆうアンケートが幾つかあったところやし、タイムリーやと思うたんやろな」
スマン「どっかの国と違うて、韓国の歌手はアイドルでもちゃんと歌えます、ゆうのを内外にアピールしたいゆう政治的意図もある。
  主だった芸能社に、自信があるなら出まへんか、ゆう挑発的なオファーをして来よったんや。
  むかつくけど、天下のSMが逃げる訳にはいかん」
テヨン「アンケートねえ、ウチは2位止まりやったな(嘲笑)。しかもヒョリンと同点なんて、あきれちゃうわ。
  他にも1位がアイユだったりする奴があったし…アンケートなんか全く信用でけへん」
クッキーマン「そやから同じ板の上で奴らを負かしたったらええねん。自分ならそれが出来る」
ヒョヨン「そやで。『私はダンサーや』ゆう番組あったら、ウチ喜んで出るけどな」
ユリ「ウチもウチも(ぴょーんぴょーん)」 ← ヘリウッド
ソニ「ウチは『私は愛嬌や』があったら出る」
ティパニ「そんなキショい番組誰が観るんや」
ソニ「キショくないもん。可愛いモン(うにゅ〜ん)」
ティパニ「それがキショいんじゃ。ホンマの愛嬌はこうゆうんや(ニパッ!)」
ジェシカ「出た、久しぶりのアイスマイル」
スヨン「当時の純粋さの欠片もないな」
ティパニ「やかましい!」
スマン「とにかく自分なら間違いなく高成績を獲れる。SMの代表として出れや」
クッキーマン「ローエンはIUを、JYPはスジを出すらしい」
ティパニ「スジて(苦笑)」
クッキーマン「あとキューブからはウンジな」
スヨン「ほっほっほ、笑止千万」
ユナ「なぁなぁ、ウンジてひと文字伏せ字にして”ウン●”にするとばっちい感じがするな」
ヒョヨン「子供か、オノレは!」
ソニ「とにかく敵らしい敵はおらん。チャンスやで」
クッキーマン「いや、シージェスからはJ○Jのキムくんが出るらしい」
ソヒョン「あの、息づかいでメロディを表現すると言われた…?」
ヒョヨン「もと東宝の?」
ソニ「映画俳優か!」
スマン「先のアンケートでもキムくんが1位やったし、雪辱のチャンスやぞ」
テヨン「気乗りせんなぁ。だいたい実力派で名の知れとるプロ歌手に優劣をつけるなんて無茶な企画や。
  審査基準も曖昧やし、ウチに付く芸人マネージャーのせいで脱落したら誰が責任取ってくれるねん」
クッキーマン「そこは好感度の高い芸人をつけるよう圧力かけるがな。チョン・ヒョンドンとか」
テヨン「(ぞぉ)それだけは勘弁してえや。…それに審査団の”1000の耳”かて、ゆうほど立派な耳持ってると思えんしなぁ」
ソヒョン「確かに連中の票は、キム・ジェドンとかの発言に左右されてる感じはするな」
テヨン「そうやろ? キム・ジェドンはウチのこと大嫌いやから、ハナから不利やで」
スヨン「ほな、ウチが出よか? ジェドンにいさん、ウチのこと好きやからな(笑)」
ソニ「いくら審査基準が曖昧やからゆうて、自分が勝ち残るようでは番組として成立せんわ。
  『S.E.O.U.L』でひとりだけボーカル外されたこと、忘れたんか?」
スヨン「ピーピー」
ジェシカ「まぁ確かに本家番組でもジョンヨプが最下位で脱落したくらいやからなぁ。そらキム・ゴンモやペク・チヨンかてチビって降りるわな」
テヨン「そやろう。だからイヤやねん。
  アイドルいち歌が上手くて可愛い少女時代のテヨンちゃんがトップになるのは当然、て世間は思うとるんや。やのにアホな審査のせいで万が一低評価やったら、ウチの歌手生命に関わる。
  そんな番組、出たところでいっこもメリットない訳よ」
スマン「う〜ん(プライドばっかり高くて、困ったモンや)」
ティパニ「そうゆうところが自分の小心なところやねん。負けるのが嫌なばかりに勝てる喧嘩しか出来へんようになったんやな」
クッキーマン「お?」
ティパニ「自分がBoAねえさんを目標としていたように、ウン●を始め若い歌手たちは、今おんどれを目標に生きとるんや。
  多分、奴らは力試しのつもりで全力でぶつかって来るやろう。それが視聴者に感動を生むんのは間違いない」
テヨン「ほらな、奴らの感動ドラマの片棒を担がされるんや。やだやだ」
ティパニ「それでええやないか。自分は横綱、どーんと胸を貸してやれや。
  そして奴らがまだまだ敵わない、巨大な壁として立ち塞がってやれや。それもまた感動の世界や」
テヨン「そやかて審査員が…」
ティパニ「大丈夫やて。本気出した自分の歌に心奪われん人間は東野幸治くらいなもんや。
  万が一脱落しても、視聴者には真実が伝わるはずや。後輩に身をもって歌の素晴らしさを教えた先輩として記憶に残らんはずがない」
テヨン「…」
スマン「パニの言う通りや。
  自分かてデビューしたての頃、小心な気持ちを一時脇に置いて、夢中で歌ったり踊ったりトークしたりしとったやないか。
  頂点に登り詰めた今でも、その頃の気持ちを忘れたらアカン。後輩はみんなそんな気持ちで生きてるし、そんな奴が一番怖いんやぞ。
  守りに入って見失ったモノを、この番組に出て再確認して来いや」
テヨン「パニ、おっちゃん…判ったわ。ほなウチ、出るわ」
クッキーマン「ほっ」
テヨン「腹くくったらなんだかやる気が出て来たわ。初心に還って、いっそ『帰去来辞』でも歌おうかね。
  ♪うぉ〜うぉ〜、うぉ〜うぉ〜うぉ〜…」
ジェシカ「いつまで引っ張るねん!」


局長「はぁ、『私は歌手や:アイドル版』? なんやそれは?」 
部長「えーと、ですから好評の『私は歌手や』をアイドル歌手でやってみようかと」
局長「そんなんタイトル聞けばすぐ判るがな。なんでアイドル歌手やねんゆうとるんや?」
部長「えーと、今はアイドル全盛期で、歌番組ゆうたらアイドルばっかりな時代ですよって…」
局長「その通りや。そやから『私は歌手や』が高視聴率なんやろ?
  どの番組でも短いスカートはいて甲高い声で歌うガキばっか出とるから、ホンマにええ歌手のええ歌をじっくり聴かせる『私は歌手や』が大人の視聴者にウケとるんやないか。
  そんな渋い場にまたアイドル投入してどうしようゆうねん? もっかい番組コンセプトを勉強し直せ!」 ← 戦中生まれ
部長「ひえーっ。ほんならこの企画は?」
局長「ボツや、ボツ! アイドルなんてガキ相手にパンツ見せて踊っとればええんや。二度とワシの前でアイドルの話するなよ!」







※『私は歌手だ』…2011年3月6日から始まったMBCのバラエティ『日曜〜日曜の夜に』の中のコーナー番組。
    
 毎回7名の歌手が登場し、歌を披露。500人の一般聴衆審査員によって審査され、最下位の歌手は脱落。代わって翌週から別の歌手が登場する。
 ありがちなシステムのようだが、登場する歌手が総て圧倒的な歌唱力を持つ実力派というのが斬新。
 初回のラインラップはキム・ゴンモ、キム・ボムス、パク・ジョンヒョン、ペク・ジヨン、ユン・ドヒョン、イ・ソラ、ジョンヨプと言うなかなかの豪華版。
 最近ではキム・ヨヌ、BMK、イム・ジェボムなどが加わっている。MBC、本気である。
 出演者は毎回テーマを与えられており、それに沿って選曲、一週間程度の短い練習期間を経て番組で成果を披露、2週間後に審査発表、最下位が脱落…という基本的な流れ。
 各歌手にはマネージャーと称してお笑い芸人が付き、面白おかしくリポートや紹介、解説など担当する。
 選曲やアレンジ、当日の出来などが評価の対象となる。
 脱落が1名なので、サバイバル歌謡ショーと言う見方も出来る。そのためどの歌手もお遊びではなく、本気モードの歌唱を披露してくれる。
 アイドル全盛期へのアンチテーゼのようなこの番組は大きな話題を呼び、賛否両論ありプロデューサーの交代劇ありで毎日紙面を賑わせた結果、
 裏番組で何年も視聴率トップに君臨してきたKBS『ハッピーサンデー』に追いすがる視聴率を獲得している。
 いずれ逆転するのではないかと言う意見もあるほどだ。
 実力派歌手の気合いの入ったパフォーマンスは流石と言うべきモノで、番組で歌った過去の歌が、突然ランキングチャートの上位に浮上するなど社会現象化している。
 こういう、音楽番組としてきちんと聴き所のあるモノと言うのは今までほとんどなかったようで、(勝ち負け云々は国民性としても)それに挑戦したMBCは評価されてよい。
 今後後追い企画などが出て来そうな勢いである。
 いずれにせよ、K−Popがますます加熱することは間違いない。


※ウンジ…チョン・ウンジ。7人組少女グループ”A Pink”のメインボーカル。ちょっと太め。
    
    写真の選択に深い意味はありません。


※「キム・ジェドンはウチのこと大嫌いやから」…2008年3月15日KBSのクイズバラエティ『スターゴールデンベル』に出演したスヨンとテヨン。
 スヨンがキム・ジェドンのことを「目が小さいとこが素敵」と持ち上げるとすかさずテヨンが「小さすぎやろ」と突っ込んだ。
 喜んだあと落とされたキム・ジェドンは「少女時代で一番好きなメンバーはスヨン。そして今はテヨンが大嫌いになった」と笑いを誘った。
    


※小心…テヨンが自分の性格を「小心でおとなしい」と表現したことで、気が弱く引っ込み思案な性格と理解されている方が多いようだが、私に言わせると彼女は全然そんな性格ではない。
 小心と気が弱いのは別である。
 デビュー当時は、リーダーの重責を担って人一倍前に出て発言していたし、ウケると思ったら何でもやっていた。そのくそ度胸や肝の据わり方は大したもんであった。
 お化けも怖くないし、そう簡単に動揺するタイプでもない。
 『恐怖映画製作所』の第1話が、テヨンをはめてビビらせようとするドッキリ企画だったのも、とにかく彼女が怖がらないからだ。
 『ファクトリーガール』の中でも、蛇を掴む役を振られて「判ったわ、それが私の役どころだもんね」と全く躊躇なくその役を引き受けていた。
 結局はサニーが掴んだのだが、それだってテヨンが嫌がったからではない。
 一方プライドが非常に高いことは『MTV少女時代』や『私たち結婚しました』のインタビュー中で認めている。
 そのプライドのために、自分の内面の弱い部分を人に見られるのを恐れているようだ。
 「リーダーとしてメンバーの相談にはよく乗る。が、私からメンバーに個人的な相談をすることはない。私は相談される側の人間であって、相談する側ではない」と言い切っている。
 この辺が、スヨンの「テヨンは秘密が多い、自分のことを語らない」発言につながっているのだと思う。
 また本質的に負けず嫌いなため『私たち結婚しました』でヒョンドンと付き合うかどうかの結論に「△」をつけたりしている。
 これについてテヨンも「自分の小心な部分が出た」と語っているが、あえて勝負に行かないところはあると思う。
 また上のSGBでジェドンに「嫌い」と言われて微妙な表情になる(自分で振っといて)など、細かく観察すると自分の評判に敏感な様子が受け取れる。 
 つまりテヨンが言う「小心」とは、精神的に自分が傷つくのを回避しようという弱さや狡さを持っていると言うことであり、気が弱い性格と言うことではない。
 関ソニョのテヨンもそうした理解の上で性格付けをしている。