関西ソニョシデ学園

過去に生きるK-Popのブログ

第110話 十三人の美脚

ユリ「はぁ、疲れた」
ヒョヨン「まだリハーサル終わったばっかやで」
ユリ「そやけど、毎度毎度『ミュージック・バンク』の収録は気ぃ使うもん」
ビクトリア「ホンマやなぁ。相変らずセットぐらぐらで踊るのが怖いわ」
ユナ「音楽番組で一番予算あるくせになぁ」
ルナ「エムボが筋痛めたんもKBSのせいですわ」
ユナ「パニねえもやで」
ヒョヨン「それは言い過ぎやけど、確かにスタッフの仕事ぶりは雑やな」
ジェシカ「今日かてウチらとf(x)、同じ楽屋にぶち込みくさって」
スヨン「(う〜むむ、みんな日本の番組作りの水準知ってしもうたからなぁ)」
ソヒョン「雑ゆうか、あきらかに敵意があるで」
ソニ「ココマの一件以来、特にウチらには当たりがキツイ気はする」
テヨン「(ぷん)ウチは間違ったことはしとらんで」
ユリ「聞いたか、聞いたか? あの女PD、今度局長に昇進するらしいで」
テヨン「マジか? あの女にこれ以上権力与えたら、この国の歌謡界は駄目になるど」
ユナ「ウチらの得票も操作されるかもしれん」
ユリ「そりゃいかん。事務所を通じて手をまわさんと」
ソニ「それはどうやろ? 局とは今までもさんざん対立してきたけど、アーティストの得になったことはなかったし。
  それに、どんな局でも今のSMを無視できへんのやから、逆にことを荒立てる気が事務所にはない思う」
ソルリ「泣き寝入りしろってことですか?」
クリスタル「いっつも損をするのは現場やもんなぁ」
ジェシカ「こうなったら直訴するか?」
ソルリ「直訴も何もKBSのお偉いさんがバカPDの昇進を決めた訳でしょう? そんな上層部になにゆうても無駄ですわ」
ビクトリア「ジンリのゆうとおりや。ここは実力でPDを潰すしかないで」
テヨン「実力で?」
ビクトリア「大体自分ら韓国人は何百年もの間ぬるい王朝が続いて、お役所体質に慣れすぎとるんや。
  天下を獲るには大将の首をバッサリ切り落とすのが確実で早道。単純なことや」
ユリ「さすが戦ばっかりしとった大陸人。野蛮や」
テヨン「いや、ビクねえのゆう通りや。
  ぬるい王朝の時代にも、本当にアカン奴は燕山君のように謀反におうとる。今がまさにその時や。
  その話、ウチはいっちょ噛まさして貰いますで」
ビクトリア「(ニヤリ)自分ならそうゆうと思てたで。で、どおする?」
テヨン「女PDが局舎入るところを襲撃し首を刎ねる(キッパリ)」
ジェシカ「首を刎ねるぅ!?」
テヨン「しーっ、…声がでかい」
ビクトリア「さすが宇宙最高小鬼リーダー。そのくらいせにゃKBSのお役所体質は変わらんやろう」
ソニ「こ、こわい奴らや」
ソルリ「おっとねえさん、今さら抜けるなんて考えんことでっせ。テヨンねえ、ウチも喜んで仲間に入れさせて貰いますわ」
ソヒョン「殺すんやったら、ウチがええ毒草分けたげるのに」
ルナ「世界一のスナイパー紹介しまっせ」
テヨン「誰が殺ったか判らんのじゃ意味がない。ウチらトップアイドルが堂々と襲撃し、堂々と勝ち名乗りを上げる必要があるんや」
ビクトリア「そのためにウチらは芸能界から抹殺されるかもしれんけど…」
ソニ「殺人犯なんやからシャバから抹殺されるわ」
ソルリ「後に続く後輩たちのために、正しい芸能界を作るんです。そのためならこの命、惜しくはありまっしぇん」
ビクトリア「決まりやな。ルナ、得物を持てい!」
ルナ「へへーい!(ささ)」
ビクトリア「(ズバー)これなるは、かの曹操が張邈一族の首を刎ねたと言われる青竜刀。これであのバカPDを一刀両断」
テヨン「それよりこの剣の方がええでしょう。
  (スラ)これはかの高句麗中興の祖・広開土王タムドクのおとんが、我が子を王位に付けるために自らの胸を刺した剣ですわ」
ソニ「それがホンマやったら博物館行きやぞ」
ソルリ「これなんかどうです? あの沖田総司の愛刀”菊一文字”。これでもってバカPDの喉を三段突きの餌食に…」
ソヒョン「全然役不足やな。これやこれ、使徒も恐れる黒い剣士ガッツが使ってた”ドラゴン殺し”。大体200キロくらいあるで」
ユナ「誰が振れるねん、そんなクソ重い鉄板」
ジェシカ「剣ゆうたらやっぱこれやないの? アーサー王にしか使えんとゆう聖剣エクスカリバー!(ギラリ)」
ヒョヨン「どこで売っとったんや?」
ジェシカ「昨日鐘路の骨董品屋で偶然手に入れてな」
クリスタル「嘘つけ」
ビクトリア「まぁ、これだけの得物にその首を狙われたら、何人護衛がおろうがあの女に未来はない。
  待っとれよ、バカPD。 ウチら13人の美脚が明日とゆう日を自分の命日にしてやるからな、がっはっは!」
ソルリ「ん…13人?」
ルナ「そうか、パニねえが療養中やからな」」
ジェシカ「アホか。療養中でもパニはウチらの仲間や。頭数には入れとる」
ビクトリア「エムボかてそうや」
ルナ「すると、一体誰が仲間外れに?」
ビクトリア「自分や」
ルナ「え?」
ビクトリア「女子プロレスラーならまだしも、そのぶっとい脚は美脚の範疇に入らんやろう。よって員数外や」
テヨン「どうしても仲間になりたかったら、事件のきっかけとして、KBS社長の家の前で割腹してこい」
ルナ「ひえー、殺生な」
こんこん、がちゃ
AD「みなさん、そろそろ本番の収録です。スタンバイお願いします」
全員「はーい!」
ぞろぞろ
スヨン「あー、だいぶスッキリしたなぁ」
ソルリ「想像だけやのうてホンマにクビ刎ねたらよろしいのに」
ソニ「アホか、ウチら犯罪者ちゃうぞ」
クリスタル「KBSの奴ら、どうせ楽屋カメラで監視しとるはずやから、これはちょっとした仕返しやねん」
ジェシカ「これであのバカPD見ても笑てられるわ、しっしっし」
ビクトリア「(笑)なぁ、明日は誰を粛清しようか?」
テヨン「そうですなぁ、MBCにもSBSにも生意気な奴はおるからなぁ(うきうき)」
ルナ「…結局ウチだけが傷ついた訳やね(しくしく)」
ユリ「泣くなや。自分も『四十七人の美脚』やるときは仲間に入れてやるから」
ルナ「時代劇知らん人にはさっぱりな回ですな」







※『十三人の刺客』…1964年公開の時代劇映画。東映工藤栄一監督、主役は片岡千恵蔵
 将軍の弟であるバカ殿が老中に抜擢されることを知った旗本・島田新左衛門は
 そんなことになったら世の中の一大事と、13人からなる暗殺部隊を組織し、
 参勤交代で帰国途上のバカ殿一行を待ち伏せし襲撃する。
 13人対53人の殺陣シーンは未だ映画史に残る名場面とされている。
 2010年に役所広司主演でリメイクされ(三池崇史監督)、これも傑作と話題になった。
     リメイク版の予告


※『四十七人の刺客』…『十三人の刺客』がジャンル立てした集団抗争時代劇で、赤穂浪士の討ち入りを題材とした時代劇。
 1994年東宝市川崑監督、高倉健主演。
 市川崑の作品としては凡作だが、高倉健演じる大石内蔵助が真面目な顔して部下の妻(宮沢りえ)にちゃっかり手を付けて
 妊娠させちゃうあたりのコミカルさはさすがだった(笑)。