関西ソニョシデ学園

過去に生きるK-Popのブログ

第64話 ドロップアウト同窓会

ティパニ「にゃはは。おっちゃん、剣菱の特級もう一本や」
ユリ「あと味噌おでんも適当に盛って来てや」
ひげ八オヤジ「へい、剣菱に味噌おでんね。かしこまりぃ!」
バサササ(屋台のビニールシートをめくる音)
JOO「おー、さぶぅ。美少年の二級酒をチンチンにして2合徳利で。超特急な!」
ティパニ「わ!」
ユリ「ジ、ジュやんか?」
JOO「あ、ねえさんらやおまへんか。奇遇ですなぁ。横ええですか?」
ティパニ「ええけど。なんかそんな奇遇ゆう気もせえへん」
ユリ「さっきアイユを説教しとるの目撃したばかしやからな」
JOO「(着席)あー、あれ見てはったんですか。恥ずかしいわぁ。あと豚バラ2本とオクラ納豆ね」
ティパニ「着ぐるみのバイトとかして、結構苦しいみたいやないの。こんなとこで飲んでて大丈夫なんか?」
JOO「えへへ、今日はそのマシマロのバイト代が入ったんで。
  あと、今夜のアイユのステージ、良かったですやろ。それでちょっと乾杯しとうなって」
ユリ「なんであいつのステージがええと自分が乾杯するねん?」
ひげ八オヤジ「お待ち! 剣菱におでん、二級酒熱燗に豚バラ、オクラ納豆ね(ずらー)。キャベツもオマケしといたで」
JOO「いつもおおきに。(ズ〜)かぁぁっ、やっぱ冬は熱燗ですねぇ。さ、ねえさん方もアイユに乾杯や!」
ティパニ「なんや知らんけど、ほんならかんぱーい(チン)」
JOO「ウィハヨ! (キュ〜)アイユがもっとみんなに愛されますように」
ユリ「そのアイユ押しはなんやねん、さっきから」
JOO「あの子はウチの希望ですねん。グループ全盛期にひとりで気を吐いて、清純ゆうイメージも手に入れて。
  いつかはバラードで1位をとって欲しい…ウチが夢見て叶わなかったことを、あの子に実現して欲しいんです」
ティパニ「(完全に負け犬の発想やな)わかった、もっと飲み。今夜はユリねえさんがおごったるから」
ユリ「ウチかい!」
JOO「ほんまでっか? ほなお酒のおかわりと、そこの大王イカもあぶってや」
ユリ「遠慮なしかい!」
ガサササ
声「お、遅くなりました!」
ひげ八オヤジ「挨拶はええから早よ中に入って手伝うて。めちゃ忙しゅうなって来たさかい」
声「はい!」
ティパニ「ちょ、ちょっとあの娘…?」
ユリ「うん。確かソニに泣かされとった…」
チユル「は〜い、熱燗おかわりで…はっ!」
ユリ「あんた、こんなとこでバイトしとったんか」
チユル「わ、わたしはもうなにも…。こ、今度はどんな言いがかりを…?」
ティパニ「なんもないがな。被害妄想や。ウチらソニとちゃうで」
ユリ「そやで。むしろ気の毒に思うとるくらいや」
チユル「す、すみません。あれ以来どうも少女時代の人が怖くて」
ティパニ「そやろなぁ」
チユル「あの、他にご注文は?」
ユリ「なら『冷麺』でも…」
チユル「ひいいいいい!」
ピュ〜ン
JOO「ひゃー、漢江の向こうまで逃げて行きましたね」
ユリ「さすがに効果テキメンやね」
ティパニ「当り前や、たちわるいで。可哀相に」
パサバササ
カンイン「おっちゃん、ひさしぶり〜…どわっ、パニユリ!」
ユリ「おや、ひき逃げ犯やない?」
カンイン「人聞きの悪いことゆうな。あれは自分らが…」
ティパニ「おにいがウチらをお持ち帰りしようとして無理矢理クルマに乗せたから必死で逃げて来たんやで。なぁ?」
ユリ「その通りや。ウチらの貞操、かなりのピンチやったなぁ」
カンイン「なっ…!」
ユリ「なんなら裁判所で証言してもええで」
カンイン「く…(ぷるぷる)。まぁええ、すんだことや。お互い蒸し返すのはなしにしよう。おっちゃん、八海山の大吟醸…いや、あかんあかん、大関やった」
ティパニ「へー、高給取りなんやから、もっとええもん頼めばええのに」
カンイン「なにゆうとる。ワシは今、他のメンバーの頑張りで食っとるようなもんや。みんなに感謝しつつ、贅沢は控えると決めたんじゃ」
ユリ「ふ〜ん(完全に負け犬の発想やな)」
ベサササ
チユル「ハァハァ…、す、すみません。取り乱してしまいました」
ひげ八オヤジ「頼むでホンマ。この酒出してや」
チユル「はい。…えーと、大関のコップ酒はこちらですか?」
カンイン「お、すまんな」
ユリ「えっ、スマンやて?」
チユル「いやぁああああ!」
ドヒュ〜ン
ユリ「わはははは、こらおもろいわ」
カンイン「可哀相やろ。こんなとこで飲んどらんと、帰って歌の練習でもせえや、もうすぐコンサートやろ」
ユリ「ええねん。所詮ウチらは賑やかし。テヨンとユナがおったら、それで少女時代は成立するんやから」
ティパニ「そ、そ。うちらたまにクネクネ踊ったり、ニパッて笑えば客は満足するんや」
カンイン「そおかぁ?(完全に負け犬の発想やな)」
JOO「あのー、越乃寒梅ゆう酒飲んでみてもええですか?」
ティパニ「ええよ、ユリのおごりやし」
ユリ「しゃあないなあ。カンインにいさんがええゆうてるし、頼んだら」
カンイン「え? どうゆうこと?」
JOO「すいませ〜ん。越乃寒梅瓶ごとください! あとマッコウクジラの丸ごとサラダも」
ティパニ「うひょお豪快やね。いっそ気持ちがええわ」
カンイン「かんにんしてや(泣)」
ユリ「そやけど、こうゆうメンツで飲んどったら、あの人らも来そうやね」
ティパニ「あの人らて?」
ユリ「ほら、事務所訴えて出て行った…」
ティパニ「ああ。そやな、落ちこぼれ飲み会にはふさわしいかもな」
バサササ
ティパニ「お、誰か来た!」
ユンホ「おひさしぶりい」
チャンミン「おっちゃん生きてたか〜!」
ユリ「(ガク)そっちかよ!」