関西ソニョシデ学園

過去に生きるK-Popのブログ

第18話 ティファニーの”ちょっとピンぼけ”

スヨン「パニヤー、あんたに宅急便やでー!」
ティパニ「(ドタドタドタ)わぉ、来た来た来たー!」
スヨン「ウチが取りついださかいな、食いモンなら半分もらうで」
ジェシカ「チャイムが鳴る度ドアに突進していくのはそれが目的やったんかい?」
スヨン「その大きさ、重さ。絶対羊羹や思うたんやけど」
ティパニ「どアホ。(ガササ)じゃーん! ヤフオクで買った、憧れのコンタックスⅡ! かっこえーわー」
ソニ「なんや古くさいカメラやな」
ヒョヨン「そう言うたら、自分写真撮るの好きやったな」
テヨン「ならウチを撮り。世界一可愛いウサギさんやで」
ソヒョン「テヨンねえ、撮られるん好きやモンな」
ティパニ「自分で自分を撮っとったらええがな。ナルなあんたにはケータイでセルカがお似合いや」
テヨン「お、えらい噛みつくやんけ」
ティパニ「えーか、このカメラはやな、フリードマン師匠が死んだときに手にしていた奴と同型やねん。浮ついたアイドルなんか撮ったらバチが当たるわ」
ユリ「自分かて、その浮ついたアイドルやん。自己否定か」
ユナ「ほんならナニ撮るん、パニねえ?」
ティパニ「社会の真実や。ドキュメンタリーや。生々しい戦争の記録や」
ジェシカ「この辺じゃ戦争はいっときやってないで」
ティパニ「そやけど統一戦争は終わってへん。DMZは未だ緊張状態や。ウチはアメリカ籍やから、民間人統制線の中にも入れること忘れたか。
  さっそく今度の休みにでも行って、兵士の素顔をフィルムに写し取ってくるわ。
  見とってや師匠、ウチは近いうちにライフの表紙を飾りまっせー!」
ソニ「撃ち殺されんよう、気ぃつけや」


ユリ「(ドタドタ)テヨンねえテヨンねえ、これ見てえな!」
テヨン「なんや、写真週刊誌やないか。なになに、『少女時代の甘過ぎるパンツ管理』? なんや、こら?」
ヒョヨン「…ウチらのパンチラ写真がこんなに。しかもプライベートの時ばっかりやな」
ソヒョン「シカねえ、あくびしながらケツかいてる(笑)」
ジェシカ「やかまし。自分かてパンツ丸出しで鏡見ながらニキビつぶしとるやないか」
ユナ「こんなん身内じゃないと撮れへんで」
スヨン「それにしてもヘタな写真やな。全部ピンぼけやし。よー採用されたな」
ソニ「キャプションがついとるで。えーと、『そのときミヨン記者の手は震えていた…』」
全員「あー…。なるほどな」
がちゃ
ティパニ「ただいまー。わ、なんや、みんな怖い顔して」
ジェシカ「今みんなでライフ誌見てたとこや(バサッ)」
ティパニ「そ、それは…」
ソニ「ものすごい戦争の真実が写ってたわ」
ヒョヨン「そやけどこの宿所での戦争はこれから始まるところやねん。8対1の戦いやけどな」
テヨン「この部屋がテベク山脈と化すんやでぇ、ひゃっひゃっひゃ」
ティパニ「あ、あれ…なんでバレたんやろ?」
ジェシカ「バレへん思う方がおかしいわ。自分の頭が一番ピンぼけじゃ−!」
ティパニ「ひえー!」






ロバート・キャパに捧ぐ


※『ちょっとピンぼけ』…

  

 伝説の戦場カメラマン、ロバート・キャパが書いた随筆。
 第二次世界大戦時、アメリカ軍に傭われてノルマンディ上陸作戦の写真を撮影したいきさつなどが書いてある。
 活き活きとした文章で非常に面白い。
 タイトルの由来はノルマンディ上陸作戦の写真がちょっとピンぼけだったことから。
 ”そのときキャパの手は震えていた”という有名な煽り文句がついているが、
 実際には現像を失敗したためらしい。


※ちなみにアニメ『究極超人あ〜る』のエンディングにも「ロバート・キャパに捧ぐ」と記されている。
     


フリードマン師匠…アンドレフリードマンハンガリー人であるロバート・キャパの本名。


ティファニーがKBSのクイズ・バラエティ『スター・ゴールデン・ベル』に出演した際、「写真撮影が趣味だ」と言っていたので
 彼女を今回の主人公にしたのだが、その後他のメンバーにも写真趣味の人間がいることが判った。
 特に2010年3月23日に放送されたSBSのトークバラエティ『強心臓』で、
 ジェシカが実際にメンバーの着替えを盗撮していることがバラされたときは、さすがに唖然とした。
 関西ソニョシデは意外に事実に近いのかも知れない。


※テベク山脈…太白山脈朝鮮半島東部を南北に走る山脈で、彼の地のアルプスのようなもの。
 朝鮮戦争を題材にしたチョ・ジョンネ著の同名の小説は全10巻を数える大長編である。  
     映画『太白山脈』予告
    それを原作とした映画『太白山脈』は巨匠イム・グォンテク監督による大作。主演は国民俳優アン・ソンギ。
    あの名作『風の丘を越えて』も、この映画の待機中に撮られたと言うほど、多大な時間、多くの困難を経て映像化された。
    それでも原作ストーリーの2/3程度で終わっている。
    この予告編は、オープンセットに主な登場人物、エキストラを集め、1カットの長回しで作品世界を俯瞰するという野心的なもの。
    通常の予告編の対極にある重厚な作り方で、これだけでひとつの作品と呼んで良い。